映画「人生の特等席」は、クリント・イーストウッド主演、ロバート・ロレンツ監督の2012年の映画です。
そんな、映画「人生の特等席」のネタバレやあらすじ、最後ラストの結末、見所について紹介します。
この「人生の特等席」の親子の絆を描いたヒューマンドラマをお楽しみください。
「人生の特等席」あらすじ
メジャーリーグのスカウトマンとして活躍してきたガス(クリント・イーストウッド)は、年齢と共にその手法が球団から時代遅れと批判され、解雇の危機を迎えていました。
そんな中、彼は有力選手をスカウトする旅に出ることになります。
その旅にはひょんなことから娘のミッキー(エイミー・アダムス)が同行することになります。
実はガスとミッキーの間には長年のわだかまりがありました。
しかし旅の中で、ふたりはお互いに新たな発見や、それぞれの長く秘められてきた真実が明らかになってゆくのです。
はたして老スカウトマンと一人娘は親子の絆を取り戻すことができるのでしょうか?
「人生の特等席」ネタバレ
メジャーリーグのスカウトマンとして名を馳せてきたガス・ロベル(クリント・イーストウッド)。
しかし、最近では老体に鞭を打って球場に足を運ぶ日々。
球団アトランタ・ブレーブスとの契約があと3ヶ月という時、今時ではないガスのやり方が気に入らない球団側のGMたちはガスを契約が切れる前にクビにすることも検討します。
そんな中、ガスの友人でもあり上司でもあるピート・クライン(ジョン・グッドマン)はガスの手腕を信じ、ガスのスカウトマンとしての才能を他のGMたちに訴えるのです。
実は緑内障の疑いがあるガス。
ガスの様子がいつもと違う事に気付いていたピートは、ガスの娘で弁護士のミッキー(エイミー・アダムス)にガスの手助けをしてやってくれないかと相談をするのです。
しかし、ミッキーは次の訴訟で勝利すればパートナー弁護士になれる大事な時期。
今は忙しくて無理だとピートの頼みを断るのです。
その後、父親の体調が気になったミッキーは、ガスの主治医からガスが失明の危機にある事を無理やり聞き出します。
ガスを説得しに実家に向かったミッキーでしたが、ガスは頑なに検査を拒むのです。
まともに話をするつもりのないガスに腹を立て、家を後にしたミッキー。
それからもガスの事で仕事に集中できなかったミッキーは数日だけガスの手伝いをする決心をするのです。
ガスはスカウトするべき選手か自分の目で確かめるために注目の選手ボー・ジェントリー(ジョー・マッシンギル)を訪ね、ロースカロライナへ向かいます。
そこへミッキーが現れるのです。
「何をしにきた。」と言うガスに「休暇に来ただけよ。」と返すミッキー。
一緒にボーの所属するチームの野球を観戦します。
その試合は見事ボーの活躍で勝利をおさめるのです。
その試合は、昔ガスがスカウトし、炎の投手と言われたジョニー・フラナガン(ジャスティン・ティンバーレイク)もスカウトマンとして観戦しに来ていました。
意気投合し、それから一緒に行動することに。
一方、まだわだかまりが消えないガスとミッキー親子。
娘に助けてもらうことをプライドが許さず素直になれないガスと、何年も放っておかれたことで父親との心の距離が出来てしまったミッキー。
気まずい雰囲気のまま一緒に過ごします。
ガスの影響で野球に詳しいミッキーは選手を見る目にも長けていました。
ボーの選手としての長所を上手く掴みます。
試合の後、スマホで事務所とのやり取りが忙しそうなミッキーを見て無理やり車のカギを奪ったガスは、ミッキーを助手席に乗せ車を運転しますが、きちんと見えておらず事故を起こしてしまうのです。
事務所からはすぐに戻ってくるよう言われるミッキーでしたが、ガスの事が心配で数日猶予をもらうことに。
ミッキーは、ボーをスカウトするべきか早急に判断して事務所に戻るため、独自の方法でボーの能力を観察するのです。
そんな中、ジョニーに少しずつ心を開くミッキー。
ミッキーは父親との確執を、ジョニーは肩を壊し選手生命が絶たれた時の辛かった時期の話をします。
互いの辛い話をした二人は次第に心惹かれる様に。
翌朝、朝食を食べにレストランへやってきたガスとミッキー。
ミッキーはガスに「私がなぜ捨てられたかを聞いてもらうために大学の時からセラピーに通っているの。」とガスに話します。
母親の死後、なぜ自分が1年も親戚に預けられ、その間一度も電話をくれなかった理由が知りたかったというミッキーの話を逸らそうとするガス。
いくらミッキーが真剣に話そうとしてもガスは答えてくれませんでした。
ミッキーは我慢できず店を飛び出してしまいます。
その頃、ミッキーの上司は、ミッキーが担当するはずだった案件をミッキーの同僚トッド(シェームス・パトリック)に振ってしまいます。
そのことを知らないミッキーは、最終試合をガスと共に観戦するのです。
ガスは、ボーが撃ったボールの音で、ボーが変化球に弱いことに気付きます。
目があまり見えないため、それを確認するために、ミッキーに側に行って確かめるよう指示するのです。
次の打席ではホームランを打ち、チームをリーグ優勝に導いたボーは英雄となりますが、ミッキーは、球を打つ時のボーの手が泳いでいたことを見抜きます。
ガスの予想通りだったのです。
年老いて、目が見えづらくなっても、ボールを打つ音、ボールがミットに収まる音ですべてを判断したガスは、やはり凄腕のスカウトマンでした。
