映画「ハナミズキ」は、新垣結衣主演、土井裕泰監督の2010年の映画です。
この映画「ハナミズキ」のネタバレ、あらすじや最後ラストの結末、見どころについて紹介します。
北海道、東京、ニューヨーク、そしてカナダを舞台に10年に及ぶ愛を描いた「ハナミズキ」をご堪能ください。
「ハナミズキ」あらすじ
薄紅色の花が咲いた背の高い木を見上げる少女(松本春姫)。
2005年のカナダ、バスに乗り窓の外を眺める平沢紗枝(新垣結衣)。
ニューヨークから来たという彼女は、大人になったあの木を見上げていた少女です。
写真を持った彼女ずっと行きたかったという灯台に向かています。
1996年。
道東の浜辺で話す少年たち、昆布を干すその中のひとりが一目ぼれしたと言います。
ひとめぼれしたという電車の中で出会った彼女は進学校の生徒で、仲間たちは話が合うわけないと取り合いません。
そんなひとめぼれの少年をからかっていたひとり、木内康平(生田斗真)。
盛り上がったところで康平は用事を思い出して慌てて出かけます。
同じ頃、紗枝も慌てて学校に向かっていました。
紗枝は5歳の頃に父親、平沢圭一(ARATA)を亡くし、母親の平沢良子( 薬師丸ひろ子)とふたりで北海道に暮らす高校3年生です。
この日は志望校、早稲田大学の推薦選抜という大切な日でした。
電車の中で必死に勉強する紗枝を見かけた康平。
紗枝の方を気にしているとき、電車が鹿とぶつかるという事故にあいます。
慌ててバスに向かうも、目の前を通り過ぎるバス。
康平の知り合いの家に行ったふたり、しかしそこには誰もおらず紗枝は鍵がかかったままの車を見つけて康平に運転してほしいと頼みます。
緊張気味にハンドルを握る康平。
どこかぎこちありません。
それもそのはず、康平の用事とは運転免許を取るための試験だったのです。
慌てて警察にやってきた紗枝の母、康平も家で父親の木内健二郎(松重豊)に激怒され殴られてしまいます。
そして紗枝は今回の件で推薦してもらえないこととなりました。
心配して逢いに来た康平に冷たい態度の紗枝。
紗枝とたまたま駅で再開した康平達。
なんと康平の友人、大野保(金井勇太)が一目ぼれした相手は紗枝だったのです。
そして紗枝はそこで改めて早稲田大学を受験することを伝えました。
そんな紗枝にたくさんの参考書を渡す康平、その中にはなんと早稲田高校のものもありました。
早稲田受験を応援する康平に徐々に心を開き、やがて付き合うようになったふたり。
電車に乗って一緒に帰るふたり、紗枝は康平にカナダで生まれたことや、亡くなった父の話をします。
しかし紗枝のことで頭がいっぱいの康平に対して受験のことしか考えられない紗枝。
ふたりの間の気持ちの温度差で喧嘩するも、東京で英語を勉強したいという紗枝の夢を康平も紗枝を応援します。
そして春、紗枝は早稲田大学に合格し東京へと旅立ったのでした。
紗枝が旅立つ日、康平は友人たちと共に船から紗枝を見送ります。
ふたりの10年をかけた純愛ラブストーリーが始まります・・・
「ハナミズキ」ネタバレ
東京の女子大生紗枝と北海道の漁師、康平の遠距離恋愛が始まりました。
紗枝からの手紙に心が躍る康平、家族に聞かれないよう硬貨を握りしめ公衆電話から紗枝に電話します。
都会での生活、漁師の仕事とそれぞれが忙しい生活を送るふたり。
特に大学のサークル紹介は北見純一(向井理)と出会った紗枝は彼の紹介で塾講師のバイトをして帰りも遅くなります。
そしてやがて康平が電話しても留守番電話になるばかり。
夏休みもバイトが忙しくて帰れない紗枝が気になって康平は元気がありません。
そんな康平にあきれる漁協の渡辺リツ子(蓮佛美沙子)と、そんなリツ子が気になる康平の親友、沢木洋(小柳友)。
元気がない康平はついに仕事中に怪我をしてしまいます。
康平は治療に行った病院で看護婦である紗枝の母、良子に会います。
なかなか電話もできないことを愚痴る康平に他の男にとられる、とはっぱをかける良子。
結構さばさばしています。
後悔のない恋愛をしてほしいという良子は、あっという間に死んじゃう人もいると自分と紗枝の父との恋愛のことを語ります。
クリスマスに東京を訪れた康平。
そこで北見と一緒にいる紗枝を見た康平は思わず嫉妬し、せっかく再会したのに冷たい態度を取ります。
不機嫌な康平は通りすがりの少年とぶつかったことで喧嘩をし、殴り合いまで発展しました。
そしてぼろぼろな状態で紗枝の部屋に連れてこられました。
そこでお互いの気持ちを伝えあう紗枝と康平。
