映画「フッド:ザ・ビギニング」は、タロン・エガートン主演、オットー・バサースト監督の2018年の映画です。
この映画「フッド:ザ・ビギニング」のネタバレ、あらすじや最後のラスト結末、見所について紹介します。
レオナルド・ディカプリオ製作による痛快アクション「フッド:ザ・ビギニング」をご堪能ください。
「フッド:ザ・ビギニング」あらすじ
中世のイングランド ノッティンガム
荘園の馬小屋に一人の泥棒が入り込みます。
そして、馬を連れて行こうとした時、一人の若者 ロブ(タロン・エガートン)がそれに気づいて止めました。
「隣の家の馬が死んだ。馬がなければ、その家は家族全員で死んでしまう。領主なら、馬が一頭いなくなっても困りはしない」
そう言って泥棒は覆面を外しました。
泥棒の正体はマリアン(イヴ・ヒューソン)という美しい女性でした。
その時、マリアンはロブの手がやけに奇麗な事に気付きます。
「貴方は何者?」
「僕は…苦労知らずの領主だ」
ロブことロビン・ロクスリーは、荘園の領主だったのです。
一瞬で惹かれあった二人は、やがてロビンの屋敷で共に暮らし始めます。
しかし、幸せな時間は長くは続きませんでした。
教会と州長官の命により、ロビンは十字軍に参加する事になったからです。
そして四年、ロビンたちの部隊はアラビア軍を相手に苦しい戦いを続けていました。
部隊が要塞に着いた時、突然の襲撃を受けます。
敵は丘の上から次々に矢を打ち込んできました。
ロビンは背後にまわって射手を倒しますが、退却の際に仲間を捕らえられてしまいます。
ギズボーン隊長は「どうせ助からない」と見捨てて逃げようとしますが、ロビンは命令を無視して救出に向かいます。
アラビア軍が待ち構えている要塞の中、仲間は生かされていたものの、逆さづりにされて囮にされていました。
ロビンはすぐに仲間を助けようとしますが、一人のアラビア兵(ジェレミー・フォックス)に襲われます。
迎え撃ったロビンでしたが、相手の方が体術で勝り、首を締め上げられて殺されそうになります。
しかし、寸での所で仲間の十字軍が駆けつけ、相手の腕を切り落として助けてくれました。
そして、要塞のアラビア兵達は捕えられ、十字軍の捕虜となりました。
助かって安心したロビンでしたが、味方である十字軍は情報を得る為に捕虜のアラビア兵を尋問している事に驚愕します。
しかも、十字軍は、アラビア兵が答えなければ問答無用で首を刎ねていました。
やがて、まだ若いアラビア兵が引き出されてきました。
その時、ロビンを襲った兵士が血相を変えて叫びました。
「そいつは俺の息子だ!殺すな。何でも話してやる!」
隊長は情報と引き換えに息子を助けてやると言いますが、兵士は大した情報は持っていませんでした。
「俺はお前達の神を心の底から蔑んでいる!お前達の仲間を何人も殺した!代わりに俺を殺せ!」
兵士は焦って叫びましたが、隊長は聞き入れませんでした。
余りに非情な行いを見るに見かねたロビンは、斧を振り下ろそうとしていた仲間を反射的に攻撃してしまいました。
その拍子に鎖が切れ、捕虜たちが一斉に逃げて反乱を起こそうとしました。
基地内は騒然となり、十字軍は荒ぶるアラビア兵達を殺してゆきました。
興奮したロビンでしたがギズボーン隊長に矢を射られて倒れてしまします。
本来なら反逆罪で死刑ですが、領主であるロビンは病院船に乗せられてイングランドに帰されました。
そして、その船底には、あの時の混乱に乗じて基地を抜け出した片腕の兵士も身を潜めていたのです。
この片腕の兵士とロビンは・・・
「フッド:ザ・ビギニング」ネタバレ
帰国したロビンが領地に帰ると、屋敷は荒れ果て誰もおらず、扉には「領地没収」の通告が打ち付けられていました。
ロビンは幼馴染のタック修道士(ティム・ミンチン)の所に向かいました。
タック修道士は驚きながらも、ロビンが不在だった4年間の事を教えてくれました。
出征してから2年目、州長官から「ロビンが戦死した」との報せが届けられ領地は税金を納める為に没収されていたのです。
