映画「きっと、星のせいじゃない。」は、シャイリーン・ウッドリーとアンセル・エルゴート主演、ジョシュ・ブーン監督の2014年のアメリカ映画です。
この映画「きっと、星のせいじゃない。」のネタバレ、あらすじや最後ラストの結末、見所について紹介します。
共に難病を抱える10代の初恋を描く「きっと、星のせいじゃない。」をお楽しみください。
原作は小説で、ジョン・グリーンの小説『さよならを待つふたりのために』です。
■ スタッフ
監督: ジョシュ・ブーン
製作: ウィック・ゴッドフリー、マーティ・ボーウェン
脚本: スコット・ノイスタッター、マイケル・H・ウェバー
撮影: ベン・リチャードソン
音楽: マイク・モーギス、ネイト・ウォルコット■ 主要キャスト
ヘイゼル・グレース・ランカスター:シャイリーン・ウッドリー
オーガスタス・ウォルターズ:アンセル・エルゴート
アイザック:ナット・ウルフ オーガスタスの親友
フラニー・ランカスター:ローラ・ダーン ヘイゼルの母親
マイケル・ランカスター:サム・トラメル ヘイゼルの父親
ピーター・ヴァン・ホーテン:ウィレム・デフォー
ルドウィグ・ヴリーゲンサート:ロッテ・ファービーク
パトリック:マイク・バービリア
幼少時のヘイゼル:リリー・ケンナ
「きっと、星のせいじゃない。」あらすじ
女子大生のヘイゼル・グレース・ランカスター(シェイリーン・ウッドリー)はちょっと皮肉っぽいところもあるけれど、頭の回転が速い可愛らしい女の子。
13歳の時発病したがんの影響で酸素ボンベが手放せない彼女の毎日は、病院と家との往復の繰り返しです。
その為、あまりにも出かけない娘を心配した母により、同じ病気の人々が集まるサポートグループへの参加を勧められます。
気乗りしないヘイゼル(シェイリーン・ウッドリー)でしたが、そこで彼女は運命の出会いを果たすのです。
足の腫瘍を取るために右足膝上から切断し義足をつけている少年、オーガスタス・ウォルターズ(アンセル・エルゴート)とヘイゼル(シェイリーン・ウッドリー)。
この物語は命の終わりが見えている若者たちの、一瞬一瞬を切り取った恋のお話です。
「きっと、星のせいじゃない。」ネタバレ
会場外でぶつかった事でお互いを認識したヘイゼル(シェイリーン・ウッドリー)とガス(アンセル・エルゴート)は、会の最中も相手の事が気になって仕方ありません。
命を奪う道具にその力を発揮させない『メタファー』だとしてタバコを咥えているガス(アンセル・エルゴート)は終了後、ヘイゼル(シェイリーン・ウッドリー)を遊びに誘います。
彼の家でも楽しく会話の続きをしようとするヘイゼル(シェイリーン・ウッドリー)にガス(アンセル・エルゴート)は、癌の話ではなく君の事が知りたい、と彼女自身の話しを促します。
そこで彼女が口にしたのはとある一冊の小説。
ピーター・ヴァン・ホーテン(ウィレム・デフォー)による癌について書かれた本だが、死を理解している本だとキラキラした笑顔で話すヘイゼル(シェイリーン・ウッドリー)は、とても可愛く魅力的なのでした。
帰宅後、彼から借りたおススメ本を読むヘイゼル(シェイリーン・ウッドリー)は携帯が気になって仕方ありません。
やっと彼から届いたメールには、ヘイゼル(シェイリーン・ウッドリー)が薦めた本の感想が…。
本の話で盛り上がる2人。
突然打ち切られたようなラストの文章が気になって仕方がない二人ですが、以前ヘイゼル(シェイリーン・ウッドリー)が手紙を出しても返事はありませんでした。
ところがその後、ガス(アンセル・エルゴート)はピーター(ウィレム・デフォー)の秘書にメールを出す事で、彼からの返信をゲットするのです。
彼女に薦められた事を書いていた為、その返信に自分の名前がある事に大感激のヘイゼル(シェイリーン・ウッドリー)。
