映画「ボーン・コレクター」は、デンゼル・ワシントン主演、フィリップ・ノイス監督の1999年のアメリカ映画です。
この映画「ボーン・コレクター」のネタバレ、あらすじや犯人、最後ラストの結末と見どころについて紹介します。
全身麻痺の捜査官と女性刑事のコンビが猟奇殺人事件に挑む「ボーン・コレクター」をお楽しみください。
若き日のデンゼル・ワシントンとアンジェリーナ・ジョリーの共演が見れます。
「ボーン・コレクター」スタッフ・キャスト
■ スタッフ
監督: フィリップ・ノイス
製作: マーティン・ブレグマン他
製作総指揮:ダン・ジンクス他
脚本: ジェレミー・アイアコーン
撮影: ディーン・セムラー
音楽: クレイグ・アームストロング■ 主要キャスト
リンカーン・ライム:デンゼル・ワシントン
アメリア・ドナヒュー:アンジェリーナ・ジョリー
セルマ(看護師):クィーン・ラティファ
チェイニー(部長):マイケル・ルーカー
ポーリー・セリット:エド・オニール
ケニー・ソロモン:マイク・マッグローン
リチャード・トンプソン:リーランド・オーサー
エディー・オーティズ:ルイス・ガスマン
バリー・リーマン医師:ジョン・ベンジャミン・ヒッキー
「ボーン・コレクター」あらすじ
リンカーン・ライム(デンゼル・ワシントン)は、著書も多く講演もこなす敏腕科学捜査官。
しかしある事件現場で事故に遭い、肩から上と指先しか動かない後遺症を負ってしまいました。
そんな彼の前に現れたのは、自分と同じく天性の才能で現場鑑識を成し遂げる巡査・アメリア・ドナヒー(アンジェリーナ・ジョリー)。
彼女の才能に気づいた彼は、アメリア(アンジェリーナ・ジョリー)を捜査に引き込み、連続殺人犯を追うことに・・・
果たして二人は、何十人も続く殺人を止めることが出来るのでしょうか?
「ボーン・コレクター」ネタバレ
事故にあった時の夢を見て、脂汗をかきながら目覚めたライム(デンゼル・ワシントン)。
彼は自宅に医療機器を揃え、看護師・セルマ(クィーン・ラティファ)の助けを借りながら暮らしています。
度々発作を起こす彼にとって、一番恐ろしいのは植物状態に陥ること。
それは、友人の医師に自分の尊厳死を助けて欲しいと頼むほど、彼の頭を占める恐怖です。
彼の自宅には住み込みのセルマ(クィーン・ラティファ)以外にも様々な人が訪れます。
ライム(デンゼル・ワシントン)の命を支える機器の管理を引き受けている医療技師リチャード・トンプソン(リーランド・オーサー)もその一人。
メガネをかけ気の弱そうな顔をした彼は、体を交換したいというライム(デンゼル・ワシントン)の言葉に困ったような顔をしながら、心拍調整装置の交換を約束して帰っていくのでした。
その日の早朝、空港に降り立った夫妻がいました。
迎えの車が来ないと怒りながら近くのタクシーに乗り込んだ夫妻。
バックミラーに小さな猿の飾りをつけたタクシーに目的地を告げ眠ってしまった二人ですが、しばらくして目覚めた妻は通っている道に見覚えがないことに気付きました。
自宅へと向かうはずのタクシーが全く違う場所へと向かっているのです。
驚いた妻に起こされた夫が罵倒しますが、振り返りもしない運転手。
なんとか車を停めようとするもドアにはロックがかけられ、後部座席と運転席のあいだにはパネルが張られているため手出しも出来ません。
そのまま彼らは暗闇へと走るタクシーに連れ去られてしまったのでした。
その頃、巡査として勤務していたアメリア(アンジェリーナ・ジョリー)は、無線連絡を受けて線路へと向かいます。
人気のない高架下の線路にいたのは通報してくれた少年。
少年が指さす方に進んだアメリア(アンジェリーナ・ジョリー)は、そこで地面から突き出した人間の手を見つけました。
慌てて駆け寄り砂利を掘ると、すぐに出てきたのは人間の顔・・・
人が埋められていたのです。
