「ジヌよさらば かむろば村へ」ネタバレ!あらすじや最後ラストの結末と見どころ

映画「ジヌよさらば かむろば村へ」ネタバレ あらすじ
コメディ

映画「ジヌよさらば かむろば村へ」は、松田龍平主演、松尾スズキ監督の2015年の日本映画です。

この映画「ジヌよさらば かむろば村へ」のネタバレ、あらすじや最後ラスト、結末、見所について紹介します。

お金恐怖症の元銀行マンが過疎の村へ移住する「ジヌよさらば かむろば村へ」をお楽しみください。

原作は、いがらしみきおの漫画『かむろば村へ』です。

 

「ジヌよさらば かむろば村へ」スタッフ・キャスト

■ スタッフ
監督: 松尾スズキ
製作: 武部由実子、中田由佳里
製作総指揮:坂本雅司
脚本: 松尾スズキ
撮影: 月永雄太
音楽: 佐橋佳幸

■ 主要キャスト
高見武晴(タケ):松田龍平
天野与三郎:阿部サダヲ
天野亜希子:松たか子
なかぬっさん:西田敏行
青葉:二階堂ふみ
いそ子:片桐はいり
奈津:中村優子
伊吉:村杉蝉之介
トキ:伊勢志摩
勝男:オクイシュージ
みよんつぁん:モロ師岡
青木:荒川良々
青砥:皆川猿時
多治見:松尾スズキ
進:田中仁人
役名なし:三谷幸喜(特別出演)

 

「ジヌよさらば かむろば村へ」あらすじ

大荷物を抱えた男が一人、バス停にやってきます。
男の名は高見武晴(松田隆平)。

東京を引き払ってかむろば村へ引っ越してきた高見(松田隆平)を迎えに来たのは、村長である天野与三郎(安倍サダヲ)でした。

天野(安倍サダヲ)は町営のバスの運転手を務めており、そのまま高見(松田隆平)を彼が購入した民家まで送り届けます。

病院・学校・郵便局もなく限界集落寸前のかむろば村に来てなんで百姓をしようと思ったのか?そんな話をしながら走るバスを、山間から一人の老人がカメラで追っていました。

天野(安倍サダヲ)曰く、彼はなかぬっさん(西田敏行)。

この村の神様だと言います。

不思議な気持ちで高見(松田隆平)は途中立ち寄った天野(安倍サダヲ)の経営するスーパーに立ち寄り彼の妻、亜希子(松たか子)から差し入れを貰いました。

途端に挙動不審になる高見(松田隆平)。

お支払いについては構わない、と言われ目に見えて安心する高見(松田隆平)、実はお金アレルギーにかかっており、これからは何も買わない、何も占いで生きていく為にこのかむろば村にやってきたのでした。

東北の山奥の村で、お金を使わず水道もガスも電気も使わない決心の元、彼は生きていけるのか…?

高見(松田隆平)を中心にして沸き起こる小さな村の大騒動。

神様もやくざも指名手配犯も出てくるドタバタ不思議な物語の始まりです。

 

「ジヌよさらば かむろば村へ」ネタバレ

銀行勤めをしていた高見(松田隆平)がお金アレルギーになったのは、彼の銀行が行った融資の縮小により首をくくるしかなかった小さな企業の社長さん達を見てきた事が原因でした。

何としてでもお金は使わない、寒さに耐えられるよう尋常じゃないほどのヒートテックを持ってきた、という高見(松田隆平)でしたが、引越し初日の夜は雨。気温が下がり、寒さに耐えきれなくなった高見(松田隆平)が細い枝を必死で切ろうとしているところに、心配してやってきた天野(安倍サダヲ)とたまたま出会ったなかぬっさん(西田敏行)がやってきました。

囲炉裏に火を焚いて温かい食べ物を準備してくれた天野(安倍サダヲ)。

亜希子(松たか子)はお手製のお弁当を持ってきてくれました。

高見(松田隆平)が出したごみの分別が出来ていなかったので、やり直しをしていて発見した高見(松田隆平)の捨てた600万以上もの預金の貯まった通帳を持ってきたのです。

