映画「少年メリケンサック」は、宮崎あおい主演、宮藤官九郎監督の2009年の日本映画です。
この映画「少年メリケンサック」のネタバレ、あらすじやラスト最後の結末、見どころを紹介します。
おじさんパンクバンドの珍道中を描いたハイテンションコメディ「少年メリケンサック」をお楽しみください。
「少年メリケンサック」キャスト・スタッフ
■ スタッフ
監督: 宮藤官九郎
脚本: 宮藤官九郎
制作: 岡田真 他
製作総指揮: 黒澤満
音楽: 向井秀徳
撮影: 田中一成■ 主要キャスト
栗田かんな: 宮崎あおい
作並秋夫: 佐藤浩市
作並春夫: 木村祐一
清水(ジミー): 田口トモロヲ
岡本(ヤング): 三宅弘城
スガマサル: 勝地涼
時田英世: ユースケ・サンタマリア
金子欣二: ピエール瀧
TELYA: 田辺誠一
かんなの父: 哀川翔
「少年メリケンサック」あらすじ
レコード会社に勤める崖っぷちOL・かんな(宮崎あおい)は、動画サイトでパンクバンド“少年メリケンサック”を発見。
そして契約することに。
しかし、その動画は25年前のものでした。
現在、メンバーはもうオヤジになっています。
それでも動画は話題となり、かんなはオリジナルメンバーを率いてツアーを行うことになるのですが・・・
「少年メリケンサック」ネタバレ
メイプルレコードに勤務する栗田かんな(宮崎あおい)は、会社の契約終了日にある動画サイトで面白いバンドを見つけたと、そのライブ映像を社長の時田英世(ユースケ・サンタマリア)に見せますが、しかめっ面の時田。
メイプルレコードは沖縄系やなごみ系、ギターポップなどのジャンルを扱うレコード会社でしたが、かんなが見つけたのは少年メリケンサックというパンクバンドでした。
やっぱりダメだったかと会社を去ろうとした時、時田が実は昔パンクバンドを組んでいたことが分かります。
バンド解散後、それぞれ違う職業に就いたメンバーでしたが、今の会社のトップ歌手TELYA(田辺誠一)はそのバンドのボーカルでした。
会社の利益80%を稼いでいるのはTELYAです。
パンクから足を洗った時田でしたが、かんなが探してきたパンクバンドに衝撃を受けます。
探してきた当人のかんなはパンクが何なのかも分からない様子…。
時田は、かんなに契約延長する代わりに少年メリケンサックをスカウトしてアルバムを作れと指示するのです。
かんなは彼氏のマサル(勝地涼)に会社を辞めずに済んだことを報告します。
マサルに「そのバンド嫌いなの?」と聞かれたかんなは「あんなバンド嫌い。でも何か引っかかる」と答えるのです。
そんなかんなの答えに「羨ましい」と答え、かんなをイメージして作ったという曲を聴かせるマサル。
かんなはその曲を時田に聴かせますが、聴いていられなくなった時田は窓からCDを捨ててしまいます。
全く眼中にない様子。
それよりも、少年メリケンサックにアポを取れとかんなに詰め寄ります。
「これが成功したらお前はディレクターだ!」と言われ浮かれたかんなは早速ホームページで見つけた連絡先に電話をしてみることに。
アキオ(佐藤浩市)に会いに来たかんなでしたが、ライブ映像で見たイケメンはどこにもおらず、アキオだと名乗る作並秋夫は映像よりもかなり老けていて…。
詳しく話を聞いてみると、1983年生まれのメンバーではなく、1983年に解散したバンドだったのです。
この話は無かったことにしようとしたかんなでしたが、時田から「契約したら即全国ツアーだって伝えろ」と電話があります。
少年メリケンサックの動画をアップしたら問い合わせが殺到していると言うのです。
訳を話そうとするかんなでしたが、時田から「契約できなかったらお前も即クビだから」と言われ、やけくそで秋夫と再結成の契約を取り付けます。
秋夫からの条件は、オリジナルメンバーでの再結成、そして弟の春夫(木村祐一)がベースで自分はギターを弾くという事でした。
かんなは春夫を訪ねバンドに戻ってもらえるように説得します。
しかし、兄・秋夫の話をした途端怒り出し「おやじは死んだと兄貴に伝えろ」と言って牛の糞を投げつけられ追い帰されてしまうのです。
