映画「超高速!参勤交代リターンズ」は、佐々木蔵之介主演、本木克英監督の2016年の日本映画です。
この映画「超高速!参勤交代リターンズ」のネタバレ、あらすじやラスト最後の結末、見どころを紹介します。
前作「超高速!参勤交代」の続編となります。
「超高速!参勤交代リターンズ」キャスト・スタッフ
■ スタッフ
監督: 本木克英
脚本: 土橋章宏
制作: 矢島孝
製作総指揮: 大角正
音楽: 周防義和
撮影: 江原祥二■ 主要キャスト
内藤政醇:佐々木蔵之介
お咲:深田恭子
雲隠段蔵:伊原剛志
荒木源八郎:寺脇康文
秋山平吾:上地雄輔
鈴木吉之丞:知念侑李
増田弘忠:柄本時生
今村清右衛門:六角精児
徳川吉宗:市川猿之助
松平輝貞:石橋蓮司
松平信祝:陣内孝則
相馬兼嗣:西村雅彦
「超高速!参勤交代リターンズ」あらすじ
物語は前作「超高速!参勤交代」のエンディングから、その帰りの道中から始まります。
江戸への参勤交代を成し遂げた湯長谷藩だったが、持ち金を使い果たし、帰りの旅費を稼ぐために奔走していました。
ようやく金が集まり、故郷に向かって江戸を出発しますが、湯長谷で一揆が起きたとの知らせが入ります。
一揆を2日以内に収めないと、藩がお取り潰しに・・・
今回は前回の2倍のスピードが必要です。
はたして・・・
「超高速!参勤交代リターンズ」ネタバレ
享保二十年、
松平信祝(陣内孝則)の策略で一年おきにあるはずの参勤交代を、帰ってから数日でまた行うことになった内藤政醇(佐々木蔵之介)が藩主を務める湯長谷藩一行。
資金が無い中、相馬兼嗣(西村雅彦)の知恵でどうにか期限までに江戸にたどり着きました。
その帰り、江戸に向かうための資金しか考えていなかった一行は金が尽き、帰りも走って帰ることに。
それから一ヶ月、徳川吉宗(市川猿之助)が日光社参で江戸を空けると同時に、湯長谷藩とのことで騒ぎを起こした信祝は謹慎が解け、叔父である松平輝貞(石橋蓮司)からそのことを伝えられます。
罰を受けた信祝は、これに懲りず報復を考えていたのです。
一方、湯長谷藩一行は帰りの資金を作るために牛久の宿場で懸命に働き金を溜めて過ごしていました。
ある夜、政醇とお咲(深田恭子)の祝言が開かれます。
そのめでたい席に江戸の屋敷から瀬川安右衛門(近藤公園)がやってきて、湯長谷で一揆が起った事を伝えるのです。
目付が湯長谷へと向かったと聞いて、急いで湯長谷に帰らなければお取り潰しになってしまうという安右衛門の言葉に焦る一行。
さらに焦らせたのが目付が湯長谷に着くのが約二日後ということだったのです。
しかし瀬川が牛久までくるのに四日かかっています。
参勤交代は帰りも関所では行列を見せなければならず、参勤の時の倍の速さで帰らなくてはならない計算です。
交代が失敗すればお取り潰しは決定したようなもの。
どうにか知恵をしぼる一行の様子を見たお咲は、見受けを断りまた牛久で働くと申し出ます。
ですが、一行は誰も首を縦に振りませんでした。
そしてお咲は籠に乗り後からゆっくり来ればよいと話し、瀬川に任せて政醇たちは帰りの道につきます。
夜更けに出発した湯長谷藩一行。
お咲は、籠に揺られ一行を追います。
その様子を伺っていた信祝の手下は信祝にそのことを報告するのです。
政醇たちは、近道をしようと川を渡って先を急ぎます。
政醇と、泳げない相馬が船に乗り、それ以外の面子は泳ぎながら川を渡るのですが、バランスを崩した相馬が川に落ちてしまうのです。
鈴木吉之丞(知念侑李)が相馬を助けに向かいますが、流木に当たって気絶してしまいます。
下流に鈴木を探しにやってきますが、もう流されてしまった後でした。
心配する一行でしたが、荒木源八郎(寺脇康文)の「鈴木は泳げるから大丈夫」という言葉を信じて先を急ぎます。
どうにか大沼宿に着いた一行はまた行列をするため、参勤と同じくまた人を雇いました。
しかし集められたのは30人程度。
