映画「フライト・オブ・フェニックス」は、デニス・クエイド主演、ジョン・ムーア監督の2004年の映画です。
この映画「フライト・オブ・フェニックス」のネタバレ、あらすじや最後のラスト結末、見どころを紹介します。
砂漠に不時着してしまったサバイバルを描く「フライト・オブ・フェニックス」をお楽しみください。
これで「フライト・オブ・フェニックス」のすべてがわかります。
「フライト・オブ・フェニックス」キャスト・スタッフ
■ スタッフ
監督: ジョン・ムーア
脚本: スコット・フランク他
制作: ウィリアム・アルドリッチ他
製作総指揮: リック・キドニー
音楽: マルコ・ベルトラミ
撮影: ブレンダン・ガルヴィン■ 主要キャスト
フランク・タウンズ: デニス・クエイド
エリオット: ジョバンニ・リビシ
AJ: タイリース・ギブソン
ケリー: ミランダ・オットー
ロドニー: トニー・カラン
イアン: ヒュー・ローリー
リドリー: スコット・マイケル・キャンベル
サミー: ジェイコブ・バルガス
デイヴィス: ジャレッド・パダレッキ
ジェレミー: ステッキー・フィンガス
「フライト・オブ・フェニックス」あらすじ
閉鎖された石油採掘所のスタッフと廃材を運ぶ運搬機が、巨大な砂嵐に遭遇します。
砂漠のど真ん中に不時着した操縦士のフランク(デニス・クエイド)は、会社が捜索部隊を出す予算などないとわかっていました。
自力で脱出を試みる彼らにさまざまな試練が待ち構えているのでした・・・
「フライト・オブ・フェニックス」ネタバレ
モンゴル ゴビ砂漠にある石油採掘所の飛行場に突然、輸送飛行機C-119が降り立ちました。
見慣れない飛行機に「何であんな輸送機がやって来るんだ?」と不思議がる者もいましたが、察しの良い者は早々に仕事を切り上げて荷造りに入りました。
輸送機はこの採掘所を閉鎖し、作業員や資材を運ぶためにやってきたのです。
本社命令を受け、飛行機を操縦してきたのは「閉鎖請負人(シャットダウン・タウン)」ことフランク・タウンズ(デニス・クェイド)でした。
現地監督で紅一点のケリー(ミランダ・オットー)は、この突然過ぎる本社命令にカンカンになり、フランクにくってかかりました。
そんなケリーを鼻であしらい、フランクは現地スタッフと廃材を乗せて、さっさと帰国する事しか頭にありませんでした。
副操縦士のAJ(タイリース・ギブソン)も「採掘場には不思議と使えないヤツが集まって来る。負け犬のたまり場だ」と作業員達を見下していました。
そして、積み荷と乗員をすべて輸送機に積み込んで出発しようとした時「僕も乗り込んで良いか?」リストに名前のない男 エリオット(ジョバンニ・リビシ)が立っていました。
ケリーによると、エリオットは1年間の休暇を利用して世界一周をしており、フラリと現れて数日前から採掘場にいた、との事でした。
取り残す訳にもいかず、仕方なくエリオットも乗せて飛行機は飛び立ちました。
離陸して数時間後、不幸にも輸送機は巨大な砂嵐に遭遇してしまいました。
フランクは何とか急旋回などで乗り切ろうとしましたが、重量オーバーもあり、輸送機は操縦不能に陥り、途中で岩山にぶつかりながら、遂に不時着してしまいました。
そこはモンゴルのゴビ砂漠のど真ん中でした。
しかも、不時着の衝撃で輸送機は大破してしまいました。
広大なゴビ砂漠から歩いて脱出しようと提案するものもいましたが、現在地さえはっきりとは分からず、磁石を含んだ山脈に囲まれて方位磁石も狂ってしまう為に脱出できる可能性は低く、提案は却下されました。
フランクやケリーは本社からの救助を待つしかありませんでした。
しかし、何日待っても救助が来る様子はありません。
フランクたちは、閉鎖した採掘所のスタッフと廃材だけしか積んでいない飛行機を救助するメリットがない、救助の可能性は限りなく低いと思い始めました。
更に、作業員の一人であるデイヴィスが、夜中に用を足しに行ったきり戻って来ませんでした。
仲間達は探しに行こうとしますが、砂嵐に阻まれ断念するしかありませんでした。
この事で、ただ救助を待って時間を過ごす事に疑問を持ち始めるメンバーも現れ始めました。
そして脱出を試みる為に水を持って行こうとするロドニー(トニー・カラン)とジェレミー(ステッキー・フィンガス)を必死で止めるフランクたちと水を巡り争いまで起きかけました。
