「クワイエットルームにようこそ」ネタバレ!あらすじや最後ラストの結末と見どころ!

映画「クワイエットルームにようこそ」ネタバレ あらすじ
コメディ

映画「クワイエットルームにようこそ」は、内田有紀主演、松尾スズキ監督の2007年の映画です。

この映画「クワイエットルームにようこそ」のネタバレ、あらすじや最後ラストの結末、見所や無料動画について紹介します。

豪華俳優陣出演の女子だけの精神病棟を舞台にした「クワイエットルームにようこそ」をご堪能ください。

 

「クワイエットルームにようこそ」あらすじ

28歳のフリーライター・佐倉明日香(内田有紀)。

仕事中、鉄ちゃんから『仏壇返ってきた でかすぎるぞこれ』というメールが来ます。

“鉄ちゃん” とは、同棲中の面白い彼氏・鉄雄(宮藤官九郎)の事。

彼は『罪と罰ゲーム』という、バラエティー番組の放送作家で自らも出演していました。

そんな大好きな彼が「あすかー!あすかーーっ!」と、遠くの方で呼ぶ声が聞こえます。

取材で駆けずり回り、締め切りに追われ息つく暇もない明日香(内田有紀)。

酒、睡眠薬、そして仏壇!?が、彼女をある場所に連れて行くのでした。

 
ゆっくり目覚めると…家の天井じゃない?ピッピッという心電図の音、口には酸素マスク。

点滴に書かれた【佐倉明日香】という自分の名前に手足、胴の五点拘束!?

身動きが取れない状態にテンパると、窓からギロっと覗く女が何かを呟き去ります。

白い部屋、拘束、これは現実?「すいません…誰か」と、小さい声を出す明日香(内田有紀)。

その声をかき消すように、バタバタ走り回り「あついー!頭がーーっ」と、誰かが絶叫!

訳が分からないでいると「…外の騒ぎなら大丈夫」と、看護師・江口(りょう)が来ました。

淡々と置かれている状況を説明し、これは同居人の許可を得た拘束だと言うのです。

「…緑山精神科病院です。ここは女子の閉鎖病棟です」と・・・

女性専用の病棟で、様々な症状を抱える女性たちに明日香は出会うのだが・・・

 

「クワイエットルームにようこそ」ネタバレ

酒と睡眠薬を過剰摂取し、昏睡状態になったのは三日前の深夜過ぎ。

翌日、帰宅した鉄雄(宮藤官九郎)が発見し救急搬送されました。

眠り続けた彼女の記憶は皆無、しかし仕事に穴をあける事は出来ないと退院を訴えます。

すると、返ってきた言葉は「早期退院で、自殺を繰り返されたら…」

明日香(内田有紀)は、同居人・鉄ちゃんと医師による強制入院だと知らされ呆然とします。

 
薬を過剰摂取する、OD(オーバードーズ)。

不眠症で心療内科に通院した過去がある、彼女に下された診断は【自殺願望あり】。

お見舞いに来た鉄雄(宮藤官九郎)、草履を履く右足の親指には包帯が巻かれています。

ご飯を睨む人や頭を燃やした人、ここは別世界だ…そう彼は目にした光景を伝えました。

あの日、救急車で近くの内科に運ばれ、胃洗浄をした明日香(内田有紀)。

いろいろ口から出しまくる彼女に引いて、彼は右足をぶつけて親指を負傷したようです。

 
言われた事は何でも断らず聞いてくれる、言われるがままの男・鉄雄(宮藤官九郎)。

ベッドに空きが無いから、精神科病院に運ばれただけと彼女に説明しました。

更に「自殺の人は繰り返すから…死なないでよかったー」と、顔を歪め泣き出します。

この時、彼女が覚えていない事実を、鉄雄(宮藤官九郎)は言う事が出来ませんでした。

 
「ご飯ですよ~!」と、看護師・山岸(平岩紙)が持って来たのは、ドロドロの流動食。

ソレをすくってみる明日香(内田有紀)に「鼻水の事は考えない方が…」と、フォローします。

ステンレスの心を持つ、冷酷看護師・江口(りょう)。

「じつは、作家のてっちゃん…ファン!」と、優しい看護師・山岸(平岩紙)。

最恐の敵と良き理解者、問題を抱えた患者たちとの入院生活がはじまります。

 
この病院に5年も居るという、ピアノや絵が上手な20歳のサエ(高橋真唯)は拒食症。

裕福な家庭、自由がなく両親の重すぎる愛に心が壊れ、食べる事をやめてしまいました。

ナースセンターの強化ガラスを目一杯叩く、自分の金髪頭を燃やしたチリチリ(馬渕英俚可)。

金原(筒井真理子)は、清楚な和装美人。

「お世話になりました」丁寧に挨拶すると、施錠されたドアを必死にガチャ!ガチャ!

