映画「探検隊の栄光」は、藤原竜也主演、山本透監督の2015年の日本映画です。
この映画「探検隊の栄光」のネタバレ、あらすじや最後ラストの結末、見所について紹介します。
未確認生物を探す探検隊をめぐるコメディ「探検隊の栄光」をお楽しみください。
原作は同名の「探検隊の栄光」という荒木源の小説です。
■ スタッフ
監督: 山本透
脚本: 徳尾浩司、金沢達也、山本透
撮影: 小松高志
音楽: 兼松衆■ 主要キャスト
杉崎:藤原竜也
プロデューサー:ユースケ・サンタマリア
ディレクター:小澤征悦
カメラマン:田中要次
音声・照明:川村陽介
AD:佐野ひなこ
現地通訳:岡安章介
「探検隊の栄光」あらすじ
これは二十世紀後半の物語。
落ち目の俳優・杉崎(藤原竜也)のもとにとあるバラエティ番組からのオファーが舞い込みます。
薄い企画書に何本もラインを引き、付箋までして意気込む杉崎(藤原竜也)。
しかし彼に課せられた仕事は、ヤラセで作り込む探検番組だったのです。
勢いだけのプロデューサー・伊坂(ユースケ・サンタマリア)や、適当なディレクター・瀬川(小澤征悦)など、初めて触れるバラエティの現場に戸惑いながらも過酷な撮影に挑む杉崎(藤原竜也)。
果たして撮影はうまくいくのでしょうか―――?
「探検隊の栄光」のネタバレ
杉崎(藤原竜也)を要し[探検サバイバル]という番組ロケのため、ベラン共和国に入った一行。
これから彼らは伝説の巨獣「三つ首のヤーガ」を探してジャングルの奥地へ入っていくのです。
メンバーは面白ければなんでもオッケーなプロディーサー・伊坂(ユースケ・サンタマリア)に、ざっくり適当なディレクター・瀬川(小澤征悦)、無口な職人カメラマン・橋本(田中要次)、UMAオタクの音声・小宮山(川村陽介)、紅一点のAD赤田(佐野ひなこ)、そして現地通訳のマゼラン(岡安章介)。
バラエティ班の彼らが、これまで役者業しかやった事のない杉崎(藤原竜也)を隊長に据えたのは、彼の代表作が熱血漢のヒーローを演じたドラマだったからです。
そのイメージが定着している杉崎(藤原竜也)に彼らが求めているのは、彼がドラマで見せたオーバーリアクション。
しかし杉崎(藤原竜也)自身は、このイメージ定着により仕事の幅が狭まってきている事に焦りや苛立ちを抱えていました。
ですから、杉崎(藤原竜也)は薄っぺらな企画書にも書き込みを加えやる気に満ちていますが、しかし伊坂(ユースケ・サンタマリア)や瀬川(小澤征悦)らは気楽に適当なもの。
彼らにとって番組はドラマティカルなものにさえ仕上がればそれでいいのです。
全く舗装もされていない道を走り続けて車から降りた杉崎(藤原竜也)たち。
台本すらも薄く中身がなく、隊長の役作りに意見を求めても妙な空気が流れるだけの現場に戸惑う杉崎(藤原竜也)でしたが、探検服に着替えると早速撮影が始まります。
セリフを読み込んでから入りたい、と声を上げた杉崎(藤原竜也)ですが、瀬川(小澤征悦)は、いいね~、と返すだけで歩みを止めようとはしません。
戸惑いながらもザックを背負い、マゼラン(岡安章介)の案内に沿って奥地へ向かうしかない彼は、やがてマゼラン(岡安章介)の生まれた村に到着しました。
ここで瀬川(小澤征悦)は、ジャングルの入口に住む原住民たちが原始的な生活を営んでいた―――と撮りたかったのですが、しかしそこには文明が入り込み、原住民の中には日本人と変わらない格好のビジネスマンもいます。
その全く原始的ではない場所は、小さいながらも商店街を形成しているようです。
その中の一人の店主が怒り狂っています。
彼は自分の店の前にゴミを捨てられた事に憤れているのですが、杉崎(藤原竜也)に話しかけさせた瀬川(小澤征悦)は二人の会話に勝手な翻訳を付けた構成を考えました。
ヤーガの存在について聞く杉崎(藤原竜也)とゴミについて怒り狂っている男。
しかしその男の言葉には、ヤーガに近づく日本人への警告をかぶせることで、画面上は探検には欠かせない迫力のあるやり取りが映し出されたのです。
男との会話を終えた彼らは更に奥へと進みます。
そこにいたのは雰囲気バッチリに作りこまれたマゼラン(岡安章介)の祖母(犬山うさぎ)。
占い師である祖母(犬山うさぎ)にも一役買って貰い、ヤーガに会う為の手順を番組に挟み込むのです。
火を焚き雰囲気も作りこんでの撮影ですが、役者としてのこだわりを見せる杉崎(藤原竜也)はついに伊坂(ユースケ・サンタマリア)に台本を取り上げられていましました。
