映画「告白小説、その結末」は、エマニュエル・セニエ主演、ロマン・ポランスキー監督の2017年の映画です。
そんな、映画「告白小説、その結末」のネタバレ、あらすじや最後ラスト、結末、見所について紹介します。
スランプ中の女性作家と大ファンだという謎の女性がたどる予測不能の運命を描く「告白小説、その結末」をお楽しみください。
「告白小説、その結末」スタッフ・キャスト
■ スタッフ
監督: ロマン・ポランスキー
製作: ワシム・ベシ
脚本: オリヴィエ・アサヤス他
撮影: パヴェル・エデルマン
音楽: アレクサンドル・デスプラ■ 主要キャスト
デルフィーヌ: エマニュエル・セニエ
エル: エヴァ・グリーン
フランソワ: ヴァンサン・ペレーズ
レイモン: ドミニク・ピノン
オリアーヌ: カミール・シャムー
「告白小説、その結末」あらすじ
心の病で自殺した母親を綴った小説がベストセラーとなった女性作家・デルフィーヌ(エマニュエル・セニエ)
しかし、彼女は次の小説を全く書けずにいました。
ある日彼女は、デルフィーヌの熱烈なファンだという女性・エル(エヴァ・グリーン)と出会います。
2人はあるきっかけで親密になっていくのですが・・・
スランプ中の女性作家と熱心な女性読者が絡みあうサスペンスです。
「告白小説、その結末」ネタバレ
作家のデルフィーヌ(エマニュエル・セニエ)は、自ら命を絶った母の事を綴ったエッセイを出版し、その本は瞬く間に人気が出てベストセラーになります。
人気作家となったデルフィーヌはサイン会を開き、そこには彼女のファンが押し寄せ長蛇の列をつくるのです。
一気に自分が置かれている環境が変わって、それについていけないデルフィーヌは疲れを感じていました。
それに加え、新しい作品の構成も浮かばず、作家としてもスランプに陥ってしまったのです。
サイン会に来ていた女性ファンと、サイン会終わりのパーティーで再び会ったデルフィーヌ。
サイン会ではサインをしてあげられなかったので、その場でサインする事に。
サインするために名前を尋ねると「エル(彼女という意味)」と答え、エル(エヴァ・グリーン)は「あなたの小説は私のために書かれたような気がするの。」とデルフィーヌに話すのでした。
デルフィーヌは夫と、二人の子供がいますが、愛する夫フランソワ(ヴァンサン・ペレーズ)とはあえて別居中、子供二人は自立しています。
ある日、フランソワに「そろそろ新しい作品に取り掛かってみては?」と言われますが、デルフィーヌはスランプに陥っていることを話せないでいるのです。
「任せて。」と言ってフランソワに心配を掛けないように振る舞うのでした。
デルフィーヌの人気を喜ばない人もいました。
差出人不明の手紙が届き、そこには心無い言葉が綴られ、「分け前が欲しいくらいだ。」と手紙の最後を締めてあったのです。
その手紙を読んだデルフィーヌは酷く落ち込みます。
こんな状態では良い案も浮かばず、パソコンを開いても執筆する事が出来ません。
そんな時、サイン会で出会ったエルから電話が掛かってきます。
番号を教えた記憶がないデルフィーヌは、エルに番号に番号を教えたか尋ねると「社交辞令で教えてもらった」とエルは答えるのです。
エルは、政治家や女優のゴーストライターとして本を執筆していると話します。
そんなエルに「自分の人生を書いたりはしないの?」と尋ねるデルフィーヌ。
エルは「ありきたりだわ。夫は他界して子供もいないし。」と答えるのでした。
その帰り、いつも持ち歩いている創作ノートを落としてしまった事に気付いたデルフィーヌは何も手に付かず、執筆はますます進まなくなってしまうのです。
そこへ、エルから電話が掛かってきます。
エルはデルフィーヌが住む向かいのアパートに引っ越ししてきたと言うのです。
エルの誕生日パーティーに呼ばれて彼女のアパートを訪ねたデルフィーヌ。
しかし、そこには他の客はおらず、デルフィーヌだけでした。
デルフィーヌは、差出人不明の手紙をエルに見せます。
エルはその手紙を見て眉をひそめますが、そこからヒントを得て次の小説のアイデアを出すのです。
時間がたってもパーティーにはデルフィーヌ以外誰も顔を出しません。
