映画「ベラのワンダフル・ホーム」は、ジョナ・ハウアー=キング主演、チャールズ・マーティン・スミス監督の2019年の映画です。
この映画「ベラのワンダフル・ホーム」のネタバレ、あらすじや最後のラスト結末、見どころを紹介します。
飼い主に会うために冒険に出る犬の物語「ベラのワンダフル・ホーム」をお楽しみください。
「ベラのワンダフル・ホーム」キャスト・スタッフ
■ スタッフ
監督: チャールズ・マーティン・スミス
脚本: W・ブルース・キャメロン他
制作: W・ブルース・キャメロン他
製作総指揮: ジェフリー・チャン他
音楽: マイケル・ダナ
撮影: ピーター・メンジース・ジュニア■ 主要キャスト
テリー: アシュレイ・ジャッド
ルーカス: ジョナ・ハウアー=キング
アクセル: エドワード・ジェームズ・オルモス
オリヴィア: アレクサンドラ・シップ
ベラ: シェルビー
ベラの声: ブライス・ダラス・ハワード
ミカ: ウェス・ステュディ
ギャヴィン: バリー・ワトソン
レオン: タミー・ギリス
「ベラのワンダフル・ホーム」あらすじ
野良犬だったベラはルーカス(ジョナ・ハウアー=キング)に保護され、幸せな毎日を送っていました。
ところがある日、ルーカスと離ればなれになってしまいます。
家までの距離は600㎞。
ベラは「ルーカスに会いたい」という一心で歩き始めます。
その旅の途中、ベラは様々な人々と出会い、幸福を与えていきます。
ベラはルーカスと元へ帰ることが出来るのでしょうか?
「ベラのワンダフル・ホーム」ネタバレ
コロラド州のデンバー市、壊れた一軒家の瓦礫の下に、飼い主を失った犬と猫たちが集まって来て暮らしています。
その中の子犬は大きな犬をお母さんと思って懐いていました。
しかし、ある日、市の職員とガンター(ブライアン・マーキンソン)はお母さん犬を連れ去ってしまいます。
子犬の方も危ない所でしたが、ルーカス(ジョナ・ハウアー=キング)とオリヴィア(アレクサンドラ・シップ)がそれをやめさせました。
彼らは瓦礫の下の犬と猫たちに餌を与えるボランティアでした。
彼らを目の敵にするガンターは彼らを追い出しますが、子犬はルーカスの後を付いていきました。
ルーカスの家に着くと母テリー(アシュレイ・ジャッド)も子犬を優しく迎えてくれました。そして子犬はベラと名付けられました。
ベラはルーカスの家で成長していきます。
大きくなったベラは窓の外に来たリスを捕まえようと活発になりました。
お気に入りはルーカスの毛布で、包まるのが大好きです。
ガンターがルーカスの家を訪れ、瓦礫の下の動物に餌を与えるのをやめるように言います。
また、間の悪い事に水道工事のためベラは家にいられなくなります。
ルーカスは勤務先の退役軍人病院にベラを連れていきます。
病院で犬を飼うのは初めての事で、ルーカスはどうなるか心配しましたが、ベラはそこでも職員や元軍人たちの心を癒し、人気者になる事が出来ました。
そんなある日、ルーカスとオリヴィアが壊れた家に行くと、またガンターが家を壊そうとしていました。
抗議しても「許可は取ってある」の一点張りで取り合おうとしません。
頭にきたルーカスとオリヴィアは、役所に手をまわして許可を取り消し、工事をやめさせます。それでもガンターは「ここにはもう犬も猫もいない」と抵抗しますが、直後にベラが瓦礫の下から猫を見つけ出します。
それを見たガンターは二の句が継げず、渋々引き下がりますが「必ず借りは返す!」と捨て台詞を残して行きました。
夜、ガンターがルーカスの家にやって来ました。
そして、ベラは危険なピットブルという犬種のため、その所有は違法だと指摘します。
ルーカスは抵抗しましたが、ベラは市により犬の保護施設へ連れて行かれてしまいました。
ルーカスは罰金を払い、施設でベラと再会します。