その時、素性の知れない男・エリオットが突如「飛行機の使える部分を集めて、ここを脱出するための飛行機を作ろう」と言い出しました。
最初は全員が馬鹿げた案だと取り合いませんでしたが「僕は実験用飛行機を作る会社で設計者をやっている」と言うエリオットの自信満々な態度を見て、メンバーの中から「やってみるか」という者も出てきました。
しかし、フランクは
「水や食料を浪費するだけだ。何もしないで体力を温存した方が、長く生き延びて救助される」と言い、反対しつづけました。
しかし翌朝、今度はリドリー(スコット・マイケル・キャンベル)という男が黙って姿を消してしまいました。
「もうこれ以上、皆を動揺させたり犠牲者を増やしたりする事はできない」と、フランクが捜索に向かいました。
暫く歩き続けたフランクは、不時着前に輸送機の一部が破損した際に空中で落ちた男の死体を発見します。
遺体はズタズタになり、周囲には薬莢が何発も落ちていました。
何者かが遺体を試し撃ちの的にしていたのです。
周辺に危険な賊がいると言う証拠でした。
ショックを受けたフランクの前にリドリーが現れました。
「希望にすがっても何もならない」と言うフランクに、リドリーは「人間に一番必要なのは、人を愛することだ。それが無理ならせめて希望がほしい。希望もないなら仕事を与えてくれ」と訴えました。
その言葉と気持ちに打たれ、飛行機を作る決心をしました。
何とかリドルを連れ戻ったフランクは、飛行機を作ろうとメンバーに呼びかけました。
そしてエリオットの指示の下、飛行機を作る事となりました。
そして、作業が始まりました。
灼熱の日中では飲み水が多量に消費されるので、夜間に作業はすすめられました。
新しい飛行機の名は「砂漠の不死鳥」という意味から「フェニックス」と名づけられました。
メンバーは水や食糧の消費を計算しながら、機体を組み立てていきました。
エリオットの指示の下、使える部品を取り出すために輸送機の解体から始まって翼の接合、期待の組み立てと進んでゆきました。
しかし途中、不注意で燃料が爆発したり、突然の雷雨に襲われ、組み立て途中の機体への落雷で爆発の危機に陥ったりするなどのトラブルが続きました。
何とかピンチを乗り切ったものの、エリオットが落雷対策のアースを知らなかった事で、本当に彼が飛行機技師なのかと疑念を抱きはじめました。
更にエリオットが勝手に水を盗み飲んでいた事が明らかになります。
エリオットは「みんなが寝ている間、僕は働いていた」
「僕はここの指揮官。だから、部下のお前達に了解を得る必要はない」と言い放ます。
皆の怒りは頂点に達し、雰囲気は最悪になってしまいました。
そんな時、砂漠の中にケリーが怪しい集団を発見します。
フランクは盗賊団ではないかと危惧しましたが、AJとロドニーたちは「彼らはたまたま通りかかった遊牧民で水を分け与えてくれるかもしれない」と、地域の言葉を話せるイアンを連れ、交渉に行きました。
彼らがいる集落を見つけ、水を分けてもらえないかと交渉を始めたロドニー達でしたが、相手が「墜落した飛行機は何処にある?」と執拗に聞いてくる事に疑問を抱き始めます。
更に、相手の腕に巻かれていた時計にも気付いてしまいます。
それは、飛行機から落ちて死んだ仲間がしていた物でした。
荒野で死体を的に試し打ちをしていたのは彼等で、フランクの危惧通り、凶悪な盗賊団でした。
正体がばれた盗賊はロドニーを銃殺しました。
それをきっかけに傍で密かに見張っていたフランクと賊との間で銃撃戦が始まり、フランクは一人の賊を除き、撃ち殺しました。
しかし、その翌朝、フランクが撃ち殺したと思っていた賊の一人が辛うじて生きていました。
対処に困ったケリーがその賊を運んできましたが、エリオットはその賊を「どうせ生きていても、水がもったいない」と言い、いとも簡単に銃殺してしまいます。
フランクはそんなエリオットを激しく咎めますが、エリオットは反省する事もなく、逆に 「もう飛行機作りから手を引く。興味がなくなった。君たちはもう当てにできない」と言い放ちます。
ケリー達はなだめようとしましたが、そんなケリーたちの足元を見るように、エリオットは全員に謝罪を要求しました。
ケリーたちは渋々ながら謝罪しますが、エリオットは満足しません。