エルは「夫が亡くなった後は毎年誰もきてくれないのよ。」と悲しげに話し、デルフィーヌに「来てくれて本当にありがとう。」と言ってきつく抱きつくのでした。
デルフィーヌは、帰り際に次の小説の要約をエルに渡して帰ります。
後日、傷つけるかもしれないけどと前置きをして、小説の要約を読んだ感想をデルフィーヌに聞かせるエル。
「あの要約は退屈で面白くなかった。あなたらしくない。」と本音を話すのでした。
それからしばらくしてまた差出人不明の手紙が届きます。
そこには“お前と同じ家名を持つのは重荷だ”と書かれ、また心無い言葉が多く綴られていました。
不安を感じたデルフィーヌはエルに助けを求めます。
エルに電話をすると「フェイスブックは見た?炎上してるわ。」と教えてくれるのですが、デルフィーヌはフェイスブックをしていませんでした。
すぐにエルがアパートにやってきてそのアカウントを見せてくれましたが、それは誰かがデルフィーヌの名前を使って作った偽のアカウントだったのです。
ファンたちが言い争うそのアカウントを見たデルフィーヌは増々落ち込んでいきます。
そんなデルフィーヌにエルは精神安定剤を飲ませるのです。
それからは安定剤がないと眠れなくなってしまうほど自分を追い詰めていくデルフィーヌ。
エルはデルフィーヌの所に依頼された取材や講演の依頼をチェックし、デルフィーヌの様子を見て断りの返信をします。
精神的に追い詰められ、何も手に付かなくなってしまったデルフィーヌにとって、エルは心の拠り所でした。
エルから住むところに困っているから、新居が見つかるまでここに置いてくれないかと相談され、デルフィーヌとエルの同居が始まります。
執筆が中々進まないまま取材などで忙しい日々を送るデルフィーヌ。
そんなデルフィーヌの姿を見たエルはデルフィーヌにきつく当たります。
「取材は時間の無駄よ。あなたの才能を知っているのは私だけだわ。」と言うエルにデルフィーヌは腹を立て「あなただけ?世間からバッシングを受けても隠し事や秘密など無く、ありのままの私を見せてるわ!」と言い返すのです。
それからまた差出人不明の手紙が届き精神を病んでいくデルフィーヌ。
オファーのあった講演会をキャンセルすると言うデルフィーヌにエルは「私が行くわ。」と言ってデルフィーヌに成りすまして講演へ出かけて行くのです。
時間の空いたデルフィーヌは気晴らしに公園へ散歩に出かけます。
そこで担当者に会い「あなたに指示された通り取材もサイン会も断った。」と聞かされるのです。
しかし、デルフィーヌにはそんな指示をした覚えがありません。
エルが勝手にメールを送っていたのです。
公演会から帰ってきたエルは「司書にバレて詐欺容疑で警察に連れて行かれた。」と愚痴をこぼします。
でも生徒は疑わずに聴いてくれたから公演は成功したのだと話すのです。
デルフィーヌの部屋に置いてある子供の頃からの日記を勝手に読んだエルは「その記憶に向き合って小説を書けばいい。」とアドバイスしますが、デルフィーヌは「告白小説はアクが強くて不安を煽るだけだ。」と言って話を終わりにしてしまいます。
次第に大胆な行動をしていくエル。
デルフィーヌが知らないところで、デルフィーヌの友人たちにまで“執筆に集中するため、書き終わるまでは連絡をご遠慮ください”と勝手にメールを送っていたのです。
無理やり執筆をさせようとして勝手な行動をするエルに対してデルフィーヌは「書くのは私よ。指図しないで!」とエルを責めます。
翌日、エルは家を出て行ってしまうのです。
エルが居なくなったことにショックを受けたデルフィーヌは注意力が散漫になり、階段から落ちて足を骨折してしまいます。
そのことを知ったエルはデルフィーヌを心配し、田舎で療養しようと提案するのです。
その道中、エルは夫との過去の話をデルフィーヌに話して聞かせます。
その話を聞いたデルフィーヌは、エルの告白小説を書こうと決心するのです。
それにはエルの心を開いて情報を聞きださないといけないため慎重に行動することに。
途中で立ち寄ったガソリンスタンドで、エルが売店に行っている間、公演を依頼されていた高校の司書にバッタリ出くわしたデルフィーヌ。
その司書は「何度もメールを送ったけど返信してくれないどころか公演をすっぽかすなんて!あなたの本は生徒には勧めないわ!」と言われてしまいます。
