映画「Ray / レイ」はジェイミー・フォックス主演、テイラー・ハックフォード監督の2004年のアメリカ映画です。
この映画「Ray / レイ」のネタバレ、あらすじやラスト最後の結末、見どころを紹介します。
“ソウルの神様”レイ・チャールズの波乱の生涯を描く「Ray / レイ」をお楽しみください。
この「Ray / レイ」でジェイミー・フォックスはアカデミー主演男優賞を受賞しています。
「Ray / レイ」キャスト・スタッフ
■ スタッフ
監督: テイラー・ハックフォード
脚本: ジェームズ・L・ホワイト
制作: ハワード・ボールドウィン 他
製作総指揮: ウィリアム・J・イマーマン 他
音楽: レイ・チャールズ
撮影: パヴェル・エデルマン■ 主要キャスト
レイ・チャールズ: ジェイミー・フォックス
デラ・ビー・ロビンソン: ケリー・ワシントン
マージー・ヘンドリックス: レジーナ・キング
ジェフ・ブラウン: クリフトン・パウエル
ファットヘッド・ニューマン: ボキーム・ウッドバイン
ジョー・アダムス: ハリー・レニックス
メアリー・アン・フィッシャー: アーンジャニュー・エリス
アレサ・ロビンソン: シャロン・ウォーレン
サム・クラーク: カート・フラー
ミルト・ショウ: デヴィッド・クラムホルツ
「Ray / レイ」あらすじ
2004年に亡くなったミュージシャン、レイ・チャールズの伝記映画です。
1948年、17歳のレイ・チャールズ・ロビンソン(ジェイミー・フォックス)がシアトルの場末の酒場からスターになるまでを描いています。
彼の成功は裏切りやドラッグとの闘いでもありました。
視力を失い、トラウマを抱えながらも盲目の天才呼ばれた彼の名声の裏での生きざまを描いていきます。
「Ray / レイ」ネタバレ
フロリダ州で育ったレイ・チャールズ・ロビンソン/レイ・チャールズ(ジェイミー・フォックス)は幼い頃に失明し光の無い世界で生きてきました。
仕事を探すためにフロリダからシアトルへとバスで向かいます。
まだ人種差別が根強い時代で、バスの後ろの席には黒人席が設けられており、黒人であるレイはその指定された席に座わるのです。
シアトルに着いたレイは“ロッキング・チェア”というバーの外でクインシー・ジョーンズ(ラレンズ・テイト)と出会います。
クインシーは店を案内してやると言い、レイを店に連れて行きますが、クインシーだけ入店を断られ一旦はその場で別れます。
店のマダム、マーリーン・アンドレ(デニース・ダウス)に腕前を披露してみなと言われたレイは、着いて早々に客の前で演奏することに。
盲目のレイに対して客は白けた雰囲気でしたが、ひとたびレイの演奏が始まると踊りだすのです。
マーリーンは、レイの相棒ゴッシー・マッギー(テレンス・ダッション・ハワード)に、レイを売り出して儲けようと話を切り出します。
マーリーンがマネージャーを務め、レイはマクソン・トリオというユニットで活動します。
次第に人気が出るマクソン・トリオでしたが、マーリーンとゴッシーが売り上げの殆どを持って行ってしまうため、いくら演奏してもレイは全くお金を受け取ることが出来ませんでした。
マーリーンの家で同居しているレイは、彼女との生活に嫌気がさし、そろそろ一人で住みたいとゴッシーに相談します。
ゴッシーは「家賃タダで住めるんだからいいじゃないか」とレイ言いますが、「体で払わされてる」というレイ。
そんなレイをゴッシーはからかい、「彼女といるから仕事が出来てる」といって説得するのでした。
ある日、ロッキング・チェアで演奏するレイにレコード会社のジャック・ローダーデイル(ロバート・ウィズダム)が声を掛けレコードを出さないかと話を持ちかけます。
そんな二人を見て、マーリーンとゴッシーはレイを外して契約の話を進めてしまいます。
