映画「デイライト」は、シルヴェスター・スタローン主演、ロブ・コーエン監督の1996年の映画です。
この映画「デイライト」のネタバレ、あらすじや最後のラスト結末、見どころを紹介します。
ニューヨークで発生した未曾有の大火災を描いたパニックアクション「デイライト」をお楽しみください。
「デイライト」あらすじ
N.Y.の海底トンネルの中で逃走中の暴走車が事故を起こします。
それがトンネル内の車に次々と飛び火し、大爆発が発生。
トンネルの出口は塞がれ、現場付近に居あわせた元EMS(緊急医療班)のキット・ラトゥーラ(シルヴェスター・スタローン)は取り残された人々を脱出させようと奔走するのですが・・・
大都会ではいつ起きても不思議のない予測不能の大惨事に思わず息を飲みます。
「デイライト」ネタバレ
いつもと変わらずに始まったニューヨークの一日。
ある所では産業廃棄物を違法に始末しようとするトラックがニュージャージーに向かっていました。
トンネルパトロールのジョージ(スタン・ショウ)は、モニター越しに監視員で恋人のグレース(ヴァネッサ・ベル・キャロウェイ)に「今夜、忘れ物のブレスレットを渡すときに大事な話をしたいんだ」とメッセージを送っていました。
タクシー運転手のキット・ラトゥーラ(シルヴェスター・スタローン)はお客の要望で近道をしようとしていました。
クライトン一家の夫 スティーヴン・クライトン(ジェイ・O・サンダース)、妻 サラ・クライトン(カレン・ヤング)、娘 アシュリー・クライトン(ダニエル・アンドレア・ハリス)は車で家族旅行中です。
しかし、先日発覚した父親の不倫を娘のアシュリーは未だに許しておらず、すぐに反発して車内は険悪なムードでした。
劇作家志望だったマデリーン・トンプソン(エイミー・ブレネマン)は書いた脚本が採用されず、不倫していた妻子持ちの恋人にも去られ、ニューヨークから出てゆこうと決心して荷物をまとめていました。
愛犬 クーパーの治療にやって来たエレノア・トリリング(クレア・ブルーム)、ロジャー・トリリング(コリン・フォックス)の老夫婦は、無事に治療も終わって行きつけの店で食事をしようと考えていました。
刑務所の護送車もニュージャージーに向かって走っていました。
スニーカーメーカーの社長で冒険家としても有名なロイ・ノード (ヴィゴ・モーテンセン)も仕事で急いでいました。
彼らは皆、ニューヨークとニュージャージーを繋ぐ海底トンネルに向かっていました。
そして、ニューヨークの路上でダイヤを強盗した一味も警察に追われてトンネルに向かっていました。
そして、追っ手から逃れようと焦るあまり運転を誤って追突事故を起こしてしまいます。
運の悪い事に追突したのは、強力な爆発性のある産業廃棄物を許可なく運んでいたトラックで、あっと言う間に燃え移って爆発、トンネル内は一瞬で火の海となり、車や人が襲い掛かって来る炎に吞まれてゆきました。
出入口も崩壊し、中にいた人達は閉じ込められてしまいました。
トンネルに入る直前に崩落に気付き、危うく難を逃れたラトゥーラはタクシーから飛び降りると怪我人の元に走り寄り、車から助け出したりケガの手当てをしたりし始めました。
現場を走り回っている救急隊員や乗客だった医師にも誰に処置をすればいいか指示を出し「なぜタクシー運転手に指示されるの?」と怪訝な顔をされていました。
その時、現場にいた救急隊員の一人がラトゥーラに気付き「なぜ、アンタがここにいるんだ?みんなに見つかったら大変だぞ!」と話しかけてきました。
そして
「隊長は何処だ?」
「本来ならアンタだったはずだがね」
「いいから、今の隊長の居場所を教えろ!」
「・・・中央通路に向かったよ。――あんまり、出しゃばるなよ!」
罵声を浴びながらも、ラトゥーラは隊長を探しに行きました。
一方、崩落したニュージャージー側の出入り口近くにいたトンネルパトロールのジョージは無線で監視センターに呼び掛け続けますが応答がありません。
ジョージを心配したグレースも密かに無線に呼びかけますが、電波は届いておらず、返事はありませんでした。
