映画「マーキュリー・ライジング」はブルース・ウィリス主演、 ハロルド・ベッカー監督の1998年公開の映画です。
この映画「マーキュリー・ライジング」のネタバレ、あらすじや最後のラスト結末、見どころについて紹介します。
国家機密を知ってしまった少年と彼を守るFBI捜査官の逃亡劇「マーキュリー・ライジング」をお楽しみください。
「マーキュリー・ライジング」あらすじ
FBI捜査官のアート・ジェフリーズ(ブルース・ウィリス)は銀行の立てこもり事件に囮捜査官として潜入していました。
犯人側の一味として潜入していたアートは、興奮する犯人グループのリーダーをどうにかなだめ説得しようとしていた時、強引に突入してきたFBIによって犯人たちはすべて銃殺されてしまいます。
アートは、指示を出した上司のハートリー(ジョン・ドーマン)を殴り、その罰として囮捜査官から違う課へと移動させられてしまうのでした。
自閉症の少年サイモン・リンチ(ミコ・ヒューズ)、パズルを解くのが好きで、学習センターの教師から新しいパズルの雑誌を貰いそれに夢中になります。
家に帰ってからもそのパズルを解いていたサイモンは導き出した答えの通りある場所へと電話をかけるのです。
サイモンが電話をかけたのはNSA(アメリカ国家安全保障局)で、サイモンの解いたパズルは絶対に解かれることのない「マーキュリー」という暗号システムでした。
サイモンからの電話を受けたレオ・ペドランスキー(ボッジ・パイン・エルフマン)は、電話口でぼそぼそと話すサイモンに話しかけますが、サイモンは母親から声を掛けられ電話を切ってしまいます。
レオは同僚のディーン・クランデル(ロバート・スタントン)をすぐに呼び、逆探知を試みました。
録音されていた音声には母親のサイモンと呼ぶ声が残っており、サイモンが暮らす住所も割り出します。
二人はリーダーのニコラス・クドロー大佐(アレック・ボールドウィン)にこのことを報告することに。
「マーキュリー」は大金をかけて開発されたもので、敵からの侵入を完全に防げるとうたい既に多くの情報センターで起動されることが決まっていました。
スーパーコンピューターでのテストも完璧でしたが、それでも不安に思ったレオとディーンは、上司に相談することもせず勝手にパズル雑誌に「マーキュリー」の暗号御システムを掲載してしまったのです。
誰も解けないことを証明しようとやったことが裏目に出てしまい、サイモンによって解かれた「マーキュリー」はもう安全ではないと証明してしまった事になります。
クドロー大佐は、サイモンの能力を利用されることが無いように、サイモンを殺害してこの事を隠ぺいしようと考えるのです。
そして・・・
「マーキュリー・ライジング」ネタバレ
サイモンの家にシカゴ警察を名乗る男がやって来ますが、その男はクドロー大佐が用意した暗殺者で、サイモンの父、マーティン(ジョン・キャロル・リンチ)と母、ジェニー(ケリー・ヘイゼン)を射殺しサイモンを探します。
中々サイモンが見つからない中、家の外には本物の警官が。
父親が息を引き取る前に通報していたのです。
犯人は銃を父親に握らせ心中を装いその場から立ち去りました。
現場検証を終えたシカゴ警察は、自閉症であるサイモンを育てる両親が経済的に追い詰められ心中を図ったのだろうと、犯人の思わく通りに事件を推理するのです。
一方、配置換えのあったアートは、サイモンを探して欲しいという要望で現場へと足を運びますが、父親が握っていた拳銃が1500ドルもするものだったことから、心中ではないのではないかと疑います。
2階のクローゼットに隠れていたサイモンを見つけたアートでしたが、自閉症のサイモンはパニックを起こし暴れてしまい手が付けられません。
どうにか病院までサイモンを搬送したアートは両親を亡くしたサイモンに警護をつけて病院を後にします。
しかしその夜、サイモンの事が気になったアートは病院へと足を運びますが、警護が付いていませんでした。
疑問に思ったアートはそのことを病院の医師に確認すると、両親からの指示でサイモンを小児科に移したと聞きます。
死んでいる両親がそんな指示を出せるわけがなく、アートはサイモンが何者かに狙われているのだと勘づくのです。