転送して貰ったメアドに自分もまたメールを出す彼女は、物語の登場人物たちのその後が知りたいと書き添えます。
するとピーター(ウィレム・デフォー)から返信が。
そこには、アムステルダムにお越しの際はお立ち寄りを、と書かれていました。
狂喜するヘイゼル(シェイリーン・ウッドリー)ですが、渡蘭するには費用が掛かりすぎる為、母親にはその願いを叶えることが出来ません。
その願いを叶えたのはガス(アンセル・エルゴート)でした。
彼は患者の願いを何でも一つだけ叶えてくれる財団を利用したのです。
大喜びするヘイゼル(シェイリーン・ウッドリー)でしたが、その後肺水腫が悪化。
医師からは渡蘭の許可が下りません。
悲しさのあまり、心配するガス(アンセル・エルゴート)からの連絡に応えようとしないヘイゼル(シェイリーン・ウッドリー)。
絶対に迷惑をかけるから、と頑なな彼女でしたが、この沈黙はつらい、とのメールを受けてやっと電話を掛けます。
彼の声を聞くだけで涙ぐむ彼女からは、押し殺していた願いが零れ落ちるのです。
アムスへ行きたい、本の続きが知りたい、こんな人生辞めたいと泣く彼女の元に、ガス(アンセル・エルゴート)が会いに来ました。
そろそろ気付いただろ?僕を避けても君への愛は薄まらないって、と笑うガス(アンセル・エルゴート)の優しい笑顔を見詰めながら、ヘイゼル(シェイリーン・ウッドリー)は言うのです。
自分はいつか爆発する爆弾だから、その被害は最小限にしなくてはいけない、と。
そんなある日、財団からのメールが届きます。
渡蘭の予定が記されたそのメールに戸惑うヘイゼル(シェイリーン・ウッドリー)ですがそれは、問題をすべてクリアし医者の許可を得た両親からのプレゼントでした。
渡蘭当日。
豪華旅行じゃなきゃ行かない、と言って豪華リムジンで迎えにきたガス(アンセル・エルゴート)。人生初の飛行機に緊張する彼を微笑ましく思いながら到着したアムステルダムは、古い建築物と運河の流れる素敵な場所でした。
到着したその日はピーター(ウィレム・デフォー)が予約してくれた素敵なレストランで夕食。
星の味がする、と称されたドンペリの味に感動したヘイゼル(シェイリーン・ウッドリー)にガス(アンセル・エルゴート)は、空きがなくても君を愛してる、と微笑むのでした。
翌日。
待ちに待ったピーター(ウィレム・デフォー)に会いに行く日。
期待に胸を膨らませ訪れたピーター(ウィレム・デフォー)の家は、玄関から廊下、至る所に手紙が散らばっているような荒れた家でした。迎え入れてくれた秘書は温かいものの、ピーター(ウィレム・デフォー)本人はヘイゼル(シェイリーン・ウッドリー)達を歓迎してない様子。
初めて返事を出したらこんなことに…とぼやく彼の手にはスコッチが握られ、まともに会話を成立させようとしません。
本の続きにしても、やかましい音楽を掛けさせ意味不明な言葉を繰り返します。
結局、楽しみにしていたピーター(ウィレム・デフォー)宅訪問は、最悪なものとして終わってしまいました。
憤慨しながら家を出た二人ですが、彼らを追ってきた秘書からは観光案内の申し出が…。
向かったのは有名なアンネの家。
エレベーター施設がなく階段ばかりだと言う施設ですが、ヘイゼル(シェイリーン・ウッドリー)は酸素ボンベを持ち上げながら頑張ります。
アンネが隠れていたという屋根裏へは、階段すらなく梯子を登らなくてはいけないというかなりの負担がかかるもの。
ぐったりと座り込みながらも登り切ったヘイゼル(シェイリーン・ウッドリー)は、館内に流れるアンネの日記を聞きながらガス(アンセル・エルゴート)にキスを…。
遂に想いを繋げた2人は、ガス(アンセル・エルゴート)の部屋で一夜を共にするのでした。
「きっと、星のせいじゃない。」最後のラスト結末
翌日はもう帰国日。
時間までアムスの街を散策に出た二人ですが、そこで彼が口にしたのは最悪の出来事、がんの再発でした。
