「ザ・ウォール」ネタバレ!あらすじや最後ラストの結末と見どころ!

映画「ザ・ウォール」ネタバレ あらすじ
ミステリー/サスペンス

映画「ザ・ウォール」は、 アーロン・テイラー=ジョンソン主演、ダグ・リーマン監督の2017年の映画です。

この映画「ザ・ウォール」のネタバレ、あらすじや最後ラストの結末、見どころについて紹介します。

「ザ・ウォール」のギリギリの緊張感をお楽しみください。

 

「ザ・ウォール」あらすじ

2007年、イラク戦争末期。ある砂漠地帯にて。

アメリカ兵のシェイン・マシューズ軍曹(ジョン・シナ)とアレン・アイザック軍曹〔通称:アイズ〕(アーロン・テイラー=ジョンソン)は、ともにパイプライン建設現場で起きた狙撃事件調査のために派兵されました。

スナイパーを警戒し、二人は小高い丘のようなところで迷彩服に木切れなどをつけて隠れていました。

事件現場には作業員らしき死体が6体と、護衛兵らしき死体が2体ありました。

やって来てから20時間が過ぎましたが、現場に人の気配はなく、二人はもう暫くしたら帰ろうか、などと冗談を言ったりしていました。

 
銃のスコープには崩れた壁が見えていました。

「なぁアイザック、あの壁の向こうに誰かいると思うか?」

「8割方、誰もいないと思う」

それでも一応、壁の向こうを確認する事にしました。

ここから悪夢が始まったのです・・・

 

