映画「ファーストラヴ」は北川景子主演、堤幸彦監督の2021年公開の映画です。
この映画「ファーストラヴ」のネタバレ、あらすじや最後のラスト結末、見どころについて紹介します。
原作は島本理生さんの第159回直木賞受賞作、なぜ女子大生が父親を殺したのか?「ファーストラヴ」をお楽しみください。
「ファーストラヴ」あらすじ
アナウンサーを目指す女子大生、聖山環菜(芳根京子)。
しかし彼女は面接を放棄して父親を殺してしまいます。
大学の構内で画家の聖山那雄人(板尾創路)の刺殺体が発見されたのです。
そして血まみれのナイフを手に歩く聖山の娘、環菜(芳根京子)が捕まりました。
父親を殺した女子大生のニュースが世間を震撼させます。
公認心理士の由紀(北川景子)は事件について執筆を依頼され、環菜に取材をすることになりました。
そして環菜の国選弁護人、庵野迦葉(かしょう・中村倫也)に会いに行きます。
迦葉は由紀の夫、我聞(窪塚洋介)の弟です。
そして環菜と面会することになった由紀。
「動機は自分でもわからない」という環菜、感情の起伏が激しくその心のうちがまったくわかりません。
その後、由紀は環菜から手紙を受け取ります。
その手紙には「ちゃんと罪悪感のある人間にしてください」と書かれていました。
由紀は迦葉に協力しようと言います。
環菜の元カレのことが記事になりました。
由紀が環菜に尋ねると、元カレとは別れられずに仕方がなく付き合っていたと言います。
そして話題は環菜の小学生の時の初恋、ゆうじくんに。
しかし環菜ですが徐々に様子がおかしくなり、ついに暴れ出します。
由紀はゆうじくんを探すことに。
果たして事件の真相は…?
「ファーストラヴ」ネタバレ
まず由紀は環菜の元カレに会いに行きます。
環菜の大学先輩である賀川洋一(清原翔)は、別れたのは環菜の浮気が原因だと言います。
また、初めて関係を持った時も環菜は笑っていたという洋一。
無理やれされたという環菜との話とは食い違っています。
今度は迦葉が環菜の元へ行きます。
洋一とは我慢して付き合っていた、男はみんな体を求めるという環菜。
またも取り乱し、「私をここから出してよ」と叫びます。
環菜の母親から話を聞くことにした由紀と迦葉。
そこで由紀たちは環菜がアナウンサーになることを両親は反対していたこと、小学4年生から中学に入るまで父親のデッサン教室でモデルをしていたことを聞きます。
また、洋一がリストカットといった傷を環菜は学校の鶏にやられた。と言っていたようです。
娘を憎んでいるかのような母親。
環菜の不安定な精神状況は、モデルをしていた事に原因があるようです。
ふたたび面会にやってきた由紀。
しかし環菜はゆうじを知らないと言い、傷のことも鶏のせいだと言います。
また面会を通して、由紀は環菜が聖山の実の娘ではないことを知ります。
由紀は環菜の家のそばのコンビニでゆうじのことを尋ねますが、当時のことを知る人はすでにいません。
そんな時、迦葉から聖山のデッサン教室の生徒が見つかったと連絡が入ります。
電車で合流し、富山へ向かう由紀と迦葉。
そして見せてもらったデッサンは裸でポーズをとる環菜と男のものでした。
当時の環菜の気持ちを思いやる由紀。
由紀にも同じような経験があったのです。
子供の頃、自分の父親が裸の女児の写真を持っていたのを見つけてしまった由紀、しかも母親はそれを知っていて出張のたびに売春していたと由紀に教えたのです。
ショックで嘔吐する由紀、それは成人式のことでした。
由紀は大学生の頃、迦葉と出会いました。
雨に濡れる由紀に迦葉が傘を差し出してやったのです。
迦葉は父と死に別れ母には出ていかれ、伯母の家で従兄の我聞と共に育てられました。
すぐに打ち解けたふたりはホテルに行きます。
兄と呼ぶ我聞のことを嬉しそうに語る迦葉。
そのままふたりはベッドに入りますが、うまく行為をすることができませんでした。