店の司会オベロン(ワーウィック・デイヴス)はレイに「マーリーンとゴッシーがお前を食い物にしている」と忠告をします。
そしてレイにジャックの名刺を渡すのでした。
レイはジャックとの話し合いから帰ってきたマーリーンとゴッシーにジャックとの話はどうだったかと尋ねます。
すると全くの嘘を話す二人。
レイは「嘘つきは泥棒の始まり」と言ってジャックから前金として貰った500ドルを見せます。
レイはジャックを訪ね契約の話をしていたのです。
「ローウェル・フルソン(クリス・トーマス・キング)と組んでツアーに出て、ギャラはこれまでの3倍だ」というレイに、そんなのレイを騙してるに決まってると話す二人。
今までマーリーンとゴッシーに騙されていた事に腹を立てたレイはマーリーンの家を飛び出します。
ジャックとともにロスにやって来たレイは、レイ・ロビンソンだとボクサーのシュガー・レイと同じだからとジャックからアドバイスを受け、レイ・チャールズに改名してデビューすることになりました。
バンドと一緒にツアーに回るレイでしたが、中々メンバーと打ち解ける事が出来ません。
盲目と言うだけでお荷物扱いされてしまいます。
そんなある日、ツアーマネージャーのジェフ・ブラウン(クリストン・パウエル)に「杖も盲導犬も無しでどうして歩ける」と質問されます。
レイは「俺には耳が目だ。音は物によって全部違うから底が固い靴で音を鳴らして聞き分ける。」と答えるのです。
「一人で生きていくには早く学ばなきゃ」とうレイに、ジェフは「俺も戦場で早く学んだからこうやって生きていられる。死体をみるのはもう嫌だ」と話し、レイも「死ぬのって嫌いだ」と答えるのでした。
レイは幼い頃、弟のジョージが溺れているのに助けられなかった過去がありました。
そのことがずっとトラウマだったレイは時折、水に浸かってしまうような感覚に見舞われます。
そのとき決まって幼いジョージの手や足を触るような感覚がありそのことに恐怖を抱いていました。
弟の死からしばらくして、レイの目は見えなくなってしまいます。
幼いレイがこれからきちんと生きていけるよう、母親は懸命に一人で生きていく術を教えたのでした。
トラウマから解放されたかったレイはバンドのメンバーからクスリを教わってしまいます。
「Baby Let Me Hold Your Hand」がヒットしたレイはバンドの中でもスター扱いとなり女性からもモテ、とっかえひっかえの日々を送るのです。
そんな中、レイの給料がくすねられてしまい喧嘩になります。
レイはバンドのメンバーとの生活はうんざりだと飛び出してしまうのでした。
1人で過ごすレイの元にアトランティックレコードのアーメット・アーティガン(カーティス・アームストロング)が訪ねてきます。
ジャックの会社が債務超過を起こし、歌手をアトランティックレコードに売ったのでした。
移籍したレイでしたが、ナッキン・コールやチャールズ・ブラウンの真似だと言われてしまいます。
アーメットとの話し合いの末オリジナル曲「Mess Around」で勝負し、見事ヒットするのです。
その頃、デラ・ビー・ロビンソン(ケリー・ワシントン)と出会ったレイは、自分の音楽に対して正直な気持ちを話してくれるデラに惹かれていきます。
その頃に、後のヒットソングとなる「I Got a Woman」が生まれます。
神聖なゴスペル音楽に俗っぽい歌詞とリズムを付けて歌うレイにビーは嫌悪感を表しますが、「君への気持ちを歌いたい。愛している。」というレイの言葉に感動するのです。
R&Bとゴスペルの融合という今までにない音楽「I Got a Woman」は瞬く間にヒットし、レイは一躍有名ミュージシャンとなります。
そしてレイとビーは周りに祝福され結婚するのです。
ある夜、レイが歌う曲が不謹慎だと客からクレームが入ります。
