映画「パージ」は、イーサン・ホーク主演、ジェームズ・デモナコ監督の2013年のアメリカ映画です。
この映画「パージ」のネタバレ、あらすじや最後ラストの結末、見所について紹介します。
一晩だけあらゆる犯罪が許される無法地帯を描くスリラー「パージ」をお楽しみください。
続編も「パージ・アナーキー」が発表され、さらに「パージ3」の企画もあるそうです。
「パージ」スタッフ・キャスト
■ スタッフ
監督: ジェームズ・デモナコ
製作: ジェイソン・ブラム、セマスチャン・K・ルメルシエ他
脚本: ジェームズ・デモナコ
撮影: ジャック・ヨーフレット
音楽: ネイサン・ホワイトヘッド■ 主要キャスト
ジェームズ・サンディン:イーサン・ホーク
メアリー・サンディン:レナ・ヘディ
ゾーイ・サンディン:アデレイド・ケイン
チャーリー・サンディン:マックス・バークホルダー
ヘンリー:トニー・オラー
グレース・フェリン:アリヤ・バレイキス
「パージ」あらすじ
失業率1%、犯罪発生率が過去最低を記録した2022年のアメリカ。
この平和な生活は、アメリカ経済破綻後に台頭してきた〈新しいアメリカ建国の父〉達により作り出されていました。
「パージ(浄化)によって魂は清められる」とし、一年に一度だけ殺人・強盗・放火など如何なる犯罪も罰せられない、と制定した彼ら。
これをうまく活用し財を築いたのはジェームズ・サンディン(イーサン・ホーク)です。
警備会社の営業をしている彼は、自社製品で「パージ」による犯罪者からの侵入を防ぐための警備装置で家を固め、その時を迎えました。
さぁ、果たして彼は、そして彼の家族は無事朝日を拝むことができるのでしょうか・・・?
「パージ」ネタバレ
高級住宅街に家を構えるジェームズ(イーサン・ホーク)は、美しい妻・メアリー(レナ・ヘディ)と高校生の娘・ゾーイ(アデレイド・ケイン)、息子のチャーリー(マックス・バークホルダー)の待つ自宅へと帰宅しました。
今日は「パージ」の日。
「パージ」を支持する者は外に青いセンダイハギを―――それを表の門に飾りに出てきたメアリー(レナ・ヘディ)は近所のグレース(アリヤ・バレイキス)に話しかけられました。
親切そうな顔でクッキーを持ってきた彼女ですが、その言葉は嫌味っぽく・・・
メアリー(レナ・ヘディ)の家が大きく増築できたのは自分含めこの近隣住民がジェームズ(イーサン・ホーク)から警備装置を買ったからだ、と言って去って行くのです。
2022年3月21日、午後七時が「パージ」の始まりです。
翌朝七時まで警察も消防も、救急でさえ機能しません。
家族四人で監視カメラのモニター室に集まり、始まりを告げる時報を聞きます。
自宅の全ての窓とドアにシャッターを下ろしてなお緊張感を持って迎える両親とは違い、面倒くさそうにその場にいたゾーイ(アデレント・ケイン)は「パージ」の始まりを聞くとすぐに自室へと戻ってしまいました。
彼女は、恋人との仲を反対し続けているジェームズ(イーサン・ホーク)とあまり上手くいってないのです。
自分の部屋でイヤホンをして音楽を聴いているゾーイ(アデレント・ケイン)。
すると突然何者かに押し倒されてしまいました。
驚く彼女の前に現れたのは恋人のヘンリー(トニー・オラー)です。
こっそり忍び込んでいた彼は愛しげにゾーイ(アデレント・ケイン)を見つめますが、しかし目的は恋人との逢瀬ではありません。
君の父親とケリをつけるという彼は、大丈夫だよ、と不安がるゾーイ(アデレント・ケイン)を置いて部屋を出たのでした。
その頃、ジェームズ(イーサン・ホーク)たちもまた思い思いの過ごし方をしています。
そんな中で、犯罪が日常的だった過去を知らないチャーリー(マックス・バークホルダー)は、「パージ」に対する違和感を抱えているようです。
自分で改造した暗視装置付きカメラ搭載のラジコン、ティミーを操り家中を探索しながら過ごすチャーリー(マックス・バークホルダー)。
その時でした。
監視カメラモニターに、自宅の門に隠れた何者かが映ったのです。
慌てて外の音声をONにして声を聞きます。
追われてる!誰か助けてくれ!