突然の事に一瞬たじろいだ彼女ですが、すぐに正気を取り戻すと、少年にカメラを買ってくるように頼みました。
それを使って、被害者のすぐ側にある線路にある不自然なものを写真に収め始めたのです。
被害者の突き出た手は、人差し指の肉がそがれそこに指輪がかけられていました。
線路には小さく盛られた土や破られたページの上に太いボルト、綿のようなものが置かれています。
何を意味するのか分からないながら写真を撮った彼女は、そこへ迫る列車を停車させ現場保存に尽力したのでした。
ところが、到着したチェイニー部長(マイケル・ルーカー)はアメリア(アンジェリーナ・ジョリー)が列車を留めた事を責め、彼女の功績を全く認めようとしません。
使えないやつ呼ばわりされたアメリア(アンジェリーナ・ジョリー)は呆れたような顔をしてその場を後にしたのでした。
しかしこれがライム(デンゼル・ワシントン)に持ち込まれた事から、彼女は再びこの事件に関わることになるのです。
ライム(デンゼル・ワシントン)の自宅に、事件の概要を持ってきたのはポーリー・セリット(エド・オニール)とソロモン(マイク・マッグローン)の二人。
本部長からの指示でやってきた二人は、彼に捜査協力を求めに来たのです。
肩から下が動かない状態のライム(デンゼル・ワシントン)ですが、その頭脳の明晰さは損なわれていません。
被害者は不動産王のアラン・ルービン(ゲイリー・スワンソン)。
彼の遺体が見つかった現場写真をポーリー(エド・オニール)がモニターに映し出した時でした。
ライム(デンゼル・ワシントン)を発作が襲ったのです。
目を見開き滝のように汗をかきながら痙攣するライム(デンゼル・ワシントン)。
セルマ(クィーン・ラティファ)はポーリー(エド・オニール)達を下がらせ、彼に酸素マスクを装着させると必死で声かけを続け容態の安定に努めたのでした。
発作が収まり意識を取り戻したライム(デンゼル・ワシントン)はすぐに、ポーリー(エド・オニール)が持ってきた写真を見ながら事件について考え始めます。
ボルトの下に敷かれていたのは午後四時の文字に丸印が書き込まれた新聞紙、そこには小さな紙片も挟まれていました。
アップして見るとページ119の文字・・・119・・・午後四時・・・
呟いていたライム(デンゼル・ワシントン)は今日が11月9日だと気付くと、すぐにポーリー(エド・オニール)に電話をかけます。
こうしてライム(デンゼル・ワシントン)に自宅に捜査本部が組まれ、本格的な操作が始まったのでした。
そこへ呼ばれたのがアメリア(アンジェリーナ・ジョリー)。
ライム(デンゼル・ワシントン)は集められた証拠類と、それらの保存の為に列車を停め、足跡の写真を撮る際にも1ドル紙幣を置くなどの工夫をした彼女には現場鑑識の天分があるとして、捜査本部に引き抜いたのです。
チェイニー(マイケル・ルーカー)とは全く違う評価をしてくれるライム(デンゼル・ワシントン)の言葉に驚くアメリア(アンジェリーナ・ジョリー)。
これは慎重に演出された犯罪だと話す彼は、鑑識という仕事に全く乗り気でない彼女に優しく語りかけ椅子をすすめると、推理を展開させアラン(ゲイリー・スワンソン)の妻の居場所を探します。
置かれていたボルトは鉄製でNSGという文字が刻まれたもの、アラン(ゲイリー・スワンソン)の体内に残されていた銃弾が古い拳銃のものだったように、このボルトもまた年代物です。
また現場に置かれていた綿のようなものはアスベストでした。
アスベストといえば公害物質として大勢の命を奪ったもの・・・
そこでライム(デンゼル・ワシントン)はアスベストの除去作業が現在進行中かどうかを調べるようアメリア(アンジェリーナ・ジョリー)に指示します。
現在12箇所ほど除去作業が行われていると聞くと、一番古い作業場所がモニターに映し出されました。
