映画「娼年」は松坂桃李主演、三浦大輔監督の2018年公開の映画です。
この映画「娼年」のネタバレ、あらすじや最後のラスト結末、見どころについて紹介します。
石田衣良さん原作、R18+の過激な大人な作品「娼年」をご堪能ください。
「娼年」あらすじ
森中領(松坂桃李)はバーテンダーのバイトをする二十歳の大学生です。
だらだらとつまらない大学生活を送る領。
そんな領の店にホストをしている友人、田島進也(小柳友)が御堂静香(真飛聖)をつれてやってきました。
「女なんてつまらない」という領に静香はそっと名刺を残して帰ります。
コースターの下に残された名刺には仕事が終わる頃、店の前で待っていると書かれていました。
領が帰ろうとすると、静香が待っていました。
領を連れてマンションに向かう静香。
そして領はそこで静香の娘で耳の聞こえない少女、咲良(冨手 麻妙)とセックスすることに。
セックス後、領にこれくらいかなと5千円札を渡した静香。
しかしそこに咲良が5千円札を追加します。
領をぎりぎり合格とした静香。
実は静香は会員制ボーイズクラブ「パッション」の経営者で、このセックスは領の技量を見極める採用試験だったのです。
パッションは1時間の最低1万円以上かかる高級クラブ。
一晩悩んだ領はパッションで娼夫として働くことにします。
「娼年」ネタバレ
娼夫としての仕事を始めた領。
初めての客であるヒロミ(大谷麻衣)と喫茶店で会いますが少し話すとヒロミは「またね」と帰ってしまいます。
失敗したと思った領でしたが、静香に連絡すると「成功」と言われます。
そして翌日またヒロミと会うことに。
ヒロミは好きなものを我慢する時間が楽しいと、昨日あえてすぐに帰り関係を持たなかったのです。
ホテルにつくとそのままセックスを始めるふたり。
満足したヒロミから静香に専属にしたいくらいだとの連続が入ります。
それまで女はつまらないと思っていた領、しかし徐々に女をもっと知りたいと思うように。
イツキ(馬渕英里何)という女性にあった領。
イツキは初めてエクスタシーを感じた時の話をします。
小学生の頃、幼馴染の前でおしっこを我慢したイツキ。
そして別れ際、とうとう漏らしてしまいます。
その時に快感を味わったイツキはそれ以来、男の前で限界まで我慢してするところを見せることが癖になったのです。
今も利尿剤を飲んでいるというイツキ、見たくないならこのまま帰っていいと言います。
「見せてください」という領の前でイツキは放尿し快感を得ます。
パッションでの娼夫としての仕事にはまってきた領。
友人の白崎恵(桜井ユキ)にも楽しそうと言われます。
そんなある日、領は静香と咲良と共に居酒屋に行きます。
そこで静香は領に客からの評判がいいと、仕事の秘訣を尋ねます。
そして自分が幼かったころの話をする領。
10歳の頃、37歳の母は風邪を引いた領に「すぐ帰るからいい子にしていてね」と言ったきり帰ってこなかったのです。
それ以来、年上の女性に惹かれるようになった領。
特にいなくなった時の母と同じ37歳と聞くと気になるようになったのです。
それを聞いて領が今もお母さんの約束を守っているようだ、という静香領。
領は思わず涙を流します。
仕事に慣れ、女性の弱いところを満たすセックスを覚えた領。
あるとき領は年の差夫婦に指名されます。
車いすに乗る泉川(西岡徳馬)と若い妻紀子(佐々木心音)。
セックスの前に風呂に入っている領に紀子は、夫が病気で余命1年半であることを告げます。
そして夫は自分が乱暴に扱われるのを見るのが好きであることを伝えます。
ビデオで撮影し、顔を見るのはつらいからと領にサングラスをさせる泉川。
領は紀子に小声で「下着破ってもいいですか?」と尋ね、荒々しいセックスをします。
激しい言葉と共にレイプのようなセックスをする領。
夫に助けを求めて乱れる紀子に泉川も興奮します。
泉川夫妻のことを静かに話す領。
実はあのふたりは手の込んだ設定で娼婦と遊んでいるそうで、余命も嘘だったそうです。
ボーナスを貰い、VIPへと昇格した領。
ますます客を紹介されるようになります。