しかし、必死に命乞いを願う男の声に応える者は誰もいません。
たまらなくなったチャーリー(マックス・バークホルダー)は、誰に相談することもなく玄関のシャッターを開けてしまいました。
玄関が開けられたことに気づいたジェームズ(イーサン・ホーク)が、慌てて閉めに向かいましたが間に合いません。
閉まるシャッターに滑り込むようにして入り込んだ男のすぐ側にはチャーリー(マックス・バークホルダー)が・・・。
ジェームズ(イーサン・ホーク)は、一緒に玄関に出てきたメアリー(レナ・ヘディ)を庇いながら、男に出て行くように話しかけます。
銃を構えながらジリジリと距離を縮めるジェームズ(イーサン・ホーク)と、何の武器も持たないけれど体の大きな黒人男性。
緊迫のその時、階段から降りてきたヘンリー(トニー・オラー)を見つけたチャーリー(マックス・バークホルダー)がつい声を上げてしまいました。
緊迫した空気が一瞬緩み、全員の視線が自分に向いた瞬間、隠し持っていた銃を取り出しいきなりジェームズ(イーサン・ホーク)に向かい発砲したヘンリー(トニー・オラー)。
咄嗟に応戦したジェームズ(イーサン・ホーク)により、腹部に被弾したヘンリー(トニー・オラー)は駆け寄ってきたゾーイ(アデレント・ケイン)と共に二階へ駆け上がっていきました。
この騒ぎで男を見失ってしまったジェームズ(イーサン・ホーク)たち。
彼はメアリー(レナ・ヘディ)達をモニタールームに避難させ、ゾーイ(アデレント・ケイン)を連れに向かうことにします。
ところが彼女の部屋には、息絶えたヘンリー(トニー・オラー)しかいません。
その頃モニター室にいたチャーリー(マックス・バークホルダー)は外の異変に気づきます。
家の周りに不気味な影が集まってくるのです。
それは張り付いた笑顔のようなマスクをつけた若者たちの集団でした。
その頃ゾーイ(アデレント・ケイン)を探していたジェームズ(イーサン・ホーク)は、その人々に呼びかけられたことで外の存在に気付きます。
慌ててモニタールームに戻ると、外の男がマスクを取りインターフォンを鳴らしてきました。
彼の話はこうです。
先ほどチャーリー(マックス・バークホルダー)が招き入れた男は自分たちの獲物であること、彼を差し出さないのならジェームズ(イーサン・ホーク)たち一家も「パージ」する、と―――。
彼らにとって、ジェームズ(イーサン・ホーク)のように教育水準の高い自分たちは、貧しく弱い立場の者を殺すことで魂が浄化されると信じ込んでいるようなのです。
「パージ」を中傷する人々が言う、自衛できない貧困家庭や病人の廃城が目的だ、との言葉にあまり嘘はないようです。
タイムリミットは彼らが家を破る道具を取り寄せるまで。
それまでに男を差し出さないと、ジェームズ(イーサン・ホーク)たちも皆殺しです。
しばしの猶予を与えられたジェームズ(イーサン・ホーク)達ですが、若者たちにより家の電源を切られてしまい、予備電源を備えているモニター以外は真っ暗闇になってしまいました。
家族を守るために、ジェームズ(イーサン・ホーク)が下した決断は、男を探し出し若者たちに渡す、という事でした。
丸腰の男に対し、ジェームズ(イーサン・ホーク)は銃を各種取り揃えています。
メアリー(レナ・ヘディ)もまた銃を構え、二人はそれぞれに捜索し始めました。
ところが、男を見つけたのはモニター室に残されたチャーリー(マックス・バークホルダー)だったのです。
自作のティミーを使い男に合図すると、彼を自室の隠し部屋に誘導したチャーリー(マックス・バークホルダー)。
そうして男の命を優先した彼でしたが、そこにゾーイ(アデレント・ケイン)がやってきてしまいました。
ティミーを見つけた彼女はチャーリー(マックス・バークホルダー)に話しかけます。
ヘンリー(トニー・オラー)の銃を持っているから私は大丈夫、あんたはじっとしてなさい、と言った彼女は、愛してる、と最後に言うとチャーリー(マックス・バークホルダー)の隠し部屋へ向かってしまったのです。