それと同時進行で進められていた調査では、証拠品として見つかった盛られたものは砂ではなく牡蠣の殻を砕いたものだということが分かり、また小さくちぎられた紙が古い紙幣だという事も分かっています。
犯人が置いていったこれらの証拠品をもとにルービン夫人の居場所を探るライム(デンゼル・ワシントン)。
1913年に誘拐されて殺された資産家の事件を思い出した彼は、資産家が射殺された場所が牡蠣の殻を埋め立てて作られた[パール通り]だと閃くと、夫人はそこだと断言しました。
緊急出動班に捜索指示を出すのと同時に、アメリア(アンジェリーナ・ジョリー)やポーリー(エド・オニール)も向かわせます。
通り付近の地下に夫人は囚われているとしながら、ライム(デンゼル・ワシントン)は分析官・エディー(ルイス・ガスマン)と共にボルトの解析を進め、ついにそれが[ナイアガラ蒸気発電社]のものだと突き止めました。
その連絡を受けたアメリア(アンジェリーナ・ジョリー)達は、[パール通り]と[ナッソーリ通り]の交わる蒸気パイプの合流点を目指します。
毎日午後四時になると蒸気が放出されるというそこは、マンホールを降りた道路下にありました。
現場に到着したアメリア(アンジェリーナ・ジョリー)にライム(デンゼル・ワシントン)は、夫人の捜索は他の捜査官に任せるよう指示し、彼女には現場検証を求めます。
アルミのスーツケースを持ち、ライム(デンゼル・ワシントン)と繋がったヘッドセットを付けてマンホールから入ったアメリア(アンジェリーナ・ジョリー)。
そこは怒号が飛び交う緊迫の現場。
夫人の居場所を探す捜査官たちが入り乱れています。
蒸気を切れと叫ぶ声に、バルブが回らないと答える声。
そんな喧騒の中、彼女の耳に聴こえた声がありました。
微かな泣き声です。
閉ざされたブロックの向こうに夫人がいる!
色めき立った捜査官たちですが、しかし無情にも時刻は四時に・・・!
頭上に張り巡らされたパイプ管を蒸気が走っていきます。
身を伏せて避ける捜査官たちには、夫人を救う時間の余裕がありませんでした。
やがて蒸気がおさまると現場に満ちるのは無力感です。
そんな状況下でライム(デンゼル・ワシントン)が求めたのは、アメリア(アンジェリーナ・ジョリー)が一人で壁の向こうに行く事でした。
他の人間では証拠保存に不安が残ると判断したのです。
不安を抱える彼女をヘッドセットから支えながら、ライム(デンゼル・ワシントン)は見たもの感じたものを全て言葉にするよう指示します。
酷い臭いに満ちた空間を歩くアメリア(アンジェリーナ・ジョリー)は、先にある夫人の遺体に気づきました。
彼女は両手を捕縛されたまま頭上に引き上げて固定され、ボルトを抜いてパイプの続きを外したパイプ口を目の前に設置された状態で息絶えていたのです。
これでは四時の放出時、高熱の蒸気が彼女を直撃したことでしょう。
顔の判別ができないほど損壊された遺体を前に竦むアメリア(アンジェリーナ・ジョリー)。
しかしライム(デンゼル・ワシントン)は証拠保全の為、床を碁盤の目に歩いて空間を立体的に捉えるようにと励まします。
ゆっくりと一歩ずつ進みながらライトで周囲を照らしていたアメリア(アンジェリーナ・ジョリー)は、パイプの上に置かれた妙なものに気付きました。
それは毛のついた小さな木片。
写真におさめると証拠最終のために近づいた彼女は、そのすぐ側に赤い棒のようなものがある事に気付きます。
血のついた骨です。
その二つを採集すると、仕事をやり遂げた安堵を抱えアメリア(アンジェリーナ・ジョリー)はその場を離れようとしました。
しかしライム(デンゼル・ワシントン)はそれを許しません。
犯人の指紋がついている可能性があると言って、夫人が縛られている古い手枷を採集する為に遺体の手首を切り落とすよう指示したのです。