フランクに「ここの指揮官は誰だ」と迫り、強引に「君だ」と言わせ、重ねて謝罪させます。
やっと満足したエリオットの指揮の下、フランクたちは飛行機を完成させる作業に取り組みました。
その時、フランクは自分達の様子を遠方から見張る者がいる事に気付きます。
それは逃した賊が呼んだ盗賊団の仲間でした。
フランクは「俺たちが弱るのを待っている」と緊張します。
そして、ようやく「フェニックス」が完成しました。
しかし、意外な事実が明らかになります。
なんとエリオットは本物の飛行機技師ではなく、模型飛行機の会社のデザイナーに過ぎなかったのでした。
エリオットは「模型も本物も空を飛ぶ原理は一緒だ。あの飛行機はきっと飛ぶ」と言いますが、皆は「そんな飛行機はタダの巨大なオモチャに過ぎない」と信用しません。
フランクは途方にくれ、騙されたと憤ったイアンは、エリオットを銃殺しようとしました。
一触即発の事態となって、イアンが引き金を引こうとした時、砂嵐がやってきました。
すると、風を受けて飛行機が浮き上がりそうになったのです。
「ほら見ろ。ちゃんと飛ぶんだ!」とエリオットは得意満面でした。
フランクたちは驚き、考えを改めて再び希望に賭ける事にしました。
「フライト・オブ・フェニックス」ラスト最後の結末
しかし、砂嵐が過ぎ去った時、機体は砂の中に埋まってしまっていました。
「せっかく作ったのに…」とガッカリするメンバーに、フランクは「自信を持て!俺たちはクズじゃない!」と元気づけました。
フランクの言葉で、メンバーたちはなんとか奮起し、機体を砂の中から掘り出しました。
そして遂にフェニックスのエンジンを始動させる時が来ました。
しかし、その起爆剤は5つしかありませんでした。
フランクがエンジンを始動させようとする様子を皆は祈るような気持ちで見つめていましたが、3つ使ってもエンジンは始動しませんでした。
あと残り2つ。
ここでフランクは賭けに出て、1回をシリンダー掃除のために使う事にしました。
起爆させると、エンジンから炎が噴き出しました。
掃除は上手く行きましたが、残りはあと1つ。
もうだめかと思われましたが、ついにエンジンが始動し、プロペラが回り始めました。
メンバーたちは歓喜し、翼にかけ乗って寝そべりました。(即席の飛行機には操縦席しかなく、他の乗員は翼に取り付けた取っ手を持ち、翼の腹ばいになって乗る設計です)
その時、ついに丘の上から様子をうかがっていた賊たちが襲ってきました。
フランクは崖に向かって飛行機をスタートさせながら、執拗に追ってくる賊から必死に逃げました。
フェニックスはついに崖から飛び出し、一旦は崖から落下しましたが、見事に風に乗り浮き上がりました。
そして、そのまま広大な砂漠上空を安定して飛び続け、都市部まで辿り着きました。
その後、フランクはAJと共に「フェニックス」という名の航空会社を立ち上げました。
そして、エリオットは航空技師となって頭角を現し、NASAの期待の星と言われるまでになったのでした。
THE END
「フライト・オブ・フェニックス」見どころ
閉鎖された石油採掘所の作業員と、彼らを運ぶはずだった輸送機パイロットが砂漠のど真ん中に放り出され、困難を乗り越えて協力しながら脱出を試みる物語です。
絶体絶命の状況からどうやって脱出するかも見ものですが、水も食料も限られた極限状態の中で徐々に人間性があらわになってゆくのも面白い所です。
負け犬で使えない人間の集まりだと思われていた採掘所の作業員達でしたが、絶望的な状況の中に置かれ、それでも希望を失わなかったり、協力して脱出する為の飛行機を作り上げたりと力強さを見せ始めます。
作業員達を見下していたスーツ組のイアンも、やがて彼らを見直します。
それに対し、最初は大人しかったエリオットが、自分にしか飛行機の設計が出来ない事を盾に横暴になってゆくのも、リアルな人間らしく思えて、嫌悪感を抱きながらも共感できました。
そして、照り付ける日差しの中、砂嵐や盗賊の怯えながら汗と油まみれになって飛行機を作り上げ、これで砂漠から脱出できるとなった時の喜びの表情は本当に嬉しそうで、体力の全てを注ぎ込んできた者たちにした出来ない心の底からの表情でした。
物語のラスト、遥か地平線を目指して飛んで行くフェニックスの姿は本当に美しく、感動的でした。