血眼になって探していたジェームズ(イーサン・ホーク)が見つけたのは、ゾーイ(アデレント・ケイン)を人質にした男の姿でした。
ゾーイ(アデレント・ケイン)の持っていた銃を奪った男は、ジェームズ(イーサン・ホーク)に対し、銃を捨てなければ娘を捨てる、と言い放ちます。
お互いに、何も悪いことをしたわけではないのに命のやり取りをする羽目になってしまった二人・・・。
そんな中男の背後にはメアリー(レナ・ヘディ)が銃を構えてそっと近付いています。
彼女の姿に気づいたジェームズ(イーサン・ホーク)はゆっくりと男に語りかけながらタイミングを測ります。
選択肢は二つ、男らしく自分で出て行って死ぬか、それとも臆病者として私の妻子を道連れにするかだ。
そう語り終えると同時にメアリー(レナ・ヘディ)に合図を送り、男を捕らえたのでした。
この時、男は腹部に銃弾を受け、ゾーイ(アデレント・ケイン)は気絶してしまいます。
そんな二人を連れてモニタールームに戻ったジェームズ(イーサン・ホーク)は、男をテープでぐるぐる巻きに縛り上げました。
必死で抵抗する男。
するとジェームズ(イーサン・ホーク)は男を押さえつけながら、メアリー(レナ・ヘディ)に男の傷を抉るようにと指示を出しました。
そんな両親の姿に、やめてと絶叫するチャーリー(マックス・バークホルダー)。
この行為でメアリー(レナ・ヘディ)が呟きます。
私たちは正気じゃない、と―――。
それでもやるしかないと言うジェームズ(イーサン・ホーク)と、どうかしてる、と冷静になってしまったメアリー(レナ・ヘディ)。
二人の諍いの間にチャーリー(マックス・バークホルダー)が部屋から出ていってしまいました。
息子を追ったメアリー(レナ・ヘディ)。
騒ぎで目を覚ましたゾーイ(アデレント・ケイン)は、心配ない、今夜を乗り切ればまた元に戻るから、と言うジェームズ(イーサン・ホーク)に、もう元になんか戻れない、と無表情のまま答えます。
そんな家族を見ていた男は、椅子に縛り付けられた状態で諦めたように言い出しました。
俺を外に出せ、と・・・。
彼は自分の命と引換えに子供たちを救え、と言うのです。
ため息をついたジェームズ(イーサン・ホーク)は、何かを考えているようです。
そこへチャーリー(マックス・バークヘルダー)を連れたメアリー(レナ・ヘディ)が慌てて帰っています。
彼女は、車に搭載したチェーンを窓やドアに繋ぎ侵入しようとしている若者を見て焦っているのです。
私が間違ってた、というメアリー(レナ・ヘディ)。
しかし、自分こそが間違っていたと言うジェームズ(イーサン・ホーク)は、男を差し出すのではなく侵入者と戦うことを決めたのでした。
外の若者たちは、家への侵入を高らかに宣言します。
ドアに繋いだチェーンを引っ張ることでバリケードを突破した彼らは、インターフォンの青年以外は全員気持ちの悪いお面で顔を隠したまま、各々武器を持ち静かに足を踏み入れてきました。
入口を見張っていたメアリー(レナ・ヘディ)は侵入者たちの跡をそっと追います。
しかしそんな彼女の後を尾けているマスクもいて・・・。
チャーリー(マックス・バークヘルダー)をモニタールームに避難させたジェームズ(イーサン・ホーク)は、ショットガンを手に出ていきます。
とにかく侵入者を撃退するしか彼らの助かる道はないのです。
娯楽室に向かった彼は、ここで何人ものマスクたちと死闘を繰り広げます。
自分が殺した若者たちの遺体を前に、しばし呆然とするジェームズ(イーサン・ホーク)ですが、しかし彼はここで立ち止まるわけにはいきません。
自分を奮い立たせるように先へ進んだ彼ですが、そこにはインターフォンの青年が立っていました。
彼の持つ大きなナイフで刺されてしまったジェームズ(イーサン・ホーク)。
青年はジェームズ(イーサン・ホーク)に、家族よりもあんな男が大切だったのか?と静かに語りかけ、思い出をありがとう、と涼しい顔で去っていくのでした。
その頃チャーリー(マックス・バークヘルダー)は、外の人影に気付きます。