あまりの言葉に拒否感を強めたアメリア(アンジェリーナ・ジョリー)は、ヘッドセットを外してその場から立ち去ってしまったのでした。
自宅に帰り泣きながら酒を飲んで眠りについたアメリア(アンジェリーナ・ジョリー)。
かかってきた電話も受話器を外して着信拒否です。
しかしそんな彼女をソロモン(マイク・マッグローン)が迎えにやってきました。
何度電話をかけても出ないとライム(デンゼル・ワシントン)が彼女を呼ぶんだ、そう話すソロモン(マイク・マッグローン)はずぶ濡れです。
諦めたような顔で身支度を整えて帰ってきたアメリア(アンジェリーナ・ジョリー)をみて、さすがのライム(デンゼル・ワシントン)も気まずそうな表情です。
手首の切断は言いすぎだったと認めた彼は、彼女の経歴を見て褒め始めました。
それは決しておべっかやお世辞といったものではなく、彼の本心として語られたものです。
優秀で逮捕歴もすごい彼女が事務仕事の多い青少年課へ転科願いを出したのは、父親のことが原因かと言い出したライム(デンゼル・ワシントン)。
彼はアメリア(アンジェリーナ・ジョリー)の経歴を調べるうち、警官だった彼女の父親が自殺しているという事実を知ったのです。
その上で続けます。
遺伝子が運命を決めるなんて僕は信じないと言い切り、両親は本も読まない人だったが僕は何千冊も読んだし本も書いた、つまり運命は自分で切り開くんだ、と―――。
だからこそ彼女にも親の人生と自分の人生は違うんだということに気付き、その稀有な才能を埋もれさせないで欲しいと願ったのです。
その言葉にアメリア(アンジェリーナ・ジョリー)が父の死の呪縛から解かれた時、ソロモン(マイク・マッグローン)が慌てた様子でやってきました。
タクシー協会から、男子大学生が一人行方不明だとの報告が上がったのです。
友人によると、タクシーの運転手に殴られていたらしい男子学生。
もしかしたら次の被害者かもしれない・・・
彼を救う為にはアメリア(アンジェリーナ・ジョリー)の力が必要だと言うライム(デンゼル・ワシントン)を見て、彼女は微笑みを浮かべ捜査に戻ったのでした。
その頃、攫われた青年は該当もない道路の先にある廃墟ビルに連れ込まれていました。
犯人は彼を、蒸気の被害者となった夫人と同じように縛った両手を頭上で固定し、その上でナイフを持って近づきます。
口を塞がれた青年のくぐもった悲鳴が響くも、その声が誰かに届くことはないのでした。
夫人の現場で採取してきた証拠品を分析していたエディー(ルイス・ガスマン)は、血濡れの骨が人骨ではなく焦げた子牛のものだった事を突き止め、さらにはその中に突っ込まれていた小さな古い紙切れも発見します。
毛髪と思われたものは剃られたネズミの毛、これらの情報をもとに思案するライム(デンゼル・ワシントン)。
その緊迫した状況に、リチャード(リーランド・オーサー)が機器の交換部品を持ってやってきました。
物々しい雰囲気の中、黙々と作業を終えた彼に、急かして申し訳ないと謝りながらライム(デンゼル・ワシントン)の頭脳はフル回転をしています。
毛のついていた木材には泥も付着していました。
その泥には窒素分が多いと聞いて、窒素や爆発性炭化物を含むものといえば・・・と考えているとエディー(ルイス・ガスマン)が答えを口にします。
古い砦や爆発物実験上にもあるが、古い厩肥にもあるぞ、と。
それは何気ない一言でしたが、この言葉によりライム(デンゼル・ワシントン)は、昔家畜置き場があった場所の特定を指示。
事件に没頭しすぎてセルマ(クィーン・ラティファ)から体調を心配されても思考を止めないライム(デンゼル・ワシントン)。
鬼気迫る表情で残されたヒントをもとに青年の居場所を探します。
そしてアメリア(アンジェリーナ・ジョリー)の探し出した古い家畜置き場のうち、一番古い場所に彼は賭けました。