全身に散らばっている為死を覚悟している彼の言葉に涙しながらも、ヘイゼル(シェイリーン・ウッドリー)は軽口を叩いてキスを交わすのでした。
帰国後のガス(アンセル・エルゴート)は治療を始めますが、体調は急速に悪化の一途を辿ります。
一人で成し遂げたかった、とタバコを買いに出るも無理がたたりICUに運ばれてしまったり…。
しかし末期患者に訪れると言われる不思議な好調日。
今までの体調の悪さが嘘のように調子がいいそんなある日、ガス(アンセル・エルゴート)は自分の生前葬をやり始めます。
そこで頼まれていた弔辞を読み上げるヘイゼル(シェイリーン・ウッドリー)。
本当は自分の弔辞を彼に頼みたかった、と涙ぐみながらも笑顔の彼女は、ガス(アンセル・エルゴート)への感謝と恋心を込めた言葉を紡ぐのでした。
そうしてガス(アンセル・エルゴート)は旅立っていきました。
彼の葬儀の場でヘイゼル(シェイリーン・ウッドリー)は思わぬ人物と再会を果たします。
アムステルダムにいるはずのピーター(ウィレム・デフォー)でした。
葬儀後ヘイゼル(シェイリーン・ウッドリー)の車に勝手に乗り込んできたピーター(ウィレム・デフォー)は、自分の娘を病気で亡くしている事を告白し、なおも言葉を続けようとしますが、堪らなくなったヘイゼル(シェイリーン・ウッドリー)は彼を追い出します。
去り際にピーター(アンセル・エルゴート)が差し出した紙も丸めて車内に放り出してしまうのでした。
帰宅したヘイゼル(シェイリーン・ウッドリー)を訪ねて来たのはガス(アンセル・エルゴート)の親友。
悲しみを分かち合うヘイゼル(シェイリーン・ウッドリー)でしたが、ピーター(ウィレム・デフォー)が差し出したあの紙が、実はガス(アンセル・エルゴート)からの手紙だという事を聞くと一目散に車に駆け戻ります。
大急ぎで拾い上げたその紙は、ガス(アンセル・エルゴート)がピーター(ウィレム・デフォー)に添削を頼んだヘイゼル(シェイリーン・ウッドリー)の為の弔辞でした。
そこには彼の想いが満ちていて、彼女を愛せて幸せだった、という彼からのラブレターそのものでした。
手紙の一番最後に書かれていた『OK?』と言う言葉。
それは2人にとって『ずっと』を意味する大切な言葉でした。
夜空に瞬く満天の星空を見詰めながら、ヘイゼル(シェイリーン・ウッドリー)もまた『OK』と呟くのでした。
THE END
「きっと、星のせいじゃない。」見所!
主人公二人の魅力に引っ張られるようにして見入ってしまう作品です。
常に酸素ボンベが手放せず、ちょっとしたことが負担になるヘイゼルを演じたシェイリーン・ウッドリーは、本当に細かなところまで演技されていて、画面のメインじゃない場面でも息苦しそうなしぐさや表情が見られたりして、とてもリアルでした。
またガス役のアンセル・エルゴートは、若い頃のジョシュ・ハートネットを思い出させるような慈愛に満ちた瞳が深い俳優さんで、恋に前向きになれないヘイゼルを包み込むようにして愛を誓うガスにピッタリでした。
死や病気が主軸にある作品で、コメディ要素が強いものでもないのに鑑賞後の気持ちが落ちないのは、作中に散りばめられた思わず『クスッ』と笑ってしまうシーンが少なくなかったからでしょう。
死に向かって話が進んでいく、ベネディクト・カンバーバッチ主演の「僕が星になるまえに」もおすすめです。
「きっと、星のせいじゃない。」は資本大国アメリカが作る映画としてはわずかな製作費しか掛けられなかったにもかかわらず、全世界で3億ドルを超える興行収入をあげました。
これは死に向かうリアルな重さと、恋が始まる日常生活のバランスが上手く取れていたからではないでしょうか。
終りが見えているからと言って何かを諦める必要はない、というメッセージを感じられる作品です。
何かに迷った時には見直そうと思います。