「悪人伝」ネタバレ!あらすじや犯人と最後ラストの結末や見どころ!

映画「悪人伝」ネタバレ あらすじ
アクション

映画「悪人伝」は、マ・ドンソク主演、イ・ウォンテ監督の2020年の映画です。

この映画「悪人伝」のネタバレ、あらすじや最後ラストの結末、見所について紹介します。

極悪組長、暴力刑事、殺人鬼の三つ巴「悪人伝」をお楽しみください。

 

「悪人伝」あらすじ

ある夜、タクシーが後ろから追突されます。

追突してきた車から降りて来た男は、何も言わずに立っていて、損害の様子を下りてきた運転手の背後に立つと、いきなりナイフで背中を刺してきました。

運転手はタクシーの中に逃げますが、男は中まで執拗に追いかけてきて差し続け、車内は血まみれになりました。

 
刑事のチョン・テソク(キム・ムヨル)は、後輩の運転で事件現場に向かう途中で渋滞に捕まり、イラついていました。

そのイラつきが頂点に達した時、テソクは車から飛び出し、ある建物に向かいました。

入り口の前には明らかにヤクザと分る連中がたむろしていましたが、構わずに地下へと降りてゆきました。

中の一人が
「これで勘弁してくださいよ」と金をポケットに押し込もうとしますが「俺をバカにしてんのか?」と逆に怒りだして、金を突き返して地下室へと入ってゆきました。

この刑事とヤクザの組長が大きな事件に巻き込まれていくのですが・・・

 

「悪人伝」ネタバレ

そこは違法なカジノで、テソクは渋い顔をしているヤクザをよそに、客を足止めしてカジノを閉鎖しました。

それを見ていたヤクザの一人が、慌てて電話を掛けます。

掛けた先は、そのカジノを仕切っているヤクザ組長 チャン・ドンス(マ・ドンソク)でした。

連絡を受けたドンスはテソクの上司に電話をして、何とかしてほしいと頼みます。

 
カジノを出たテソクは、タクシー運転手が滅多刺しにされた現場に向かいました。

被害者が運転していたタクシーを調べていた時、後部バンパーに追突された時にできた傷を見つけたテソクは、何かを感じ取り、近くにいた鑑識を呼び寄せ、その傷についている塗料を調べるように言います。

