映画「さよならドビュッシー」は、橋本愛主演、利重剛監督の2013年の日本映画です。
この映画「さよならドビュッシー」のネタバレ、あらすじや犯人、ラスト最後の結末、見どころを紹介します。
ピアニストを目指す少女が事件に巻き込まれていくミステリー「さよならドビュッシー」をお楽しみください。
原作は中山七里の同名推理小説です。
「さよならドビュッシー」キャスト・スタッフ
■ スタッフ
監督: 利重剛
脚本: 牧野圭祐 他
制作: 林哲次 他
製作総指揮: 川崎朗 他
音楽: 小野川浩幸
撮影: 小倉和彦■ 主要キャスト
香月遥:橋本愛
岬洋介:清塚信也
香月玄太郎:ミッキー・カーチス
香月徹也:柳憂怜
香月悦子:相築あきこ
香月研三:山本剛史
鬼塚先生:清水紘治
綴喜みち子:熊谷真実
加納:サエキけんぞう
弁護士:本村健太郎
片桐ルシア:相楽樹
榊間刑事:芹澤興人
桃山校長:戸田恵子
工藤先生:三ツ矢雄二
新条医師:吉沢悠
「さよならドビュッシー」あらすじ
ピアニスト志望の香月遥(橋本愛)はある日、従姉妹、祖父と共に火事に巻き込まれ、ひとりだけ生き残ってしまいます。
祖父の遺産12億円が入りますは、それはピアニストになる準備と演奏活動のためにしか使えないという決まりがあります。
遥は全身大火傷、心にも傷を負いましたが、コンクール優勝を目指して猛練習を再開します。
先生は司法試験を合格したにも関わらずピアニストになったという岬(清塚信也)
ところが、彼女の周囲で次々と不可解な出来事が起こりはじめるのです…。
「さよならドビュッシー」ネタバレ
香月遥(橋本愛)は、裕福な家庭で育った女の子。
幼い頃のある日、従姉妹の片桐ルシア(相楽樹)が両親と家にやってきます。
ルシアの両親は海外で仕事をするため、ルシアの将来の為に日本で教育を受けさせることに決めるのです。
遥、遥の両親、祖父、叔父が暮らす家でルシアも一緒に過ごすことになりました。
一緒にピアノのレッスンを受けたり、一緒に遊んだり、遥とルシアはいつも一緒に過ごしていました。
それから少し後、発展途上国へ仕事に向かったルシアの両親の消息が不明になってしまいます。
その話を聞いた遥は、ルシアを守ると祖父の玄太郎(ミッキー・カーチス)に宣言します。
玄太郎は二人の孫にとても良くしてくれました。
両親の事で落ち込むルシアに「不幸を引きずっちゃダメだ。どんなことも逃げちゃダメだよ。」と話します。
それから時は経ち、遥とルシアは16歳になります。
高校生になっても姉妹のように仲の良い二人。
ある夜、離れにあるルシアの部屋に泊まりにきた遥にルシアは将来の夢を話します。
看護師になりたいというルシアの言葉に、一緒にピアニストになると思っていた遥は猛反対するのです。
しかし、将来ピアニストになって私だけの為にドビュッシーの「月の光」を弾いて欲しいというもう一つの夢を聞いて二人でピアニストになるという遥の夢はあきらめ、ルシアのためにピアノを弾くという夢を叶えようと決心します。
その夜、遥たちが住む離れが火事になり、遥とルシア、そして祖父の玄太郎が巻き込まれてしまいます。
そして病院で目を覚ます遥。
遥だけが生き残ったのです。
三週間も目を覚まさなかった遥は、酷い火傷を負っていました。
遥の来ていたTシャツの柄が肌に張り付いていたので母親の悦子(相築あきこ)が遥だと気付いたのでした。
遥の担当医・新条(吉沢悠)は、悦子から預かった写真を基に、火傷する以前の遥の顔に戻したと遥に伝えます。
火傷の後遺症で皮膚が攣れ、リハビリは壮絶な苦しみを伴うものでした。
新条は、辛くても耐え、笑って表情筋を動かしなさいと遥に話すのです。
やっと退院した遥でしたが、家に帰るとすぐに弁護士から祖父・玄太郎の相続の話をされます。
家政婦の綴喜みち子(熊谷真実)に2000万、父の徹也(柳憂怜)と叔父の研三(山本剛史)には6億円ずつ、ルシアが亡くなってしまったため、遥がルシアの分も相続し12億円を相続するというものでした。
しかし、相続するにはプロのピアニストになるのが条件だったのです。
遥が通う音楽学校の校長や講師は、火傷で以前のようにピアノが弾けなくなってしまった遥に良い顔をしませんでした。
そして今まで習っていたピアノ講師も遥は見切りを付けられてしまいます。
