映画「影踏み」は、山崎まさよし主演、篠原哲雄監督の2019年の映画です。
この映画「影踏み」のネタバレ、あらすじや犯人、最後のラスト結末、見どころを紹介します。
すご腕の泥棒がハメられた事件を調べていく「影踏み」をお楽しみください。
原作の小説とは違うストーリー展開です。
映画「影踏み」キャスト・スタッフ
■ スタッフ
監督: 篠原哲雄
脚本: 菅野友恵
制作: 松岡周作
製作総指揮: 千村良二他
音楽: 山崎将義
撮影: 上野彰吾■ 主要キャスト
真壁修一: 山崎まさよし
安西久子: 尾野真千子
真壁啓二: 北村匠海
葉子: 中村ゆり
吉川聡介: 竹原ピストル
大室誠: 中尾明慶
回想の安西久子: 藤野涼子
栗本三樹男: 下條アトム
菅原春江: 根岸季衣
図書館にいた女: 真田麻垂美
加藤: 田中要次
久能次朗: 滝藤賢一
馬淵昭信: 鶴見辰吾
真壁直美: 大竹しのぶ
映画「影踏み」あらすじ
真壁修一(山崎まさよし)は、凄腕の「ノビ師」と呼ばれる泥棒。
ある夜、真壁は侵入した家で就寝中の夫に火を着けようする妻を目撃します。
彼女を止めたのはいいものの、そのまま幼なじみの刑事・吉川聡介(竹原ピストル)に逮捕されてしまいます。
2年後、出所した真壁は、あの夜の事を調べ始めます。
しだいに裏社会を結ぶ細い線が見えてきた時・・・
映画「影踏み」ネタバレ
警察には、犯罪者の種類ごとに隠語があります。
その中で住宅が留守の時を狙った「空き巣」に対し、捕まるリスクが高い深夜寝静まった家に侵入し窃盗を行う「忍び込み」を専門に行うプロを「ノビ師」と呼びます。
真壁修一(山崎まさよし)は通称「ノビカベ」と呼ばれ、同業者にも一目置かれる忍び込み窃盗のプロでした。
そして、彼がお金を持っている高級住宅のみを狙う事でも知られていました。
ある日、真壁はいつものように慣れた手付きで稲村議員宅に忍び込みました。
しかし、家の中の雰囲気がどこか違う事に気付きます。
どうやら妻・葉子(中村ゆり)が起きているらしいと思い、家の中を見て回ると、葉子が自宅を燃やそうとする瞬間を目撃してしまいます。
思わず真壁は音を立てて葉子の注意を引き、間一髪のところで止める事が出来ました。
しかし刑事であり、同級生でもある吉川聡介(竹中ピストル)が異様な速さで姿を現し、そのまま逮捕されてしまいます。
数年後、刑期を終えた真壁は出所します。
外では真壁を「修兄ィ」と慕う啓二(北村匠海)が待っており 「修兄、おつかれさまでした」と迎えてくれ、そのまま共に歩き出しました。
「何故、あの時捕まってしまったのか」
服役中も真壁の頭から離れなかったのは「吉川が駆けつけたのが早すぎないか?」という疑念でした。
それを晴らすために図書館で事件当時の事を調べだします。
すると、稲村議員は殺されてはいなかったものの、元の家には住んでおらず稲村宅は競売がかけられておりシノキというヤクザが手に入れた事などを知ります。
葉子のその後を追う修一は、自分を逮捕した吉川の元を訪ねます。
そして、古くからの友人と言う感じで何故あの時、吉川がいち早く現場に駆け付ける事が出来たかをストレートにぶつけてみました。
すると吉川は思いのほか逆上し「泥棒風情が思い上がるんじゃねーぞ」と詰め寄ってきました。
その様子から、真壁は吉川がこの件に関して何か後ろ暗い事があるのではないかと思い始めます。
更に、自販機がたくさん並ぶサービスエリアのようなところに出向き、街金やバッタ屋で働く競売師大室誠(中尾明慶)らから情報を得ようとします。
そして、大室から話を聞いたところ、シノキからトドロキへ不正な資金が流れているかもしれないと言う噂の存在を知る事となります。
真壁は、暴力団が関与して取り立てがきつそうな金貸し・加藤(田中要次)から10日で5割の利子が付く金を借り、簡易宿泊所を拠点として情報を集め、やがて葉子の居場所を突き止めました。
出向いてみると、シノキとは既に縁が切れていた葉子でしたが、不自然なほど立派な自身の店を持っている事に疑問を持ちます。
誰が葉子を援助しているのか?
