映画「ユア・マイ・サンシャイン」はチョン・ドヨン主演、パク・チンピョ監督の2005年の映画です。
この映画「ユア・マイ・サンシャイン」のネタバレ、あらすじや最後のラスト結末、見どころについて紹介します。
世界で一番不幸な女性が手にした世界で一番の幸せを描く純愛物語「ユア・マイ・サンシャイン」をご堪能ください。
「ユア・マイ・サンシャイン」あらすじ
韓国の田舎にあるのどかな農村は嫁不足で、独身男はしがない毎日を送っていました。
36歳のソクチュン(ファン・ジョンミン)も、結婚願望はあるものの良縁とは程遠い男です。
仕事場は牧場で数種類の家畜を、悪友三人と力を合わせて飼っていますが、彼の牛は一頭だけ。
夢は、自分の牧場を経営する!
いずれは叶うと信じるその夢に向かって、地道にコツコツと生きていました。
愛車は原チャリと家畜を乗せて走るトラック、180cmで90kgはありそうなややポチャ体型。
兄貴インジュン(イム・ジョンユン)は結婚して独立、今は母親ブンジャ(ナ・ムニ)と二人暮らし。
イタズラな態度を取る事もあるけど、結婚資金と親孝行(母の金歯)もキチンと考え貯金する、優しさだけが取り柄のような純朴な男です。
「俺って情けないか?」と、牛に人生や恋愛を相談するソクチュン(ファン・ジョンミン)。
お酒も飲めず奥手なこの男に、とうとう運命の出会いが訪れました!
彼女の名前はウナ(チョン・ドヨン)、どうやらソウルからやって来たようです。
化粧っ気のない顔は素朴だけど、この農村の女性にはない華やかさがありました。
牧場に向かう途中に彼女を見かけ、一目で恋に落ちたソクチュン(ファン・ジョンミン)。
だけど、彼女を想えば想うほど、胸が張り裂ける程の苦しさも味わう事になります。
本作は、実話を基に描かれた物語です──
「ユア・マイ・サンシャイン」ネタバレ
ソクチュン(ファン・ジョンミン)とウナ(チョン・ドヨン)は、スナック貴賓で客とホステスとして再会しました。
実は独身の彼が、嫁探しで揉めてバタバタと暴れているのを、偶然見掛けていたウナ(チョン・ドヨン)。
「おじさん、どこかで会った気がする?」と、顔を寄せ無邪気に微笑みます。
緊張して固まるソクチュン(ファン・ジョンミン)は、お酒では無くコーラで乾杯!
ウナ(チョン・ドヨン)にとってはいつも通りの仕事だけど、彼女の可愛さに幸せいっぱいです。
だけど、ここは噂があっと言う間に広がる小さな農村。
昼はデリヘル嬢、夜はホステスでウナ(チョン・ドヨン)が稼いでいる事は、もう一部では知れ渡っています。
「きっと事情があるはず、彼女がそんな…」
決して白い目で見る事はない、ソクチュン(ファン・ジョンミン)。
翌日、喫茶純情(表向きはコーヒー屋、裏ではデリヘル嬢を派遣)に電話を掛け、ウナ(チョン・ドヨン)をホテルに呼び出します。
「…純情だと思っていたのにガッカリ」男なんて皆同じと、少し寂しそうな彼女。
すると、ソクチュン(ファン・ジョンミン)は「ゆっくり休んで欲しい」と、健気にコーヒーを注ぎ始めます。
そんな彼に安心感を抱きつつも、ちゃんと仕事をするウナ(チョン・ドヨン)。
もちろん、純粋なソクチュン(ファン・ジョンミン)は「ウナさんも、俺を少し好きみたいだ」
喫茶純情に毎日通い牧場の搾りたて牛乳を届け、彼女への愛はスクスクと育って行きます。
「好きな女性のタイプは?」と聞けば「僕はウナ…シム・ウナです」と照れながら、でも真剣なソクチュン(ファン・ジョンミン)。
彼には嘘が無くウナ(チョン・ドヨン)の心にも響きますが、彼女は傷付けられた暗い過去を背負っていました。
どんなに優しいソクチュン(ファン・ジョンミン)だって、愛を貫くなんて事はきっと無理。
信じた男に裏切られ、純粋に愛する事が出来なくなったウナ(チョン・ドヨン)は、彼に想いを断ち切らせます。
それは、堕ちた自分と彼は似合わない。
彼に惹かれ始めているウナ自身が、気持ちを抑えているようでもありました。
だけど、どんなに振られても、彼女のすべてを受け止める覚悟があるソクチュン(ファン・ジョンミン)。
ある夜、やっとウナ(チョン・ドヨン)を原チャリの後ろに乗せて走ることが出来て、とっても幸せ!