現場を指揮しているEMSの隊長 ウイルソンを見つけたラトゥーラは、今EMSがやろうとしている中央通路からの侵入よりも天井を爆破して有毒ガスをせき止める方法の方がいいと主張しますが、聞き入れてはもらえませんでした。
その時、トンネルからの退避命令が出され、仕方なくラトゥーラは非難しました。
ウイルソンは「脆くなっていて再崩落が起きる危険がある」と言う先行隊員の忠告も聞かずにトンネル内に侵入し、あえなく崩落に巻き込まれてしまいました。
閉じ込められたトンネル内を見回っていたジョージは、車に乗っていて事故や爆発に巻き込まれなかったクライトン一家を発見します。
また社長のロイも事故に巻き込まれていましたが、奇跡的にケガも殆ど無く、すぐにあたりを歩き回る事が出来る程でした。
様々なスポーツに挑戦し、トレッキングなどもやっている冒険家の一面をもつロイは中央通路が崩れていると聞いて「上手くすれば会社の宣伝になるかもしれない」と危険だと止めるジョージの言葉を無視してそちらに向かいました。
トリリング夫妻と愛犬のクーパーも無事でした。
劇作家志望のトンプソンは、出口を探している内に横転した刑務所の護送車を見つけます。
中には囚人が何人か取り残されていました。
慌てて運転席にあった鍵で檻を開けて囚人たちを外に出しますが、天井からむき出しの電線が垂れ下がり、地面にはガソリンが流れてきていました。
咄嗟の機転で、トンプソンは自分が履いていた靴を手にはめ、感電しないようにして電線を抑え込みました。
しかし、スパークし続ける電線の勢いは強く、トンプソンは倒れ込んでしまいます。
ジョージはモニターに向かって電源を切るように監視センターに訴えますが、職員たちは手一杯で誰もモニターを見ていませんでした。
その時、監視センターにやってきたラトゥーラが画面に向かって必死に訴えかけているジョージの姿に気付き、トンプソンが力尽きる寸前に電源を切る事が出来ました。
ラトゥーラは監視センターの責任者に協力を申し出て、トンネルの模型を使っての対策会議が始まりました。
毒ガスがトンネル内に充満しつつあるものの、排気量は通常の20分の1。
酸素はもって3時間。
中央通路はウイルソンの失敗により完全に崩落しています。
やはり、天井の一部を爆破して毒ガスを遮断するしか方法がないと言う結論に至ります。
ラトゥーラがその役目を任されますが、中に入る為の出入り口は塞がっています。
ラトゥーラは4機の巨大な換気扇を止め、そこを通って中に入る決断をします。
止めていられる時間は2分半。
再始動したら換気扇は二度と止められません。
立ち止まる事は許されない危険な賭けでした。
途中、羽根の間に体が挟まって危ない時もありましたが、何とか通路内に入り込むことに成功しました。
中にいた者達は助けが来たと喜びますが、ラトゥーラがたった一人で、通って来た換気扇もすでに再始動していて通れないと知って落胆します。
そして、暫く前にロイが外に出る道を見つけようと、中央通路に向かった事を知ります。
中央通路は崩壊が進み、人が通るには危険すぎます。
ラトゥーラはロイを連れ戻す為に急いで中央通路に向かおうとします。
しかし、時すでに遅く、崩壊が始まってしまいます。
そしてラトゥーラの忠告に耳を貸さなかったロイは巻き込まれて瓦礫に埋もれてしまいます。
同時にガス爆発も起こり、囚人の一人も吹き飛ばされて亡くなってしまいました。
そして、爆発のせいでトンネル内に川の水が流れ込み始めます。
残された人々は高くなっているニュージャージー側の入り口に向かって歩き出しました。
その時、サラ クランプトンはラトゥーラが以前に不祥事を起こしていた事を思い出します。
ラトゥーラはこれ以上の浸水と火災の拡大を防ぐ為に天井を爆弾で壊して瓦礫でせき止めようと提案しますが、彼に不信感を持っている者は反対して話がまとまりません。
結局、低体温症を防ぐ為に乗り捨てられた車の屋根に全員のぼって水に体が浸からないようにした上でジョージが外の作業状況を確かめに行き、ラトゥーラとトンプソンが天井を爆破しに行く事になりました。
その頃、土木局の担当者はドリルによる掘削を決めます。
そんな事をすればトンネル内の圧力均衡が崩れて崩壊が進む恐れがありますが、担当者はトンネル内から数時間応答がない事から既に生存者はいないと決めつけ、トンネルの早期再開通を優先したのです。