領民達は住む所を失い、多くは鉱山で働く事になりました。
そして、マリアンもロビンの葬儀を行った後に鉱山に移り住み、人々のリーダー的な存在であるウィル・ティルマン(ジェイミー・ドーナン)と婚約していたのです。
全てを失ったと悟ったロビンは愕然とします。
そんなロビンの前に、病院船に忍び込んで海を渡った片腕のアラビア兵が突然現れます。
ロビンは戦地での復讐に来たのかと身構えますが、アラビア兵はそれを否定します。
そして「俺もお前も、そして息子も戦争の犠牲者だ。戦争のおかげで罪なき者同士が戦う羽目になる。戦争を引き起こし、利用している者がいる。そいつを罰すれば息子も浮かばれる。お前は唯一、息子を助けようとしてくれた。協力してほしい」と申し出てきました。
しかし、自分を殺そうとした者の言葉を鵜吞みには出来ずにいました。
それを察したアラビア兵はロビンと共に評議会が行われる広場に向かいました。
そこでは、今まさに州長官(ベン・メンデルソーン)が戦争税に関する演説を行っている最中でした。
「未開人であるアラビア軍は、今でこそ近くの敵―すなわち砂漠にいる十字軍と戦っているが、いずれは遠くの敵―ここイングランドにも攻め込んでくるだろう。それを阻止する為には十字軍を支援する為の戦争税が不可欠である!」
税の必要性を力説する州長官に対し、ウィルやマリアンが「もう払うモノなんてない。人々は限界を越えている!」と訴えますが「戦場を知らずに限界などと口にするな!」と却下され、強引に採決に持ち込まれようとしました。
しかし、タック修道士が
「ロクスリー卿がまだ投票していません。死んだという話でしたが、姿を見たと噂を聞きました」と発言し、採決は延期となりました。
評議会でのやり取りを聞いていたロビンは、戦争を利用して人々の恐怖をあおり重税を課そうとしている州長官のやり方に憤りを覚え、アラビア兵―ヤキヤ・イブン・ウマール(通称:ジョン)に協力を誓いました。
ジョンは州長官のみならず、長官が集めた金を渡す相手も叩きたいと考えていました。
まず、誰よりも早く矢を打ち、接近戦でも有利に戦えるようにロビンを鍛え始めました。
その甲斐あって、ロビンは強靭な肉体と、多人数を相手にしても戦える戦闘術を身につけました。
更に、昼間は領主として州長官と親しくなり、金を誰に渡すか探り出すように言われます。
州長官に近づくには賄賂として大金が必要なのに、ロビンは荘園を取り上げられて無一文です。
そこで狙ったのは橋を通る者から徴収する通行税でした。
夜、いつもの様に橋を通ろうとする者は万人に止められ金を払わされていました。
そこへ、突然フードを被った男が現れ、次々に矢を放って番人たちを倒し集めた金を奪ってゆきました。
昼間になると、ロビンはそ知らぬ顔をして州長官の前に現れ、奪った金を賄賂として差し出しました。
州長官は驚きながらも気前よく金を渡してくるロビンの事を気に入り「領主の集まりに出たい」「もっと大きな卓に座りたい」という望みに応じて引き立てやろうと約束してくれました。
ロビンが州長官に媚びる姿を見かけたマリアンは、彼の変化を悲しみました。
しかし、ジョンから「マリアンを愛しているなら彼女を巻き込むな。計画がバレれば3人共死刑になるぞ」と釘を刺されていたロビンは、本当の心を隠してマリアンに素っ気ない態度を取り続けました。
ロビンは次々と勘定所などを襲い、民衆から州長官が集めた金を奪ってゆきました。
奪った金は州長官への賄賂にし、残りをマリアンの家の戸口に置いていました。
しかし、タック修道士とマリアンの会話を盗み聞いた時「私より、困っている人にあげて欲しい」と言っているのを聞いて、それ以来、貧しい人々に分け与えるようになりました。
彼の行動を、長年税金に苦しめられてきた民衆は段々と支持するようになってゆきます。
そして頭巾を被り、ジョンの息子の形見の布で口元を覆って顔を隠したロビンを「頭巾の盗賊=フッド」と呼ぶようになりました。