「きんばらさ~ん!」山岸(平岩紙)が呼ぶと、スゴスゴと引き下がる・・・これが日常です。

 
入院後、トイレの鏡で今の惨めな姿にはじめて気づき、泣き出す明日香(内田有紀)。

ボサボサ頭、自分の口から出たモノがくっ付いた酷い顔をしていました。

そこに、キレイな身なりをした栗田(中村優子)が入って来ます。

一週間前に運ばれた彼女もODですが、今日は外泊許可が出ました。

「手違いで、薬を飲み過ぎただけ」と、言う彼女の夫は医師。

彼の口添えでスグ退院出来ると、明日香(内田有紀)に早期退院のアドバイスをしてくれます。

 
ホールでボーっとする明日香(内田有紀)に、声を掛けたのはミキ(蒼井優)でした。

痩せ細る彼女は “食べたくても食べられない” 拒食症。

食べたいからにココに居るという、少しミステリアスな女性です。

あの日、五点拘束される明日香(内田有紀)を、窓から覗いていたのも彼女。

クワイエットルーム= “人に迷惑を掛ける人、命を粗末にするダメな人を閉じ込めておく保護室”。

今、そこが明日香(内田有紀)の居場所でした。

 
院内はケータイ電話禁止、仕事連絡も公衆電話でしか出来ません。

明日香(内田有紀)は、テレカを一枚購入しようとしますが、そびえ立つ規則という鉄の壁!

「患者を守るために規則がある」と、毅然とした態度で申請書を提示する江口(りょう)。

“しがらみ” だらけで、今すぐテレカが欲しいと苛立つ明日香(内田有紀)を一喝します。

「社会生活を全うしようと言う人に、大量の睡眠薬が必要ですか!」

敗北を喫する明日香(内田有紀)に、朗報が舞い込みます。

 
頭を燃やしたチリチリ(馬渕英俚可)が、大暴れしてクワイエット行きになりチェンジ!

相部屋になるのは、今は外泊中のOD・栗田(中村優子)でした。

山岸(平岩紙)がイチゴ味でおいしいとオススメする、見た目は凶悪なドロドロ流動食を完食。

明日香(内田有紀)は、隣のベッドサイドに飾られる一枚の写真に気づき手を伸ばします。

そこに、西野(大竹しのぶ)が入って来ました。

過食症でよくトイレで吐き、新人を相手に煙草やテレカを売って商売する一癖ある女です。

 
「ねぇ、何でODやったの?」と、聞く西野(大竹しのぶ)。

明日香(内田有紀)は、喫煙室で自分の過去を話し始めます。

彼女には離婚歴があり、その元旦那の自殺が不眠のキッカケでした。

四年前、周りにいないタイプだった、真面目一筋の元旦那に惹かれた明日香(内田有紀)。

しかし、面白いアホが好きな彼女はスグに冷め、更に元旦那が左遷という負の連鎖。

贅沢できる最後の旅行だと言って、二人で訪れた旅館で悲劇は起きました。

「俺にだって芸がある!」と、グラスを口に入れた元旦那!ですがソレが抜けません。

旅館の女将や板前たち総出で、無事引っ張り出すことに成功。

アゴが外れながらも元旦那は「ゴメンね…」と、微かに聞こえる声で謝りました。

この出来事で離婚を決めた明日香(内田有紀)…その時、お腹には赤ちゃんが居ましたが中絶。

彼女は、元旦那が誕生日に贈ってくれた、銀色のローファーだけは大事にしました。

 
その後、風俗店で働き出し、客としてやって来たのが鉄雄(宮藤官九郎)。

一緒に暮らし始めた二人にある日、元旦那が自殺したと連絡が来ました。

更に、元旦那からの手紙が届き『明日香、残念だ』と、一言だけ書かれていたのです。

明日香(内田有紀)の身体は、ジンマシンだらけ!