警察署に出勤したテソクは、早速上司の部屋に呼び出され、単独行動や強引な捜査について叱責を受けます。

上司がドンスと通じていると薄々気が付いているテソクは、上っ面だけの謝罪をし、腹を立てながら仕事に戻りました。

 
タクシー運転手の殺害事件について、他の者は売り上げを狙った強盗事件だろうと思っていました。

しかし、テソクだけは他の事件でも同じようにバンパーに傷があったものを探し出し、無差別連続殺人事件が起こっていると主張しました。

しかし、いつも上司に盾付き、無茶ばかりしているテソクの言葉が聞き入れられる筈もなく、捜査は他の班が行う事になりました。

 
一方、ドンスの方も悩みを抱えていました。

兄弟分のヤクザ ホ・サンド(ユ・ジェミョン)がドンスの縄張りを荒らし始めたのです。

二人で膝を突き合わせて話をして見たものの、サンドが手を引く様子はありませんでした。

その帰り道、一人で車を運転していたドンスは突然後ろから追突されてしまいます。

降りてきた男は「申し訳ありません」と素直に謝りました。

面倒ごとを嫌ったドンスは「気にしいないで行ってくれ」と背中を向けました。

その瞬間、男はナイフでドンスの背中を刺しました。

驚いたドンスは傷を庇いながらも応戦し、逆に男にナイフをつきたてました。

しかし、傷は浅く、男は乗ってきた車に逃げ込み、ドンスを跳ね飛ばして逃げてゆきました。

 
ドンスの部下達は、襲撃はサンドの指示に違いないと怒り狂い、サンドが経営するカジノに殴り込みをかけました。

しかし、奇跡的に一命をとりとめたドンス自身は襲撃犯の様子に違和感を持っていました。

そして、すぐに似顔絵を描かせ、おぼろげながら記憶していた車のナンバープレートの番号、白いセダンだという情報を基に独自の犯人探しを始めます。

 
一方、かねてから目を付けていたドンスが襲撃されたと聞いたテソクは早速事件を詳細に調べ、連続殺人事件と同じ特徴の傷がドンスの車にもある事に気付きます。

お見舞いを装って病室に乗り込み、話を聞こうとしましたが、予てからテソクを目障りに思っていたドンスは口を閉ざして語ろうとはしませんせんでした。

そんな時、今度は長距離トラックの運転手が休憩所で殺害され、トラックが奪われる事件が発生しました。

ドンスは、休憩所まで犯人が乗ってきて捨てた車や、トラックの中で眠っていた助手を殺し、道端に捨てたナイフを独自に入手しました。

しかし、犯人をそれ以上絞り込めず、捜索は進展しませんでした。

 
一方、テソクの方も連続殺人事件だという証拠さえ見つからず、手詰まりの状態でした。

自分達だけでは限界があると感じたドンスは、テソクと密かに連絡を取り、自分が持っている似顔絵と証拠を提示し、犯人を自分達が先に探しあてた時には、始末は自分達で就ける事を黙認する条件で協力を持ちかけます。

他に手掛かりのないテソクは、やむなくその申し出を受け入れました。

 
早速、ドンスは部下が保管していた犯人の車をテソクに渡し、科学鑑定をしてもらいました。

しかし、その矢先にドンスのライバル ホ・サンドが殺害されます。

凶器はトラックの運転手を殺した際に殺人犯が使用したものでした。

その事を知ったテソクは、裏切りを疑ってドンスの元に乗り込み、掴みあっての殴り合いにまでなりました。

そして、ドンスはその様子を隠しカメラで記録しており「もし、事が明るみに出るような時にはこの映像を公開する」とテソクを脅してきさえしました。

 
その頃、科学鑑定の結果により、これまで無関係と思われていた幾つかの事件が実は連続殺人事件だったと判明します。

これにより所轄と公安の広域捜査班が合同で捜査をすることになりました。

自分の主張が受け入れられたとはいえ、横から事件を持って行かれた上に、いきなりやって来て偉そうに場所を占領する広域捜査班の事が気に入らないテソクは、露骨にイヤそうな態度を見せ、悪態さえつくようになっていました。

一方、ドンスは何食わぬ顔でサンドの葬儀に参列していました。

大勢の参列者がやって来る中、いつの間にか殺人犯がその場に現れ、サンドの側近に「私の刃物が殺しに使われた」とメモを残して姿を消してしまいました。

 
何とか新たな証拠を見つけ出して広域捜査班を出し抜きたいと思っていたテソクは、犯人の車を用意してドンスを呼び出しました。

そして、ドンスが前に犯人に反撃した時の痕跡を探し出しました。

そこへ、サンドの部下達がお礼参りにやって来ました。

次々とサンドの部下達が襲い掛かってきましたが、ドンスやテソクの方が実戦に長けており、軒並み返り討ちにしてしまいました。

 
しかし、この大立ち回りが上司の耳に入ってしまい、テソクは殺人事件の捜査から外され、誘拐事件の方に回されてしまいます。

嫌々ながらも、身代金の受け渡し場所である居酒屋を見張っていたテソクは、犯人らしい男を見つけて早速追いかけました。

しかし、細い路地裏を驚くべき身のこなしで男は逃げ去ってしまいました。

金を受けとるように指示されていた居酒屋の女主人も、フードを被った犯人の顔はよく見ていませんでした。

 
せめて手掛かりをと思い、テソクは犯人が飲んだとみられる焼酎の瓶を回収して鑑識に回しました。

DNA鑑定結果から、誘拐犯らしき男はカン・ギョンホ(キム・ソンギュ)なる人物であることを突き止め、彼の自宅に踏み込みましたが、既にギョンホの姿はありませんでした。