ある日、領主達があつまる領主会の席で、財務大臣のペンブロックが「失礼ながら州長官、あなたは盗賊にコケにされていますぞ」と言い放ちました。
州長官は「あんなコソ泥はすぐに捕まえられる」と言いますが、心中穏やかではありません。
ロビンは「盗賊に賞金を掛けて、捕まるまで増やしてゆきましょう」と発言し、またもや州長官のご機嫌を取る事に成功します。
その帰り道、ロビンはウィルに遭遇します。
恋人だったマリアンを奪ってしまった罪悪感から、ウィルはロビンに友好的に接し、今後もいい関係でいようとします。
しかし、ロビンはそれを撥ねつけました。
そして、話は世間をにぎわせる盗賊「フッド」の事になりました。
しかし、ウィルは「あれは小金を奪うだけの盗賊に過ぎない。もともと眼中にない。私の目標はもっと大きい」とフッドに興味がなさそうでした。
その態度で闘志に火が付いたロビンは「本番はきっとこれからだ」と言い残してウィルと別れます。
そしてすぐにジョンと相談し、もっと大きなものに狙いを定めます。
それは徴収した税を集めて保管する金庫自体を狙う計画でした。
数日後、徴収官が集めた金を馬車で運んでいると「俺は元兵士だ。戦争で片腕を失っちまった。小銭を恵んで欲しい」と一人の男が近づいてきて馬車の進行を邪魔しました。
そして、徴収官を男が揉み待っている隙を狙って誰かが馬車の下に入り込み、気付かれないように馬車の床に張り付きました。
馬車の下に隠れたのはロビン、馬車にちょっかいを出して気を引いたのはジョンでした。
計画ではそのまま金庫室に運ばれ、そこでロビンが中にある金を奪う積りでした。
しかし盗賊対策として手順が変わり、金は直接勘定室に持ってゆく事になっていました。
ロビンは焦り、暫くは馬車の下に身を潜めていたものの、やがて勘定室にいた一人に気付かれてしまいます。
辺りは騒然となり、ロビンは集まって来る衛兵を矢で倒しながら逃げ出しました。
追い詰められ、足を石弓で射抜かれてケガをしたものの、2階の窓に体当たりをして外に逃げ出しました。
窓の下ではジョンが馬車を用意して待っており、落ちてきたロビンが荷台に乗った瞬間にすぐに鞭を入れて走り出しました。
衛兵達も馬で追いかけてきましたが、ジョンが予め道に撒いておいた油に火を点けると、衛兵たちの前に炎の壁が出来ました。
馬は火を怖がって進もうとしなくなり、ロビンやジョンは逃げおおす事が出来たのでした。
「失敗だ。金貨一枚も盗んでない!」
「いや大成功だ。鉱山のみんなが見てくれた。注目を集められたぞ!」
みると、道の脇に集まった人達はロビンが馬車で疾走する姿を見て歓声を上げていました。
数日後、州長官は助祭長に呼び出されます。
「心配には及びません。盗賊は必ず捕まえます」と州長官は言いますが、助祭長は「枢機卿も事を重く見られて、もう間もなくここに来られる。言い訳は直接自分の口から伝えよ」と耳元でささやきます。
教会に収められるべき金が奪われ続ける事、民衆がフッドに触発されてゆう事を聞かなくなる事を教会は恐れているのです。
「人の運命は教会次第。従えば全てを与え、歯向かえば奪う」
”しくじれば後がない”と暗に州長官を脅し、助祭長は去って行きました。
助祭長がいなくなった後、州長官の前に数人の男達がやって来ました。
彼らは十字軍遠征から戻ったばかりのギズボーン隊長と部下達でした。
州長官がフッドに対抗する為に新しい徴収官として雇ったのでした。
「悪魔の忠誠心を持ってお仕えします」
ギズボーン達は不敵に笑いました。
やがて、ロビンの元に枢機卿を歓迎するパーティーの招待状が届きました。
枢機卿がやって来ると知ったジョンは「集めた金が何処に流れるか、戦争を長引かせているのは誰なのかを見定める絶好の機会だ」と興奮し、連日の盗みで満身創痍のロビンに向かって領主として是非とも出席しろと急かしました。
素知らぬ顔をしてパーティーに出席したロビンはギズボーン達が雇われたと知り、これまで通りとはいかないと感じます。
そして、招待状はマリアンの元にも送られてきました。