ハドソン川沿いのそこに緊急出動班を出し、それと同時にアメリア(アンジェリーナ・ジョリー)達を送り出したのです。
現場に到着したアメリア(アンジェリーナ・ジョリー)達。緊急出動班はまだ来ておらず、現場には彼女たち三人だけ。
アメリア(アンジェリーア・ジョリー)を先頭にして、ライト片手に入った建物内で、先へ進むのは彼女だけです。
階段を下りて地下に向かったアメリア(アンジェリーナ・ジョリー)は、肥やしの匂いが満ちた空間を進みます。
生きていて欲しい、という願いとは裏腹に、青年は変わり果てた姿で発見されました。
彼は体のあちこちをナイフで刺され、その血の匂いによってきたネズミたちに食い荒らされて殺されていたのです。
大腿部には骨にまで達する深い傷も残されています。
目を閉じ心を落ち着かせたアメリア(アンジェリーナ・ジョリー)がその瞳を開いた時、そこには強い光が宿っていました。
犯人への憤りが彼女を成長へと導いたのです。
碁盤目捜査を始めたアメリア(アンジェリーナ・ジョリー)は、垂らされたチェーンの滑車部分に置かれた茶色の封筒を発見します。
証拠最終を終えた彼女が現場を離れようとした時でした。
なかなか現場に入れないと憤った緊急班からの連絡を受けたチェイニー(マイケル・ルーカー)が到着します。
事件の本部がライム(デンゼル・ワシントン)の自宅に移されてからすっかり蚊帳の外に置かれていた彼の怒りはここで爆発し、二人続けて被害者を出した事の責任を責め立てるようにして指揮権を奪い取ったのです。
アメリア(アンジェリーナ・ジョリー)をパトロール巡査と馬鹿にし、証拠品を渡すよう迫るチェイニー(マイケル・ルーカー)。
そんな彼に証拠品提出伝票を求めたアメリア(アンジェリーナ・ジョリー)は、そのまま署へと一緒に連れ帰られてしまったのでした。
署内ではチェイニー(マイケル・ルーカー)の指示で、この事件の証拠品が一番に鑑定にかけられます。
指紋を残すような奴ではないと断言したアメリア(アンジェリーナ・ジョリー)ですが、その意見に反し証拠品からは指紋が採取されました。
暴力行為で三件の前歴を持つ男の指紋だったと勝ち誇ったような顔のチェイニー(マイケル・ルーカー)は、緊急班を伴い男の自宅へと飛び出していきます。
しかし彼らが踏み込んだそこには、物言わぬ男がいました。
指を切り落とされ殺された男。
彼は犯人により指紋を使うためだけに殺されたようなのです。
その頃、捜査員や持ち込まれた機材もすべて撤収されたライム(デンゼル・ワシントン)の自宅にアメリア(アンジェリーナ・ジョリー)が帰ってきました。
彼女はチェイニー(マイケル・ルーカー)がデスクの上に置きっぱなしにしていた今回の証拠を手に戻ってきたのです。
早速事件の証拠品として見つかった三枚目の小さな紙片を取り出すアメリア(アンジェリーナ・ジョリー)。
臭いがする、そう言って彼に嗅がせるため近づいた彼女と、微笑み合いながらライム(デンゼル・ワシントン)の距離は、これまで以上に近しいものになっていました。
そこへ、過去12ヶ月間に起こった未解決事件を調べていたエディー(ルイス・ガスマン)から何枚もの写真と資料が送られてきます。
被害者を写し出した写真。
そのどれもが肉をえぐられて骨が見えていました。
ライム(デンゼル・ワシントン)が見れば一目で分かる犯人からのメッセージがそこかしこに写っているにも関わらず、チェイニー(マイケル・ルーカー)はそれら全てを見落としていたのです。
犯人は三人殺しただけではない―――
その事実が重く伸し掛ったとき、ライム(デンゼル・ワシントン)を再び大きな発作が襲います。
ガクガクと痙攣する彼を救助すべく立ち回るセルマ(クィーン・ラティファ)から、彼が尊厳死しようとしていることを聞かされたアメリア(アンジェリーナ・ジョリー)。