もう二度とこんなことしないで、そう言って、使わなくなった自転車をくれた亜希子(松たか子)は、帰り際、うちでバイトしないか?と誘いかけて帰って行きました。

そこにやってきたのが女子高生の青葉(二階堂ふみ)です。

高見(松田隆平)の自宅でもつれ合う様にキスを交わす二人。

600万も貯まった通帳捨てたんでしょ、そう言いながら畳の上を転がる青葉(二階堂ふみ)に襲いかかるも、淫行ですよ!!と拒否される高見(松田隆平)。

そんな彼に、また遊びに来るから!と言い残して青葉(二階堂ふみ)は帰ってしまいました。

 
その頃、伊佐旅館では議員の青砥年明(皆川猿時)が、同じく猟友会に入っている村役場の助役、佐藤伊吉(村杉蝉之介)を次の村長にして、隣町との合併を進めようと悪だくみをしています。

大声で気勢を上げながら、旅館の女将奈津にモーションをかける青砥(皆川猿時)。

青砥(皆川猿時)が奈津の肩に手を置いた途端、現れたなかぬっさん(西田敏行)の目が光ります。

それを見て青砥(皆川猿時)はそそくさと帰っていくのでした。

そこへ、高見(松田隆平)が食料の配達にやってきます。

彼は亜希子(松たか子)の誘いを受けて、スーパー天野で働くことにしたのです。

バイト代はお金ではなく物資そのもの、という契約の彼は、奈津(仲村優子)の息子、進(田中仁人)の顔を見て驚きます。

天野(安倍サダヲ)にそっくりな男の子だったからです。

笑ってごまかす奈津(仲村優子)。

 
ある日、高見(松田隆平)の所に再び青葉(二階堂ふみ)がやってきます。
そして、逃げて、というのです。

こないだの事をネタに青木(荒川良々)が来るから逃げて、と言いながら微妙に時間稼ぎする青葉(二階堂ふみ)。

高見(松田隆平)は逃げる間なく青木(荒川良々)によって、先日の淫行写真をネタに銀行からお金をおろしてくるように命令されてしまいました。

青木(荒川良々)に連れて行かれる高見(松田隆平)を見た天野スーパーの店員いそ子(片桐はいり)は、急いで天野(安倍サダヲ)に電話します。

その頃銀行で100万下ろして来い、と言われフラフラ状態の高見(松田隆平)。

そこへ天野(安倍サダヲ)登場です。

青木(荒川良々)を天野(安倍サダヲ)がボコボコにしている間に、青葉(二階堂ふみ)は高見(松田隆平)をそそのかすようにして、バスを運転させ東京へ向かうのでした。

ところが高見(松田隆平)はペーパードライバー。

あっという間に事故を起こしてしまったのです。

 
高見(松田隆平)が気付いた時、彼は山深い場所にある露店風呂になかぬっさん(西田敏行)と入浴中でした。

僕は死んだんですか?と聞くと返ってきたのは、微妙だね、という答え。

そこへ奈津(仲村優子)が入ってきます。

そして、進(田中仁人)は天野(安倍サダヲ)の子供だと明かすのでした。

頼まれたら断れない人だから産ませてほしい、と頼み込んだという奈津(仲村優子)。

それを聞きながらなかぬっさん(西田敏行)が言います。

天野(安倍サダヲ)は自分を捨てちまった人間だから断らない。

自分を捨てちまった人間は人の為に生きるしかねーべよ、と。

 
そこでふと目を覚ます高見(松田隆平)。
そこは病室でした。

頭に包帯を巻かれた状態で2週間近く寝っぱなしだったというのです。

起きたばかりの高見の枕元には青葉(二階堂ふみ)がいました。

彼女はどうやら怪我もなく無事だったようです…と思ったのも束の間、ヒョイと前髪を上げた彼女のおでこには小さな小さな傷が出来ていたのでした。