しかし、デルフィーヌの記憶とは違う事を言われ戸惑うのです。
エルは、夫が自ら命を絶ったこと、幼い頃に母親を亡くした事、家も火事で失ってしまった事を告白します。
それでも架空の親友キキがいたから立ち直れたのだと話します。
田舎の別荘に到着し、エルはゴーストライターとしての執筆を進めます。
デルフィーヌはエルに怪しまれないようエルの過去を聞き出していくのです。
エルには告白小説を書くと宣言します。
それからエルの告白を纏めていくデルフィーヌ。
エルの母親は、自ら命を絶っていました。
母親が亡くなってからは父親の暴力に怯えて暮らしていたが、家が火事になった時に父親も巻き込まれて死んでしまったと話すエル。
放火で火事になったというエルにデルフィーヌが「犯人の心当たりはないの?」と尋ねるとエルは「キキだと思うわ。」と答えるのでした。
別荘に来てから体調を崩し始めたデルフィーヌ。
立ち上がれないほどになってしまうのです。
エルが心配してスープを作ってくれますが、デルフィーヌはエルを怪しんでいてスープを吐き出してしまいます。
せっかく作ったのにとエルは怒りますが、デルフィーヌはエルの目を盗んでスープをそっと捨てるのです。
「告白小説、その結末」ラスト最後の結末
フランソワや子供たちに連絡したいというデルフィーヌに、エルは「もう連絡しておいたわ。」と言い、ココアを作って来たから飲んでと言い無理やりデルフィーヌに飲まそうとします。
しかし、デルフィーヌは頑なにそれを飲もうとはしませんでした。
エルについて書き溜めた創作ノートが破られていることに気付いたデルフィーヌは、エルにバレてしまったのだと気付きます。
誰かがデルフィーヌの名を呼び、外から戸を叩きますが、「助けてここよ。」というデルフィーヌの答える声は外に届きません。
いよいよ危険を感じ、どうにか別荘から逃げ出そうとしたデルフィーヌでしたが、雨の中を松葉杖で逃げている途中、足を滑らせ転んでしまい、そのせいで気絶してしまうのです。
翌朝、その近くで工事をする作業員に発見されたデルフィーヌは、病院に搬送されます。
仕事でデルフィーヌの側から離れていたフランソワが戻り、病院へ駆けつけ「どうして自殺を図ったんだ?」とデルフィーヌに詰め寄ります。
デルフィーヌの体内からは殺鼠剤に使われる硫酸タリウムが検出されたのだと言いうのです。
デルフィーヌは、「エルと電話した時に変だとは思わなかった?」とフランソワに聞きますが、フランソワはエルとは話していないと答えます。
デルフィーヌに電話してもいつも電源が切れていたというフランソワ。
エルに毒を盛られたのだと訴えるデルフィーヌでしたが、フランソワが友人に頼んで別荘の様子を見に行ってもらった時に人の気配が無かったというのです。
担当者に呼ばれ出版社を訪ねたデルフィーヌは、担当者から「最高の原稿よ。」と言われますが、書いた覚えがありませんでした。
エルという女性が書いたのだと担当者に説明しますが、担当者はデルフィーヌに言葉を聞き呆気にとられるのです。
その小説は“めまいを引き起こすフィクション”と謳われ「実話に基づいた物語」というタイトルでバカ売れするのです。
サイン会は長蛇の列を作り、デルフィーヌは次々とサインをしていきます。
エルというのはデルフィーヌが作り出した幻想でした。
作品を生み出す苦しさで作りだした空想のエル=彼女がいたから新作が発表できたのです。
THE END
「告白小説、その結末」見どころ
どんでん返しのストーリーがかなり面白いです!
最初から少し怪しげな雰囲気のあるエルでしたが、まさかデルフィーヌが作り出した空想の人物だったとは!
それが分かってからもう一度見直すと、また違った物語として見ることが出来ます。
同じオチのジョニー・デップ主演「シークレット ウインドウ」を思い出してしまいました。
フランス語でエルは彼女という意味なので、名前に付けることはしないそうですが、何故エルという名前だったのか、二人で会っていた時も店員が話しかけるのはデルフィーヌばかりだったりとか、伏線は沢山あったのに騙されてしまいます!
そして、主演のエマニュエル・セニエとエヴァ・グリーンの演技が素晴らしかったです!
特にエヴァ・グリーンの少しサイコパスな演技はゾクゾクするほどでした。