(タック修道士が州長官に「平民も招いた方が、政治的に有利かもしれませんよ」と言ったせいでした)
マリアンはタックと何か計画をしている様子でした。
そして、危険だと止められるのを予想して、ウィルにはパーティーへの出席を秘密にしていました。
パーティーで沢山の人々が集まる中、ロビンはタック修道士が酔った財務大臣にぶつかって鍵をすり取るのを見掛け、自分たち以外にも計画を進めている者達がいる事に気付きます。
パーティーの最中、州長官、ロビン、マリアンは同じテーブルにつく機会がありました。
「フッドは誰だと思う?あの素人離れした戦い方、大胆不敵な行動、もしや元兵士ではないか?」
鎌をかけているような州長官の言葉でしたが、ロビンは動揺を表に出さずにいました。
「盗賊の正体が誰であるにせよ、彼を生み出したのはあなたの圧政ですよー州長官、確かにあなたは盗賊を捕まえられるかもしれない。”泥棒は泥棒を知る”だから」
マリアンはここでも辛辣な物言いを変えませんでした。
場が段々と険悪な雰囲気なって来た時、ウィルが姿を現します。
彼も招待所を受け取っていたのです。
ウィルは自分に黙って出席したマリアンを心配して、それとなくその場から連れ出しましました。
州長官も丁度到着した枢機卿にあいさつに行きました。
暫く後、タック修道士から鍵を渡されたマリアンは州長官の部屋を探り、アラビア語と州長官の名前が書かれた書類を持ち出します。
一方、州長官は金を奪われ続けて怒る枢機卿から説教をうけていました。
その時、ロビンはタック修道士を見つけ、問いかけました。
「タック、俺たちは幼いころからの友達だな?だったら、何があっても信頼してくれよ」
そう言ってロビンはタック修道士を捕まえ、枢機卿と州長官が話している部屋に連れてゆきました。
「こいつは泥棒です。財務長官の鍵を盗み、こそこそ嗅ぎまわっていました!」
枢機卿はタック修道士を殺すように命じましたが、ロビンはそれを制し「もっと苦しい罰を与えましょう。修道士の地位を剝奪するのです」とロザリオを壊し、枢機卿はタック修道士を破門にすると告げました。
そして、ロビンは州長官と枢機卿の信頼を得て、話し合いに参加する事を許されました。
その場で話されていたのは、庶民から搾り取って集められた戦争税の行方でした。
実は、枢機卿は陰でアラビア軍を支援していました。
イングランドが戦争に負けた時を狙い、教会が王に代わって政治の実権を握ろうと計画していたのです。
その為に、数日以内に集めた金を船に乗せて送る必要がありました。
もう時間がないにも拘らず、金は奪われて足りない事に州長官は苛立っていたのです。
「では、神の武器庫にある最強のものー”恐怖”を使いましょう。鉱山にいる者達の持ち物を根こそぎ取り上げ、家を焼き払いましょう。盗賊を英雄視する彼らの心を挫き、我々の下僕である事を思いださせてやるのです」
素知らぬ顔をして部屋を出たロビンは、州長官の屋敷を出た途端にジョンと落ち合い、何も知らない人々を助けるために急いで鉱山に向かいました。
一方、マリアンは盗み出した書類をウィルに見せました。
ウィルは州長官に書類の説明を求めようと言いますが、むしろ書類を入手した手段の方法を気にしていました。
圧政や重税から人々を開放するより、政治家としてのし上がってゆきたいと言う野心の方がウィルの中で勝ってきていると感じ、マリアンはウィルに失望します。
そして、書類を信頼できる別の人に託そうとします。
その時、鉱山中が騒がしくなり始めました。
ギズボーン率いる兵士たちが鉱山の人々から力づくで税を徴収し、家財を焼き払いに来たのです。
抵抗したマリアンはギズボーンに殴り倒され、馬車の箱に押し込めて連れ去られました。
鉱山に駆けつけたロビンは、マリアンの悲鳴を聞きつけ、ジョンと共に馬車を奪ってマリアンを救出します。
その時に声を聞かれ、マリアンは「盗賊フッド」の正体がロビンだったと知ります。
ジョンとロビンは追いかけてくる兵士を撃退してゆきましたが、馬を倒されて馬車は横転、3人は投げ出されてしまいました。