市の当局はベラの所有はデンバーでは違法、ただし、他の町ではその所有は許されるかもしれないと指摘します。
ルーカスとオリビアはすぐに引っ越しの準備を始めましたが、次の家が決まるまでは油断できません。
そこで、ベラを600キロ離れたニューメキシコ州のオリヴィアの親戚の家に移動させることを決めます。
ルーカスと別れるベラは悲しそうにし、ルーカスはベラの好きな毛布を与えます。
ベラは引き取り先で可愛がられますが、自分の家ではないと感じます。
やがてルーカスはデンバー近郊のゴールデンにベラの引き取り先を見つけ、ベラとの再会のためにニューメキシコに向かいます。
しかし、その事を知らないベラは待ちきれなくなり、自力でルーカスの家に帰ることを決意します。
預けられた家の者がうっかり囲いの側に際に滑り台を移動させた時を見逃さず、滑り台を駆け上がって頂上から外に飛び出してしまいます。
そのまま元の家に向かって駆け出しますが、ちょうど迎えに来たルーカスの車に気付かず、行き違いになってしまいます。
ベラの足で600キロの距離は遠すぎました。
お腹がすいて、山でうさぎを捕らえて食べようとしますが、失敗します。
空腹でフラフラになりながらコロラド州のデュランゴに着いたベラは残飯をあさり、親切な人から食事を与えられます。
その内、そのあたりをテリトリーにしている野良犬の集団と出会います。
餌場やよく餌をくれる親切な人の家や店を教えてもらい、仲間に加わるように誘われますが、ベラはルーカスの元へ向かいます。
一方、ルーカスはベラを探す張り紙を作り街中に張りますが、効果はありません。
その頃、ベラは山の中で母とはぐれた「大きな猫(実はアメリカ大陸の山に暮らすネコ科の大型肉食獣・クーガー)」と出会います。
後をつけて仲良くなり、一緒にバーベキューを楽しむ家族から肉を盗み、釣りをしている人から魚を盗むなど、サバイバル術を学びます。
しかし、ベラはやはり野生に染まり切る事が出来ず、生魚よりルーカスのくれたチキンを思い出して懐かしみます。
ある日、偶然通りかかった人達がベラの首輪にあった番号に気付きます。
それはルーカスの番号で、そこに電話します。
しかし、電話がつながる直前に母クーガーが現れ、怖がる男たちはルーカスへのメッセージを残せませんでした。
やがて山に雪が積もる季節がやって来ました。
ベラは犬(ダッチ)の鳴き声を聞き、ベラは雪崩に巻き込まれます。
ベラはダッチと彼の飼い主を探しますが、同性愛カップルに救助され彼らの家に保護されます。
彼らはベラを引き取って飼おうとしますが、ベラのルーカスのもとへ帰るという決意は変わらず、再び家を飛び出して旅だったのでした。
やがて春になり、ベラはスーパーでチキンを盗んだりして生き抜いていました。
やがてベラはホームレスの男に捕まり、彼と暮らしだします。
ホームレスはベラを溺愛し、何処へも行かないようにいつも鎖でつないで片時も離そうとしません。
やがてホームレスは体が衰弱してゆき、ベラを鎖でつないだまま人気のない川べりで行倒れ、そのまま死んでしまいます。
ベラは何処へも行けず暴れますが、誰も助けてくれません。
憔悴しきったところに、たまたまやってきた子供に見つけられ、やっと鎖を外してもらって自由になれました。
旅はまだ続き、時も流れ冬がまた訪れました。
たどり着いた山の中で、ベラは野生の狐に襲われますが、クーガーに救われます。
それはかつて一緒に旅をしていた「大きな猫」でした。
再会を喜び、ベラはクーガーと一緒にルーカスの家のあるデンバーを目指します。
しかし、デンバーが見える丘で来た時、別れがやって来ました。
クーガーは人間と暮らせないため、ベラと別れるしかなかったのです。
「ベラのワンダフル・ホーム」最後のラスト結末
デンバー市内にまでやってきたベラでしたが、高速道路に迷い込んでしまい、恐ろしさのあまり暴れまわって渋滞と事故を引き起こしてしまい、最後には車にはねられてしまいます。