会社を辞めようと決心するかんなでしたが、マサルに諭されもう少し頑張ってみようと考えます。
春夫の事を伝え、新しいメンバーを集めようと秋夫に話しますが、秋夫はオリジナルメンバーに拘りかんなの提案を受け入れません。
急に調子に乗った秋夫に、かんなは、「みんなが見たいのは25年前のあなた達なんです」と伝えると、「25年前よりいいライブをすりゃいいんだろ。嘘がバレる瞬間に俺らが最高のライブをすればその嘘は嘘じゃなくなる、奇跡だ」という秋夫。
かんなはその言葉に感動してしまいます。
秋夫の呼びかけでバンド内で一番若くドラムを担当するヤング(三宅弘城)、解散ライブで秋夫と春夫に殴られ車いす生活になってしまったボーカルのジミー(田口トモロヲ)が揃い練習がはじまります。
しかし、3人で始めた練習は文化祭にも出られないレベルの酷い演奏で頭を抱えたかんなでしたが、そこへ春夫が現れ…。
秋夫と春夫は一触即発な雰囲気ですが、ギターを秋夫から春夫に変更して演奏を始めると車いすからジミーが立ち上がります。
どうにかなりそうな演奏にかんなはやる気を取り戻すのでした。
メンバーが揃った事で全国ツアーを開始しますが、秋夫が移動にグリーン車かハイヤーをと言っていた条件は、リハーサルにお金を使い過ぎてしまったため達成されず、かんなの実家である回転寿司屋のバンを使っての移動です。
ツアー初日、ライブ会場に着いたメンバー達でしたが、中年男性ばかりなのでライブスタッフに間違われてしまいます。
会場の外ではライブグッズが売り切れ、観客たちの盛り上がりは最高潮に。
時田社長も様子を見に来ますが、どうにかバレずに本番を迎えようとかんなは必死に嘘を付き通し…。
少年メリケンサックの登場を今か今かと待ちわびていた観客は秋夫たち中年男性が舞台に現れ茫然とします。
ブーイングの嵐の中、「奇跡見せてやっからよ」という秋夫の言葉を合図に始まった演奏はとても聴けたものではありませんでした。
時田は怒り心頭で、ツアーはキャンセル料が発生するから続けるが、ツアーが終わったらメンバーもかんなも解雇だと言われてしまうのです。
時田に向かって秋夫は「今の若い奴らがつまらないから25年前の俺らのライブが注目されたんだろ」と食いつきますが、「昔話はどうでもいいから、ちゃんと金取れるライブやってから言えよ。今日の演奏で一曲でも客が喜ぶ演奏が出来たか?」と言われ何も言えなくなってしまいます。
車の中でおならをしたしないで揉めたり、食堂でチャーハンと焼き飯が同じだと騒ぎ立てたり、すったもんだを繰り返しながら次の公演場所である大阪を目指すかんな達。
大阪公演は時田の判断で違うバンドと対バンをすることに。
対バン相手のメンバーは、少年メリケンサックを伝説のバンドだと崇拝していましたが、今の演奏を聞いて「年寄りの冷麦」だと悪口を言い、それを聞いていた春夫は彼らのステージに乗り込み、「年寄りの冷や水だ」と言って乱闘を始め警察沙汰になってしまいます。
かんなはマサルの曲を聴き癒されていましたが、秋夫に「才能無いから音楽なんて辞めて牛丼屋の店長にでもなっちまえ」と伝えろと言われ、更に「女に食わしてもらってるなんてヒモだろ?あまよくばコネでCD出そうってのが見え見えだ」と痛い所を突かれてしまうのです。
秋夫たちとのツアー旅に限界を感じたかんなは、トイレ休憩で寄ったコンビニから逃亡し、マサルが弾き語りをする大阪の店に向かいます。
マサルの歌で癒されるかと思っていたかんなでしたが、途中で席を立ってメンバーの元に戻るのでした。
一方、かんなが居なくなった車内はライブハウスへ中々たどり着けず大騒ぎ…。
車を乗り捨て、どうにか会場にたどり着いたメンバーはそこそこの演奏を披露し会場を盛り上げます。
その姿を見たかんなは「やれば出来んじゃん」といって観客と一緒に盛り上がるのでした。
25年前のメリケンサックは、マネージャーの金子(ピエール瀧)が鼻を触ると乱闘をする合図で、客は曲よりも彼らの乱闘を楽しみにやって来ていたのです。