この日以来、彼女は不眠になり、睡眠薬を酒で飲むようになったのです。

 
なんとか気持ちを立て直した矢先、疎遠になっていた彼女の父が亡くなりました。

そこで、実家になかった仏壇を買って送ったのですが、母から送り返されます。

置き場に困り果て、鉄雄(宮藤官九郎)の子分・コモノ(妻夫木聡)を呼んで解決する事に!

結局、アホしかいないので収拾がつかず、男二人は外に飲みに行ってしまいます。

一人で部屋に残った明日香(内田有紀)は、酒、睡眠薬、救急搬送…彼女の記憶はそうでした。

明日香(内田有紀)は内科健診で、問題を起こさなければ退院も近いと医師に言われます。

早速、鉄雄(宮藤官九郎)に電話を掛けるのですが、彼は全然出ません。

 
はじめて、サエ(高橋真唯)の部屋を訪ねた明日香(内田有紀)。

食事を拒否する彼女は、ミキ(蒼井優)と同じように痩せていました。

両親から贈られた『エッシャーの無限階段』のジグソーパズル、しかも1000ピース。

退屈しのぎにしては超ハードな贈り物、でも約束達成のためにパズルの完成を急ぎます。

ミキ(蒼井優)、そして明日退院すると言う栗田(中村優子)と交わした約束。

それは “一回でいいから、ご飯を完食する”。

小さな声で「がんばる…」と、サエ(高橋真唯)は答えました。

 
鉄雄(宮藤官九郎)が作・出演するバラエティー番組『罪と罰ゲーム』で、盛り上がるホール。

しかし、この放送で明日香(内田有紀)は、驚愕の事実を知ります。

『会議バックレ作家、ミャンマー少数民族の村に…強行命令!』

彼は、もしかしたら私のせいで、ミャンマーに無理矢理連れて行かれたー!とヘコみます。

そんな彼女に、栗田(中村優子)はパズルを完成させるよう約束。

更に、危険人物・西野(大竹しのぶ)の素性を明かし、気をつけろと助言するのでした。

 
翌日、退院する栗田(中村優子)に連絡先を渡し、別れを惜しむ患者たち。

受け取る彼女は笑顔ですが、同じODの明日香(内田有紀)にだけ伝えます。

「コレ、どうせ捨てるから…シャバに戻るって事はそういうことよ」

それでも「あなたは別」と、life is happy@ アドレスを書いた紙を渡して病院を去ります。

 
ミャンマーに行った鉄雄(宮藤官九郎)に代わり、子分・コモノ(妻夫木聡)が面会に来ました。

やはり、明日香(内田有紀)が救急搬送されたあの日、番組収録をバックレた彼。

酒、睡眠薬…なんて事情を話す事も出来ず、ミャンマーに連行されてしまったのです。

更に、アホなコモノ(妻夫木聡)が、彼女の仕事に余計な事をしてくれました!

締め切りに間に合うよう彼が書いた原稿、ソレはあまりに酷く意味不明な文章。

ソレを見た彼女はジンマシン発症!ビビったコモノ(妻夫木聡)は助けを求めます。

「明日香さんが、おかしくなりましたーーっ!」それは、言ってはいけない言葉でした。

 
痒くて暴れ出しただけの彼女を、正気を失ったと思い抑える看護師たち。

「ただのジンマシン!」そう訴えても信用されず、明日香(内田有紀)は服を脱ぎ証明します。

それでも江口(りょう)は、クワイエットルームに入れようとしました。

すると明日香(内田有紀)は、コモノ(妻夫木聡)にジンマシンだらけの身体を撮らせます。

ネットに写真を公開し病院の荒んだ実情を流すと、最恐の敵を言い負かすのでした。

 
自室に戻り、コモノ(妻夫木聡)が持って来た差し入れを開ける明日香(内田有紀)。

入れ忘れたのか、大事な銀色のローファーが入っていません。

青いワンピースに着替えた明日香(内田有紀)は、サエ(高橋真唯)の部屋を訪ねます。

残り1ピースのパズルを入れて、1000ピースの『エッシャーの無限階段』が完成!