トンネルの裂け目から水が滝の様に入り込むポイントまでやって来たラトゥーラは、トンプソンに手伝ってもらって爆弾をセットします。
途中、ケーブルが絡まって距離がとれないトラブルがあったものの、見事、計画通りに爆破させ浸水を止める事に成功します。
しかし、外の様子を確かめに行っていたジョージから機械音がすると聞いてラトゥーラは愕然とします。
圧力均衡が崩れてトンネルが崩壊すると気付いたからです。
その上、ジョージが水流に押し上げられた車の下敷きになってしまいます。
駆けつけてくれた皆の協力で車を持ち上げ、助け出す事に成功しますが、首を負傷して体が動かせない状態になってしまいました。
外ではマスコミも騒ぎはじめていました。
その対応に追われながらも、グレースはジョージの無事を信じ続けていました。
人心地つく中、トンプソンに聞かれてラトゥーラは自分の過去について語り出しました。
ラトゥーラはかつて緊急医療班の隊長でした。
ある日、ビルの崩壊事故現場で「生存者はいない」という言葉を信じて突入をやめてしまいました。
しかし、それは誤情報でした。
結果的に生存者を見殺しにしてしまったと糾弾され、責任取らされて辞めてしまったのです。
車の上で助けを待っていた生存者達でしたが、段々と周りの水位が上がってきている事に気付きます。
止めた筈の水が未だに何処からか入ってきていたのです。
その事を知ったサラは、もう望みは無いとパニックになり、ありもしない希望を抱かせたラトゥーラを責めます。
それでもラトゥーラは皆を助ける事を諦めませんでした。
そして、トンネルの閉鎖された作業員の宿泊施設がある事を思い出します。
探し回って入り口を見つけましたが、その入り口は水没していました。
体を動かす事の出来ないジョージには入る事が困難です。
ラトゥーラはジョージを置いていくと言う苦渋の決断をし、それをジョージに伝えました。
ジョージは納得し、グレースの腕輪をラトゥーラに託して彼女に返してくれるように頼んだのでした。
生存者たちは入り口に溜まっている水に潜り、泳いで宿泊施設跡に辿り着きました。
しかし、エレノア トリリングは愛犬のクーパーがいない事に気付きます。
実はトリリング夫妻にはジョナサンと言う名の息子がいたのですが、ネパールでトレッキング中に熱病にかかって亡くなっていました。
クーパーは元々ジョナサンの犬で、唯一の忘れ形見だったのです。
「探しに行かないと!」
とエレノアは半狂乱になりますが、夫のロジャーに説得されて何とか落ち着きます。
その時、部屋が揺れ始め、何処から無数のネズミが入り込んできました。
掘削作業によってトンネルの圧力均衡が崩れ始めているのです。
このままでは、ここも潰れてしまうと皆はパニックになりますが、ラトゥーラだけはネズミが逃げてゆく先を冷静に追ってゆき、礼拝堂にある十字架の裏に部屋がある事に気付きます。
「きっと、この先に出口があるんだ!」
皆は協力して壁をはがし、奥へと入ってゆきました。
その時、ラトゥーラはロジャーがいない事に気付きます。
振り返ってみると、ロジャーはエレノアを抱きしめて泣いていました。
寝ているだけだと思っていたのに、気付かない内に低体温症で息を引き取っていたのです。
「妻を遺しては行けない!」
と、ロジャーは動こうとしませんでしたが「だったら俺もここに残る。もう誰かを残してゆくのはイヤだ!」とラトゥーラに説得され、ロジャーはエレノアの遺体を残して先に進む決心をします。
進み続けると、足場のようなものに行き当たりました。
明かりで照らしてみると、そこは作りかけの下水施設のようで天井まで足場が組まれていました。
どうやら外に出られそうだと皆は歓喜に包まれます。
足場を登っていると、下の水たまりを何かが泳いでいました。
それは、いなくなったと思っていたトリリング夫妻の愛犬 クーパーでした。
トンネル全体が揺れ始め、足場もいつ崩れるか分からない状態でしたが、意を決してラトゥーラはクーパーを引き上げに戻ります。
無事、クーパーは助け上げられ、ロジャーの元にかけてゆきました。
「デイライト」最後ラストの結末は?