サイモンを探しに小児科へと向かったアートは、そこで医師に扮した暗殺者ピーター・バレル(リンジー・ギンター)に遭遇します。
ピーターを撒いて病院からサイモンを連れだす事に成功したアートでしたが、暗殺者は他にもいました。
複数の暗殺者を倒しアートが向かったのは親友でFBI捜査官の“トミー”トーマス・ジョーダン(シャイ・マクブライト)の所です。
トミーやトミーの妻子はアートとサイモンを優しく迎えますが、トミーはアートに逮捕状が出ていることを告げます。
アートの為に、サイモンを警察に渡すよう説得しようとしたトミーでしたが、アートはそれに応えずトミーの車を借りてその場を後にするのです。
囮捜査でのトラウマでクスリを服用していたアートは、サイモンとの逃亡で疲れもありつい居眠りをしてしまいます。
その隙に車からいなくなってしまったサイモン。
アートが必死に探すと路地を歩くサイモンを見つけます。
サイモンの道案内で、誰もいないサイモンの家を訪れたアート。
サイモンは教師からもらったパズル雑誌を見て電話を掛けます。
再びつながったNASとの電話。
アートはサイモンから受話器を奪い電話を代わると、自分はFBIだと言い名乗らないディーンとレオに向かって逆探知するぞと脅しをかけます。
逆探知は出来ないと言うディーンに、どこの機関か名乗れと言うアート。
ディーンは、アインシュタインという宛名でEメールを送ると言って電話を切ってしまいます。
アートは図書館のパソコンから検索しメールにたどり着くと、そこに映し出された暗号をサイモンに見せることに。
サイモンは「今日の午後リグレー・ビルの前で」とその暗号を見事解くのです。
サイモンを連れリグレー・ビルの近くのカフェに入ると、客として来店していたステイシー(キム・ディケンズ)のバッグにわざと足を引っかけて転び自然と世間話をすると、少しの間だけサイモンの面倒を見て欲しいと頼み待ち合わせ場所へと急ぎます。
ディーンを見つけたアートは歩けとディーンに言い、そのまま立ち止まらずに互いの事を話すことに。
ディーンは「マーキュリー」の事をアートに話し、暗殺者がサイモンを狙っていると告げます。
そこへ後ろから暗殺者がやって来てディーンを射殺して立ち去るのです。
暗殺者に気付いたアートは後を追いますが人込みで見失ってしまいました。
ディーンが撃たれた現場に戻ったアートは近くに防犯カメラが設置されていたことに気付き録画テープを無理やり押収し、サイモンを迎えに戻ります。
トミーに協力してもらい暗殺者ピーターの事を調べると、特殊部隊員だったことが分かりますが、ピーターは既に死亡したと記録されていました。
その頃、ディーンが殺されたことを知ったレオは、恋人のエミリー(キャリー・プレストン)に相談すると、エミリーはクドローにバレない方法で上層部に告発できる方法を思いつくのです。
その夜、アートはサイモンを眠らせてあげたくてステイシーの住所を調べ会いに行きます。
しかし、昼間少し会っただけのアートが自分の住所を知っていることを不審に思ったステイシーはアートを追い返そうとしますが、アートはサイモンを見せ同情を買い家に招き入れてもらうことに。
一方、エミリーの知恵でタイプライターを使って上層部への報告書を作っていたレオでしたが、そこへピーターが現れ射殺されてしまいます。
書類はピーターが持ち去り、迎えた朝、エミリーがレオを訪ねるとそこには変わり果てたレオの姿がありました。
トミーの紹介でアートに会ったエミリーは、レオがアートと上院の過失審理委充てに作成した書類のカーボン紙をアートに渡します。
ピーターは書類を持ち去りましたが、カーボン紙がゴミ箱に捨てられているとは気付かず去ってしまったのです。
カーボン紙には上司であるクドローがサイモンの両親の殺害に関与し、ディーンの殺害にも関与していると書かれていました。
大事な契約があると言うステイシーを説得しサイモンを預かってもらうことになったアートは、トミーにサイモンの証人保護プログラムの申請を任せクドローに直接会いに行きます。
レオが書いた告発文を見ても素知らぬ顔をするクドロー。
アートはそんなクドローに、告発文を公表しない代わりに「マーキュリー」が9歳の少年に解読されたことを認めるよう説得します。