最初はヤラセでやっていたはずの喧嘩でしたが、取材でも悪口を言い合ううちに、秋夫と春夫はどんどん仲が悪くなってしまったのでした。
次のツアーを仙台に控えたある日、マサルの浮気が発覚します。
バイト先の女子高生を家に連れ込んでいたのです。
マサルのギターをぶっ壊して家を飛び出たかんなは、メンバーに冷やかされながら仙台へ移動します。
仙台は、少年メリケンサックにとって因縁の場所でした。
解散する原因になった場所だったのです。
「少年メリケンサック」ラスト最後の結末
当時、少年メリケンサックだけでは食えなかった為、ロケットビートというバンドと掛け持ちをしていた春夫はメジャーから声がかかり…。
それが気に入らなかった秋夫は、当時の恋人を利用して春夫を嵌めたのです。
薬を所持していると疑われた春夫は逮捕され、デビューの話は流れてしまいました。
その後春夫が復帰して開催されたのがネットで配信されていた仙台の解散ライブだったのです。
話題になると思って金子がアップしていたのでした。
実家を訪ねた秋夫は、春夫に死んだと言われた父親が生きていて驚きます。
寝たきりではありましたが、秋夫に中指を立てるほどしっかりしていました。
そして春夫は、25年前と同じライブハウスの前であの時の秋夫の彼女に声を掛けられ、秋夫とその女性の間に子供がいて、自分に甥っ子がいたことを初めて知ります。
仙台でのライブが始まり、観客も大盛り上がりの中かんなには朗報が。
TELYAと少年メリケンサックの抱き合わせの企画が進行中だと時田に言われます。
喜んだのもつかの間、ライブでは秋夫と春夫の喧嘩が始まり、秋夫は左腕、春夫は右腕を骨折してしまいます。
かんなに散々怒られる秋夫と春夫でしたが、TV出演が決まっていたという言葉に食いつくメンバー達。
かんなは別れたマサルの元に向かいバリカンでマサルをモヒカンにして少年メリケンサックのベース担当で参加させます。
骨折した秋夫と春夫は、二人羽織で一つのギターを演奏し、念願のTV出演を果たすのです。
しかし、また問題勃発…。
ジミーの滑舌が良くなり、歌っている歌詞が分かるようになったのですが、その歌詞が問題だったのです。
「ニューヨークマラソン」と聞こえていた歌詞は「農薬飲ませろ」という過激な内容で、TVで放送してしまった事が騒ぎになります。
焦る時田とかんなでしたが、金子だけは笑って彼らの演奏を見ていたのです。
パンクなんて大嫌い!と思ったかんなでしたが、世間は時田やかんなの予想とは違った反応を見せました。
会社を辞め、実家の回転寿司屋を手伝いながら少年メリケンサックのディレクターを務めるかんなの元に時田から連絡が来ます。
少年メリケンサックの動画が20万アクセスを突破したと。
少年メリケンサックは相変わらず暴力的なライブを披露していて、秋夫と春夫の喧嘩も相変わらずです。
その日のライブも秋夫と春夫が喧嘩をして振り上げたギターがジミーに直撃し、ジミーがまた脳震盪で倒れてしまうのでした。
完。
「少年メリケンサック」見どころ
クドカンワールド炸裂のぶっ飛んだストーリーは笑いが満載です!
宮藤官九郎監督の独特の世界観は、クスっと笑えるシーンが沢山あるのですが、細かすぎて見逃してしまう事も(笑)
是非細部までじっくりと鑑賞して、クドカンワールドを堪能して下さい!
そして、俳優陣もかなり豪華!
ちょい悪オヤジの佐藤浩市さん、めちゃくちゃカッコいい!
主演の宮崎あおいさんも勝ち気でコミカルな役柄が新鮮でとっても可愛いのです!
それと、ジミー演じる田口トモロヲさんの演技が本当に面白くて、画面の端に居ても、ついつい目で追ってしまうくらい存在感があります!
メインキャスト以外も豪華で、回想シーンのジミーを銀杏BOYZの峯田和伸さんが演じ、少年メリケンサックと対バンをしたバンドのボーカルを星野源さんが演じたりと、音楽ファンには堪らないキャスティングとなっています!
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