相馬が知恵を絞り、かかしの顔部分に黒い布をかぶせてごまかし、人に見たてて難を乗り切ったのです。
その頃、江戸にいる信祝は周りの連中に足を引っ掛けられたり嫌味を言われたりしていましたが、復讐する事だけを考えて会議に向かいます。
湯長谷藩の一揆の件が話し合われる中、輝貞は「内藤ほどの男ならば、帰れば自ずと一揆は収まるだろう」と話しますが、それに異を唱えたのが信祝でした。
「上様がお留守だからこそ、湯長谷が乱れているならば速やかに別の者が収めるのが法の定め」だと意見したのです。
誰も信祝の意見に何も言えず、湯長谷のおとり潰しが決定してしまいました。
信祝は、湯長谷藩の取り潰しの書面を、先ほど足を掛け嫌味を言った大名に渡します。
その大名の1人は城からの帰り赤い仮面をつけた謎の男に切られ、もう一人は料亭の前で僧が転がした爆弾の爆発に巻き込まれてしまうのです。
大名二人を暗殺した男たちは信祝の差し金で動いていました。
報告を受けた信祝は、政醇が今いる場所の報告を受け、次の作戦に移ります。
交代の二日目、政醇たちは高萩に到着しましたが、何故か謀反人として手配書が出回っていました。
どうにか関所を通るための策として相馬が考えたのはここで死ぬということ。
薬売りに扮した相馬と荒木が大きな樽を引いて関所で検問を受けます。
中を見せろと言う役人に、コロリ(流行病)で死んだ死体が入っていると説明しますが、それを信じられない役人は樽を転がして中を確認しようとするのです。
すると、その中から出てきたのは死体に扮した政醇と今村でした。
死体だと確認した役人はもう一つの樽も確認しようとしますが、猿の菊千代が鳴いたため荒木が「祟りじゃ」と呟くと怖がった役人たちは相馬たちに「早く行け!」と関所を通します。
転がり出た政醇たちは死人のはずですが、役人たちの目を盗んで樽に戻り事なきを得たのです。
その頃、川で流された鈴木は気絶したまま岸にたどり着いていました。
川に洗濯に来ていた女性たちに見つけられ、ふんどしもなく着物も乱れている鈴木は仏だと勘違いされますが、無事目を覚まし今いる場所を彼女たちに聞きます。
走り出した鈴木に、せめてこれをと着物をくれた女性がいました。
女性物の着物を着て走っている最中、政醇の書き置きとふんどしを見つけ、それを掴み先へと急ぎます。
政醇たちは、この森を抜ければ湯長谷だという所まできていましたが、信祝が手配した柳生一族に囲まれてしまいます。
その中には、信祝を馬鹿にした大名を襲った赤い仮面の男・柳生幻道(宍戸開)もいました。
斬り合いになる一行でしたが、参勤の時に道案内をしてくれた段蔵(伊原剛志)が青い仮面を着けて現れます。
敵として現れた段蔵に困惑する政醇でしたが、段蔵は娘を人質に取られしょうがなく柳生一族に加担していたのです。
それを知った政醇たちは、「段蔵は裏切ってない」と段蔵の帰りを喜びます。
刀を捨て丸腰になった政醇に、柳生一族は「段蔵、斬れ!」と命令しますが、段蔵は政醇を斬ることが出来ません。
次々に刀を捨てる湯長谷藩一行。
猿の菊千代の活躍で柳生一族が混乱している隙に相馬が段蔵の娘を奪い返したのです。
娘が無事手元に帰り安心した段蔵は、柳生一族と闘い、政醇たちを逃がします。
段蔵のおかげでどうにか森を抜けた政醇たちはやっと城にたどり着きますが、城の門で火が上がっていました。
政醇たちがたどり着いた時には一足遅く、城を取り上げられてしまった後だったのです。
火が上がっていたのは、政醇たちの荷物が燃やされていたからでした。
尾張柳生が湯長谷藩の代わりに城に入ったと聞かされた一行は、沙汰が早すぎると疑問を感じますが、どうすることも出来ないでいました。
そこに家老の福田弥之助(橋本じゅん)が現れ、事の次第を話します。
何の前触れもなく一揆が起り、捕えられた者は櫓に閉じ込められていると。
一揆をおこしたのは百姓ではなく、武士が攻め入ったのだと言うのです。