兵士達がロビンたちを捕えようと殺到してきました。
ジョンはロビン達を先に逃がし、追ってくる兵士を食い止める為に一人で立ち止まって戦い続けました。
しかし、次から次に襲い掛かって来る兵士達に遂には屈し、捕えられてしまいました。
ジョンが捕まってしまっては、もう盗賊フッドはお終いだとロビンは落胆します。
しかし、マリアンは鉱山の人々の間には不満がくすぶっている。点火する火花―盗賊フッドが今こそ必要なのだとロビンを勇気づけました。
一夜が明け、ジョンは州長官の尋問を受けていました。
州長官はジョンの息子が死に際に命乞いをして泣きわめいていたと侮辱し、フッドの正体を教えれば楽に殺し、強情を張れば豚の血を飲ませて焼き殺し天国に行けない屈辱的な死を与えると脅してきました。
(イスラム教徒にとって豚を口にする事は戒律違反)
「お前ほど殺したくなった奴は初めてだ」
ジョンは、州長官が死ぬ時、目の前にいてその姿を瞳に映しながら息絶えさせてやると告げました。
家に戻った鉱山の人々は「奴らはまた戻って来る。ここを離れよう」というウィルの言葉に従って鉱山を去る準備をしていました。
鉱山の人々が一同に参加する集会では「ここを去る気はない。奴らが戻って来るなら、抵抗してやる」という意見を持つ者いました。
しかし、ウィルはそんな抵抗は無駄だと諭して逃げる準備をさせようとしていました。
そこへ盗賊フッドが現れました。
ウィルは「よそ者には関係ない。あんたは黙っていてくれ」とフッドが集会に参加するのを拒もうとしました。
しかし、フッドは自ら頭巾を脱いで正体をあかしてから「私の事を領主と呼ぼうがコソ泥と言おうがかまわない。しかし、皆から集めた金をアラビア軍に送って戦争をコントロールしようとする州長官や枢機卿の方が悪人だ」と人々に語りました。
ロビンに反感を持っているウィルに対しても「君のような人間が必要なんだ」と称賛して仲間になりました。
そして、アラビア軍に送られる筈の金を強奪しようと人々に持ち掛けました。
人々はロビン達に賛同し、共に計画を練り、火炎瓶や変装用の頭巾などの準備を進めていきました。
集められた金が運ばれる日、州長官は鉄板で囲まれた馬車を用意し、全兵士を護衛につけました。
金が運ばれる道の途中で、突然大きな十字架が道に落ちてきました。
荷馬車の馬が驚いて足を止めると、そこに頭巾を被った人々が次々と押し寄せてきました。
州長官は兵士を従えて迎え撃ち、火炎瓶で辺りは火に包まれ、街中は騒然となりました。
その時、大きな音がして、荷馬車の下の地面が焼け落ち、吸い込まれるように落ちてゆきました。
ロビンと仲間達は道の下の骨組みを焼き払って空洞を作ったのでした。
そして、荷馬車の鉄板を爆破し、仲間達と協力して中の金を運び出してゆきました。
しかし、衛兵の放った矢からマリアンを庇ってロビンが倒れてしまいます。
マリアンがロビンを介抱する時、二人はキスをしました。
その光景を見たウィルはショックを受け、無防備になった隙に衛兵に殴り倒されてしまいました。
その時、ギズボーンが穴の中まで追いかけてきました。
ギズボーンは戦い始めたロビンは何とか彼を組み伏せます。
「さぁ、早くとどめを刺せ!」
と言われますが、砂漠で命を助けられた恩を思い出し、躊躇しました。
結局、マリアンが以前の仕返しにギズボーンを殴って気絶させ、ロビンを連れて逃げ出しました。
下水道を通り、用意していた船に金が全て積み終わりました。
しかし、ロビンは「ウィルを置いてゆけない」と戻ってゆきました。
マリアンはウィルを見つけ、助けようとしますが「キスいているところを見たぞ。君はロビンにくれてやる。サッサと逃げろ」と言われ、言葉を失います。
周りではロビンの仲間達が次々と衛兵に殴り倒されていました。
その光景に耐えられなくなったロビンは「お前達が捕まえたいのは俺だろう!ここにいるぞ!」と大声を上げ、自ら進んで捕まって騒動を収めたのでした。
「フッド:ザ・ビギニング」最後ラストの結末は?