二人組の彼らは急に外のマスクたちを撃ったのです。
その人影は家の中でも見られます。
メアリー(レナ・ヘディ)に伸し掛かり今にも彼女に刃物を突き立てようとしていたマスクを、なんの躊躇もなく撃ち殺した二人の人影・・・。
そのあとも家中で鳴り響く銃声の後を追ったメアリー(レナ・ヘディ)は、階段を登ろうとしている血まみれのジェームズ(イーサン・ホーク)を発見します。
慌てて駆け寄り抱きかかえるとゾーイ(アデレント・ケイン)とチャーリー(マックス・バークヘルダー)を呼び寄せました。
しかしゾーイ(アデレント・ケイン)は来ません。
代わりに、あの青年がやってきてしまいました。
ショットガンを手にした青年を前に、メアリー(レナ・ヘディ)達には立ち向かう術がないのです。
この窮地を救ったのはゾーイ(アデレント・ケイン)でした。
青年に向かい銃を放ち家族を守った彼女が加わったことで、やっと家族四人、安堵の脱力感に泣きくれます。
そこに現れたのはグレース(アレヤ・バレイキス)です。
お困りのようだから来たの、という彼女の周囲には近所の住民が共に銃を持ち集まってきます。
彼女たちが侵入者たちを銃殺しメアリー(レナ・ヘディ)達を救ってくれたのです。
命の恩人だわ、と感謝するメアリー(レナ・ヘディ)ですが、そんな彼女にグレース(アレヤ・バレイキス)は冷たく言い放ちます。
感謝されても困るわ、と―――。
彼女たちはメアリー(レナ・ヘディ)一家に「パージ」を行うためにここへ来たというのです。
「パージ」最後のラスト結末
子供達は関係ない!とパニック状態になりながら叫ぶメアリー(レナ・ヘディ)ですが、グレース(アレヤ・バレイキス)達は意にも介しません。
彼女たちは、自分たちから儲けておいて完璧を気取っているジェームス(イーサン・ホーク)達に積年の恨みを重ねており、今夜青年たちによってバリケードが壊される状況をチャンスだと捉えていたのです。
必死に子供たちの命乞いをするも虚しく縛り上げられてしまった三人。
既にジェームズ(イーサン・ホーク)は息絶えており、グレース(アレヤ・バレイキス)達に取り囲まれた状態に逃げ出せる隙はもうありません。
そんな窮地に現れたのは、まさかのティミー。
全員の視線がそちらに流れた一瞬のうちに現れたのは、あのチャーリー(マックス・バークホルダー)が助けた男でした。
彼はメアリー(レナ・ヘディ)家族を助けると、彼女に指示を仰ぎます。
形勢逆転。
グレース(アレヤ・バレイキス)はふてくされたように、さっさと殺しなさいよ、と言いますが、メアリー(レナ・ヘディ)が選んだのは、そのまま夜明けを待つ事でした。
朝になり、「パージ」終了のサイレンが鳴ります。
長かった夜は終わったのです。
出ていく男を家族で見送ります。
遠くからパトカーの音が聞こえてきました。
「パージ」の終了を知らせるニュースでは、昨夜の被害状況が報告されています。
それでも経済は上昇し、確かに「パージ」は世情の為にはなっているのです。
「パージ」は年に一度。
来年もまたやってきます。
テレビからは息子を奪われた父親の声が流れて・・・
アメリカを信じてた、でも、国は全て奪った―――。
同じく家族を奪われたメアリー(レナ・ヘディ)は一体どんな思いで来年を迎えるのでしょうか・・・。
THE END
「パージ」見所ポイント!
予測できてしまう部分も少なくありませんが、侵入者たちのマスクの不気味さやパージの有用性などよくできている話だと思います。
ジェームズに娯楽室で撃たれた女が、衝撃で体が跳ねてお尻をビリヤード台に強打して落ちるなど、リアルな部分も多く、割と無理があるこの世界観をちゃんとリアルなものに近付けようという演出も感じました。
イーサン・ホークは、正直久しぶりに見ましたが、相変わらず格好いいです。
まさか死んじゃうとは思ってもみませんでしたが、王道アクションやサスペンスではスーパスターが死んじゃうなんて事ほとんどないので、知名度的に言っても今作で一番だと思われるイーサンが亡くなってしまう等、想定外な展開も含めて面白かったです。