「藁の楯」ネタバレ!あらすじや最後のラスト結末と見どころは?

映画「藁の楯」ネタバレ あらすじ
アクション

映画「藁の楯」(わらのたて)は、大沢たかお主演、三池崇史監督の2013年の日本映画です。

そんな、映画「藁の楯」のネタバレ、あらすじや最後ラストの結末、見所について紹介します。

命を狙われる極悪犯と、彼の護送を命じられたSPたちを描く「藁の楯」をお楽しみください。

原作は木内一裕の小説。
木内一裕は漫画「ビーバップハイスクール」の作者でもあります。

 

「藁の楯」スタッフ・キャスト

■ スタッフ
監督: 三池崇史
製作: 北島直明、坂美佐子、前田茂司
製作総指揮:城朋子、ウィリアム・アイアトン
脚本: 林民夫
撮影: 北信康
音楽: 遠藤浩二

■ 主要キャスト
銘苅一基:大沢たかお
白岩篤子:松嶋菜々子
奥村武:岸谷五朗
関谷賢示:伊武雅刀
神箸正樹:永山絢斗
大木:本田博太郎
高峰警視正:伊吹剛
西野:高橋和也
由里千賀子:余貴美子
車掌:吉沢眞人
清丸国秀:藤原竜也
蜷川隆興:山崎努

 

「藁の楯」あらすじ

『この男を殺してください。
名前は清丸国秀(藤原竜也)。お礼として10億円お支払いいたします』

ある日の朝、全国の主要新聞に踊ったこの広告により、全国民を巻き込んだ復讐劇が始まります。

広告主は蜷川隆興(山崎努)という政財界の大物でした。

彼の孫娘が清丸(藤原竜也)によって無残にもその短い人生を消されてしまった事に憤り、司法で裁くのではなく何としてでも清丸(藤原竜也)を殺そうと、こんな手段に出たのです。

以前にも少女を殺害して服役していたにも拘らず、出所後わずか七日で蜷川(山崎努)の孫娘を殺した清丸(藤原竜也)は、仲間に匿って貰っていましたが、この広告によりその仲間からも命を狙われる事になりました。

殺されそうになった清丸(藤原竜也)が取った行動は、自首するという選択でした。

自首する事で警察に守ってもらおうと考えたのです。

 
福岡で自首してきた清丸(藤原竜也)を東京まで移送するために、警視庁はSPである銘苅一基(大沢たかお)や白岩篤子(松島奈々子)、警視庁の奥村武(岸谷五郎)と神箸正樹(永山絢斗)、それから福岡県警の関谷賢示(伊武雅刀)の精鋭5人を護衛に付けました。

秘匿された手段で暗殺されるのではなく、白昼堂々、誰もが自分の命を狙ってくる状況に陥った清丸(藤原竜也)。

そんな彼を様々な感情を抱きながらも、職務として護衛する事になった5人は無事東京にたどり着けるのか―――?

そして清丸(藤原竜也)は人が盾になってまで守るべき価値のある人間なのか―――?

今、前代未聞の護送が始まります。

 

「藁の楯」ネタバレ

機動隊員350人という大所帯で車による護送が始まりましたが、しかし10億という金額に目がくらんでいるのは一般市民だけではありません。

警察官や機動隊員の中にも命を狙う者はいるのです。

高速道路では武装したトラックが突っ込んできり、その混乱に乗じて機動隊員が襲ってきた事もあって、護送手段を車から新幹線に変更した銘苅(大沢たかお)でしたが、ネット上では清丸の行動がリアルタイムで更新されるサイトまで立ち上がり、常に命の危険にさらされる事になります。

周囲にバレバレだとの理由から大勢での護送を辞めたにもかかわらず、相変わらず筒抜けの位置情報に、もともと寄せ集めの護送メンバー5人は互いを疑い始めます。

身の潔白を証明するために持ち物や服装検査などをする5人ですが、怪しげなものは誰からも出てきません。

それは清丸(藤原竜也)に嫌悪感を抱く神箸(永山絢斗)も同じでした。

そんな時、銃を使って攻撃してきたやくざ者により、神箸(永山絢斗)が撃たれます。

自分が死んだら母親が一人になってしまう、そう呟きながら彼は亡くなってしまいました。

 
停車した駅では、男が通りかかった少女を人質にして、清丸(藤原竜也)との交換を叫びだします。

それを見て、護送メンバーの関谷賢示(伊武雅刀)が説得に当たり、ここで護送は銘苅(大沢たかお)と白岩(松島奈々子)と奥村(岸谷五郎)の三人だけになってしまいました。

 
車に乗り換え、清丸(藤原竜也)含めたった4人で移動しているというのに、変わらず漏れる位置情報…。

今度は清丸(藤原竜也)によって殺された別の少女の父親が復讐に現れます。

皆で清丸(藤原竜也)を守りながら車を乗り捨て、再度確認したところ情報源は奥村(岸谷五郎)でした。

彼は清丸(藤原竜也)によって殺害された少女たちの事件を担当しており、凌辱された彼女たちの無残な姿が忘れられず、蜷川(山崎努)からの提案に乗ってGPSを自分に埋め込んで情報提供していたのです。