2年前の事件の後、葉子自身や周りの関係者たちで何が起きているのか?
様々な疑惑をひとつずつ啓二と共に突き止めていく修一。
そんなある日、吉川刑事(竹中ピストル)が溺死したことを知らされます。
血中からは多量のアルコールが検出され、泥酔していた事から事故も他殺もあり得る状況でした。
一方、真壁の幼馴染で、裏稼業に生きる彼とつかず離れずの関係を保ち続けていた保育士・安西久子(尾野真千子)は、保育園に出入りする文具店の経営者、久能次郎(滝藤賢一)に誘われてデートに出かけます。
その帰り、結婚を前提に付き合って欲しいといわれますが、真壁の事を吹っ切れない久子はそれを断り、がっかりした顔をしている久能を残してその場を立ち去ってしまいます。
吉川と同じ署の刑事二人が、真壁の過去について話をしていました。
真壁修一、そして双子の弟・啓二(北村匠海)はかつて、司法試験合格を目指す学生でした。
しかし、挫折した啓二は万引きや窃盗を繰り返すようになり、それが原因で二人の母親・直美(大竹しのぶ)は教職を追われてしまいます。
家にも「泥棒」「何処かへ行け」と心無い落書きや張り紙をされ続け、ついには叫び出してしまう程に追い詰められてしまいました。
今、真壁と共にいる啓二は、母と共に焼け死んだとされている双子の弟(幻影)だったのです。
「同級生でもあった吉川刑事を殺したのは誰か?」
調べてみると、吉川に弱みを握られていたらしい葉子の店に来ていたことが分かります。
しかし、彼のアリバイは同行者が証言していました。
その同行者とは裁判所の判事でした。
その検事に会いに行こうと尋ねますが、今度は検事が暴漢に合い入院していることを知ります。
検事の自宅へノビを行い、手がかりを掴もうとするが見つかったのはカネの流れが分かる通帳のみでした。
映画「影踏み」犯人
一方、久子は久能からプロポーズされますが断ります。
その直後から働き先には嫌がらせの書き込みが・・・
夜には無言電話が鳴り、明らかに自身を狙った嫌がらせを受けるようになります。
そんなある日、アパートの前で久子の帰りを狙った久能(滝藤賢一)は、プロポーズを断った事をなじりながら久子に襲い掛かってきました。
その様子に違和感を抱いた久子は、すぐに久能が双子だと見抜きます。
襲ったのはプロポーズをした弟・次郎ではなく兄・新一郎でした。
なんとか逃げ出した久子は真壁に助けを求めます。
ねぐらとしている簡易宿泊所に久子を連れてきた真壁でしたが、不安に怯えて抱き着いて来た久子の気持ちを受け止めることは出来ず、気まずい感じで久子と別れ、彼女の家に向かいました。
真壁が荒れた家の中を整理していると、誰かが玄関を激しくノックしました。
ドアを開けてみると、相手はいきなりスタンガンを振り回して襲い掛かってきました。
なんとか組み伏せてみると襲ってきたのは大室(中尾明慶)でした。
葉子の言葉に救われ優しくされた大室は、自分だけが彼女の理解者で守護者になると勝手に思い込み、葉子を苦しめようとする男たちを襲っていたのでした。
吉川は真壁を逮捕した時に葉子が夫を殺そうとしていた事に気付いており、その弱みを理由に葉子に対し執拗に迫っていた為に大室に殺されたのでした。
そして今、真壁が葉子の周りを嗅ぎまわる危険な人物だと判断したために襲ってきたのです。
二人が暫く争っていると、真壁に付けられた発信器を頼りに馬渕刑事(鶴見辰吾)が現れ、大室を逮捕しました。
同時に何かネタを欲しがっていた馬渕は真壁から金の流れが分かる通帳を受け取ります。
映画「影踏み」ラスト最後の結末
