映画「博士と彼女のセオリー」はエディ・レッドメイン主演、ジェームズ・マーシュ監督の2014年公開の作品です。
この映画「博士と彼女のセオリー」のネタバレ、あらすじや最後のラストの結末と見どころについて紹介します。
物理学者の主人公とその妻の関係を描いた伝記物語であり、第87回アカデミー賞では5部門でノミネートされたこの作品「博士と彼女のセオリー」をお楽しみください。
「博士と彼女のセオリー」あらすじ
ケンブリッジの街並みを自転車で駆け抜けるスティーヴン・ホーキング(エディ・レッドメイン)とブライアン(ハリー・ロイド)は、訪れたパーティー会場でジェーン(フェリシティ・ジョーンズ)と出会います。
2人はイギリス、ケンブリッジ大学に通う学生で、スティーヴンは宇宙論研究を、ジェーンは言語学を学ぶ大学院生でした。
2人きりで会話をし、次第に惹かれ合っていきます。別れ際ジェーンはスティーヴンに電話番号を渡しました。
その後スティーヴンはジェーンを舞踊会に誘います。
舞踊会で2人はより親交を深め、最初は踊らないと断言していたスティーヴンですが、最後にはともに踊りキスをしました。
スティーヴンは他の大学院生と教授とともに、ロンドンへ講義を聞きに行きます。
それは、ブラックホール、そしてその核にある時空の特異点についてでした。
この講義がスティーヴンに大きな影響を与えます。
彼はペンローズの「特異点理論」を宇宙全体に適応したらどうなるか、と疑問に思い、「僕が宇宙の膨張を逆転させたら時間を巻き戻すことができるのではいか」と考えます。
その後、何かひらめいた様子を見せたスティーヴンは走り出しますが、その際転んでしまいました。
そして・・・
「博士と彼女のセオリー」ネタバレ
病院で検査を受けましたが、スティーヴンは患っている病気について聞き、落胆します。
それは「運動ニューロン疾患(ALS)」でした。これは脳からの命令が筋肉に伝わらなくなり、話すことや呼吸することが難しくなり、やがては随意運動を制御する能力が失われる病気です。
さらに治療法もなく、余命は2年だと言われてしまいます。
脳や思考力が衰えることはないが、それを伝える機能を無くしてしまうのです。
同じ大学院生であるブライアンに病気を伝えますが、ジェーンに伝えることはなかなかできません。
翌日、ブライアンから事情を聞いたジェーンはスティーヴンのもとを訪れます。
余命が2年しかないため研究に専念したいと突き放すいうスティーヴンですが、ジェーンは彼に「愛している」と伝え、短い間でも一緒にいたいと言いました。
ジェーンは周囲から彼と一緒にいることに反対を受けますが、それでも彼らは愛し合いともに病気と闘うと決め、結婚をしました。
その後、1人目の子どもを出産。
学業面では博士論文で「時間の誕生とブラックホール、時空の特異点」のチャプターが評価され、博士号を取得します。
そして彼は「時間には始まりがあり、1つの方程式で証明すること」が次の目標だと言いました。
一方スティーヴンの身体は次第に動かなくなり、2本の杖がないと歩けない状態でした。
そこでジェーンは車椅子を与え彼はそれで生活するようになります。
冬、寝室にいたスティーヴンは暖炉の炎を見たことによって、何かが閃きました。
スティーヴンは興奮気味に「閃いた。思いついた!」と声を上げ、彼はなんと後に自説の誤りを証明し、新しい研究では「宇宙に境界も始まりもない」と証言しています。
そしてその研究について、ジェーンは完全に理解し他人に説明できるほどでした。
スティーヴンの介護と2人の子どもの育児に追われるジェーンは、いら立ちや疲れを募らせ、助けが必要だとスティーヴンに言いますが、彼は「うまくいっている」と言い、ジェーンの言葉を受け入れません。
そこでジェーンの母親は、教会の聖歌隊に入ることを薦めます。
そこで出会ったジョナサン(チャーリー・コックス)から息子はピアノを習い、さらに彼をディナーに招待しました。
彼は妻を亡くし独り身であったため、何かジェーン達の家族に「何かできることがあれば、手伝いがしたい。目的ができ寂しい思いをしなくて済むから」と言います。
彼と話したスティーヴンも、「ジェーンが手助けを必要とし、誰かがそれに応えてくれるなら僕は否定しない」と言いました。
そこからスティーヴン、ジェーンと二人の子ども、さらにジョナサンはともに生活するようになり、ジョナサンは子どもたちと遊ぶだけでなく、介護も手伝っていました。
さらに3人目の子どもが誕生します。
親族の間でその3人目の子どもがジョナサンとの間の子ではないかと噂がたち、ジョナサンはジェーンらと距離を置いてしまいます。
ジョナサンとジェーンはお互い好きという感情を持っていたのにもかかわらず、離れなければならなくなり、さらに彼女1人では育児に介護は厳しい状態です。
その様子に気づいたスティーヴンは、ジョナサンの助けが必要であるため、直接彼に話に行きます。
そしてジョナサンも同意し、スティーヴンがフランスでオペラを見ている間、ジェーンと3人の子どもとともにキャンプに行きました。
しかし、オペラ鑑賞中にスティーヴンの容態が急変し、昏睡状態になってしまいます。
「「博士と彼女のセオリー」最後ラストの結末は?