こんなのいらない、と背中を押された杉崎(藤原竜也)に、祖母(犬山うさぎ)が語ったのは三つの守り神を見つけるべし、というお告げです。
洞窟を目指し、そこで聖なる戦が行われるとき、神々の化身がその姿を現すだろう、というそのお告げは、実に雰囲気たっぷりに撮影されたのです。
翌日は崖から滑落する小宮山(川村陽介)を杉崎(藤原竜也)が助けるという、まるで某CMを彷彿とさせるような危機的シーンを撮影しましたが、それも実際は少しい大きめの岩の上での演技。
歩いて渡る川にはピラニアがいたり、その川岸には鳥の骨をばら撒いて人骨だと言ってみたり・・・。
さすがに隊長だったら鳥の骨と人骨を間違えたりはしないと思う・・・そう呟く杉崎(藤原竜也)でしたが、彼にはそれ以上にバカバカしいシーンが待っていました。
ワニの模型との格闘です。
大きくリアルな作りであるとは言え、相手は全く動かない模型。
そのワニにしがみついてバチャバチャと川面を揺らす杉崎(藤原竜也)。
これがヤーガの守り神・ジャイアントアリゲーターだとして番組を構成していくのです。
上半身裸になり赤田(佐野ひなこ)達のあげる飛沫を浴びながら格闘する杉崎(藤原竜也)。
伊坂(ユースケ・サンタマリア)も納得にシーンを撮り終えたとこで、道具の撤収していた時でした。
小宮山(川村陽介)が叫び声を上げたのです。
川底に足がはまって抜けない、と助けを求める小宮山(川村陽介)ですが、瀬川(小澤征悦)達は笑って相手にしません。
彼がわざとやっていると思っているのです。
しかし小宮山(川村陽介)の声は悲壮感を増し、あっという間に川に沈み込んでしまいました。
慌てて助けに入った杉崎(藤原竜也)。
九死に一生を得た小宮山(川村陽介)は、本当に危ない時の合図を決めたいと荒い息で訴えます。
そこでマゼラン(岡安章介)が元気に提案しました。
「トゥルース!!」というのはどうか、と―――。
その夜、杉崎(藤原竜也)は赤田(佐野ひなこ)の思わぬ意見を聞かされる事になります。
一言の文句も言わず若い女性の身でこのジャングル撮影に付き従ってきた赤田(佐野ひなこ)でしたが、実はこの番組を馬鹿にしていたのです。
この撮影に何の意味があるのか?と言い放つ赤田(佐野ひなこ)ですが、そんな彼女に杉崎(藤原竜也)は賛同も出来ません。
戸惑いつつも彼は伊坂(ユースケ・サンタマリア)たちの姿勢を評価していたのです。
作り手が本気で楽しんでいるものは視聴者にも必ず伝わる。
そう考えている彼は、優しい言葉で自分の考えを話すのでした。
ところが、そんな彼らの様子を草陰から覗き見る瞳が・・・。
翌日、彼らはジャングルの奥地にある洞窟へと到着します。
ここはヤーガが潜む洞窟として番組に登場させる場所・・・。
洞窟内で様々な角度から撮影をしていましたが、しかし突然小宮山(川村陽介)がいなくなってしまいます。
どこに行ったのか、と全員が探し始めた時でした。
洞窟の奥から「トゥルース!!」と叫び声が聞こえてきたのです。
本当の危険が迫っている合言葉に血相を変えて声のする更なる奥へと向かう杉崎(藤原竜也)に、状況がわからないながらも付き従った伊坂(ツースケ・サンタマリア)たちでしたが、そこにいたのは銃を構えた男達でした。
武装した男たちは合計三人。
彼らは杉崎(藤原竜也)達を取り囲むと、撮影していたビデオとカメラの破棄を要求してきます。
これにより、これ以上の撮影を中止だという伊坂(ユースケ・サンタマリア)と、ここで辞めたら勿体無いという瀬川(小澤征悦)の間で、今後の流れが議論されます。
そこへVTRをチェックした男たちが帰ってきます。
撮影された映像は無害だったと認めた男達ですが、しかし彼らはテープの破棄は譲りません。
その言葉に思わず掴みかかったのは杉崎(藤原竜也)でした。
彼は初めてのバラエティ撮影に戸惑いつつも、いつしか固定された自分のイメージに抱えた不安や苛立ちをも吹き飛ばす伊坂(ユースケ・サンタマリア)や瀬川(小澤征悦)の姿に、熱いものを感じていたのです。
俺たちは命懸けでやってるんだ!!と叫ぶ杉崎(藤原竜也)の勢いに押されたか、反政府軍の男たちも番組撮影に協力することになりました。
ヤーガを守る原始猿人として登場し、山羊を生贄とすることでヤーガの登場を演出したのです。
やがて彼らの間には不思議な友情めいたものが芽生え始めました。
いよいよ明日はヤーガを登場させるという作戦会議では、ともに焚き火を囲みながら同じものを食べ、男たちもアレコレと意見を出してくるほど。
ところが、そんな和気藹々とした空気を一変させるニュースが飛び込んできました。
