映画「海猿」は、伊藤英明主演、羽住英一郎監督の2004年の日本映画です。
この映画「海猿」のネタバレ、あらすじや最後ラストの結末、見所について紹介します。
原作は作者佐藤秀峰、原案・取材小森陽一の同名漫画です。
■ スタッフ
監督: 羽住英一郎
製作: 亀山千広、阿部秀司、武政克彦、島谷能成
脚本: 福田靖
撮影: 佐光朗
音楽: 佐藤直紀■ 主要キャスト
仙崎 大輔:伊藤英明
伊沢 環菜:加藤あい
三島 優二:海東健
工藤 始:伊藤淳史
源 太郎:藤竜也
松原 エリカ:香里奈
渡辺 マサヤ:青木崇高
田所 慎二:斎藤工
五十嵐 正樹:國村隼
「海猿」あらすじ
潜水士を目指す仙崎大輔(伊藤英明)。
これは、彼が海上保安官の中でも1パーセントの人間しかなれないと言う過酷な訓練に耐えながら、仲間たちとの友情と恋を育む夏の物語です。
大ヒットシリーズ「海猿」の記念すべき第一作です。
「海猿」ネタバレ
潜水士になる為の訓練学校に入ったのは仙崎(伊藤英明)含め14名の海上保安官たち。
主任教官源(藤竜也)を始め厳しい教官たちに食らいつきながら訓練について行く彼らは、それぞれバディとして二人組を組むことになりました。
仙崎(伊藤英明)のバディは工藤始(伊藤淳史)です。
ある日の学科授業で、源教官(藤竜也)からとある例え話が上がりました。
水深40m・酸素の残りは片道一人分しかない状況でバディが取り残された。
この状態で自分だったらどうするか?という質問に誰も答えることは出来ません。
そんな訓練士たちのいる街に一人の女性が帰省してきます。
入院した母の看病の為、仕事を抱えて帰ってきた伊沢環奈(加藤あい)は、その夜友人のエリカ(香里奈)と呑みに出かけた先で、街の人たちからは海猿と呼ばれる仙崎(伊藤英明)と出会うのでした。
大酔い状態の環奈(加藤あい)に誘われるまま仙崎(伊藤英明)はホテルへ行くも、環奈(加藤あい)はそのまま気持ちよさそうに眠ってしまいます。
翌朝、記憶がない環奈(加藤あい)は海保の制服を着だす仙崎(伊藤英明)を見て固まってしまいます。
海猿とヤッっちゃった…と呆然としている彼女に別れを告げ、慌てて仙崎(伊藤英明)が向かったのは10回目のプール訓練です。
そのままの別れになるかと思われた二人ですが、訓練で仙崎(伊藤英明)が気を失って運ばれた病院で再会しました。
母の見舞いに来たは良いものの、公衆電話にかじりついて仕事の必死な環奈(加藤あい)。
憧れのファッション業界に就職した彼女は、初めて任された記事を仕上げる間もなく帰省しなくてはいけなかった為、一生懸命なのです。
仙崎(伊藤英明)と寝た事を人生最大の汚点だと言う彼女と軽い口論になる先崎(伊藤英明)。
憤りながら工藤(伊藤淳史)の待つ診察室へ帰るも、彼は彼で看護師のエリカ(香里奈)に見惚れています。
どうやら一目惚れしたようです。
何をやらせても人一倍時間のかかる工藤(伊藤淳史)ですが、彼が潜水士を目指したのは、漁師である家族に何かあった時には自分が助けると、子供の頃から思い続けて来たから…。
そんな彼の志望理由を知った仙崎(伊藤英明)は工藤(伊藤淳史)の個人訓練に付き合います。
工藤(伊藤淳史)の一生懸命さに打たれた他の訓練生たちも一緒になって応援した結果、彼もまたみんなと一緒に海洋実習に進めるテストをクリアしたのでした。
海洋実習前の休息日。
エリカ(香里奈)を誘った工藤(伊藤淳史)に付き合わされる形で、仙崎(伊藤英明)もダイビングの為浜辺に来ています。
仙崎(伊藤英明)は、エリカ(香里奈)に付き合ってきた環奈(加藤あい)と一緒に潜ります。
美しい海を楽しむ事で心の距離が近付いた二人…。
帰りのバスに乗る環奈(加藤あい)を追って仙崎(伊藤英明)もまた乗り込んでくるのです。
お互いに、なぜ今の仕事を選んだのか?その根本には海が、オシャレが好きだからと言う気持ちが共通している事に微笑みあいます。
そして二人は、唇を重ねるのでした。
ところがその頃、エリカ(香里奈)と海岸で話をしていた工藤(伊藤淳史)の耳に、助けを求める声が聴こえてきます。
父親がおぼれたという子供たちからの悲壮な声でした。
咄嗟に飛び込んで助けに向かう工藤(伊藤淳史)。
しかし彼はそのまま海に飲まれてしまうのでした。
連絡を貰って病院に駆けつけた仙崎(伊藤英明)が見たのは、変わり果てたバディの姿…。
絶対潜水士になる!!そう固く誓っていた工藤(伊藤淳史)はもう動きません。
葬儀後の学科研修で、源教官はまたあの質問を投げかけます。
水深40mでの遭難事故。
この質問に、三島(海東健)がただ一人答えます。
曰く、バディを見捨てて体力のあるものがボンベを使って浮上する、と。
仙崎(伊藤英明)はそれを聞いても何も言葉が出てこないのでした。
いよいよ海上訓練が始まります。
しかし仙崎(伊藤英明)はただ一人、途中リタイアしてしまうのです。
海中深くたらされた命綱を掴みながらの潜水訓練。