踏み込んだ部屋でテソクはギョンホが映った写真を見つけ、驚愕します。

その顔はドンスが事件直後に書いた殺人犯を似ていたからです。

早速、警察とヤクザ双方がギョンホの捜索を行いましたが、ギョンホは仕事やねぐらを頻繁に変えて生活しており、行方はつかめないままでした。

 
そんなある日、テソクと待ち合わせをしていたドンスは、雨なのに傘がなくて困っている女子高生を見掛け、自分の傘を渡します。

直後にやって来たテソクにからかわれ、その様子を見ていた女子高生には怪訝な顔で見られながら、ドンスは女子高生を「気にしないで持って行きなさい」と言ってバスに乗るのを見送りました。

その日は、殺人犯捜索に当たっていたテソクの部下と、ドンスの手下たちの食事会でした。

警察とヤクザ同席する奇妙な会でしたが、意外に打ち解けて盛り上がっていました。

しかし、TVを見ていたドンスの表情が一変します。

TVにはニュースが映し出されており、先ほどの女子高生が何者かに殺害された事を報じていました。

 
ドンスとテソクは、事件の様子から犯人は自分達が追っているギョンホだと直感します。

食事会はすぐさまお開きとなり、バスの沿線でいまだ調べていない地域を中心に捜索が始まりました。

しらみ潰しの捜索の末、ドンスは遂にギョンホを見つけました。

いち早く追っ手が迫っている事を察したギョンホはすぐに逃げ出しましたが、ドンスはとあるカラオケ店に追い詰め、客を脅して隠れていた部屋のドアをぶち破ってギョンホごと吹き飛ばし、遂に捕えました。

 
ドンスは人気のない工場にギョンホを連れ込み、椅子に縛り付けて殴り続けました。

血だらけになりながらも、ギョンホは「人を殺すときに一番興奮する瞬間はいつだ?今みたいな状況だよ。人の生き死にが自分の手に握られていると思うとゾクゾクだろう?アンタは俺と同類だよ」と笑っていました。

怒りが頂点に達したドンスは一思いにギョンホを殺そうとしますが、そこにテソクの車が突っ込んできます。

ドンスは車に吹き飛ばされて気を失ってしまいました。

「すまんな。でも、こいつは法の下で死刑にしたい」

そう言いながら、テソクはギョンホを警察に連行してゆきました。

テソクは得意満面の顔でギョンホを差し出し「仕事は終わった。お前らはもう帰れ!」と広域捜査班に言い放ちました。

そんな中でもギョンホは不敵な薄ら笑いを浮かべていました。

 
前代未聞の無差別連続殺人の犯人が逮捕されたというニュースは世間を騒然とさせました。

そして、調べが進むうち、決め手に欠ける証拠しかない為にギョンホを死刑にするのは難しい事が分かってきました。

ギョンホを死刑にするには唯一の生き残り ドンスの証言が必要です。

しかし、ドンスはサンド殺害を指示した容疑や違法カジノを経営した罪で指名手配されており、身を隠していました。

 
そして、ギョンホの裁判が始まりました。

予想通り、ギョンホの弁護士は検察が彼を犯人とするには根拠に乏しい証拠しか示せていない事を指摘し、無罪を主張してきました。

そんな時、扉が開いて一人の証人が法廷に現れました。

ドンスでした。

 

「悪人伝」最後ラストの結末は?

