映画「スパニッシュ・ホラー・プロジェクト ベビー・ルーム」は、アレックス・デ・ラ・イグレシア監督の2006年のスペイン映画です。
スパニッシュ・ホラー・プロジェクトとは、スペイン映画界の鬼才たちが競作する “Peliculas para no dormir”(眠らないための映画)の作品のことです。
そんな、映画「スパニッシュ・ホラー・プロジェクト ベビー・ルーム」のネタバレ、あらすじや最後ラスト、結末、見所について紹介します。
■ スタッフ
監督: アレックス・デ・ラ・イグレシア
製作:フリオ・フェルナンデス・アルバロ・アウグスティン
製作総指揮: カルロス・フェルナンデス、サンティアゴ・ヒメノ、エイトール・モンタンチェス
脚本: ホルヘ・ゲリカエチェバァリア
撮影: ホセ・ルイス・モレノ
音楽: ロケ・バニョス■ 主要キャスト
フアン: ハビエル・グティエレス
ソニア: レオノール・ワトリング
ドミンゴ: サンチョ・グラシア(超常現象に詳しいライター)
フェルナンデス:アントニオ・デチェント(編集長)
スパニッシュ・ホラー・プロジェクト ベビー・ルームのあらすじ
とある屋敷に引っ越して来た若い夫婦、フアン(ハビエル・グティエレス)とソニア(レオノール・ワトリング)。
彼らはまだ赤ちゃんの娘を育てながら、新しい生活に馴染み始めていました。
ところが、幸せの絶頂にいると思われたこの家族ですが、徐々に不可解な現象に悩まされます。
赤ちゃん監視用のトランシーバーからは、謎の男の声が聞こえるようになってきて、フアンの精神状態が徐々に不安定になって来ます。
ついには監視用モニターで謎の男を見た、とまで言い始めるフアンに愛想を尽かした妻ソニアは、娘を連れて出て行ってしまいます。
フアンは一人でもこの怪奇現象の謎を突き止めようとするが・・・
この男の正体はいったい誰なのか?
家族は元の幸せに戻れるのか?
スパニッシュ・ホラー・プロジェクト ベビー・ルームのネタバレ、最後のラスト結末は?
フアンが見た怪奇現象とは、もう一つの平行世界で起こり得るフアンの未来であった、というのがこの映画のオチです。
つまり、もう一人の自分です。
オバケとか幽霊じゃないんですね。
登場人物の一人が言及しているように、並行世界に入り込んだ人間は、中の人間と入れ替わってしまうという・・・
映画の冒頭で、少年が同じ顔をした少年に水の中に引き込まれてしまうシーンがありましたが、アレが伏線になっていました。
スパニッシュ・ホラー・プロジェクト ベビー・ルームの最後のラスト結末は、フアンはもう一人のフアンと入れ替わってしまい、向う側の世界に閉じ込められてしまいます。
逆に向うの世界にいた邪悪なフアンの方がこちら側の世界に来てしまうという所でTHE ENDです。
スパニッシュ・ホラー・プロジェクト ベビー・ルームの見所
この映画は、スペイン映画界の鬼才、アレックス・デ・ラ・イグレシア監督のテレビ映画です。「スパニッシュ・ホラー・プロジェクト」というホラーテレビシリーズ映画の一環ですが、テレビ映画とは思えないほどのクオリティを誇っているのには驚きました。
さすがはイグレシア監督です。
ホラー映画という体裁ながらも、ブラックテイスト満載のストーリー展開は見ていて非常に楽しいですよ。
特にこの夫フアンのキャラクターというのがとても面白く、間が抜けているのに憎めないところが愛嬌があって良かったです。
また、登場人物同士の会話の掛け合いのセンスもよく、ベッドで妻ソニアと夜の生活について口喧嘩するシーンや、仕事場の上司とのやり合いなどは、漫才でも見ているかのような笑いに満ち溢れています。
とはいえ、やはりホラー映画という事もあり、しっかりとしたツボは抑えてあります。
少年が同じ顔をした少年に水の中に引き込まれてしまう冒頭のシーンから観客の心をギュッと摑み、徐々に謎が解けていく展開にはハラハラさせられ、ラストのドンデン返しにはアッと驚かされる事は間違いないでしょう。
妻の役にはイグレシア作品やスペイン映画界には欠かせない名女優のレオノール・ワトリング。
どの映画でも豊満なヌードを披露する事が多いのですが(笑)、たかだか77分しかないテレビ映画でも全裸シーンを披露していたのにはビックリしました。
短いながらもしっかりと最後まで楽しませるサービス精神に満ちた作品だと言えるでしょう。
みんなの感想