江戸では計画が上手く行ったと信祝が大喜びをしていました。
そして「直々に内藤に切腹を申し付ける」と言い「湯長谷藩江戸屋敷に住む者も追い出せ」と命令を下します。
江戸屋敷に残っていた秋山平吾(上地雄輔)はこの騒ぎの犯人が信祝と知り、政醇の妹・琴姫(舞羽美海)に“脱藩口上”を差し出し去っていきます。
信祝を斬るつもりで屋敷までやって来た秋山でしたが、「誰を斬るつもりだ?」と声を掛けられ声の方向に構えると、声を掛けてきたのは南町奉行の大岡忠相(古田新太)でした。
秋山が大岡に事の次第を説明すると、大岡も信祝を見張っていたと話します。
幕閣を暗殺したのが信祝ではないかと疑いが掛かっているのです。
大岡は、湯長谷藩の事を探ってやる代わりに、こちらの事件も手伝わないかと秋山を誘います。
政醇たちが食事を取りながら会議をしているとそこに段蔵が現れます。
段蔵の話で、今回の一揆と藩のお取り潰しは全て信祝の仕業だと知るのです。
怒りに震える相馬たちでしたが、政醇の「まずは民の事を考えよ」という言葉に落ち着きを取り戻します。
翌朝、百姓に化けて田畑を見に行くと、全て荒らされ無残な状態になっていました。
田畑だけでなく水路までも壊され落胆する百姓。
政醇がいなかったからこんなことになったと政醇を責めます。
そこに到着するお咲と瀬川。
その頃、秋山と大岡は信祝の行動を探り、暗殺現場で目撃されていた僧・森極蔵(中尾明慶)を尾行します。
尾行中に自分たちもつけられていると気づいた秋山は、自分が囮になるから森を追ってくれと話し、自分がもし戻らなかったら琴姫に心から思っていたと伝えてくれと頼みます。
そんな秋山に、大岡は「生きて自分で言え」と断るのでした。
秋山が、追ってきた忍びと闘っていると外で爆発音がし、急いで外に出てみると大岡が森を仕留めていました。
磐城では湯長谷藩一行が水路をどうにか直そうと奮闘していました。
井戸を覗きこんでいると、囲いの木が腐っていて相馬が落ちてしまいます。
「溺れるから助けてくれ」という相馬の叫びで井戸に水がある事が分かり枯れていた井戸を復活させることに成功するのです。
政醇はお咲に弱音を吐きます。
そんな政醇をお咲は慰め、「私にも何かできる事はないかい?」と話し、百姓の炊き出しをしたいと話す政醇を手伝うのです。
炊き出しの手伝いをしていたお咲は政醇が百姓からとても慕われてのだと知ります。
そんな時、鎌と鎖を持った男が現れお咲が誘拐されてしまいます。
そして茂吉(神戸浩)の畑も荒らされてしまうのです。
段蔵から、城内に囚われている藩主は明日打ち首になり、その様子を信祝が見に来ると知らせを受けた政醇は、お咲が連れ去られた事と畑を荒らされた事も知り城を取り戻すと宣言します。
その頃大岡は、捕えた森を取り調べていました。
大岡は森にカマをかけ信祝と繋がっていることを聞きだします。
森が持っていたメモには「鳩五川九岩八」という文字が書かれていて、その文字の謎を解く秋山。
“鳩ヶ谷に五つ、川口に九つ、岩淵に八つ”その答えは、将軍・徳川吉宗がその場所を過ぎるおおよその時間が書かれていました。
将軍の暗殺を計画していた信祝は、暗殺時のアリバイ作りの為に磐城に向かっていたのです。
一方、政醇たちはお咲と城の奪還のための作戦を練っていました。
段蔵が変装し幻道に、殿が磐城に入ったが湯長谷藩士の抵抗にあっているという嘘の文を渡します。
番人たちが出払った隙に、櫓に槍文を投げ入れ閉じ込められている人に計画をしらせたのです。
中にいた女性たちは武器を手に取り城の外へと逃げることに成功し、女性たちから武器を受け取った政醇たちは城へ押し入ります。
政醇は無事お咲を見つけますが、お咲は迷惑ばかりかけている自分に自信がなくなり、見受けを断ると言いだすのです。
そんなお咲をどうにか落ち着かせますが、そこへ鎌と鎖をもった連中が現れ戦闘が始まってしまいます。