法廷内は騒然となりましたが、ドンスはお構いなしで証言台に立ちました。

そして、自ら上半身裸になって襲撃された時の様子や、その時どのような傷をつけられたかを詳細に説明し、更には反撃した時につけた傷の位置を正確に言い当て、襲われた直後に渡されたメモ(実はギョンホが書いた「私の刃物が殺しに使われた」と言うメモを切り取って偽造したもの)を提示しました。

ドンスの証言や証拠が決め手となり、ギョンホには死刑の判決が下されました。

そして、ドンスも証言をした直後に逮捕されてしまいました。

しかし、ドンスは全く後悔していませんでした。

 
実は、裁判前にテソクがドンスに会いに来ていたのです。

そして、ボコボコに殴り倒されながらも「アイツを有罪にして死刑にする為にはアンタの証言が必要不可欠だ。どうか自ら出頭して、逮捕された上で証言をして欲しい。絶対に悪いようにはしない」と頼んだのでした。

根負けしたドンスは「条件がある」と言ったうえで、テソクの提案を受け入れたのです。

数か月後、テソクは優秀な警察官として表彰を受けていました。

 
同じ頃、ドンスを乗せた車が刑務所に到着しました。

すでに収監されていた手下たちがフェンスの前に並ぶ中、ドンスはその向こうに視線を向け、満足そうな笑みを浮かべました。

そこには、本を読むギョンホの姿があったからです。

「俺をアイツと同じ刑務所に入れろ」

それが、出頭して証言台に立つ代わりにドンスが出した条件だったのです。

ドンスがやって来たことに気付いたギョンホも薄ら笑いを浮かべていました。

 
暫くして一人、刑務所内のシャワー室で体を洗っていたギョンホのところに、太いロープを手にしたドンスがやって来ました。

「さぁ、命をかけた殴り合いの続きをやろうぜ」

嬉しそうな笑みを浮かべるドンスとは対照的に、ギョンホの顔から初めて薄ら笑いが消えたのでした。

THE END

 

「悪人伝」見どころ

強引な捜査で警察内部からも煙たがられる刑事と、武闘派のヤクザが手を組んで神出鬼没の無差別殺人鬼を追い詰めるサスペンス映画です。

太い腕、筋肉がみっちりと詰まった上半身、ぶっとい指―ビンタ数発で相手を血だるまにして気絶させるような強面ヤクザを「新感染 ファイナル・エクスプレス」「ファイティン!」のマ・ドンソクさんが好演していました。

フィットネストレーナーやボディビルダーとして活動し、ボクシング経験もあるだけあって格闘シーンも見ごたえがありました。

 
殴り合いだけでなく、堅気の者に対して威圧的にならない、女子高生に傘を差し出すなど、一本筋の通った男気を見せるところもギャップがあって好感が持てました。

刑事のテソクも、強引な捜査を押し通し、犯人逮捕の為ならヤクザとも手を組むなど手段を選びませんが、全ては犯人逮捕の為という想いが感じ取れました。

立場は真逆で、真っ向から対立する二人ですが、実は似た者同士だったようにも思えます。

それだけに、快楽の為に無差別殺人を繰り返すギョンホの不気味さが一層際立っていました。

ドンスに叩きのめされても這い上つくばって逃げ、傷も自分で治し、逮捕されて取り調べを受けてもへらへら笑っている、ネットリとした異様な雰囲気は他の二人とは違った爬虫類的な生命力を感じました。

 
3人共、自分の目的の為には法や倫理、ルールを踏み越えることも厭わず、絡み合いはどれもパワフルで興奮しっぱなしでした。

遂に追い詰められて逮捕されながらも、うまく立ち回って逃げようとする犯人を、法廷で論理的に追い詰める部分も観ていて気持ちがよく、爽快な気分になれました。

しかも、ただ刑務所に入れるだけでは飽き足らず、その中にまで追いかけてゆくなんて、彼らにしか出来ない展開で「こう来たか。巧いなぁ!」と驚かされました。

最後の最後、それまで表情を変える事がなかったドンスがニヤリと笑うところまで、興奮するシーン満載の作品でした。

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