海底に向かっていく仙崎(伊藤英明)の目に、無数の手に絡め取られた工藤(伊藤淳史)の姿が見えたからです。
表情を無くした彼が電話した相手は環奈(加藤あい)でした。
会うなり潜水士の仕事に対する愚痴を漏らす仙崎(伊藤英明)は彼女に現実逃避じみた誘いをかけます。
しかし彼女はついさっき大好きな仕事から解雇宣告を受けたばかり…。
環奈(加藤あい)は冷たく仙崎(伊藤英明)を突き離し、泣きながらその場を去るのでした。
覇気を無くした仙崎(伊藤英明)は、食欲もなく食事を前に呆然と座っています。
するとそんな彼に食土嚢おばさんが源教官(藤竜也)の過去を語り始めるのです。
教官がよく話す水深40mの話、あれは彼自身の経験であることを…。
源教官(藤達也)がバディを亡くし、自身もまた二度と潜れない身体になった事を知った仙崎(伊藤英明)はそのまま教官室を訪ねるのでした。
最後までやらせてほしい、水深40mでバディと取り残されたら、僕は2人とも助かる方法を考えます、と伝えた仙崎(伊藤英明)は翌日の最終試験を三島(海東健)と組むよう指示されます。
お互い教官の意図が読めないままバディを組んだ二人でしたが試験自体は順調に進んでいます。
ところが浮上途中に急な潮流変化が起こり、二人は切れたロープ諸共流されていってしまいました。
大きく揺れる船上でも異変を感じた源教官は、上がってきた試験官から二人が流された事を知ると、すぐに救助要請を本部にかけるのです。
ジリジリと救助を待つ船上と打って変わって、海底にいる二人の周りは穏やかなものです。
しかし三島(海東健)は落ちてきた石に足を挟まれて身動きできない上に、途中でボンベホースが破損したせいで酸素が全く残っていません。
仙崎(伊藤英明)は彼を助けようとしますが、到底一人の力でもと上がるような石ではない為、二人で1つのボンベを分け合って救助を待つのでした。
「海猿」最後のラスト結末
源教官(藤竜也)たちは仙崎(伊藤英明)達の残りの酸素量を計算した結果、このままでは救助隊が間に合わない事を悟ります。
そこで源教官(藤竜也)が下した判断は、訓練生を救助に向かわせると言うものでした。
前代未聞の大問題に発展する事は目に見えています。
しかし、絶対にバディを見捨てない仙崎(伊藤英明)を知っている教官は、救助に向かいたいと言う訓練生たちからの直訴を受け入れたのです。
絶対に探せ!そう激をとばした源教官(藤竜也)に報いるように、訓練生たちは海底に横たわる2人を発見します。
こうして仙崎(伊藤英明)と三島(海東健)は一命を取り留めたのでした。
ただし源教官(藤竜也)は海上保安庁での査問にかけられることになります。
訓練生一同が揃った議場で、あの事故は予測不能だったとして判断されるも、やはり訓練生を救助の現場に向かわせたという点において罰が検討される教官。
そこで幹部に意見した者がいました。
三島(海東健)が本来組んでいたバディです。
彼は、あれは訓練だった、と言い出します。
仙崎(伊藤英明)自身もそのつもりだった、と言い始めた事で上層部は板東教官(田中哲司)に、要請を受けてかなりの数の救助隊が動いていたが、それも訓練だったのか?と確認を図ります。
戸惑った表情のまま頷く板東教官(田中哲司)。
これがお前が作った潜水士か―――
そう源教官(藤竜也)言って査問委員会を畳んだ幹部の顔には、うっすらと笑みが浮かんでいるようにも見えるのでした。
修了式を終えて、潜水士となった仙崎(伊藤英明)が向かったのは、東京にいる環奈(加藤あい)でした。
彼女は服飾学校へ進み、一から勉強し直しながら充実した毎日を送っているようです。
再会した二人は、軽口を叩き微笑みあいながら共に歩いてゆくのでした。
完。
「海猿」見所ポイント!
伊藤英明さん主演で、彼の出世作と言っても良い海猿シリーズ第一弾です。
今改めてみると、訓練士役の仲間の中に今をトキメク齋藤工さんや青木崇高さんなどがいて、青くうぶな俳優さんでいっぱいの楽しめる作品になっていると思います。
みなさん若い!
エンディングにもメイキングが入っていたりと、わりと飽きずに楽しめました。
今作は潜水士訓練学校を舞台にした青春ムービーなので、派手なアクションやディザスターものを期待していると良い意味で裏切られます。
そのあたりが見たい方は、続編からがたっぷりと楽しめます。
今作ではだまだ未熟な青年たちが数々の困難を潜り抜けて成長していく姿をぜひ見て頂きたいです。
この一作目を皮切りに、ドラマ化、そして映画化も何本化され一大シリーズとなった海猿ですが、原作者である漫画家さんと制作局が揉めた事で、一時関係が断絶されていたそうです。
2015年になって原作者側がテレビ局との和解を明らかにされたらしいので、問題は一応の解決を見たようですね。
漫画や小説原作に頼った映画化が多い昨今、そのアイディアを生み出した原作者の方は大事にして欲しいな、と思います。
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