「ザ・ウォール」ネタバレ

マシューズが立ち上がってみますが、やはり何も起きません。

そのまま、マシューズは死体の所まで歩いて行って、無線機を取って迎えのヘリを呼び出そうと言い出しました。

 
アイズは見張り役で、歩いてゆくマシューズを望遠鏡でずっと追いかけていました。

マシューズが死体を見てみると、全員が頭部を一発で打ち抜かれていました。

周りは見渡す限り砂漠で、何処から撃たれたか分かりませんでした。

「こんな事が出来るのは、“ジューバ”か?」

その時、突然マシューズが撃たれてしまいます。

驚いて助けに向かったアイズも、狙撃ポイントが何処か分からないまま撃たれ続けました。

何とかレンガを積み上げた壁の向こうに逃げ込んだものの、足を撃ち抜かれていました。

助けを求めようと無線で呼びかけますが、アンテナを撃たれてしまっていて使い物になりませんでした。

 
「敵の狙撃ポイントを割り出しそう。そして反撃してやる・・・」

地面に倒れたままのマシューズが、近距離の無線越しに呟きます。

辺りの状況を探る為、アイズは壁のレンガを一部取り外して、そこに望遠鏡を設置しました。

状況は決して思わしくありません。

マシューズは腹部を撃たれていつ気絶しても不思議ではなく、思うように動く事も出来ません。

アイズも足を撃たれて、包帯は巻いたものの出血し続けていました。

 
そんな時、近距離無線から呼びかける声が聞こえてきました。

戦線離脱を申し出、重装備の救援隊と医療装備も要請しました。

すると無線の相手(オーティス・シモンズ大尉と名乗っています)は、アイズの位置を知るために空に向かって銃を撃ってほしいと言ってきました。

そんな事をしたら、何処にいるか分からないスナイパーに位置を知られてしまいます。

アイズは、無線の向こうにいるシモンズ大尉が本当に味方かどうか疑い始めます。

 
そして、相手の英語に訛りがある事を指摘すると、急に「これはカモフラージュだ。私は言葉の陰に隠れている。君が壁の向こうに隠れている様に」

「仲間は死んでいるのかな?」

「彼に家族はいるかな?」

「彼の顔を撃ち抜いてめちゃくちゃにしたら、遺族は悲しむかな?」

と口調が変わりました。

そして、アイズは彼が味方ではなく、敵側のスナイパーでアメリカ人を次々に殺している「ジューバ」だと気が付きます。

 
それを指摘すると、向こうも自分はイラク兵だと認め、更に「お前のことをよく知りたい」と会話を続けようとしてきました。

アイズは無線で話し続けながら、周りを望遠鏡で見渡し、傷口の入射角と、着弾と発砲音の差から、狙撃ポイントまでおよそ1500mと割り出します。

その時、ジューバが
「狙撃されて死ぬアメリカ兵はこれで二人目だな。最初はディーン、次がマシューズ」と言ってきます。

アイズは、相手が撃たれて死んだ戦友 ディーンの事まで知っている事に驚きます。

ジューバは無線でアイズとマシューズの会話を聞いていたのです。

 
ジューバはアイズがいつも使っている望遠鏡(実はディーンの遺品)の由来を執拗に聞きたがりました。

アイズは無視して水筒の水を飲もうとしますが、穴が開いている事に気付きます。

ジューバはアイズの沈黙などお構いなしでしゃべり続けています。

「そろそろ喉が渇いてきただろう。水筒を撃ったからな」

「嘘だ。(そんな遠くから)狙える訳がない」

「嘘じゃない。ちゃんと狙って撃った。アンテナも、お前の膝窩(しっか)静脈もな。どうだ?血が止まらないだろう。夜までに失血死だ」

 
その時、アイズは自分を撃った弾がNATO弾だった事を思い出します。

ジューバは元々アメリカで訓練を受けたスナイパーだと噂されていました。

だとすれば、使っている銃はアメリカ軍支給のものと同じで、弾倉は20発入りのはずです。

アイズはこれまでに撃った弾の数から、残弾数を計算しだします。

そして同時に、会話から相手の武器も探り出そうとします。

「お前の武器はM24狙撃銃か?それともMK11か?そうだ、MK11に違いない」

「違う、それはお前の思い込みだ。無知な奴め」

「無知な奴?俺が何を知らないか、教えてくれよ」

「お前は俺をテロリストだと思っているだろう。でも、それは違う。同じだ。お前達は俺の国にズカズカ入り込んできた。お前達の方がテロリストだ」

 
話を続けるうちに、アイズはジューバが潜んでいるのが遥か向こうに見える瓦礫の中だと予想しますが、段々と意識が遠のいてきていました。

それでも何とか体力を振り絞り、ヘルメットと上着でカカシを作りって壁の上から出してみました。

相手に囮を撃たせ、音と光から狙撃ポイントを確認しようとしたのです。

しかし、ちゃちな作りとヘタクソな動きですぐに囮だとバレ、鼻で笑われるだけでした。

 
作戦がばれたと分かったアイズは落胆しますが、気持ちを立て直し、砂嵐で視界が悪くなった隙を利用して放置された遺体の側に移動して水筒と無線機を回収する事に成功します。

そして、元の壁に戻った途端に激しい銃撃を受けます。

その時に望遠鏡も撃たれて壊れ、回収した無線機もやはり使い物になりませんでした。

しかし、マシューズの所から反射光が出ている事に気付きます。

銃声でマシューズが意識を取り戻し、鏡を使って合図してきたのです。

アイズは敵に気付かれないように「スナイパーは12時の方向、距離は1500か1550m、瓦礫の中にいる」と伝えながら、注意を引く為に無線でしゃべり続けました。

 
そのうち、ジューバがエドガー・アラン・ポーの詩を引用してきたので「本をよく読んでるんだな」とカマを掛けると、ジューバは自分が元教師で、バクダッドの学校で教えている時に生徒と共に銃撃されたと語り出しました。

その隙に、マシューズはゆっくりと動き、側に落ちていたマシンガンに手を伸ばしていました。

しかし、ジューバは突然「これからマシューズの頭を撃ち抜く。脅しじゃない」と無線で告げてきました。

慌てたアイズは、注意を向けさせようと、「ディーンは、俺がスナイパーを見落としていた時にうっかり望遠鏡を落としてしまい、それを取ろうとして撃たれて死んでしまった。自分のミスでディーンを死なせてしまった事を忘れない為、俺は何と言われようとも遺品の望遠鏡を使い続けてきたんだ」と、自分がなぜ死んだディーンの望遠鏡を使い続けるか語り始めました。

 
その時、マシューズが体を起こそうとしました。

アイズが思わず「もっとゆっくりやれ」と言ったのを、無線でジューバに聞かれてしまいます。

「『ゆっくりやれ』?誰と話している?」

警戒したジューバの先手を取ろうと、マシューズが瓦礫に向かって銃撃を開始しました。

次々に瓦礫に弾を撃ち込み「仕留めたのか?」と思った矢先、ジューバから反撃の一発が放たれ、マシューズは肩を撃ち抜かれます。

アイズは苦しむマシューズの方に手を伸ばしますが、届く寸前でジューバに頭を撃ち抜かれて、マシューズは息絶えてしまいました。

 
悲しみと無力感に苛まれたアイズは「俺も撃たないのか!?」と叫びますが、ジューバは「お前は帰る事を望んでいない。お前が戦場に何度も戻って来たのは帰りたくないからだ。そんな奴は撃たない」と言います。