ベラは怪我をしながらも、ルーカスの家に入ります。
ルーカスを探しますが、彼の匂いは消えていました。
ルーカスは引っ越してしまい、この家から出て行ってしまっていたのです。
事情を知らないその家の現在の住人は、突然入って来たベラに驚き、警察に電話します。
異変を察知したベラは窓をぶち破って間一髪で逃げ出します。
そして、ルーカスの勤務する退役軍人病院を思い出して、そちらに向かいます。
病院に入り込んだベラは退役軍人達、そして遂にルーカス、オリヴィアと再会します。
2年ぶりに帰って来たベラをルーカスは抱きしめます。
しかし、高速道路での騒ぎを聞きつけた市の職員とガンターに連れられた警察が来てベラを保護しようとします。
ベラを愛する元軍人たちはそろって連れて行かせまいとします。
しかし、ガンターは何が何でもベラを捕獲すると言って引き下がりません。
ガンターにせっつかれて警察も嫌々ながら警告します。
「ここデンバーの法律により、その犬は捕獲しなくてはならないんです」
その言葉を聞いたルーカスが、ある事に気付いて叫びます。
「今、確かに『デンバーの法律』と言った。でも、この病院はアメリカ政府所有の土地で、敷地内にいる限りはデンバーの法律は適用されない!」
その言葉に警察も納得し、私怨により無茶を押し通そうとしたガンターに「お前には市民から多数の苦情が寄せられている。その上、こんな騒ぎを引き起こしたとあってはもう見過ごせない。上に報告して内勤にしてやるからな!」と釘を刺して去っていきました。
数日のち、ルーカスとオリヴィアは、デンバー近郊のゴールデンでベラと一緒に暮らし始めます。
もう誰も彼らを離れ離れにしようとする者はいません。
ベラはコロラドの山のクーガーのことを想いながら、再びルーカスと暮らせる幸せを喜んだのでした。
THE END
「ベラのワンダフル・ホーム」見どころ
犬と人間達との絆を描いた作品です。
野良犬や野良猫に餌をやる行為は賛否両論があります。
この作品では悪人風に描かれていたガンターですが、ゴミを漁ったり病気を媒介したしたりする野生動物を捕獲しようとするのは間違いとは言えないのかもしれません。
しかし、ルーカスやオリヴィアからは生き物に対する優しさが感じられました。
ガンターから感じたのは虚栄心や支配欲でした。
ベラをはじめとした動物もルーカス達の優しさが分かるようで、彼らを慕っていつも側にいようとします。
動物保護局に捕獲された時の心の声はとても不安そうで切なさでいっぱいになります。
そしてルーカスがくれた優しさを、ベラは傷ついた軍人達に分け与えます。
言葉は話せなくても、優しい表情のベラはとても愛らしく、側にいてくれるだけで癒されるのがよく分かります。
愛らしさと共に、頭もいいベラですが、それが仇となってせっかく迎えに来たルーカスと離れ離れになってしまいます。
スクリーンにむかって「やめろ、行ってはダメだ!」と叫びたくなるほど切ないシーンです。
様々な困難、色々な人や動物と出会い、時には安住の場所を見つけたように思えるときもあります。
しかしルーカスの元に帰るという意志は揺らぎません。
何度も「帰ろう」と決意するシーンがありますが、いつもりりしい表情をしていて揺るぎない気持ちがはっきりと読み取れます。
そして戻って来たベラを、ルーカスだけでなく傷痍軍人病院の患者達も温かく迎え入れます。
そして捕まえようと追いかけてきたガンターから必死で守ろうとします。
ベラとの絆の強さが感じられる、とても感動的なシーンは必見です。
犬と人間の様々な関係が描かれ、動物の存在がどれほど人間にとって重要か、両者が支え合って生きてゆく事がどれほど素晴らしいかを教えてくれる映画です。
この「ベラのワンダフル・ホーム」の脚本家は「僕のワンダフルジャーニー」も書いています。