これまで、(実は苦手な)牛乳を捨てていた彼女も、初めて飲んでみると微笑みました。
そんな時、喫茶純情にソクチュン(ファン・ジョンミン)と母親(ナ・ムニ)がやって来ます。
何と、ここで彼のお見合いが始まりました。
もちろん、彼が好きなのはウナ(チョン・ドヨン)だと、知っている店の女たち。
相手の女性に、素っ気ない態度を取るソクチュン(ファン・ジョンミン)。
「好きな女性のタイプは?」と質問されると「シム・ウナみたいな、可愛い女性」
でも、彼の母(ナ・ムニ)は、ウナ(チョン・ドヨン)が息子の嫁になるなんて考えられません。
結局、ソクチュン(ファン・ジョンミン)は、客が待つホテルへと向かう不機嫌な彼女を見ている事しか出来ませんでした。
その後、激高する客とトラブルになり、病院に搬送されたウナ(チョン・ドヨン)。
ベッドで眠る彼女の手を握るのは、ソクチュン(ファン・ジョンミン)でした。
「おじさん、お見合い相手は?なんでここに居るの?」
「ごめんなさい、ウナさん」
素直に謝るソクチュン(ファン・ジョンミン)は、傷付いた顔でも「世界で一番かわいい」と、ウナ(チョン・ドヨン)を愛おしそうに見つめます。
純粋で優しい彼だからこそ、私は一緒に居てはいけない。
「おじさんの人生が、台無しになる」と、顔を背けるウナ(チョン・ドヨン)。
ソクチュン(ファン・ジョンミン)は、真剣な顔で彼女にプロポーズしました。
ウナ(チョン・ドヨン)が退院すると、保留となっていた返事が帰って来ます。
これまでは“おじさん(アジョシ)”だったのが、更に親しみを込めて“おにいさん(オッパ)”。
ドキッとするソクチュン(ファン・ジョンミン)に「私は、すごく縁起が悪い女」と、伝えるウナ(チョン・ドヨン)。
年下の彼女にいつも翻弄されてしまうソクチュン(ファン・ジョンミン)ですが、その愛は本物です。
やっとウナ(チョン・ドヨン)の心を溶かし、愛し合う二人は結ばれました。
友人や親せきが集まり、賑やかに行われた二人の結婚式。
もちろん、怪訝な顔をする者も居ますが「ソクチュンが気に入ったなら、それでいい」
母親(ナ・ムニ)も、ウナ(チョン・ドヨン)が持つ本来の素直さに、すっかり彼女を好きになっています。
冴えないソクチュン(ファン・ジョンミン)に、優しくて家庭的な嫁が来てくれた事を、心から嬉しく思っていました。
一か月ほど村の団体旅行に参加する事になった、母親のブンジャ(ナ・ムニ)。
親孝行な可愛い嫁ウナ(チョン・ドヨン)に見送られ、幸せいっぱい!
新婚夫婦は、二人きりの時間をおもいっきり楽しみました。
誰もが笑顔で過ごしていた日々が、崩れ去るとも知らずに──
その夜、牧場の牛舎では、ソクチュン(ファン・ジョンミン)の牛が赤ちゃんを出産。
喜びに包まれる一方で、ひとり家に居るウナ(チョン・ドヨン)に恐怖が迫ります。
受話器越しに「“オップン”、元気にしてるか?」と言う、二度と聞きたくない声。
オップンとはウナ(チョン・ドヨン)の本当の名前で、電話の相手は彼女の前夫チョンス(チョン・ユソク)です。
酒を飲み暴力を振るう前夫(チョン・ユソク)は彼女に執着し、幸せだった新婚夫婦を引き離すようにそれぞれに接触。
どんな過去があろうとも、ウナ(チョン・ドヨン)を失うなんて考えられないソクチュン(ファン・ジョンミン)。
大事な牛を売りに出し、手切れ金を工面。
前夫(チョン・ユソク)に渡して念書も作成、二度と姿を見せないよう約束させました。
きっとウナ(チョン・ドヨン)は、この事実を知ったら自分を責めてしまう。
そう思い秘密にしたソクチュン(ファン・ジョンミン)ですが、更に彼女に言えない重大な秘密を抱えてしまいます。
「オップンさんは居ますか?」と、やって来たのは医師ギョンベ(キム・サンホ)でした。
この村に来てから、集団定期健診を受けていたウナ(チョン・ドヨン)。
その結果を知ったソクチュン(ファン・ジョンミン)は、彼女に知らせる事をためらいます。
ウナ(チョン・ドヨン)が、HIV陽性──
一方、ソクチュン(ファン・ジョンミン)から受け取ったお金を持って、前夫(チョン・ユソク)が再び彼女に近づきました。
あんなに幸せだった新婚夫婦は、互いを想うが故に何も言えず苦しみます。
後日、ソクチュン(ファン・ジョンミン)は、血液検査を行いました。(結果は陰性)