康平は自作の木彫りの船をプレゼントし、残されたわずかなふたりの時間を楽しみます。
大学4年生となり就職活動を始めた紗枝。
相変わらず北見は写真を撮りに海外に出かけています。
東京で会社に入るのだけが仕事ではないという北見。
その頃康平の父健二郎は、借金のために船を手放すこととなりました。
漁師を継ぐ自分のために買った船の借金が膨らだ、ということにショックを受けた康平。
康平は電話で「漁師辞めようかと思う」と一緒に東京で暮らしたいと紗枝に言います。
就活がうまくいかない時に急に言われて戸惑う紗枝。
そして最後の漁の最中、健二郎は心臓発作で亡くなってしまいます。
亡くなる直前に健次郎から漁師を継いでくれてうれしかったとこと、そして漁師だけが仕事でないと言われた康平。
葬式後に康平は紗枝に電話し、「漁師を辞めると言って罰が当たったのかな」と言います。
そして「やっぱり東京へはいけない」と言い、紗枝も海から離れてはいけないと答えます。
そして紗枝の未来に俺はいなかったと言う康平。
紗枝に自分の夢かなえろよ、さよならと別れをつげました。
2001年、物語の折り返しに差し掛かった頃。
康平は漁師として母と妹と暮らしています。
父が死んで紗枝と別れてからずっと暗い康平を気遣うリツ子。
一方、海外で働く夢を持っていた紗枝は北見の紹介で、ニューヨークの会社で働くこととなります。
2003年、ニューヨークでの仕事に慣れてきた紗枝、カンボジアから戻ってきた北見と再会します。
ニューヨークの夜景を見ながらあの9.11テロをここから見たという北見。
そこで北見は紗枝にプロポーズをしました。
友人同士の結婚式で再会した紗枝と康平。
ちなみにこの時の新郎、紗枝に一目ぼれをした保です。
再会した康平はリツ子と結婚していました。
実家の部屋で康平にいつかのクリスマスに貰った船の模型見つけた紗枝。
初めてキスを交わした灯台に康平を呼び出した紗枝は、そこで船を返します。
そして、ふたりは改めてそれぞれの道へと歩みだします。
「ハナミズキ」最後ラストの結末は?
紗枝を送って帰った康平、リツ子からもう漁協からお金を借りれなくなったことを聞かされます。
康平は破産することとなり、リツ子は家を出ていきました。
そしてひとりになった康平はマグロ船の乗組員になります。
そしてニューヨークに戻った紗枝。
仕事でニューヨークを離れた北見から「この間の返事を聞かせてほしい」というメモを貰い、紗枝はプロポーズにOKすることを決意します。
しかし北見はその仕事で行った先で銃撃され、亡くなります。
2005年、北見が残した写真の追悼個展を行った紗枝。
個展を終えた紗枝はつらい思いを抱え、自分が生まれたカナダへ行きます。
あるレストランの前を通りがかった紗枝はそこで、あの康平に返した木彫りの船が飾られているのを見つけます。
「ガンバレ紗枝」の旗が飾られたその船は数日前に日本人の漁師が置いていったと言います。
康平もここに来ていたのです。
港へと急ぐ紗枝。
船に乗り込もうとしていた康平は最後にもう一度町の方に目をやります。
そして紗枝が港についたころ、船はすでに出港していました。
2006年、実家に戻り自宅で英会話教室を開いた紗枝。
ある日、そこに康平が現れました。
康平はあの木彫りの船を持っていて、「ガンバレ紗枝」と書かれた旗の後ろに「ありがとう」と書かれていました。
想いを持ちつつも出会っては別れる10年を送っていたふたりがついに結ばれたのでした。
完
「ハナミズキ」見どころ
北海道から夢を持ち、東京、ニューヨークと旅立っていった紗枝。
都会にあこがれ夢を叶える女性のモデルケースと言えるかもしれません。
同じ海外のシーンでもカナダの港町はどこか紗枝の地元、北海道を思い起こされました。
それでも最後に紗枝が落ち着いたのは康平との思い出がある北海道です。
数々の出会いと別れ、悲しみを経験したふたりだからこそ結ばれることができたのでしょう。
10年間の愛を描く「ハナミズキ」ですが、なんと30年間のすれ違いを描いた「弥生、三月 君を愛した30年」という作品もあります。
そして康平と別れたリツ子が、ずっと想ってくれていた洋と結ばれたのがよかったです。
はたから見たらもどかしいけれど、当人たちにとっては悩みぬいた結論だったのでしょう。
特に康平は地元の平穏な生活を望んでいたのに紗枝や家業の間でもがき苦しんでいました。
これからはふたりで穏やかな日々を過ごせるといいですね。
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