実は、アイズはディーンの死についてずっと嘘をつき続けていました。

本当は、死んだと思っていた敵が生きていて撃ち合いになった時、誤ってディーンを撃ち殺してしまったのです。

そんな自分を責め続けていたと、アイズは告白しました。

 

「ザ・ウォール」最後ラストの結末は?

そんな時、無線からアイズの上官 オルブライト大尉の声が聞こえてきました。

応答して助けを求めようとしましたが、ジューバがアイズに成りすまして「何も問題ありません。迎えのヘリをお願いします」と答えてしまいました。

最初はパイプラインの技術者、次が護衛隊員、その次がアイズと、ジューバは次々と誰かに成りすまして標的をおびき寄せていたのです。

落胆したアイズは、そのまま気を失ってしまいました。

 
再びアイズが意識を取り戻した時、陽は沈みかけていました。どうやら長い時間が経っていたようです。

このまま無防備な救援ヘリがやってくれば、仲間も撃たれてしまうと思ったアイズは反撃を決意します。

銃を取り、自ら壁を倒してから地面に伏せ、銃撃の体制を取りました。

「死ぬのは怖くない」

むき出しになったアイズに向けてジューバが撃ってきましたが、壁を倒した砂煙で視界が悪く、命中させることは出来ませんでした。

ジューバからの銃撃により狙撃ポイントを見定めたアイズが引き金を引き、瓦礫に弾を撃ち込むと銃撃は止みました。

 
その直後、救援のヘリがやって来ました。

アイズが担架に乗せられ、ヘリに運び込まれようとした時、突然ヘリに向けて何発もの弾が撃ち込まれました。

ヘリは急いで離陸しようとしますが、銃撃は止まりません。

「瓦礫だ。ヤツは瓦礫の中にいる!」

アイズの叫ぶ声も空しく、ヘリは撃墜されてしまいました・・・

 
暫くして、本部からヘリに無線で呼び掛けが入りました。

「B-17、B-17、応答してください」

「こちらB-17,はっきりと聞こえている・・・」

THE END

 

「ザ・ウォール」見どころ

登場人物はアイズとマシューズ、そして無線の向こうのジューバ(声のみ)だけです。戦場が舞台ですが、殆どが無線での会話だけで話が進行します。

突然に襲い掛かってきた、姿の見えない凄腕スナイパー「ジューバ」、ケガで出血し、水もなく、助けを呼ぶ無線も壊れている極限状態の中で相手を探り合う駆け引きが展開されます。
(注)「ジューバ」は実在したイラク人スナイパー。アメリカ兵を何人も狙撃しているが、その正体は確認されていない。

作品中でも「ジューバと名乗る男は多い。俺はただの男だ」と語るシーンがあり、個人名か複数のスナイパーの総称かも定かではない

 
相手の目的も分からず、姿も見えず、会話と銃弾で命と心を削られてゆく中、必死に抵抗するアイズの駆け引きとガッツは見ものでした。

また、無線越しに会話をする中で、敵味方共に心の内をさらけ出し始めるのも印象的でした。

アイズは戦友を失ってしまった事やその原因について嘘をつき続けている事、生きる意味を失って戦場に居続けようと戻って来てしまう事を告白しています。

ジューバも、かつてはバクダッドで教師をしていたインテリにも拘らず、学校を爆撃され、生徒を目の前で殺されて復讐に身を投じた事を明かしています。

大切な人の死、PTSD,復讐――どれも現実に起こっている事で、深い闇を感じました。

 
殆ど場所が動く事もない、派手な爆撃も、大勢に人が死ぬ中「戦場での命をかけた絆」的なありきたりな感動演出もない異色の戦場映画。

しかしながら、銃声や弾が風を切って飛んでくる音はリアルで息詰まる緊張感があります。

生きるか死ぬかの駆け引きと言うエンターテインメントとしての面白さに加え、戦争の恐ろしさ・残酷さが垣間見える部分もあって興味深く、印象に残る作品でした。

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