医師のギョンベ(キム・サンホ)には、ウナ(チョン・ドヨン)と二人でと言われたにもかかわらず一人きりで。
「先生、ウナは死ぬんですか?」
HIV=死の病、そうとしか考えられないソクチュン(ファン・ジョンミン)は、やはり彼女に伝える勇気がありません。
土砂降りの中ひたすらに考え込んで、やっと彼女が待つ家へと帰ったソクチュン(ファン・ジョンミン)。
電気が点いていない部屋、食卓にはご馳走。
置き手紙には、ウナ(チョン・ドヨン)の気持ちと“さよなら”の文字。
彼女の前夫(チョン・ユソク)に渡したお金も、ソクチュン(ファン・ジョンミン)の銀行口座に振り込まれていました。
その後も彼女の行方は分からず、母親(ナ・ムニ)も「縁が無かった」と、俯きます。
一人きりで生きる、ウナ(チョン・ドヨン)が居るのは売春街。
発症はせず、ウナ自身もHIV陽性者である事に気づかぬまま客を取っていました。
一方、彼女を失いスッカリ気力が無くなったソクチュン(ファン・ジョンミン)。
飲めもしないお酒を飲み、酔ってはウナ(チョン・ドヨン)の話ばかり。
結婚指輪もつけたままで、彼女を想う気持ちは変わっていません。
離れた場所に居る二人、そして一年の時が流れました──
酔っ払うソクチュン(ファン・ジョンミン)は、TV前で日韓ワールドカップ韓国勝利を喜ぶ人の輪の中に。
同じ頃、ウナ(チョン・ドヨン)が居る売春街には、パトカーが到着し彼女を逮捕しました。
容疑は、売春禁止法違反そして、HIV陽性者と“知りながら”性行為に及んだ傷害罪。
この時、その事実を初めて知ったウナ(チョン・ドヨン)はうな垂れます。
連絡を受け警察署に駆け込んだソクチュン(ファン・ジョンミン)は、彼女を見つけると叫びました。
「ウナ!心配しなくていいからな、僕が助けてやる!大丈夫…」
だけど、彼女はソクチュン(ファン・ジョンミン)の面会を何度も拒否します。
女囚人たちはそばに居るのも嫌だと避け、罵倒されるウナ(チョン・ドヨン)。
記者(ペク・チョンハク)は、この夫婦は世間の話題になるとソクチュン(ファン・ジョンミン)にインタビュー。
小さな農村は、一斉に血液検査。
HIV陽性者ウナ(チョン・ドヨン)に、誰もが白い目を向けます。
ソクチュン(ファン・ジョンミン)も友人たちから避けられ、兄(イム・ジョンユン)は家族の縁を切るとまで。
この日、ウナ(チョン・ドヨン)の面会に訪れたのは、ソクチュン(ファン・ジョンミン)の母親ブンジャ(ナ・ムニ)でした。
真っ先に、可愛い嫁の体調を心配するブンジャ(ナ・ムニ)。
しかし、一緒に来た彼の兄(イム・ジョンユン)は、厳しい言葉を浴びせます。
発症する事に不安を覚える彼女は、ソクチュン(ファン・ジョンミン)との幸せだった日々を、ひとり思い返していました。
「ユア・マイ・サンシャイン」最後ラストの結末は?
ソクチュン(ファン・ジョンミン)はHIVについて調べ、この先の人生もウナ(チョン・ドヨン)と一緒だと母親(ナ・ムニ)に泣いて訴えます。
彼女の思い出ばかりにすがる息子に、母(ナ・ムニ)は死ぬ覚悟でした。
「バカ息子…これを飲んで一緒に死のう」
ところが、目の前にある農薬を、一人で飲み干すソクチュン(ファン・ジョンミン)。
命は、取り留める事が出来ました。
ウナ(チョン・ドヨン)の裁判が開かれ、彼女の“HIV陽性だとは知らなかった”という主張は棄却。
懲役2年6か月が、言い渡されます。
一方、意識を取り戻し母親(ナ・ムニ)に付き添われながら、病院内を散歩出来るまで回復したソクチュン(ファン・ジョンミン)。
息子の覚悟、ウナ(チョン・ドヨン)への想いを尊重する母(ナ・ムニ)も、前向きな覚悟を決めました。
そして、ウナ(チョン・ドヨン)も、ソクチュン(ファン・ジョンミン)との面会に臨みます。
刑務官の前では、愛らしい笑顔だった彼女。
いざ、ソクチュン(ファン・ジョンミン)を前にすると、彼の人生を台無しにした後悔で言葉が出て来ません。
互いに黙ったまま、過ぎて行く時間。
潤んだ目で見つめられるウナ(チョン・ドヨン)は、彼を遠ざける言葉を口にします。
それでも必死に、変わっていない愛情を伝えようとするソクチュン(ファン・ジョンミン)。
彼の優しさに胸が痛むウナ(チョン・ドヨン)は、想いを断ち切るため席を立ちました。