いつも自信に満ち溢れた彼の、思わぬ苦悩を知った彼女は複雑そうな顔でライム(デンゼル・ワシントン)に寄り添います。
発作が収まり小康状態になった彼の側で、初めて室内をゆっくりと見回したアメリア(アネジェリーナ・ジョリー)が見つけたのは、棚に飾られた盾。
NY市警の仲間から贈られたらしいその盾は、彼の人柄を示しているようにも感じられ、彼女はふと頬を緩めるのでした。
ライム(デンゼル・ワシントン)の発作が起こっていた時、証拠が消えたと気付いたチェイニー(マイケル・ルーカー)が彼の自宅を訪れていました。
しつこい彼を叱り飛ばして追い返すセルマ(クィーン・ラティファ)。
余計な恥をかいたと怒り心頭のチェイニー(マイケル・マーカー)ですが、彼は今自分のことを考えている暇などないはずなのです。
そんなことをしている今も犯人は新たなる被害者を物色していて・・・
仲の良さそうな祖父と孫娘の二人があのタクシーに乗ってしまったのでした。
その知らせはポーリー(エド・オニール)によってライム(デンゼル・ワシントン)にもたらされます。
老人と少女を乗せたタクシー運転手が、車を止めたタクシー監督官を殺して逃げたというのです。
連続殺人との関係性はまだ掴めないものの、これが犯人によるものだと確信したライム(デンゼル・ワシントン)。
発作が収まりまたいつもの冷静さと聡明さを取り戻した彼は、すぐにモニターに向かいあの三枚の小さな紙片をパズルのように組み合わせ始めました。
その三枚が何を示しているかに気付いたのは、パズルが得意なセルマ(クィーン・ラティファ)です。
女性の顔に見えると言い出した彼女の言葉に、今世紀初頭のホラー専門出版社のロゴだと気づいたライム(デンゼル・ワシントン)は、アメリア(アンジェリーナ・ジョリー)を図書館へと向かわせたのでした。
アメリア(アンジェリーナ・ジョリー)が犯罪実話のコーナーで見付けたのは[ボーン・コレクター]という本。
背表紙にあのロゴが入ったその本は、まるで今回の事件の教科書でした。
本の中ではねずみに食われて死んだ被害者の次は海に吊るされる被害者の姿が描かれています。
これをヒントに、大掛かりな搜索が決行されました。
本にあったブルックリン・ブリッジの周辺の埠頭をヘリやボートを使い大量の警官を投入しての大捜索です。
必死で探すアメリア(アンジェリーナ・ジョリー)に聞こえてきたのはライム(デンゼル・ワシントン)からの新たな情報。
三枚目の紙片から臭ってきていたのはディーゼル油だったと話す彼は、スタテン島のフェリー乗り場に給油所があると伝えてきたのです。
そうしてアメリア(アンジェリーナ・ジョリー)は見つけたのでした。
波に飲まれながら桟橋下の杭に括りつけられている老人の姿を。
他の捜査官と共に飛び込んでみると、そこには少女も一緒に固定されていました。
なんとか引き上げられた二人。
しかし老人の方は手遅れだったのでした。
息を吹き返した少女を確認するとアメリア(アンジェリーナ・ジョリー)は、犯人の残した証拠を探すため燃料タンクの側へ。
そこには地図と綺麗に乾いた骨、警官バッジみたいな金属が置かれていました。
地図は古いもので知らない駅ばかりが並んでいます。
アスベストを調べた時にも知らない駅名が出てきたと思いだしたアメリア(アンジェリーナ・ジョリー)は、怒り心頭で駆け寄ってきたチェイニー(マイケル・ルーカー)を交わして廃駅へと続くトンネルへと向います。
そこは普段は封鎖されているだろう南京錠が切られており、明らかに何者かが侵入した跡が・・・。
ライム(デンゼル・ワシントン)と携帯で会話しながら進んでいたアメリア(アンジェリーナ・ジョリー)でしたが、途中電波が途切れ一人で進むことになってしまいました。
真っ暗な駅の中には古い列車も打ち捨てられています。
それを見て動きを止めるアメリア(アンジェリーナ・ジョリー)。