バンド内でもその客と同じ考えのメンバーがいて、バンドから脱退してしまうのです。
しかし、レイはそれに怯むことなく、自分の音楽を愛してくれる客の為に演奏を続けます。
ツアーに出る準備をしている時にビーはレイが隠していたクスリを見つけてしまい…。
ビーに責められるレイでしたが、クスリは止めないと開き直るのです。
女性シンガーをバンドに入れるためオーディションを開くレイ。
選ばれたのはメアリー・アン・フィッシャー(アーンジャニュー・エリス)。
ビーのお腹にはレイとの子供がいましたが、レイはメアリーと愛人関係になってしまいます。
しばらくして長男が誕生します。
わが子に指はあるか、目は見えるか心配するレイにビーは「大丈夫よ。」と答えます。
愛する息子の誕生に、レイは幼い頃に過ごした母親との事を思い出すのでした。
順調に活躍するレイはアーメットとニューヨークを訪れ3人組女性シンガー・クッキーズと組んで演奏することに。
レイは彼女たちに一緒にツアーを回らないかと持ちかけます。
承諾した彼女たちはクッキーズからレイレッツにグループ名を変え仲間になるのです。
レイレッツが仲間になった事でバスパートに回されてしまったメアリーは面白くありません。
しかもレイに気に入られているマージ―に敵対心むき出しのメアリー。
レイがメアリーのためのソロ曲を作った事で一旦は落ち着くメアリーでしたが、次第にレイの心がマージ―だけに向いていくのに耐えられなくなってしまったメアリーは出て行ってしまいます。
ある公演で、契約時間よりも早く終わりにしようとしたレイに、その店のオーナーからクレームが入り、レイは残りの時間を繋ぐため即興の演奏を披露します。
レイの代表曲でもある「What’d I Say」です。
客の盛り上がりも素晴らしく、録音してレコードを出そうという話になりますが、曲が長すぎるのが問題になりますが、ディレクターの提案でA面B面に分けて録音することで話がまとまります。
その会議の終わりにアーメットからクスリの事を指摘されるレイ。
中毒症状が出始めているレイにアーメットはクスリを止めろと忠告します。
しかし、たいしたことはないとレイは話を聞き入れませんでした。
「What’d I Say」は大ヒットを飛ばし、レイは家族と一緒にロスへと引っ越します。
幸せな時間を過ごすレイの元にマージ―から電話が入ります。
レイを追いかけマージ―もロスに来てしまったのです。
そんなマージ―にレイは激怒します。
マージ―は腹いせにレコーディングで酒を飲みながら適当に歌い始めてしまい…。
そんな彼女をスタジオから追い出すレイ。
レイレッツを追い出しコーラスが居なくなってしまいますが、コーラス部分もレイが全て歌い無事収録を成功させるのでした。
レイは大手レコード会社ABCレコードからスカウトされます。
フランク・シナトラをも凌ぐ好条件を提示するABCレコードに移籍することを決心するレイ。
新天地での活動に力を入れるレイは、今までのスタイルから切り替えオーケストラを入れてレコーディングした「我が心のジョージア」を発表します。
レコードはヒットしますが、ニューポート・ジャズ・フェスティバルで記者に「大衆化路線に走った」と言われてしまいます。
反論するレイでしたが、そこに「そうじゃない、彼は黒人の血と誇りを捨てて魂を売った」と発言する男性が…。
クインシー・ジョーンズでした。
二人は久しぶりの再会に喜び、クインシーは一緒にレコーディングしようとレイに持ちかけますが、これから南部でのライブツアーに出るから無理だと断るレイ。
クインシーは南部での差別がとても嫌だったとレイに伝えます。
その頃、マージ―はレイとの子供を身ごもります。
しかしレイは「家族を捨てて君と一緒になる事はない」と話し、マージ―は激怒。
その時、大ヒットソング「Hit the road Jack!」が生まれたのです。