ソクチュン(ファン・ジョンミン)は「ウナ!ウナ……」と、必死に名前を呼びます。
だけど、その声は農薬の影響で声枯れし思うように出ません。
「どうしたの?……本当にごめんね」
ウナ(チョン・ドヨン)は、愛する彼を傷付ける事しか出来ない自分を責め泣きました──
時が流れても決して変わること無く、愛を貫いたソクチュン(ファン・ジョンミン)とウナ(チョン・ドヨン)。
彼女が出所したこの日、幸せいっぱいに抱き合う二人を太陽の光と雪が包みます。
THE END
「ユア・マイ・サンシャイン」見どころ
チョン・ドヨン×ファン・ジョンミン。
演技派の二人が魅せる、本作『ユア・マイ・サンシャイン』の原題はズバリ!『君は僕の運命』。
DV夫から逃れ、生きるために体を売った女性が知らぬ間にHIVキャリアに、そして逮捕。
劇中に描かれた二人の人生は、現在からほんの少し過去のこと2002年の出来事です。
田舎の小さな農村が舞台だから?とは言っても、HIVについて知ろうともせずに、ただ「縁起が悪い」「触るな」と言った偏見の塊は悲しくなります。
図らずも、苦境に陥るソクチュン(ファン・ジョンミン)とウナ(チョン・ドヨン)。
実話という事で、前半は二人の出会い。
性風俗、水商売の女性と客を思わせるシーンも多く、壮大かつ劇的な展開はありません。
でも、彼女に惚れて付きまとうソクチュンに、妙にリアリティを感じられます。
「好みじゃない」と振られても、とことん追い掛けるスートーカー気質なソクチュン。
実在の人物を、どこまで再現しているかは分かりませんが、ソクチュンが本当に良い奴で良かったです。(一歩間違えば、だいぶヤバい)
ニヤニヤしたファン・ジョンミンの笑顔が次第に可愛く見えて来るのは、元の顔が良いからか!?
いわゆる“いい人”止まりの非モテ感全開の丸い顔が、ウナが失踪した一年で変わります。
無精髭も似合い、多くの映画ファンが周知の役作り“体重10kg以上の増減”はさすが。
出演作によって様々な顔を魅せる、ファン・ジョンミン。
本作で演じた愛情溢れるソクチュンにも、きっと釘付けになるでしょう。
個人的に、チョン・ドヨンの事をスッゴイ美人とは思わないですけど(すみません!)、その表情にはいつも魅了されます。
幸薄なやつれ顔、無邪気な笑顔、狂気をはらんだ表情。
そして、妖艶でエロティックな女性まで、どんな役もこなす彼女は本作でも魅せますよ。
客のソクチュンに迫りながらカラオケで♪WAX『Oppa』を熱唱するシーンは、同性の私でも可愛いと思ってしまいます。
本作は歌うシーンが随所に出て来ますが、彼らの心境にピッタリ合う歌詞にも注目ですよ!
こちら「君の誕生日」のチョン・ドヨンも素晴らしい演技です。
悪い男に引っ掛かかり、更にはHIV陽性と苦悩を抱えるウナを見事に演じたチョン・ドヨン。
“実在の人物を描いている”からかもしれませんが、初めて本作を観た時は、個人的にドキュメンタリーを観ているような感覚もありました。
実際に、この体験をした愛し合う二人には、もっと耐え難い出来事もあったでしょう。
それを乗り越えて貫いた愛だと思うと、ソクチュンとウナの幸せで溢れたシーンがとても温かく感じられます。
プロポーズも誠意が込められていて素敵ですが、夜桜の下で過ごす幸せな時間。
まさに運命の人に出会えた二人だからこその言葉に、胸キュンして欲しいです!
多くの方が涙する本作で、一番の見どころとして有名なのがラスト10分、面会のシーン。
めっちゃ男らしい行動に出ちゃうソクチュンに、あなたの心はどう反応するでしょう?
ウナの苦しみに触れたという状況でもありますが、私の涙腺は一気に崩壊!
自分でも驚くほどボロ泣きした~!もう本当に、二人が結ばれて良かったです。
ソクチュンと一緒に牧場を経営する悪友には、ユン・ジェムン(ジェホ役)と、リュ・スンス(チョルギュ役)。
喫茶純情でウナと働く女性たちは、コ・スヒ(ファン役)と、ソ・ジュヒ(ギュリ役)。
他にも、名バイプレイヤーが揃った本作を、一度も観た事が無いと言うのは損してますよ。
エンディングまで幸せな気分にさせてくれる二人を、どうぞご堪能下さい!
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