高見(松田隆平)はその傷の責任を取って結婚する事を決めます。

 
退院後、立て替えて貰った入院費用と事故で壊してしまったバスの購入費に、と高見(松田隆平)が300万円持って役場にやってきます。

当初天野(安倍サダヲ)は断りますが、バスに好きな名前を付ける権利を買う、という形で高見(松田隆平)からのお金を受け取ったのでした。

ところがその後、高見(松田隆平)が家に帰ると青葉(二階堂ふみ)がいません。

300万もの大金を寄付する人とは一緒に暮らせない、そう書かれたメモを残し、傷の慰謝料に、と100万円と共に消えてしまったのでした。

 
バスの名前が披露される日。
その模様はテレビでも放送されました。

その放送を見詰める一人の男。

男はかむろば村にやってきました。

彼はかつて天野が警察官だったころに捕まえたやくざだったのです。

多治見(松尾スズキ)は、4年の刑期を食らったこと、そして天野(安倍サダヲ)に使い物にならなくされた足の恨みを果たすべくやってきたのでした。

奥さんを試させろ、そうすればチャラにしてやる、そう要求する多治見(松尾スズキ)を、天野(安倍サダヲ)は血まみれになるほど殴り飛ばします。

それ以上やったら死んでしまう、そのタイミングで天野(安倍サダヲ)を止めたのは高見(松田隆平)でした。

 
後日、天野スーパーで倒れている高見(松田隆平)をいそ子(片桐はいり)が発見します。

いそ子(片桐はいり)の手を借りて天野(安倍サダヲ)に電話した高見(松田隆平)は、亜希子(松たか子)が多治見(松尾スズキ)に拉致された事を知らせました。

しかし天野(安倍サダヲ)はバスを出すという仕事から抜けられません。

高見(松田隆平)は、自分にまかせてほしい、と伝えて自転車を飛ばして探し回るのでした。

結局亜希子(松たか子)が拉致されていたのは高見(松田隆平)の自宅でした。

残りのお金を差し出して、これで天野家から手を引いて欲しいと懇願する高見(松田隆平)でしたが、そんな彼に多治見(松尾スズキ)は数枚のコピーをヒラヒラと落とします。

それは天野(安倍サダヲ)を指名手配犯として取り上げた雑誌のコピーでした。

驚く高見(松田隆平)。否定する亜希子(松たか子)。

そこへ伊佐旅館の板前、勝男(オクイシュージ)がやってきて鉄パイプで多治見(松尾スズキ)を殴り、助けにやってきました。

 
一方その頃、バスで老人たちを送り届けたあと青木(荒川良々)に再会し、彼の車から流れる音楽がうるさい事で喧嘩になる天野(安倍サダヲ)。

逃げていく青木(荒川良々)を追い駆けて交番に入り込んでしまった彼はその場で逮捕されてしまうのでした。

 
当時警察官だった天野(安倍サダヲ)は、情報源として同じ組に所属する多治見(松尾スズキ)と勝男(オクイシュージ)の二人と付き合いがありました。

しかし、天野(安倍サダヲ)の彼女、幸子に惚れた多治見(松尾スズキ)が彼女を襲ってしまった事からその関係性は崩れてしまいます。

天野(安倍サダヲ)は多治見(松尾スズキ)を捕え懲役刑に処し、その後、幸子は遺体となって発見されたのでした。

全てを捨ててかむろば村まで逃げ、伊佐旅館に泊まった天野(安倍サダヲ)を、村長に推薦したのがなかぬっさん(西田敏行)です。

この村には自分を捨てて村のために尽くせるぐらいの男が必要だ、と。

こうして村長になった天野(安倍サダヲ)は、現在進行中の村長選にももちろん立候補しています。しかし、殺人容疑のかかっている人間の立候補は認められないとして却下されてしまいました。

その代わりに立ったのが高見(松田隆平)です。

 