その数日後、真壁は久能の文具店を尋ねました。
次郎が出てきて対応してくれましたが「この店はもうすぐ畳もうと思っているんです」と憔悴している様子で、新一郎にも不在で会えず終いでした。
何か引っかかった真壁は夜、文具店に忍び込みます。
地下室に入り込んで目にしたのは兄、ブルーシートに包まれた新一郎の死体でした。
久子を襲った後、店に現れた新一郎は金を要求し、無いなら店を売り飛ばして半分を自分に渡すように要求したのです。
そして、遂に我慢の限界にきた次郎は、衝動的に兄を殴り殺してしまったのでした。
死体を始末する為に地下室にやって来た次郎は、いつの間にか入り込んでいた真壁に驚き、口を封じようと襲い掛かってきました。
激しいもみ合いの末、殴り倒された次郎は「自分と同じ顔をした奴が、欲しいものをすべて持っていく悔しさがあんたに分かるか!」と。
真壁に双子の弟がいた事を知らない次郎は、長年ため込んできた一卵性双生児ゆえの苦悩をここぞとばかりにぶちまけたのでした。
そんな次郎を、真壁は反論もすることなく苦い表情で見つめていたのでした。
真壁の脳裏に母と啓二が死んだ直後の事が映し出されます。
心無い中傷で心を病んだ真壁の母親は、家に火をつけて啓二と共に焼死しました。
火葬場で、母と啓二がまた焼かれる事に我慢できなかった真壁は辺りをはばからず暴れまわり、真っ当な人生を捨てて犯罪者となる事で二人を追い詰めて殺してしまった世間へ復讐を誓ったのでした。
しかし、啓二が真壁に語り掛けてきました。
「あの時、本当は逃げる事も出来たんだ・・・」
部屋が炎に包まれる中、意識を取り戻した啓二は逃げようとしますが、逃げずにこのまま死んでしまおうとする母を見捨てる事が出来ず、結局は自分も焼死してしまったのです。
「でも、もう終わりにするよ」
そう言って、啓二は消えてしまいました。
それは真壁がようやく自分自身を許すことが出来、啓二への罪の意識から開放され、ようやく久子と歩いていく決心がついた証拠でした。
完。
映画「影踏み」見どころ
暗い過去をもつ凄腕の泥棒が主人公という異色の作品です。
母と双子の弟をみすみす死なせてしまった罪の意識から犯罪者となり、光があたる真っ当な人生をさけるように生きる男を演じるのは、ミュージシャンとしても活躍し、本作が13年ぶりの主演作となる山崎まさよしさんです。
暗い過去を背負った男を、何処か寂し気に、顔のしわや表情にまでその哀愁を感じさせるほど見事に演じてくれていました。
そんな真壁を常に明るく支える相棒(実は死んだ弟)の啓二を演じた北村匠海さん、どんなに辛い状況でも真壁への想いを失くさない芯の強い女性久子を演じた尾野真千子さんも素晴らしかったです。
ストーリーも秀逸で、真壁を捕まえる筈の警察官が真壁に頼る結果になってしまったり、自分の利益や欲望についつい引きずられて道を踏み外してしまったりする所がリアルで人間臭く、見応えがありました。
実は卑怯な手段で真壁を逮捕し、真壁をはじめとした犯罪者の事を心のどこかで見下していた吉川でしたが、作品中では愛する家族がいる事を垣間見せており、殺されたとなると胸が痛みました。
人間像をしっかり浮き彫りにする事で作品への共感がしやすくなっていたように感じました。
盗みだけでなく、どんな犯罪も許されるべきではありません。
しかし「金持ちしか狙わない」と言う信条や、警察官でもないのに事件の捜査に加わろうとする真壁の姿には、アンチヒーローとして独特のカッコよさがありました。
勿論「吉川を襲ったのは誰だ?」という謎解きも楽しめる、なかなか贅沢な作品でした。