そんな遥に声をかけてきた男性がいました。
ピアニストの岬洋介(清塚信也)が遥の面倒をみると講師を買って出てくれたのです。
岬を自宅に招いてピアノのレッスンがスタートした日、岬が弾くピアノを聴き涙を流す遥。
岬は、ピアニストになりたいか、それとも前みたいにピアノが弾きたいかを遥に尋ねます。
その問いに、遥はピアニストになりたいと答えるのです。
ルシアと約束した「月の光」をどうしても弾きたいと強く願っていました。
その日のレッスン終わり、階段で遥が足を滑らせ、危うく階段から転倒してしまうという事故が起きます。
幸いにも、岬が遥を抱き留め事なきを得ますが、岬が階段を調べると滑り止めが剥がされかけていたのです。
それから懸命にレッスンに励んだ遥は、学校の生徒や講師が驚くほどの腕前を披露します。
そして、入院していた病院でもコンサートを開き、担当医の新条を驚かせたのです。
「ピアノでリハビリするとは驚かされたよ。」という新条に、「岬先生は魔法使いなんです」と答える遥。
笑顔を見せるようになった遥を見て新条は安堵するのです。
帰ろうとする遥でしたが、松葉杖が壊れて倒れ込んでしまいました。
新条が抱きとめたので怪我をすることはありませんでしたが、帰って岬に相談すると、杖を調べた岬は何かで壊された跡を見つけます。
階段も細工されていたと話し、遥が狙われているのではないかと言い、このことは誰にも言わない方がいいとアドバイスするのです。
高校の講師たちは、先日の遥の演奏を聞いて手のひらを返したようにピアノコンクールの代表に推薦します。
しかし、遥はリハビリの途中で3分しか指が動かないと訴えますが、取材にも来てもらうと言って校長と講師は勝手に話をすすめてしまうのです。
母の悦子はコンクールに推薦されたことを喜びますが、学校の宣伝に利用されると考える遥は辞退したいと話します。
見世物になりたくないと岬に相談する遥でしたが、岬の答えは意外なものでした。
「ピアニストは見世物なんじゃない?君は人前には出ないCDしか残さないようなピアニストになりたいの?」と諭されます。
それを聞いた遥はピアノコンクールに出場することを決心するのです。
コンクールに向けての厳しいレッスンがスタートする中、自由曲をドビュッシーの「月の光」にすると決めた遥。
ルシアと約束した曲です。
そんな中、母の悦子が石段から落ちて意識不明の重体になってしまいます。
警察が介入し、事故と事件の両面で捜査が始まり、それぞれのアリバイを聞かれる香月家。
しかし、誰もアリバイを証明できる人物はいませんでした。
何か不審な事がなかったか警察に聞かれた遥は今まで自分に起きたことを話します。
悦子が転落した教会の石段で何やら考えている岬。
そこに香月家での事を調べている刑事が現れ、「岬さんてあの岬さんですか?」と尋ねます。
岬は名古屋地検警視正の息子でした。
「ここにいるって事はあなたも悦子さんの転落は事件じゃないかと考えているのでは?」と問われますが、「香月家への近道なだけですよ」とはぐらかします。
悦子の事件後、遥はショックから指が動かなくなってしまい、手を温めてくれる岬に「ごめんなさい。もう無理」と告げる遥でしたが、岬が全く反応しません。
すると、気配に気づいた岬は、右耳が聞こえないと遥に話します。
中学生の頃に突発性難聴になって以来聞こえないのだというのです。
障害を抱えながらもプロのピアニストになった岬を見て、遥は勇気づけられます。
また指が動かなくなるのではという恐怖を抱えた遥は、中々ピアノを触ることが出来ません。
そんな遥の姿を見た岬は息抜きに外へ連れ出します。
どうしたら岬のような感動するピアノが弾けるようになるのかと問う遥に謙遜する岬でしたが、「理由かな。」と答えるのです。
「どうしてもピアノが弾きたいという理由が必要。どうしても聴かせたい人がいる。どうしても弾きたい曲がある。」そんな理由が必要なのだと。
岬は、コンクールが行われる会場に遥を連れて行き、「会場にいる人たちに心を籠めて音を飛ばすんだ。」話します。
そして「誰か大切な人の為に頑張っているんでしょ?自分の為じゃなく誰かの為に頑張るなら大丈夫。」と言って励ますのです。
それから気分を変えレッスンに励む遥。