「ジヌよさらば かむろば村へ」最後のラスト結末

こうしてお金アレルギーの高見(松田隆平)と、青砥(皆川猿時)に推された伊吉(村杉蝉之介)の二人が闘う選挙戦が始まりました。

青砥(皆川猿時)は、伊吉(村杉蝉之介)が村長になったら、隣町と合併してここら一帯を大規模なゴミ処理場にする腹でいます。

演説上手な青砥(皆川猿時)の言葉に湧く村民。
高見(松田隆平)はと言えば、やはり演説は上手くなく形勢は劣勢の様です。

そこへ釈放された天野(安倍サダヲ)がやってきて高見(松田隆平)の応援演説を始めました。

これからさらに過疎化が増して貧しくなるかもしれないこの村の村長には金ではない何か大切なものを探しているこの男が村長になるべきだと思う。

そう言ってマイクを置いた天野(安倍サダヲ)に集まってきた村民からは温かな拍手が送られます。

 
天野(安倍サダヲ)が釈放されたのは、勝男(オクイシュージ)が幸子殺しの犯人として自首してきたからです。

幸子を強姦して捕まった多治見(松尾スズキ)のけじめは、一番天野(安倍サダヲ)と仲の良かったお前がつけろ、と組長から命令されての犯行でした。

スーパーの前に集まった村民の前に進み出た高見(松田隆平)は、全財産である札束に火を点け燃やしてしまいます。

ジヌ(お金)よさらば。

これで少審小委の無一文になりました。
これが高見武晴(松田隆平)の本当のスタートです。

そういう彼の顔は晴れやかでした。

 
いつものように温泉に浸かるなかぬっさん(西田敏行)の所に、多治見(松尾スズキ)がやってきます。

青砥(皆川猿時)と組んでいる多治見(松尾スズキ)は、なかぬっさん(西田敏行)が応援する方が村長選に勝利する、という事実から彼を拉致しにやってきたのでした。

ところが急に苦しみだす多治見(松尾スズキ)。

彼が踏み込んだ温泉には『人間立ち入り禁止』の看板が…。

なかぬっさん(西田敏行)はやはり神様なのでしょうか?

しかし、その神様なかぬっさん(西田敏行)もその後亡くなってしまいます。

彼の死を悼み、喪に服す村は選挙戦も一カ月先送りになりました。

立候補者の伊吉(村杉蝉之介)は青砥(皆川猿時)に猟銃を突き付け、あんたのやっている事はこういう事だ、と立候補を取り下げます。

猟銃に銃弾は入っていませんでしたが、伊吉(村杉蝉之介)はただの傀儡人形ではなかったという事でしょう。

 
今度の村長選には天野(安倍サダヲ)も出ます。

にこやかに話す高見(松田隆平)と天野(安倍サダヲ)を、なかぬっさん(西田敏行)の孫進(田中仁人)がカメラで激写しています。

そんな進(田中仁人)の目は、なかぬっさん(西田敏行)と同じように光っているのでした。

完。

 

「ジヌよさらば かむろば村へ」見所ポイント!

ほのぼのとした田舎と、人生に疲れた男のよくある再生ストーリーかな?と思って見始めると、安倍さん演じる天野の暴力描写に慄いてしまいます。

グロいところまでいかないけど、作品中のそこここに散りばめられた可笑しな言い回しや台詞とは相いれない程度には痛々しい描写なので、それがそこはかとない恐怖となって感じられました。

 
芸達者な役者さんばかり集まっているので、テンポも良く、台詞の言い回しにも笑わされましたが、結構下ネタも入るし、暴力描写も少なくないので苦手な方は少し注意してご覧になった方が良いかもしれません。

ただ、印象的なセリフも沢山あって、妙に心に残る作品でもありました。

『なんとかなる。思うような結果じゃなかったとしても』という言葉は、本当に普通の言葉なんですが、なぜか心に引っかかります。

何か問題が起きても大丈夫だ!という心構えでいればいいのか、それとも何をしたって結果はなるようにしかならない、として努力を放棄するのか…

それは受け止めた側の心の持ちようで変わってくるのかな、と思いました。

 
一度見ただけより、二度三度重ねてみた方がより作品の深みにはまる松尾ワールドのような気がするこの物語。

分かり易い面白さの裏に見えない闇が張り付いているようで、妙に胸がドキドキする作品でしたので、ご覧になった方の感想としてはきっと十人十色な意見が聞けるのではないかと思います。

一筋縄ではいかない、再生物語としては少しテイストの違う物語をご覧になってみませんか?

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