手術は成功したものの、彼はそれにより声が出せなくなり、スペリングボードを使った会話の訓練をします。
まばたきによってスペルを指定するものです。
その後、スペリングボードの専門家であるエレイン(マキシン・ピーク)を招き、スティーヴンはスペリングボードを使い、「紅茶が欲しい」と頼むことができるようになりました。
その後、車椅子にモニターを取りつけ、リモコンでアルファベットを指定するデジタル式のものを使うようになります。
さらにこれは指定した文字に基づいて音声も流れます。
これを用いてスティーヴンは「時間小史-ビックバンからブラックホールまで-」として、時間には終わりがあるのか、遡れるのかについて本を書き、出版されました。
アメリカで行われた授賞式には、エレインを誘ったスティーヴン。
ジェーンには授賞式のことさえ、伝えていませんでした。
ジェーンは、この事実とスティーヴンの様子から何を意味しているのはすぐに理解します。
彼女はスティーヴンの目線に合わせるようにしゃがみこみ、「私はあなたを愛したわ」と言い、2人は涙を流しました。
ジェーンは再び教会へ行き、ジョナサンと再会します。
お互い思いを寄せあっていた2人はキスをしました。
スティーヴンはエレインとともに生活し、一方ジェーンは博士号を取得、そして夫となったジョナサンと幸せに暮らしています。
スティーヴンは名誉勲位としてイギリス王室に招待され、ジェーンと3人の子どもたちともに出席しました。
スティーヴンは大きく成長した3人の子どもを見て、「見ろよ 我々が創り上げたものを」と言います。
余命2年と宣告されたスティーヴンですが、医師の予測を大きく超え長く生き、研究を続けていました。
THE END
「博士と彼女のセオリー」みどころ
物理学者である、スティーヴン・ホーキング博士とジェーン博士の出会いから別れまでを描いた作品であり、彼の激動の半生と、その彼を支え続けた献身的な愛の様子が描かれた伝記作品。
モデルとなったスティーヴン博士は1965年に「ブラックホールの特異点定理」について発表し偉業を成し遂げた人物。
彼は2018年に死去しましたが、それまで「万物の理論」を研究し続けていました。
彼の半生をモチーフにした映画ではありますが、偉業などの必ずしも彼を称えるものではなく、彼が成功したのはジェーン博士あってのことであると感じさせられます。
ジェーン博士目線で書かれている描写が多く、介護のみならず、育児に追われ疲労困憊していく様子や不倫をにおわせるような描写も描かれ、精神的に追い込まれている様子が良く読み取れます。
アカデミー賞でもノミネートされたこの映画。
病気が悪化していく様子を見事に演じたエディ・レッドメインが素晴らしいです。
彼は完全に演技派として定着しましたね。
「リリーのすべてでもその演技力を遺憾なく発揮しています。
そして言葉はあまり発しないものの、その表情から感情があふれ出るフェリシティ・ジョーンズの演技も見物です。
今作は演技派同士の共演が最大の見どころですね。
みんなの感想