初めて会ったときに領のことを売れっ子になる、と言った平戸東(猪塚健太)は領が売れると思った理由を伝えます。
それは領が普通だから、この業界で出世するのは普通の男だからだと言います。
そして東は領に体の傷を見せます。
東はマゾヒストで、傷つけることが好きな客をとる娼夫だったのです。
これを聞くとみんな引くのに君は真剣に聞いてくれた、と東は領にお礼をします。
東に奉仕された領は、お返しを提案します。
東が望んだのは小指の骨を折ることでした。
骨折した骨はくっつくときにより強くなるのです。
領に骨を折られ、痛みを気持ちいという東に領は新しい世界を見せられます。
娼夫をしていることが進也と恵にばれた領。
頭もよく優秀で昼間の世界でも生きていける領が、わざわざ日陰の世界に身を置いていることを責めるふたり。
そんなふたりに領は「感動することだってある」と自分にとって娼夫の仕事が大切なことを強く訴えます。
そんな領に傷つく恵。
70歳の誕生日を迎えたという老女(江波杏子)に呼ばれた領。
自分のことを話してほしいと言われ、領は進也と恵とけんかになったことを話します。
領と手を握り、話を聞くだけで絶頂を迎えた老女。
年を取るとこういうこともできる、と老女は領を驚かせます。
クラブパッションのナンバーワンを東と争うまでになった領。
領は静香にそのお祝いに付き合ってほしいと頼みます。
静香を押し倒そうとする領、しかし静香は拒みます。
新たな指名を受けた領。
領は静かにもう一度咲楽とセックスをして自分を試してほしいと頼みますが、静香はまず仕事に行くように言います。
その仕事相手は恵でした。
進也ともセックスしたという恵は、ホストよりもセックスがうまいのを証明してと言います。
本当は領が好きでずっとこうなりたかったと告げる恵。
しかし、自分と領は住む世界が違うことを悟ります。
実は自分が娼婦だったことを伝える静香。
咲良はその時の客との間にできた子でした。
娘が障害をもって生まれたことに静香が絶望していることに気づいた咲良。
だから咲楽は静香の仕事を手伝うようになりました。
それが「情熱試験」というパッションの採用試験だったのです。
「娼年」最後のラストの結末は?
実は静香はエイズで、相手に移すリスクがあることからセックスをすることができません。
静香が領とのセックスを拒んだのもそのためだったのです。
領とのセックスを拒むのに自制心が必要だったという静香。
静香も領に好意を持っていて、病気を移さないために拒んだのです。
そしてふたたび咲楽とセックスすることとなった領。
泣きながらも領は、それまで娼夫として学んできたテクニックを見せつけるようにじっくりとセックスをします。
そして絶頂の瞬間を迎え静香、咲楽と叫ぶ領。
領のいるバーにやってきた咲楽。
パッションが摘発され、静香も捕まりました。
咲良はある封筒を持っていました。
実は領の母親は娼婦で仕事中に亡くなったことを静香は仕事仲間の伝手で知ったのです。
領と母、静香と咲良が同じ仕事でつながっていることを手紙で伝えてきた静香。
領が娼夫になったのは運命だったのです。
静香がいなくなっても娼夫を続ける領。
静香の娘、咲楽と共にクラブを密に再開します。
完。
「娼年」見どころ
松坂桃李が娼夫をやるという衝撃的な作品、R18+ということで濃厚なセックスシーンや過激な性描写も多い映画です。
娼夫、コールボーイという決して公にすることのできない仕事。
売春と聞けば離れていく人も多いでしょう。
しかし、人の心の奥の奥に入り込む仕事であり、生半可の覚悟でできないのも事実です。
領に救われた人も多いでしょう。
肯定するのは難しいですが、娼夫という仕事にはこの仕事にしかない価値や魅力があると言えます。
俳優としていろんな作品に挑戦していく松坂桃李はすごいですね。
今作はどんどん演技派になっていく松坂桃李のターニングポイント的作品ではないでしょうか?
この後「新聞記者」で日本アカデミー最優秀主演男優賞を獲っています。
原作は石田衣良さん。
小説では今作の娼年の続編として逝年、爽年があります。
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