捕えられたロビンは衛兵3人がかりで州長官の前に引き出されました。
「よくも手こずらせてくれたな、ロクスリー卿」
怒りながらも、やっと憎い盗賊を捕まえた喜びをにじませる州長官でしたが「アンタと枢機卿の裏切りを知ったら王はどうするかな?ただ首を刎ねるだけか?(孤児院にいた頃の様に)ホウキで叩かれるかな」とロビンにあざ笑われて「殺した後、漏らした小便の中で煮てやる!マリアンも捕まえ、戦地に送ってアラビア人に凌辱させてやる」と怒り狂いました。
その時、一人の衛兵が州長官ともう一人を殴り倒し、持っていた石弓をロビンに渡しました。
すぐにロビンは残っていた3人目の衛兵を倒し、拘束から逃れました。
ロビンを助けた衛兵は、鎧を奪って変装していたジョンでした。
あっという間にジョンは州長官に掴みかかり、首に縄を巻き付けました。
「おぉ、神よ…」と呟く州長官に向かって、ジョンは「俺を見ろ。ここに神はいない。俺だけだ!」と叫び、ロビンがロープの端を石弓で撃ち抜きました。
重石を失くしたロープは一気に巻き上げられ、州長官は首を吊るされて絶命しました。
州長官の屋敷から逃げ出したロビンとジョンは、無事に森でマリアンや仲間と合流しました。
しかし、話はハッピーエンドとはなりませんでした。
傷つき、孤立し、マリアンも失ったウィルの前に枢機卿が現れたのです。
「今、人々を導く者が必要だ。ウィル、州長官の任を引き受けてくれたら、我々は永久に君に感謝する」
ずっと抱いていた野望を満たすときが来たと、ウィルはその申し出を受けました。
数か月後、前任の州長官の葬儀を終えたウィルは、ロビンの手配書を手に演説をしていました。
「この街には反乱の炎が燻ぶっている。この盗賊の末路は一つだ。必ず捕まえて死体を踏みつけてやる!」
その時、何処からともなく放たれた矢が手配書を正確に射抜きました。
それは、後にロビン・フッド物語として語られる伝説の始まりでした。
THE END
「フッド:ザ・ビギニング」見どころ
有名なロビン・フッド物語を元に、領主だったロビンが盗賊となり、伝説のアウトローになるまでを描いた作品です。
ロビン・フッド物語は何度も映画化されてきましたが、今回はアクションにも力を入れ、より楽しめる作品になっていると感じました。
ラッセル・クロウがフッドを演じた作品はこちら。
特にジョンの特訓でロビンが戦闘術を身に着けてゆくシーンや、高速で何本も矢を放つシーンは見応えがありました。
「キングスメン」でも素晴らしいアクションを見せてくれたタロン・エガートンならではの役だったと思います。
また、覆面姿のフッドをみてすぐに正体がロビンだと気が付いたり「フッドが素顔。ロクスリーが仮面だったの」ロビンの本質を見抜く程の確かな眼力をもち、州長官にすら物おじせずに意見する美女 マリアンの存在感も作品の魅力の一つでした。
また、民衆が州長官に反旗を翻すシーンは現代のデモ隊と警官隊の衝突を彷彿とさせました。
舞台は十字軍遠征が行われていた頃の中世ですが、民衆の服装や衛兵の盾に現代的なアレンジも加えられており、現代のニュース映像を見ているような身近さも感じられました。
民衆を裏切り、税を無理やり徴収し、その金で戦争を長引かせてでも権力を手に入れようとする州長官や枢機卿の腹黒さには驚かされました。
民衆のリーダーを目指していた筈なのに、枢機卿に言いくるめられ、ロビンの敵となってしまったウィルは人間の心の弱さ、大切なものを見えなくする野心の恐ろしさを感じさせてくれました。
中世なのに新しさを感じるアクション物としても、権力を自分の欲望の為につかう者と反抗する者の戦いの物語としても楽しめる一作でした。
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