ホッとしたのも束の間、突然大きな揺れがやって来て足場が崩れ、ラトゥーラは水に落ちてしまいます。
登ろうとしても足や手を掛ける場所もありません。
皆は何とかして助けようとしますが、ラトゥーラは自分を残して先に行けと叫び続けました。
その時、再び足場が崩れ、一番前で手を伸ばしていたトンプソンまでもが水に落ちてしまいます。
皆は更に慌てますが、二人を助ける術はありません。
仕方なく、スティーブンの決断で二人を残して皆は先に行ってしまいました。
帰ろうとしていた監視センターの所長とグレースは地面の下から声が聞こえる事に気付きます。
早速、地下に通じる穴の蓋を取り除いてみると、中から次々と生存者達が出てきました。
辺りは喜びと驚きに包まれますが、いくら待ってもジョージが出てこないと悟ったグレースは静かに涙を流したのでした。
「もう助からないのね・・・」
命を助けた囚人達にまで見捨てられたと、トンプソンは落胆しますが、ラトゥーラはまだ希望を失っていませんでした。
ラトゥーラは水が天井ギリギリまで溜まっている地点を探し、爆弾をしかけました。
「俺を残したのは失敗だったな。これからお前の心臓を吹き飛ばしてやるぞ!」
そして着火しました。
二人が爆風と炎を避ける為に水中にもぐった直後、爆発により天井が吹き飛び、あいた穴に凄い勢いで水が吸い込まれ始めました。
ラトゥーラは過去の爆発事故をヒントに、天井を吹き飛ばして浸水で圧縮されていた空気を外に排出させ、水も吸い上げさせ、吹き出す水と共にトンネルの上にある川から一気に脱出しようと考えたのです。
一か八かの作戦は成功し、ラトゥーラとトンプソンは川底から川面に浮かび上がり、泳ぐ体力もなくプカプカ浮いていました。
やがて救助隊が彼らを発見し、二人はようやく助け出されました。
「さぁ、一緒に病院に行きましょう。どうせ私は行くところもないし」と言うと、ラトゥーラはぐったりしながらも一つ提案をしました。
「なぁ、川を渡る時は橋を通ろう」
THE END
「デイライト」見どころ
閉じ込められてしまった生存者達の年齢や性別、人種、職業や社会的地位はまちまちです。
命懸けでトンネル内に救助にやって来た元救急医療班のラトゥーラは色々な個性を持つ生存者達を導いて地上―日の光(デイライト)を目指します。
崩れ行くトンネルの中で次々と降りかかかるトラブルを皆で協力して乗り越えてゆく様は手に汗握るシーンの連続で見応えがあります。
水や炎が容赦なく襲い掛かって来て、見ている内に息が詰まって息苦しささへ感じてしまいます。
そして、時々差し挟まれる会話などのシーンもホッとさせられていいアクセントになっていました。
生存者達の人生はあまり語られませんが、時々出てくる会話から人物の背景が見少し見えてくるのもいい演出だったと思います。
危機をのがれて少しずつ皆が分かりあっていったり、生死を掛けた状況の中で家族や夫婦の愛や勇気が試されたりするのも感動的で、ジョージがもう助からないと悟ってもラトゥーラを勇気づけたり、グレースに返す腕輪を託すシーンは、パニックアクション映画なのに涙が出そうになりました。
邦画ですが「252 生存者あり」を思い出しました。
登場人物は普通の日常を送る人たちでしたが、ある日突然事故に巻き込まれて命の危機にさららされます。
誰の人生でも全く同じ日は1日としてありません。
突然に、理不尽に危機が襲ってくるかもしれないと心のどこかで用心する大切さ、普通の1日を過ごす事の出来る幸せ、諦めずにベストを尽くす事に大切さを教えてくれる作品でした。
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