映画「うた魂♪」は夏帆主演、田中誠監督の2008年の日本映画です。
この映画「うた魂♪」のネタバレ、あらすじやラスト最後の結末、見どころを紹介します。
女子合唱部の奮闘を描くコメディ「うた魂♪」をお楽しみください。
「うた魂♪」キャスト・スタッフ
■ スタッフ
監督: 田中誠
脚本: 栗原裕光 他
制作: 佐藤直樹
製作総指揮: 馬場漬
音楽: 林祐介
撮影: 鈴木一博■ 主要キャスト
荻野かすみ: 夏帆
権藤洋: ゴリ
瀬沼裕子: 薬師丸ひろ子
牧村純一: 石黒英雄
野村ミズキ: 徳永えり
松本楓: 亜希子
青柳レナ: 岩田さゆり
黒木杏子: ともさかりえ
荻野康平: 利重剛
荻野あゆみ: 中村久美
荻野知恵蔵: 間寛平
審査員: ゴスペラーズ
「うた魂♪」あらすじ
七浜高校女子合唱部に所属するかすみ(夏帆)は歌と自分が大好きな女子高生。
だが憧れの生徒会長(石黒英雄)に撮られた自身の歌う姿が“産卵中のサケみたい”だったことに落ち込み、歌への情熱をなくしてしまう。
そんな時、ライバル校のヤンキー合唱団を率いる権藤洋(ゴリ)が現れて、かすみは合唱への素直な思いが蘇る。
「うた魂♪」ネタバレ
七浜高等学校女子合唱部に所属している萩野かすみ(夏帆)は、自分の事を可愛くて歌の才能があると思っているちょっと自意識過剰な女子高生。
そして同級生の牧村純一(石黒英雄)に片想い中。
ある日の登校バスでちょっとしたハプニングが起こります。
かすみたちが乗っているバスに乗ろうと、権藤洋(ゴリ)率いる不良高校生たちがバスを待っていますが、気弱なバスの運転手は不良達が恐くてそのバス停を通過してしまいます。
それに腹を立てた不良たちはバスを追いかけます。
逃げるバスの先におばあさんが…。
おばあさんを避けたバスは電柱に衝突して止まります。
その衝撃で倒れたかすみの上に倒れこんだ牧村。
そのバスを降りた後、かすみは牧村から話があると言われ、放課後屋上に呼び出されます。
かすみは、牧村から告白されるのではと浮かれまくります。
いざ屋上に行くと、牧村からの話しは告白ではなく、写真のモデルになって欲しいというものでした。
「前から歌ってる荻野さんを撮りたいと思ってた」という牧村の言葉を真に受けてまた浮かれまくります。
それから、学校集会で歌を披露する合唱部。
そこで生徒から称賛の声があがりますが、牧村の事が好きで、かすみを目の敵にしているレナ(岩田さゆり)とその取り巻きが合唱部の事を貶しはじめます。
そんな事を知らないかすみは自信満々に歌い終わります。
その後、合唱部にテレビの取材が入ります。
そのカメラを意識しまくって表情を大袈裟に作ってみせるかすみ。
ここでも自信満々に自分をアピールしまくります。
放課後、牧村が撮影した写真を見せてもらいますが、それは自分が思っていた表情とは全くの別物でした。
牧村からは、鮭の産卵の時みたいな顔だと言われショックを受けるかすみ。
更に、かすみのユーモラスな顔を取りたかっただけだと言う牧村の言葉にまたショックを受けます。
生徒会新聞には先程の写真が大きく載ってしまい、クラスメイトからその顔をからかわれます。
それに腹を立てたかすみは、牧村のクラスへ行き牧村にビンタを食らわせます。
かすみは部活に行っても、撮られた顔のショックを引きずって歌う事が出来ませんでした。
その帰りレナに牧村を叩いた事を非難されてしまいます。
今までの自信過剰な自分を貶されたかすみはますます自信を無くしてしまいます。
かすみは顧問の瀬沼(薬師丸ひろ子)に、自信が無くなってしまったので部活を辞めたいと相談します。
瀬沼は「あなたの人生だから辞めたければ辞めても構わない。でも明日のステージに立ってね。」と言われます。
瀬沼に言われた通り、合唱祭の舞台に立ったかすみでしたが、まったく気持ちが入りません。
かすみは部長の松本楓(亜希子)と副部長の野村ミズキ(徳永えり)に合唱部を辞めると伝えます。
そこに現れたのが権藤率いる不良集団。
彼らはただの不良ではなく、湯の川学院合唱部の部員だったのです。
そして権藤は、心ここにあらずで歌っていたかすみに対して「あんた、合唱やめた方がいい。あんな歌い方は歌への冒涜だ。」と言い放ったのです。
かすみたちは湯の川学院のステージを見てとても感動します。
決して上手いとはいえない歌でしたが、彼らが歌う尾崎豊の「15の夜」には魂が込められていました。
かすみは合唱祭が終わった後に湯の川学院の部員たちと遭遇します。
そして権藤から「合唱ナメてんじゃねーぞコノヤロー!」と喝を入れられてしまいます。
権藤は、「大河を讃える歌を歌えるなんて、なんてファンキーなんだって感動した。おまえたちのことスゲーかっこいいと思った。ある一人を除いては。」と言い、その除かれた一人はかすみの事でした。