ベラン共和国の政府軍が進軍してきたというのです。
24時間で政府軍の本体がこの洞窟に来ることを掴んだ男たちは、杉崎(藤原竜也)たちに逃げるとようにと促します。
しかし杉崎(藤原竜也)にその選択はありません。
茶番だと思っていたけどこの作品はめちゃくちゃ面白い、最後までやろうと訴えかける彼の言葉は、瀬川(小澤征悦)達の心に響き、やがて一人最後まで渋っていた伊坂(ユースケ・サンタマリア)をも巻き込んで、撮影の続行が決まったのです。
彼らは大急ぎでクライマックスの撮影準備にとりかかります。
小枝を拾ったり布を縫い合わせたり、その合間には男達に演技指導したり・・・。
するとそこへ、マンデラ(岡安章介)が「トゥルース!!」と叫びながら駆け込んできました。
政府軍がすぐそこまで来ているというのです。
こうなっては仕方ありません。彼らはぶっつけ本番を迎えるしかなかったのです。
暗闇の中を進んでくる政府軍。
洞窟では地を這うような不気味な声を響かせながら、怪しくライトアップされた奥でスモークが炊かれています。
そこに大蛇が大きく鎌首を上げました。
それは杉崎(藤原竜也)が引いたロープで持ち上げたハリボテでしたが、政府軍は慌てて発砲してきます。
異様な雰囲気の中、赤く目を光らせ二本目の蛇が姿を現した時には、更なる動揺が走る政府軍。
ただならぬ雰囲気に怯えが走る政府軍の前に、生贄を捧げる原始猿人まで現れて・・・。
「探検隊の栄光」最後のラスト結末
しかしここでトラブルが発生してしまいます。
三本目を担当していた伊坂(ユースケ・サンタマリア)がロープに絡まってしまい、首が出てこないのです。
時間を稼ぐために杉崎(藤原竜也)はガスボンベを捻って炎を演出しましたが、怯えた政府軍が撤退を始めた瞬間ガスが全て切れてしまいました。
これにより乱れた隊列を整えた政府軍は、突入し始めます。
わらわらと駆け込んでくる政府軍。
杉崎(藤原竜也)は思わず彼らの前に立ち塞がり声を上げます。
今ここにヤーガを呼ぶ!!そう絶叫した彼の言葉に合わせて、やっとロープの絡まりから抜け出した伊坂(ユースケ・サンタマリア)により、三本目の首が登場しました。
息を呑む政府軍。
あんな蛇は見たことがない。
そう言って怯えて一斉に後退していきます。
その様子に満足気な杉崎(藤原竜也)ですが、しかし彼らが見たのはハリボテの蛇ではなかったのです。
大きな三本の首を揺らめかせながら、悠々と杉崎(藤原竜也)の後ろを横切っていった大蛇・・・。
ヤーガは本当にいたのです。
首をくねらせながら奥へと消えていったヤーガ。
小宮山(川村陽介)は感激の面持ち、スタッフ全員あっけにとられています。
しかし一瞬の静寂のあとには歓喜の声が湧き上がりました。
「杉崎探検隊!任務完了ー!!」拳を突き上げて喜び合う彼らは完全にひとつになったのです。
こうして撮影を終えた【探検サバイバル】は視聴率20%を超え、ベラン共和国では政府軍が反政府軍と和平を結んだというニュースも流れています。
ヤーガの存在は、ベランの国防省からも正式発表され、政府軍はヤーガの怒りの前に敗北したと認めたのです。
杉崎(藤原竜也)は今日もサバイバル番組の撮影に励んでいます。
次のテーマはアトランティス大陸。
手漕ぎの小さなボートに乗り込んで、伊坂(ユースケ・サンタマリア)と瀬川(小澤征悦)たちと一緒の彼は、今回も大きなリアクションで撮影を引っ張っていくのでした。
完。
「探検隊の栄光」見所ポイント!
素なのか演技なのか分からないほど自然な空気感で、現場を楽しいでいる役者の皆さんにこちらの顔も綻んでしまう作品です。
しいて言えばドリフのコントのよう・・・
クライマックスは緊迫感のある状況になるものの、その緊迫感はまったく伝わらずゆる~いまんまです。
なのでこちらもギャグコントを見ている気持ちで鑑賞しましょう。
架空の国を舞台に撮影された今作ですが、実際の場所は日本国内の秘境にて行われたんだそうです。
UMA好きな藤原竜也さんにとって、今回の役柄はピッタリだとご自分でも感じられていたようですが、ただし撮影はかなりの過酷さを極めたとおっしゃっていました。
危険を伴う撮影だったが、とてもチームワークがよく楽しく撮れたと話されていましたが、しかし画面上からは大変さより楽しそうな空気の方が強く伝わってきます。
本当に楽しそうなその姿はエンディングの中に集約されているので、エンドロールも最後までご覧頂きたいと思います。
この手のコメディ作品がお好きな方はきっとこの作品も気に入るハズ・・・
みんなの感想