その後たまたま由紀は我聞の写真の個展を見つけます。
海外の子供たちの写真が飾られ、父娘の写真に由紀は涙を流します。
そんな由紀に我聞は声を掛けました。
ゆうじが見つかりました。
小泉裕二(石田法嗣)は、由紀は彼を取材します。
裕二はけがをした環菜を手当てし、家に帰りたくないと言われて自分のアパートに連れて帰っていたのです。
ある日環菜に触れた裕二。
我に返った裕二に環菜は「いいよ。私、慣れてるから」と言ったのです。
それからしばらくして聖川が裕二の部屋にやってきました。
訴えられるのを恐れた裕二は環菜を拒むようになり、それ以来会っていないふたり。
由紀は裕二に弁護側の証人として出廷を求めますが、結婚して子供がいる裕二は断ります。
由紀が裕二と会ったこと、そして彼が結婚したことを聞いて取り乱した環菜。
由紀は環菜に自分の父親の話をします。
しかし環菜は悪いのは自分だと言います。
そして環菜は、「父を殺してない」と言い出します。
拘置所を出た由紀は迦葉の事務所に行き、環菜の言葉を伝えますが迦葉は弁護士としてこの時点での路線変更はありえないと言います。
自分たちが信じなくて誰が環菜を救うのか、という由紀に迦葉は自己満足だと言います。
由紀は事務所を飛び出ます。
そこに我聞が現れました。
我聞に駆け寄ろうとした由紀は、事故にあいます。
病室で目覚めた由紀。
付き添ってくれていた我聞に由紀は過去のトラウマ、そして迦葉とのことも話しますが我聞は「気づいてた」と言います。
由紀に何かあると感じていた我聞、また迦葉とのことも迦葉から聞いていたのです。
我聞は迦葉と過ごした時間も由紀の一部なのだ、と抱きしめます。
「ファーストラヴ」最後のラストの結末は?
ついに裁判の日になりました。
法廷で思春期の環菜が全裸の男性とともに大勢の男性に囲まれモデルをさせられていたこと、腕にたくさんの自傷行為の痕があることなどが語られます。
子供の頃、環菜が自分の体を傷つけたのはモデルをせずに済むからでした。
事件当日、面接に失敗したのは面接の最中たくさんの男に見つめられ、デッサン会の記憶が戻ってしまったのが原因でした。
落胆した環菜は自分を傷つけることで現実逃避するために包丁を購入したのです。
腕を傷つけ血を流しながら父の大学にたどり着いた環菜は、携帯電話で父を女子トイレに呼び出します。
その姿を見た父は怒り、母親を呼び出すためスマホを取り出しますが環菜はそれを止めようと父に近寄ります。
そして包丁を持ったままもみ合いになり、濡れた床で足を滑らせた父が倒れ込んできて包丁が刺さってしまったのです。
環菜に下された判決は、懲役八年でした。
環菜はそれを受け入れて服役します。
とあるギャラリーでは我聞の個展『家族のカタチ』が開かれていました。
迦葉が写真を見ていると、会場の端に“私の原点”と名付けられた小さな家族写真が飾られていました。
外のベンチで待つ由紀に環菜からの手紙を見せる迦葉。
そこにはふたりへの感謝の言葉と、いずれ事件のことを自分の手で書いてみたいと綴られていました。
完。
「ファーストラヴ」見どころ
本作の監督は堤幸彦さん。
不気味ながらも引き込まれる世界観の「金田一少年の事件簿」や「トリック」シリーズ、また人間の愛と狂気に迫った「人魚の眠る家」といった作品に携わっています。
娘が父親を殺すという衝撃的な事件から幕を開けるこの物語。
事件の発端は環菜が父親から負わされた心の傷でした。
傷ついた少女の狂気を芳根京子さんが見事に表現しています。
そんな彼女の傷に気付いたのは同じように父親との間に性にまつわる確執がある由紀でした。
ラストでの環菜の感謝の手紙で救われた気がしました。
親としては子供の頃のトラウマには本当に気を付けなきゃと思わせる作品でした。
家庭教育って大事です。
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