かすみだけが川の流れを讃えていなかったと話します。
そして権藤は歌に大切なのは、「テクニックではなくフルチンになる事だ」と語ります。
歌に一番大切なのは心を裸にする事だと言われ、その情熱に感動したかすみは、もう一度歌を頑張ろうと決心します。
かすみは権藤に合唱を始めたきっかけを聞きます。
それは3年前に出会ったある女神のおかげだと話します。
喧嘩ばかりだった権藤は、ある女神が尾崎豊の曲を歌うストリートライブの場にたまたま居合わせます。
その歌声にひどく感動した権藤は、それからその女版尾崎のように歌えるように合唱団を結成したのです。
かすみは権藤たちと合唱コンクール北海道予選で会おうと約束し合唱部に戻ります。
顧問の瀬沼にそのことを伝えると、「一人で歌うことはいつでも出来る。今は仲間と歌う時間を大切にしよう。」と励まされます。
合唱部に戻ったかすみは、パートリーダーを解雇され、譜めくりに回されます。
それでも懸命に歌に向き合うかすみ。
コンクールの本番が近付き、全体練習が始まります。
すると、伴奏していたミズキが、「楽譜はもう全部覚えたから、かすみは歌に戻りなよ」と言ってポジションを変えてくれたのです。
ソプラノパートに復活したかすみは心を入れ替え魂を込めて歌うのです。
「うた魂♪」ラスト最後の結末
ある日の放課後、レナがかすみの事を嫌っているという話をするかすみたち。
小学校の時、音楽の授業でフニクリフニクラを歌うレナ。
レナは音痴で上手く歌えませんでした。
周りからからかわれ歌えなくなってしまったレナの代わりに歌ったのがかすみでした。
美しい声で歌ったかすみに劣等感を抱いていたレナは高校になってもそのことを引きずってかすみの事を一方的に嫌っていたのです。
その時は悪気なく歌ったかすみでしたが、自分の歌っている顔が笑われてからレナがからかわれていた気持ちが分かったと、その時の事を謝りレナと和解します。
合唱コンクール地区予選当日、それぞれの学校の発表が始まる中、湯の川学院合唱部が服装と髪形にクレームをつけられ出場停止になったと聞いて彼らの元に駆けつけるかすみたち。
見た目を変えなきゃ出られないならこっちから願い下げだと話す湯の川学院の部員に対して、かすみは「権藤さんがフルチンになれって言ったのに、フルチンになるのに服装や髪型って必要なの?」と話します。
そこへやってきた顧問の瀬沼。
瀬沼こそが、権藤が憧れていた女版尾崎だったのです。
瀬沼に「お互い頑張りましょう」と言われた彼らは服装と髪形を変え、尾崎豊の「僕が僕であるために」を魂込めて歌い上げます。
そしてかすみたちの番がやってきます。
舞台へ移動していると、かすみの元に牧村がやってきます。
歌っている時の顔がユーモラスだと言ったのは悪気が無かったと謝り、かすみの事が好きで、写真に撮りたかったのはかすみが可愛いからだと告白します。
その告白を聞いたかすみは、もう一度自分が歌っている時の顔を撮影して欲しいと牧村に頼みます。
七浜高等学校女子合唱部が歌うゴスペラーズの「青い鳥」は会場を感動に包み、見事全国大会への切符を手にします。
そして迎えた優勝校のアンコール。
かすみたちが歌うモンゴル800の「小さな恋のうた」は、会場皆での大合唱となりました。
歌で会場にいるみんなの心が一つになったのです。
完。
「うた魂♪」見どころ
出演キャストが歌う数々の名曲が素晴らしい!
純粋に音楽って良いなと感じられる、コメディタッチの青春映画です。
どの学校にも一人は居そうな、ちょっと自意識過剰で自分ばかりをアピールする、微妙に鼻につく女子を、夏帆さんが絶妙に表現して演じてくれているのがとっても良いのです。
夏帆さんと星野源が共演したラブストーリー「箱入り息子の恋」もおすすめです。
そして、真剣に不良を演じるゴリさんも最高でした!
権藤率いる湯の川学院合唱部のメンバー達がとっても個性的で、七浜高等学校女子合唱部との温度差がたまらなく面白い!
七浜高等学校の合唱は正統派の美しい合唱ですが、湯の川学院の合唱は、まさに魂を揺さぶるような胸を打つ合唱。
どちらの合唱もステキなので、合唱用にアレンジされた数々の名曲が楽しめるのも見どころの一つです。
かすみたちが決勝でゴスペラーズの曲を歌っていますが、本人たちが審査員として出演していますのでそのシーンも見逃さないようにチェックしてみて下さいね。
何かに真剣になるっていいなと思わせてくれるような作品なので、どの世代の人にもオススメです!
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