試合が終わり、事務所と連絡をとり明日帰ると伝えたミッキーでしたが、事務所から「今回は事務所の利益のためにトッドを採用した。」と通告されてしまいます。
昇進の話もなくなり、肩を落とすミッキー。
ジョニーはミッキーの話を聞いて彼女を慰めます。
そこへ、ジョニーに誰をスカウトするのかと聞きにやってきたガス。
ガスは「ボーはカーブが打てない。」とジョニーに警告します。
ボーをスカウトするつもりだったジョニーはその話を信じられず、将来性があればいいのではとガスに話しますが、ガスは「将来性だけでは1位指名できない。」と断言するのです。
そして捨てるのも勇気だとジョニーに忠告します。
気落ちしたミッキーを湖に誘ったジョニー。
パンツ一丁になって湖に飛び込んだジョニーはミッキーにも湖に入るよう誘います。
トッドに背中を押され、余計な事を忘れるためにミッキーも湖に飛び込むのです。
思い切った事をしたミッキーは、気持ちに素直になりジョニーとキスをし、気持ちを確かめ合うのでした。
ドラフト会議当日、ジョニーはガスの言葉を信じ、ボーを指名しないと球団に報告します。
ガスもピートに、ボーの指名はしないように伝えますがフィリップが「俺が間違っていたらクビでも構わない。ボーはチームに莫大な利益をあげる男だ!」と幹部に訴えボーの指名を押し通してしまうのです。
ガスに騙されたと思ったジョニーは「俺がクビになるとは思わなかったのか?ガスが捨てる勇気を持てと言ったから降りたのに。」と言いガスとミッキーの前から去ってしまいます。
自分は引退の時がきたのだと感じたガスは、ミッキーに仕事に戻るよう告げますが、ミッキーは「もういいの。こっちの方が大切だったから。」とガスに話すのです。
ミッキーが弁護士になった理由は、そうなればガスが喜び、そして自分を受け入れてくれるだろうと考えたからだったのです。
しかしガスは「三等席の人生を歩ませたくない。」とミッキーに話します。
しかし、ミッキーは「目覚めたらパパは野球を見ていて、体に悪い物ばっかりを食べて徹夜でビリヤードをする人生の特等席だったわ。」とガスに本音を言うのです。
ガスには幼いミッキーを手放さなくてはならない理由がありました。
幼いミッキーを連れスカウトに出ていた時、スカウトした選手と話している隙にミッキーが連れ去られてしまう事件が起きます。
馬小屋に連れ去られ見知らぬ男にシャツを脱がされそうになっていた時、ようやくガスがミッキーを見つけ、その男をガスが殴り倒し大事には至らずに済んだのです。
自分のような親ではミッキーを育てることが出来ないと思ったガスは親戚にミッキーを預けたのでした。
理由を知らなかったミッキーは、父親に捨てられたと傷つき、一方娘を連れ去られた恐怖を味わったガスはそれがトラウマになっていたのです。
ガスは今までの事をミッキーに謝罪し、「俺はつまらん年寄だ。もうこんな俺に構うな。出来るよな?」と告げます。
そして翌朝、ミッキーには告げず姿を消してしまうのです。
「人生の特等席」最後ラストの結末
ミッキーも帰る支度をしますが、外から聞こえるボールの音に魅かれて外へ飛び出します。
止まっていたモーテルの庭で野球をしていたのは、そのモーテルを営業している主人の子供でした。
その少年の投げるボールの音を聞いたミッキーは、その少年に「球をうけさせてくれる?」と話しかけます。
その少年、リゴ(ジェイ・ギャロウェイ)の才能を確かめたミッキーはすぐにそのことをピートに報告するのです。
球団に向かったガスは、ボーがカーブを打てないことを主張しますが、誰もそれを信じるものがいませんでした。
耳で聞いた音で判断したというガスを笑うフィリップ。
そこへピートが「ミッキーが新人をスカウトした。」と皆にグラウンドへ集合するよう言いにやってきます。
そこでリゴのカーブを打つことが出来なかったボー。
球団にはガスとミッキーのスカウト力を分からせる結果になったのです。
リゴの契約が決まり、リゴのエージェントはミッキーに決まります。
フィリップはクビになり、ガスは契約の延長が決まるのです。
やっとわだかまりを解くことが出来たガスとミッキー。
ミッキーは、また幼いころのようにガスと共に野球を愛する時間を過ごすことを決めます。
そして、誤解だと分かったジョニーが現れ、ミッキーとジョニーの仲も元に戻るのでした。
THE END
「人生の特等席」見どころ
すれ違った親子の絆を描いたヒューマンドラマ!
クリント・イーストウッドが演じるガスと、エイミー・アダムスが演じる娘のミッキーが、ギクシャクとした雰囲気から次第に本来の親子としての絆をもう一度取り戻す過程がじわじわと心を温かくしてくれます。
娘が父親に対する嫌悪を描いているのかと思っていましたが、実は、父親の方がトラウマを持っていたというストーリーは飽きを感じさせませんでした。
劇中、ガスが昔を思い返すような映像が出てきますが、ガスの気持ちが分かってから見直すと、また違ったストーリーが見えてきます。
ガスと一緒に過ごした時間は特等席だったと言ったミッキーの言葉に胸を打たれました。
ずっと父親に認められたいと感じていたミッキーと、ミッキーを愛していても親としての自信がなかったガスが、やっと分かり合え、人生の特等席を手に入れたラストは感動的でした!
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