映画「女神の見えざる手」は、ジェシカ・チェステイン主演、ジョン・マッデン監督の2017年公開の映画です。
この映画「女神の見えざる手」のネタバレ、あらすじや最後ラストの結末、見どころを紹介します。
ロビイストとして圧倒的な力を持つ主人公。そして彼女のキャリアをかけた戦いを描いた「女神の見えざる手」をお楽しみください。
「女神の見えざる手」あらすじ
4月18日、ワシントンD.Cの連保議事堂では、スパーリング上院議員(ジョン・リスゴー)による聴聞会が開かれていました。
相手は主人公エリザベス・スローン(ジェシカ・チェステイン)。
彼女は上院議員による質問に、「弁護人の助言により、米国憲法修正第5条に基づき答えることを拒否します」と答え続けます。
遡ること3カ月と1週間前。
エリザベスは、ロビイストとして大手ロビー会社であるコール=クラヴィッツ&ウォーターマンに所属していました。
そこへ銃擁護団体の代表であるサンドフォード(チェック・シャマタ)が仕事の依頼に訪れます。
彼は「我々は女性有権者の共感を得られていない。そこで『女性と銃』のイメージを変えたい」と言います。
エリザベスに女性たちを銃器保有賛成派に転じさせるために雇いたいといいました。
彼の話をいったん聞くと彼女は高らかに笑い、依頼を一蹴します。
それを見た上司のデュポン(サム・ウォーターストン)は彼女に激怒し、「サンドフォードの要求に応える気がないならここにいてもらう必要はない」と通告しました。
その夜、参加したパーティーの帰り、彼女のもとへ1人の男性が近づいてきます。
彼はシュミット(マーク・ストロング)と名乗り、「規制強化に賛成で会社と揉めているなら法案を通すため我々と戦ってほしい」とエリザベスを誘います。
彼女は数人の部下を連れ、シュミットがCEOを勤めるピーターソン=ワイアットへ移籍をしました。
移籍した彼女ですが、大きな課題がありました。
銃規制法を通すためには最低60人の議員の獲得が必要だといいます。
現在44人。
賛成・反対の態度を決めていない22人の議員の説得、そしてコール=クラヴィッツ&ウォーターマンとの奪い合いが始まりました。
そして・・・
「女神の見えざる手」ネタバレ
エリザベスは最初にウォレス議員に目を向けます。
彼の資金調達パーティーで彼女は銃規制反対派による邪魔を受けながらも、議員の「銃規制強化法案を全面的に支持する」という公的な場での発言を獲得することができました。
これをきっかけに、エリザベスが指揮するピーターソン=ワイアットの銃規制賛成派のチームは、次々に議員を獲得してきます。
メディアでの討論を始めとし、エリザベスやCEOのシュミットは直接議員に話をしに行きました。
そんな中、エリザベスはチーム全員をビルの外に集め、盗聴に気を付けるように伝えます。
次のターゲットは、フロリダ州共和党のゴメス。
彼女は銃規制強化に反対する州にも手を出そうとし、チームから反対を受けてしまいます。
一方、敵のコール=クラヴィッツ&ウォーターマンも動き始めます。
一度銃規制賛成派に投じたバッジリー議員に接触し、彼は態度を変えてしまいます。
彼は彼を含め7票を所持しているため、彼を失ってしまったら賛成派の負けが近づいてしまいます。
この事態にエリザベスはチームを集めます。
そこでチームメンバーに見せたのは、チームの1人であるシンシア(ルーシー・オーウェン)が敵と接触している写真でした。
シンシアは敵に情報を流していたのです。
彼女を会社から追い出します。
ゴメスの件は、裏切り者を探すためのおとりだったといいます。
またエリザベスはピーターソン=ワイアットのチームとは別に、元国家安全保障局のメンバーで成り立つ非公式のチームも持っていました。
そこで態度を急変したバッジリーの対処をしようとしているようです。
そこでは24時間のビデオ監視・携帯・アカウントハッキングなどをしていました。
またゴキブリに細工をし、コントロール・盗聴ができるようにしてあるようです。
エリザベスの後をつけていたシュミットは、モラルに反していると反対します。
別の方法を探し出せと言われた彼女は、バッジリー議員の自宅から事務所まで巨大ネズミで追跡させました。
態度を急変させた議員への規制強化派による抗議です。