しかし思うように上達せずに焦ってしまった遥は、「月の光」を弾けるように課題曲の「アラベスク」を早いテンポで弾いてしまい岬に怒られます。
「途中で曲が弾けなくなるようなら課題曲を弾き終えた時舞台を降りたらいい」と岬に言われた遥は反省するのでした。
そのレッスン終わり、レッスン室から出た遥と岬の上に玄関ロビーにあるシャンデリアが落ちてきます。
咄嗟に岬が遥を庇った事で大事には至りませんでした。
そんな騒動の中行われたコンクール予選。
遥は杖をはずし、自分の足で舞台に向かいます。
予選を突破し家に帰ると、家政婦のみちこが刑事と家の外で待っていました。
階段や杖、シャンデリアはみちこの仕業だったのです。
そして黒幕は新社長になった加納(サエキけんぞう)でした。
みちこに、火事を起こして玄太郎を殺したのは遥だと嘘を付いて遥を狙わせ、遥の相続する金を自分の物にしようとしていたのです。
「さよならドビュッシー」ラスト最後の結末
本選当日、また指の感覚がなくなってしまった遥。
岬が機転を利かせマスコミに気付かれないまま会場に入ることができます。
遥はある秘密を隠していました。
そのことで指が動かなくなってしまっていたのです。
悦子が階段から転落したのは遥のせいでした。
遥はルシアだったのです。
火事の夜、遥とTシャツを交換していたので、見つかった時遥なのだと勘違いされてしまったのでした。
ルシアが目を覚ました時には遥と同じ顔に変えられた後で、違うと言いたくても声が出ずにルシアだと言う事が出来なかったのです。
遥が生きていたことを喜ぶ香月家の家族を見たルシアは遥のまま生きていた方が、皆が幸せになれるのだと感じ遥のまま過ごしていたのです。
その話を聞いた悦子はショックで石段から転落してしまったのです。
その話を聞いた岬は、そうだと思っていたと話します。
遥とルシアは手の大きさが違ったという事に気付いていたのです。
なぜ警察に突き出さなかったのかと言う遥に「僕はピアニストだから誰かを裁く人間じゃない。時が来たら君から話してくれると思っていた。」と答え、「どうしても君のピアノが聴きたかったんだ。」と遥に伝えます。
ルシアは遥の夢を叶えるために懸命にピアノを練習していたのです。
本当の事を話す前に、どうしても大勢の人の前でドビュッシーの「月の光」を弾いて遥の夢を叶えておきたかったのでした。
舞台に向かったルシアは、ピアノに遥から貰った石を置いて客席を眺めます。
今のルシアは課題曲の後に「月の光」を弾けるだけの体力がありません。
しかし、朦朧としながらもどうにか最後まで弾き切り、舞台で倒れてしまいました。
舞台袖で審査を待っていたルシアは、岬に「キスしてくれませんか?」とお願いをします。
驚く岬に「だって私刑務所に入れられるんでしょ?もう二度と先生に会えないかもしれないから」と話すルシア。
岬は「お母さんは君が突き落としたんじゃないし、悪意があったわけでもないから大きな罪にはならない」と話します。
その時、叔父の研三が悦子の意識が戻ったと伝えにきます。
それを聞いて安堵するルシア。
見事優勝を手にしたルシアは笑顔で舞台に立ち観客に挨拶するのでした。
THE END
「さよならドビュッシー」見どころ
「このミステリーがすごい!」の大賞に選ばれた中山七里さんの同名小説を実写映画化した作品です!
衝撃のラストが本当にすごいのです!
色々な伏線が散りばめられていますが、最後のどんでん返しは本当にびっくりです。
最後のどんでん返しがお好きな方は、北川景子主演の「ルームメイト」もおすすめです。
そして、何といってもピアニスト清塚信吾さんの演奏が楽しめるのも見どころでしょう!
かなり豪華じゃないですか?
演奏シーンが結構あるので素晴らしいピアノの音色を堪能できますよ!
今やバラエティ番組にも多く出演している清塚さんですが、演技も結構イケてます!
ちょっと癖のある役柄ですが、とても自然に演じていました。
ヒロインの橋本愛さんの演技も素晴らしく、上手くしゃべれない感じや、動きにくい体の感じなど、とても上手に表現していました。
ドビュッシーの曲がそれぞれのシーンを彩るスパイスとして素敵に使われているので、クラシックファンにもおすすめの作品です。
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