戦闘中なのに、政醇の気持ちを知りたいと言うお咲に真摯に答え愛を告白する政醇。
それを聞いていた段蔵には「今ですか?」と言われてしまいます。
城では狼煙を見た柳生一味が戻ってきていました。
門を閉めようとした番人を蹴飛ばし中に入る鈴木。
丁度城に戻ろうとしていた鈴木は、異変に気づき急いで後をつけてきていたのです。
諸坂三太夫(渡辺裕之)と荒木が闘い、荒木が勝利します。
負けた三太夫を斬ろうとする幻道を政醇が止めますが、負けを認めようとしない幻道。
私腹の為だけに生きる幻道に呆れた三太夫は幻道を斬り、政醇に信祝が将軍の暗殺も考えていると伝え城を去ります。
幻道が負け、城まで奪われたと知った信祝は怒り、戦を仕掛けようと準備します。
政醇たちも、戦を仕掛けてくるだろうと読んでいました。
政醇は一人で信祝と戦おうとしますが、湯長谷藩一行はそれを阻止し、皆で戦いに向かいます。
「超高速!参勤交代リターンズ」ラスト最後の結末
千人の兵を引き連れた信祝に対抗するために向かったのは僅か七人と菊千代。
信祝は政醇に「謀反の罪で切腹せよと」命じますが、「今はただの武士だから断る」と政醇は答えます。
草むらに隠れた段蔵が、相馬の合図で煙幕を落とします。
前が見えなくなった信祝の兵は政醇たちに次々に斬られ、勝負は政醇の方が優勢に。
どうにか信祝までたどり着いた政醇たち。
政醇は信祝に「罪を償って湯長谷へ来ないか」と言葉を掛けます。
「何を馬鹿なことを」と取り合わない信祝は、兵を政醇たちに向けますが、その戦いを見ていた尾張柳生は、政醇の器と信祝の器の違いを痛感し兵を撤退させてしまうのです。
見限られた信祝の元に、森を連れた大岡と秋山が現れます。
幕閣を暗殺したこと、そして将軍の暗殺を計画していた件で捕えると宣言する大岡。
それでも抵抗する信祝でしたが、そこに叔父の輝貞も現れ、信祝の老中の任を解く旨を伝えます。
そして輝貞はこれまで信祝が起こした騒動を政醇に詫びるのでした。
政醇は「これにて参勤交代は仕舞いとする」と宣言します。
江戸に戻った吉宗は、湯長谷藩の事を聞き、政醇に更なる信頼を寄せます。
信祝に関しては、「寛容こそ大事」と言い“他家預かり”となりました。
湯長谷では復興に向けての作業が始まり、皆懸命に働いています。
まだ所帯を持たない鈴木に、周りは誰か好いた女子はいないのかと冷やかすと、実は年上の女性・お亀に想いを寄せていることが分かり騒然とします。
しかし、お亀の好きな人は今村で…。
告白する前からフラれてしまった鈴木は落胆します。
すっかり落ち着きを取り戻した湯長谷では皆で磐城の念仏踊りを踊りながら盛り上がり、楽しそうにする人々の笑顔で溢れていました。
おしまい。
「超高速!参勤交代リターンズ」見どころ
前作、超高速!参勤交代の続編!
前作では参勤を行い、帰りも走るぞー!という所で締めくくられていましたが、今回は交代の帰りからのストーリーです。
陣内孝則さん演じる信祝が何かしでかしそうだとは思っていましたが、やはり!
前作よりも悪い顔になって復活しています(笑)
今作でも、コミカルな知恵を絞りながら難関を突破していく湯長谷藩一行ですが、バレやしないかとハラハラドキドキしてしまいます!
特に、死体に化けて関所を突破する所はかなり笑えて、とってもハラハラドキドキです。
死体なのに自分で樽に戻るとか、爆笑してしまいました。
前作に加えて今作からの豪華なキャスト陣にも注目です。
宍戸開さん、渡辺裕之さんなどの迫力ある殺陣のシーンは見応えたっぷりです!
そして、お猿の菊千代の活躍も素晴らしい!
最後の戦闘シーンにも可愛らしい菊千代が湯長谷藩ののぼりを持って参戦しているのを見逃さないでくださいね!
前作同様、笑えてほっこりする時代劇エンターテイメント映画なので歴史物が苦手な方にもオススメですよ!
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