これに見事メディアは食いつき、バッジリー議員は再び「銃規制強化の支持」の発言をメディアの前で行いました。
後日、敵のコナーズ(マイケル・スタールバーグ)とエリザベスの1対1の討論が行われました。
始めは理路整然と弁論していたエリザベスでしたが、次第に焦点が外れていってしまいます。
議論が白熱し、銃による被害を受けたメンバーの1人の名前を出しました。
そのメンバーであるエズメ(ググ・バサ=ロー)は、以前から公表されるのを良く思っておらず、エリザベス自身もそれを知っていました。
エリザベスはテレビの前でその経験を語るように彼女に言います。
これもエリザベスの作戦のようです。
「もっと知りたい」と思わせるようなコメントをと言い、エズメもそれを実行しました。
議員による銃規制強化法への態度は、賛成派に一気に傾き始めていました。
エリザベス率いる賛成派は、あと4人となります。
一方、エズメは仕事帰り、ある男に銃を突き付けられます。
しかしその男がエズメを撃つ前に、登録済みである銃を持った男によって撃たれ命拾いしました。
この事件をきっかけにエズメはチームから、そしてエリザベスから離れ、またこれが銃規制反対派の追い風となってしまい、銃規制賛成派を投じていた議員とも連絡が取れなくなり、ピーターソン=ワイアットの状況は悪くなっていきます。
敵のコール=クラヴィッツ&ウォーターマンでは、エリザベスの常軌を逸したロビー活動に終止符を打とうと動き出していました。
「女神の見えざる手」最後のラストの結末は?
再び4月18日、エリザベスは聴聞会に呼ばれます。
最終日、言いたいことはないかと問われたエリザベスは、最後に胸の内を話します。
彼女の話の途中、傍聴席ではジェーン(アリソン・ビル)がコナーズに「将来の件でお話が」と言い、辞表を渡しました。
ジェーンはエリザベスがコール=クラヴィッツ&ウォーターマンに在籍していた時期、彼女の右腕として働いていましたが、エリザベスの移籍をきっかけに対立関係にありました。
しかし席を立ち部屋を出ていくジェーンを背景に、エリザベスはコール=クラヴィッツ&ウォーターマンを辞める時に密偵として部下を残したと話し始めます。
そしてデュポンに監視をつけていたこと、そしてデュポンが密談し結託した相手はスパーリング上院議員であると話しました。
否定しようとするスパーリング上院議員を遮り、彼女は傍聴席にアドレスを伝えファイル名「激震」を開くように言います。
そこにはデュポンとスパーリング上院議員が話している映像が流れていました。
10か月後、
メリーランド州にある連邦矯正施設にエリザベスはいました。
彼女はずっとサポートをしてくれていた弁護士であるダニエル(デヴィッド・ウィルソン・バーンズ)との面会に応じます。
ダニエルは、スローンに最後に一つ質問をします。
今回の件で唯一の証拠だったのは、わざと自分でサインを書き込んだ書類だけだったためです。
仲間にも伏せてそのようなことをした理由は何か?と問うと、
彼女は「刑期は5年だから」と言い面会室を出ていきます。
一方ダニエルは「また会おう」と笑顔で送りました。
THE END
「女神の見えざる手」見どころ
ロビイストとして圧倒的な力をもつ主人公が、キャリアをかけて戦った銃規制強化法の法案。
ロビイストという職業になじみがなかったですが、エリザベスの理路整然としたしゃべりや、スピード感で最後までハラハラさせられます。
ロビイストとは、「特定の団体や企業、個人のために立法に影響を与える目的で陳情や請願をとりもったり、また、特定法案阻止をはかって政党や議員に働きかけることを専門とする人たち」(日本国語大辞典より)のようです。
今回の映画からも、銃規制強化法に対して議員を賛成派につかせようと動いていましたね。
水質汚染問題に挑んだ女性を描いたジュリア・ロバーツ主演の「エリン・ブロコビッチ」を思い出しました。
物語の緻密さと迫力のある展開が良く、飽きず最後まで見られる今回の映画。
主人公のエリザベスを演じるジェシカ・チャステインの演技もかっこよかったです。
最終日にエリザベスが語った内容や大逆転劇の爽快感はたまりません。
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