ミキ(蒼井優)も大喜び、部屋には彼女たちの歓声が響きました。

サエ(高橋真唯)は完食し約束達成、それを心から喜んだのはもう一人、山岸(平岩紙)です。

入院5年目にして初めてご飯が残っていない食器に、彼女の目には涙があふれるのでした。

 
サエ(高橋真唯)がピアノを弾き、明日香(内田有紀)はチリチリ(馬渕英俚可)たちと歌い踊る。

しあわせな時間を過ごします・・・

目が覚めるとあの天井…明日香(内田有紀)は、クワイエットルームに拘束されていました!

何があったのか、必死に思い出そうとする彼女の足は、銀色のローファーを履いています。

あの時──踊っていた、そして廊下に出ると、トイレから嘔吐する音が聞こえて…。

どうせ西野(大竹しのぶ)だろうと思って、溜まった借金の事を話そうとトイレに入って…。

出て来たのは西野(大竹しのぶ)では無く、ミキ(蒼井優)でした。

そして、彼女は拒食症になった理由を明日香(内田有紀)に耳打ちします。

「私が1食…たべた分、世界のドコかの…価値のある誰かの食事が、1食が減るんだ…」

そう気づいてしまったから、食べる事が出来ないのだとミキ(蒼井優)は言います。

「私が食べないのには、意味がある…明日香と同じ “まともなのに” ココに居る」

 
彼女の言葉で心が崩壊した明日香(内田有紀)に、西野(大竹しのぶ)が追い打ちをかけます。

散々部屋を荒らし、我が物顔で銀色のローファーを履く西野(大竹しのぶ)。

そして、明日香(内田有紀)も気づいていない、鉄雄(宮藤官九郎)からの手紙を読み始めます。

『明日香へ…作家を降りるか?ミャンマーに行くか?事前に選択肢がありました…』

泣きながら手紙を書く彼は、自らミャンマーを選択…明日香(内田有紀)から逃げたのです。

 
あの日、鉄雄(宮藤官九郎)は、ODで昏睡状態だった彼女を発見し病院へ救急搬送。

胃洗浄をする彼女の苦しい声、大量の睡眠薬を吐き出す酷さに医師は彼を責め立てました。

「チクショー!」顔を歪ませ振り上げた右足を強打、悔しさで床に崩れ落ちる鉄雄(宮藤官九郎)。

そして、一瞬目を覚ました明日香(内田有紀)は、こう言ったのです。

「…死なせてください」

 
手紙には、明日香(内田有紀)が昏睡状態に陥る、数時間前の出来事も書いてありました。

仏壇騒動後、鉄雄(宮藤官九郎)が帰宅した時には、酒と睡眠薬で自暴自棄になっていた彼女。

「つまんない国の住人のくせに…子供を堕ろしたんだよ!」と、身体を震わせます。

彼女はジンマシンを発症し、正気を無くしたように「子供つくろう」と、彼を求めました。

そんな明日香(内田有紀)を、受け入れられない鉄雄(宮藤官九郎)は別れを告げます・・・

 
病院中に、響き渡る西野(大竹しのぶ)と明日香(内田有紀)の声。

“重い” から彼に捨てられたと、あざ笑うかのような西野(大竹しのぶ)。

言い返す明日香(内田有紀)に「でも、生きるって重い事よーー」と、口撃をやめません。

すべてを汚された明日香(内田有紀)が、怒りで手を振り上げるとミキ(蒼井優)が抑えます。

しかし、明日香(内田有紀)は「触るな、バケモノー!」と、彼女の手を振り払い殴りました。

鎮静剤を持つ江口(りょう)、心配する山岸(平岩紙)やチリチリ(馬渕英俚可)。

痩せ細るミキ(蒼井優)は吹っ飛び、明日香(内田有紀)は我に返ります。

 

「クワイエットルームにようこそ」最後ラストの結末は?