これにより、清丸(藤原竜也)の護送はたった二人になってしまいました。

にもかかわらず、守ってもらう立場の清丸(藤原竜也)は白岩(松島奈々子)を殺してしまいます。

『おばさんくさいんだよ!』と激高しながら彼女を殺すその姿には、犯罪を犯した反省も後悔も見て取れません。

シングルマザーとして働く白岩(松島奈々子)には、彼女の帰りを待つ息子がいます。

その事を知る銘苅(大沢たかお)は怒りで我を忘れ清丸(藤原竜也)を何度も殴りつけました。

しかしそれでも、SPとしての職務の遂行を第一に考える銘苅(大沢たかお)は清丸(藤原竜也)を殺すことが出来ないのでした。

 

「藁の楯」最後ラストの結末

殴られボロボロ状態の清丸(藤原竜也)を引きずるようにして歩く銘苅(大沢たかお)を見かねて助けてくれたタクシー運転手、由里千賀子(余喜美子)は、途中の検問でも警察の目を反らしてくれたり何かと協力してくれます。

その車内で、清丸(藤原竜也)は自分の母親が、自分の犯罪を苦にして自殺したことを知りました。

そこで初めて人間らしい感情が漏れる清丸(藤原竜也)。

 
様々な困難を乗り越え、警視庁まであと少しのところまで到着した銘苅(大沢たかお)と清丸(藤原竜也)でしたが、彼らを待ち受けるのは蜷川隆興(山崎努)その人でした。

日本刀を抜き、向かい風に身をふら付かせながらも清丸(藤原竜也)に近付く蜷川(山崎努)。

そんな彼に銘苅は『お孫さんはそんなことを望んでいるのか!?』と問いかけ、その足を止めます。

遂には、がっくりと跪いた蜷川(山崎努)でしたが、その彼の取り落とした日本刀を拾い上げたのは清丸(藤原竜也)でした。

何のためらいもなく蜷川(山崎努)に襲いかかる清丸(藤原竜也)。

銘苅(大沢たかお)は蜷川(山崎努)を庇って刺されてしまいますが、この一瞬の隙をついて、何人もの警察官が駆け寄って清丸(藤原竜也)に覆いかぶさり、これにより事件は一つの区切りを迎えました。

 
ラストシーンでは、日本中を巻き込んだ清丸(藤原竜也)の裁判が行われます。

注目される裁判の中で、彼は『後悔しています。どうせ死刑になるなら、もっとやっておけば良かったなって。』

こう言い放ち、うすら笑顔を浮かべるのでした。

そんな清丸(藤原竜也)に様々な感情を抱えながらも彼を守りきり任務を遂行した銘苅(大沢たかお)は、幸いにも命を取り留め、白石(松島奈々子)の残した息子と共に去ってゆく姿でこの物語は終わります。

 

「藁の楯」見どころ

想像以上に、藤原竜也さん演じる清丸国秀が気持ち悪かったです。

清丸の犯罪が到底受け入れられる様な種類の物ではなく、それを犯した犯人を藤原さんのように顔の綺麗な役者さんが演じる事に信憑性は生まれるのか?と半信半疑でしたが、そんなこちらの疑り深さを嘲笑うかのような怪演でした。

八重歯の覗く可愛い笑顔と血走った目、この人が『娘さん、いるんですか?』と聞いてくるだけで鳥肌が立ちます。

途中、人質になって泣き叫ぶ少女を見て『ぶっさいくだなぁ』というシーンでも、この状況に陥っても全く反省していない清丸国秀という男の責任感の無さや現実味の無さに唖然としました。

 
昨今多発する子供を狙った犯罪。

理不尽な暴力にさらされ突然奪われゆく幼い命、それが現実問題としてある中で、このような作品を映画化する事はエンターテイメントとしての挑戦だったように感じます。

大金持ちが金に物言わせて犯人の殺害を国民に依頼する、という発想が素晴らしく、原作と多少違う点はあったものの、違和感なく作品を最後まで描き出されていたように思いました。

がしかし。ラストがありきたりだったように感じてしまい、そこが唯一残念でした。

物語が進む中で、え?ここで?とか、え?この人が?というような役者さんが突然殺される描写が挟まれるので、その勢いのままラストも意表をついて貰えたら、こういった犯罪ベースの作品の中でも際立った存在になれたのでは?と思います。

復讐を果たそうとする祖父に向かって『そんな事をお孫さんは望んでいますか?』という言葉で相手の激情を抑えようとする、そんな物語は他にもたくさんあります。

折角、国民すべてを巻き込んだスケールの大きな復讐劇の最期ですから、そこで抑えられるのではなく『けれども孫は儂に助けを求めながら殺されたんだ』と、犯人に復讐を果たして欲しかったような、そんな気がしました。

またこの山崎さんが日本刀片手に歩み寄るシーンでは、役者さんがふらつくほどの強い風が吹いているんですが、あれは機材を使って起こした風ではなく、本物の風だったんだそうです。

当時、ちょうど台風が接近しており、それを映画のシーンに上手く取り入れて撮影されたそうで、本物の嵐と登場人物それぞれが抱える嵐とが上手く融合しあった絶妙な仕上がりになっていると感じました。

三池監督は、撮影のスケジュールをあまり変えない監督としても有名らしいのですが、とはいえ台風をもスクリーンに取り込むという決断はなかなか出来る事ではないと思います。

 
重たいテーマの作品ですが、これを作り上げた役者さんの本気の演技に色々考えさせられる物語でした。

テレビ放送の時は裁判のシーンが飛ばされていたり、という省略がなされていましたので、是非レンタルで最初から最後までご覧になって、自分ならどうするか?といったような感想をご家族や友人と話し合ってみてはいかがでしょうか?

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