レイは今の怒りをこの曲にぶつけて歌えとマージ―に話します。
曲はヒットしますがマージ―はソロになりたいと、レイの元から去ってしまいました。
中毒症状が酷くなってきたレイはまた母との生活を思い出します。
それは母親の元から盲学校へ旅立つ日の事。
レイにとっては愛する母親と離れる悲しい記憶でした。
母親の力だけでは盲目のレイを独り立ちさせるのに限界があったのです。
ジョージア州で公演をすることになっていたレイでしたが、人種差別が酷い状況を見てレイは公演をドタキャンしてしまいます。
そのことで公演元の会社から告訴されてしまったレイ。
多額の違約金を請求され、ジョージア州での演奏も今後一切出来なくなってしまったのです。
しばらくして、レイはクスリの所持で逮捕されてしまいます。
レコード会社の計らいで不起訴になったレイでしたが、家族を顧みずクスリに溺れるレイにビーは愛想を尽かすのです。
「Ray / レイ」ラスト最後の結末
釈放後、レイはカントリーで勝負したいと考えます。
公演でカントリーミュージックを披露すると、それまで今までのヒットソングをリクエストする声で煩かった客席はレイの演奏に惹きこまれるのです。
その公演で司会者ジョー・アダムス(ハリー・レニックス)と出会うレイ。
客席をレイの演奏に集中させるための演出を行ったジョーを気に入ったレイは、それからの司会をジョーに依頼しますが、今までレイに尽くしてきたジェフはそのことに嫌悪感を抱きます。
レイはビバリーヒルズも負けるような豪華な家、そして専用のスタジオも買います。
その頃、マージ―がクスリで死んだと連絡が…。
彼女とレイの子供は3歳になっていました。
妻のビーもマージ―との子供が生まれていたことを知っていたのでした。
ジョーがバンドを仕切るようになってから、少しずつバンドにも不穏な雰囲気が。
そしてジェフが横領していた事が分かり、彼をクビにするレイでしたが信頼していた友達に裏切られ意気消沈してしまいます。
ツアーのためボストン入りしたレイでしたが、機内にクスリがあると通報が入り税関に止められてしまいます。
クスリが見つかったのはレイのコートからでした。
ビーはレイにクスリを止めてと必死に説得します。
「どんなものよりも愛した音楽と別れて刑務所に入りたいなら勝手にして」と言われたレイは目を覚まし、更生施設に入る決心をするのです。
辛い幻覚症状にも懸命に立ち向かい自力で中毒症状を克服したレイは仮釈放されます。
レイは医師に指摘され、弟ジョージの死のトラウマも乗り越えるのでした。
それから40年以上、レイがリリースするレコードはヒットを飛ばし世界で愛されるエンターテイナーとなるのです。
そして、レイが演奏する事を禁止していたジョージア州はレイに対して謝罪し、「我が心のジョージア」を州歌にしました。
レイは亡き母への思いを胸に、クスリを完全に断ち、黒人大学や盲学校への慈善活動を続けたのです。
THE END
「Ray / レイ」見どころ
世界的に有名なシンガーレイ・チャールズの波乱の人生を描いたストーリー。
レイを演じるジェイミー・フォックスの演技が見事です!
本人かと思うほど似ているのです!
歌は吹き替えとの事ですが、ジェイミーの演技が全く違和感がないのが凄い!
この作品でジェイミーはアカデミー主演男優賞を受賞しています。
そして一番の魅力は、レイの素晴らしい数々の曲を堪能できることです。
レイを知らなくても、TVやラジオで沢山流されている名曲も使われているので何となく聴いたことのある曲があるかもしれませんよ。
クスリや女に溺れ、親しい人に裏切られてきた波乱の人生を送ったレイでしたが、差別を無くし平等に音楽を楽しめるために貢献した人でもあります。
レイのインタビューを元に作られたストーリーは見応えたっぷりです!