しかしそれを受け入れようとしないクドローに蹴りを一発入れたアートは36時間以内に答えを出すよう言ってその場から立ち去るのです。
その後、トミーとの電話でサイモンの証人保護申請が報告を受けたアートでしたが、その会話をクドローが盗聴していました。
ビルの屋上からヘリコプターで移送すると聞いたクドローは、サイモンがヘリコプターに乗り込む瞬間を狙って犯行に及ぶ計画を立てることに。
ステイシーの部屋に戻ったアートでしたが、そこには誰もおらずトミーに確認の電話をするとヘリコプターに乗るビルに向かっていると言われます。
アートとの電話を終えた直後、トミーは上司のオフィスに呼ばれそこでクドローと遭遇するのです。
クドローはトミーが嘘をついてサイモンの証人保護申請をしたことを告発していました。
もっともらしいことを並べ立てたクドローはサイモンの件をFBIからNSAに移してその場を去りますが、トミーはアートから預かっていたレオが書いた告発文のカーボン紙を上司に渡します。
それは鑑定に出されレオの指紋とカーボン紙の指紋が一致している物でした。
その頃、トレイシーはサイモンを連れヘリコプターが用意されるビルへとやって来ています。
そこには証人保護プログラムの担当官だと嘘をつくクドローがいました。
アートが居ないことを不審に思うトレイシーでしたが、サイモンをクドローに引き渡してしまいます。
「マーキュリー・ライジング」最後のラストの結末は?
しかし、その様子を監視カメラで見ていたトミー含むFBI捜査官たち。
上司から突入の合図がありクドローたちを捕えようとします。
クドローはピーターに迎え撃つよう指示するとサイモンを捕まえヘリに乗り込もうとしますが、そこには先を読んだアートがいました。
アートはサイモンを抱き上げヘリに乗り込もうとしたクドローに蹴りを入れておとそうとしますが、足を掴まれサイモンを抱いたまま地面に落ちてしまいます。
パニックになったサイモンはアートの腕から逃れヘリコプターを見上げながら屋上を走りますが、その先には銃を構えるクドローが。
アートの機転でサイモンが撃たれることは免れましたが、アートはクドローと屋上の縁で取っ組み合いになってしまいます。
落ちるかもしれないという絶体絶命のピンチの時、アートが落とした銃をサイモンが拾いそれをアートへと渡しました。
アートはクドローを撃ち、撃たれたクドローはそのまま屋上から転落してしまいます。
一連の事件が解決し落ち着きを見せた頃、施設で暮らすサイモンを訪れたアート。
きっとサイモンは自分の事など覚えていないだろうと思っていましたが、施設の職員が子供と目を合わせる時にしていた仕草を真似してサイモンに話しかけます。
すると、サイモンはゆっくりとアートを見てそっと抱きつくのです。
アートはそんなサイモンを優しく抱きしめるのでした。
THE END
「マーキュリー・ライジング」見どころ
アクションサスペンス映画といった感じの作品ですが、FBI捜査官のアートと自閉症の少年サイモンの繋がりを描くヒューマン作品のようでもありました。
とにかくサイモン役のミコ・ヒューズの演技力が凄い!!
身体の動きや目線の感じなど、ここまで繊細に演じられるのが素晴らしかったです。
アートは最後まで自分には懐かなかったと諦めていましたが、出会った頃にアートが触れただけでパニックを起こしていたサイモンが少しずつアートに心を許していく過程にジーンとしてしまいます。
ラストの二人の抱擁はなんだか泣けてしまいました。
ストーリー的には同じブルース・ウィリス主演の「16ブロック」に似ています。

ただあちらのブルースは悪党から証人を守る警官でしたが、どちらかと言うと主人公の贖罪の意識が根底にありました。
こちらのブルースは自閉症の少年に対しての愛情にも似た意識であるのが決定的に違いますね・・・
難を言えばトレイシーにもサイモンは懐いていたので、トレイシーとの描写ももう少しあったらよかったのにと残念でした。
しかし悪役が誰なのかがハッキリしていて全体的にすっきりとして見られるので二時間ほどの長さもあっという間に感じてしまう作品でした。
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