クワイエットルームに五点拘束される明日香(内田有紀)は、静かに天井を見ていました。

「私は…生きている…」

窓の隙間から、ミキ(蒼井優)が「おーい…」と、声にならない声で呼び涙が頬を伝います。

それは、明日香(内田有紀)も同じでした・・・

 
後日、医療刑務所行きとなった西野(大竹しのぶ)。

明日香(内田有紀)も、クワイエットルームを出て退院が決まりました。

彼女は、病院を訪れた鉄雄(宮藤官九郎)と向き合い、彼の気持ちを受け入れる決意をします。

「私、うっとーしい?」

ためらう彼ですが、正直に「…うっとーしいよ!」と告げ、二人は別れました。

 
日常から離れ、入院したのはほんの14日間。

看護師や患者たちに見送られ、病院の外の世界に戻った明日香(内田有紀)。

サエ(高橋真唯)が描いた絵や、みんなが書いてくれた寄せ書きをゴミ箱に捨てます。

頬に一筋の涙が流れると、救急車のサイレンが近づき病院に急患が運び込まれました。

全身を毛布で覆われたのは女性のようで、傍らでは男性が名前を呼び続けます。

 
運ばれたのは、同じODの栗田(中村優子)だと気づいた明日香(内田有紀)。

必死に名前を呼んでいたのは、彼女のベッドサイドに飾られた写真に写る彼女の夫でした。

彼女のアドレスが書かれた紙は、タクシーの窓から捨てられ風に乗って飛んで行きます。

先の事は分からないけど、明日香(内田有紀)は心から笑っていました。

おしまい

 

「クワイエットルームにようこそ」見どころ

果たして自分は普通?…そもそも普通って?外の世界と離された閉鎖病棟という空間。

本作は、そこで生きる女たちを描いた群像劇です。
と言っても、あの松尾スズキの原作・脚本・監督なので下品な描写が盛りだくさん!

どうか、くだらない!?小ネタに引いて途中離脱しないで下さ~い。

心が崩壊し “負” に飲み込まれる彼女たち、その姿は他人事ではナイかもしれません。

人間は不完全、だからこそ電池が切れる前に “心の休息” が必要だと思わせてくれます。

最後は、胸にジ~ンと沁みて「やっぱり、松尾スズキって奇才なのかなぁ」と見直すかも!

 
主演の内田有紀をはじめ、この作品で “新しい自分” を見つけてしまったと言う俳優陣。

その言葉通り体当たりで演じた、キョーレツな登場人物一人ひとりに生々しさを感じます。

特に、摂食障害患者・ミキを演じた蒼井優の、39kgまで体重を落とした姿に驚くでしょう。

黒い服、首に巻かれたチョーカー、長い黒髪のコーンロウ(編み込み)。

強い意思を持つ事で、自分を追い詰めてしまう危うさ脆さを魅せます。

「システムが悪いだけ…」と、明日香に耳打ちで告げるシーンはゾクッとします。

 
外の世界で生きているものの “過剰” な存在感で、仏壇のくだりから登場するコモノ。

眉毛が繋がった能天気キャラで、本作ではイケメン・妻夫木聡は一切感じられません!

内田有紀や宮藤官九郎と繰り広げるバカ騒ぎ!振り切ったアホ!を楽しんで下さい。

 
女性の声(女優・伊勢志摩)なのに、何故か顔だけ俳優・徳井優(男性)が演じる医師・白井。

「やめなさい!」と、彼女の声が響き張り詰めた空気にこの顔!不意を突かれます。

庵野秀明(やる気ゼロ!いい加減な医師・松原)や、塚本晋也(明日香の元旦那)も登場!

日本映画界に欠かせない両監督も、雑な扱いですが味わいのある役どころですよ。

チョイ役で俳優・平田満や歌人・俵万智まで、ムダ遣いが過ぎる贅沢な出演者にも注目。

そして、大口を開けて笑う、低俗の極みのような西野を演じた大竹しのぶ。

仕草や表情、喋り方まで憎たらしい!その怪演ぶりに、大女優の凄みを感じさせられます。

 
ラスト、明日香が乗るタクシーの横を、あの和装美人が自転車で爆走するので見逃さないように!

ソレを笑い飛ばす明日香、そこには「笑える人間でいてほしい」と、想いが込められています。

数え切れない程、細かすぎる笑いを盛り込む松尾スズキ…強い癖を気に入って欲しい!

軽い気持ちで観はじめたのに、アナタにとって傑作映画になり得るかもしれません

みんなの感想

テキストのコピーはできません。