その車両に記された数字に見覚えがあったのです。
78499・・・必死で思い出した彼女は、それがライム(デンゼル・ワシントン)の自宅で見たあの盾に記された番号と同じだと気付いたのでした。
つまり犯人の狙いはライム(デンゼル・ワシントン)だと―――。
「ボーン・コレクター」犯人とラスト最後の結末
アメリア(アンジェリーナ・ジョリー)が犯人の目的にたどり着いた頃、ライム(デンゼル・ワシントン)の自宅のチャイムが鳴りました。
出迎えたセルマ(クィーン・ラティファ)。
親しげに、それでいてこんな時間にどうしたのかと少し訝しそう・・・
ところがそのまま来客に彼女は刺されてしまったのです。
倒れ込んだ彼女の向こう、廊下には目を見開いたままのチェイニー(マイケル・ルーカー)もまた倒れていました。
玄関先の異変に気付き、セルマ(クィーン・ラティファ)を呼びます。
しかし現れたのはリチャード(リーランド・オーサー)です。
心拍装置のチェックを、という彼ですがその靴を見てライム(デンゼル・ワシントン)はそっとベッドを緊急モードに切り替えます。
リチャード(リーランド・オーサー)は、ライム(デンゼル・ワシントン)が関わった魔女狩り裁判で人生を滅茶苦茶にされたと恨んでいるのです。
殺人事件を装って事件を偽装した刑事がいるという調査書をライム(デンゼル・ワシントン)が書いたせいで、職を追われた彼は復讐を胸に生きてきた様子。
現場偽装の罪で服役した彼は、元警官という身分から死にたいほどの屈辱的な毎日を六年も送ってきた!と叫びながら、ズラリと手術道具を取り出します。
少しずつ苦しめてライム(デンゼル・ワシントン)が恐れている植物人間にしてやろうといって近づくリチャード(リーランド・オーサー)。
ライム(デンゼル・ワシントン)はこのチャンスを逃しませんでした。
指先でマウスを動かしベッドを急に引き倒してリチャード(リーランド・オーサー)の指を挟むと大怪我をさせることに成功したのです。
しかしこれがリチャード(リーランド・オーサー)の怒りを余計燃え上がらせてしまいました。
怒りに任せてシーツを引っ張りライム(デンゼル・ワシントン)をベッドから落とした彼は、這い蹲りながら刃物を持って迫ります。
リチャード(リーランド・オーサー)がそれを振り上げた瞬間でした。
間一髪のタイミングで飛び込んできたのはアメリア(アンジェリーナ・ジョリー)。
銃を構えリチャード(リーランド・オーサー)を射殺し、ライム(デンゼル・ワシントン)の命を救ったのでした。
その年のクリスマス、車椅子に乗るまでに回復したライム(デンゼル・ワシントン)のそばにはアメリア(アンジェリーナ・ジョリー)が寄り添っています。
ライム(デンゼル・ワシントン)は彼女のおかげで、絶縁状態だった姉一家も来てくれた楽しいパーティーを過ごすことができているのです。
愛する人を得て、ライム(デンゼル・ワシントン)の人生に光が差し込んできているのでした。
THE END
「ボーン・コレクター」見所ポイント!
途中で犯人がわかってしまいますが、それでも上質のサスペンスと言える作品です。
ほぼベッドの上という特定された場所にいるライムと、そんな彼の手足のようになって動き回るアメリアのコンビがとても印象的でした。
テイスト的にはレクター博士シリーズの【羊たちの沈黙】【レッド・ドラゴン】に近いものがあります。
この手の作品がお好きな方にはドンピシャのサスペンス作品です。
最近の映画は分ける必要のない二部作などが多い中、潔く二時間で納めた物語のテンポの良さは快感にも似た気持ちよさを感じます。
爆発などの作り出した迫力ではなく、じわじわと迫る役者の演技を楽しめる作品としてオススメの一作です。
若かりし日のデンゼルの格好良さと、アンジーの美しさも楽しめますよ。
この作品のファンとしては、コンビの続編も見てみたいです。