映画「いま、会いにゆきます」は、中村獅童主演、土井裕泰監督の2004年の映画です。
この映画「いま、会いにゆきます」のネタバレ、あらすじや最後のラスト結末、見どころを紹介します。
「いま、会いにゆきます」の号泣ファンタジーラブストーリーをご堪能ください。
「いま、会いにゆきます」あらすじ
秋穂巧(中村獅童)は、1年前に最愛の妻である澪(竹内結子)を亡くし、1人息子の佑司(武井証)と慎ましく過ごしていました。
澪は「雨の季節に戻ってくる」と絵本に書き残していました。
そして本当に梅雨のある日、澪は現れたのです。
記憶をなくしていた澪を巧たちは迎え入れ、家族として生活し絆を取り戻していくのですが・・・
「いま、会いにゆきます」ネタバレ
良く晴れた夏空。
その日、約束のケーキが佑司(平岡祐太)に届きました。
森の奥、トンネルを見つめる佑司。
12年前、雨と一緒にやってきた奇跡を思い出していました――
“たっくん”こと巧(中村獅童)は、6歳の息子・佑司(武井証)とふたり暮らし。
一年前に妻・澪(竹内結子)を亡くしていました。
親戚は口々に「無理に佑司を産んだから体を悪くした。」と言います。
たとえ子どもでもその言葉の意味を感じ取り、佑司の心は傷ついていました。
ママの手作りの絵本を大切にしている佑司。
“死んだ人はアーカイブ星にいる。”
そして、“雨の季節にかえってくる。”
澪は「ママも雨の季節に戻ってくる。」と言い残していて佑司も信じていました。
外には佑司がつくった“逆さてるてる坊主”がひとつ下がっています。
巧は脳に少し病気をもっていました。
ゆっくり焦らず、会社へ行くときも自転車のスピードをあげない。
人混みも避けるようにしていました。
巧の主治医・野口(小日向文世)や職場の同僚・永瀬みどり(市川実日子)も優しく見守る日々。
季節は梅雨入りが迫っていました。
父親として佑司を喜ばせたい巧が「週末のお祭りに行こう!」と誘うと、巧のからだを気にして佑司は遠慮します。
「大丈夫だよ。行こう!」と言う巧に佑司は大きく頷いて笑うのでした。
祭会場は賑わっていました。
巧と手をつなぐ佑司はクラスメイトのアヤ(美山加恋)を見つけ人混みの中へ消えてしまいました。
後を追う巧でしたがそのまま意識を失ってしまいます。
巧が居ないことに気づいた佑司は大きな声で何度も叫びました。
「たっくーん!」
その声を聞き偶然居合わせた永瀬が佑司を呼び止めました。
救護された巧は意識が戻り佑司に「ごめん…。」と謝ります。
「たっくんは居なくならないよね?」と佑司は抱きつくのでした。
ひとり、ビデオを見る巧。
そこには四つ葉のクローバーを探す佑司と澪が映っています。
外は雨が降り出していました。
翌日、雨のなか森のトンネルへ向かう巧と佑司。
そのトンネルを抜けた先にある古い廃屋は、まるで秘密基地のようでした。
佑司はタイムカプセルを探していました。
澪と佑司で隠したのですが場所が分からなくなってしまったようです。
「ママ…。」
囁く佑司の声に巧が振り返ると澪がいました。
ところが、彼女は何も分かっていないようで…。
家に戻り澪に家族のことを説明する巧。
ここには3人の写真、自分の生活していた跡があって澪は戸惑います。
“3人で散歩してたら気を失って、目が覚めたら記憶が無くなったみたい。”
あわてて場を取り繕う巧と佑司でした。
不安の残る澪が翌朝目を覚ますと、隣には佑司がくっついて眠っていました。
澪の不安は少し消えたようです。
澪が帰ってきたことは巧と佑司だけの秘密。
そして、3人の不思議な生活がはじまりました。
会社へ行く巧を見送る澪は、靴紐がほどけているのに気づきました。
声を掛けられた巧があわてて自転車を倒す姿そして靴紐を結び直す姿を見て、はにかむように澪は笑いました。
巧との出会い、どうやって恋に落ちて結ばれたのか知りたがる澪。
巧はゆっくり話はじめました――
高校2年の春。
僕たちは隣の席だった。
それから2年間おなじクラス、ずっと隣の席だった。
優等生の澪(大塚ちひろ)を僕(浅利陽介)が好きになった、たぶん片想いだったと思う。
人付き合いが苦手で陸上のことばかり考えていたから、友だちは居なかった。
唯一打ち込めた陸上、1年の時の大会で妨害に遭っちゃって入賞は逃してしまったんだ。
そーいえば、その授賞式で照明が消えるトラブルがあったっけ。
僕は澪が写るクラス写真を選んで、こっそり買ったりした。
挨拶くらいで卒業まで会話は一つも無かった。
僕は地元の大学、澪は東京の大学に行くことになったんだ。
卒業式も終わって僕が帰るとき“メッセージを書いて”と澪が来てくれた。
僕はその時、自分のペンを挟んで返しちゃったんだ――
「恋がはじまってない!」と言う澪に、もう少し待ってと巧はつづけます。
――大学、最初の夏休み。
地元に澪が帰省していることを知った僕は電話をしたんだ。
でも勇気がなくて切ってしまった。
雪が舞う冬になってやっと電話で話せた。
「卒業式のときのペン返してもらえます?大事なペンなんだ。」
本当はどうでもいいペンだけど…口実だった。
そして、会う約束をしてペンを返してもらったんだ。
ぶっきら棒にありがとうと言って会話は少なかった。
去っていく澪に勇気を出して声を掛けた。
「あのー。コーヒーとか飲む時間ない?」
「…ある。」と澪は答えた――
頬を緩める澪は「それで!それで!」と巧を急かします。
――僕はしゃべり続けた。
止まったら澪が帰ってしまいそうでしゃべり続けた。
すっかり夜になってしまって。
「寒いね…。」と言う澪。
僕はコートのポケットを開けて「よかったらどうぞ。」
「おじゃまします。」
はじめて、手をつないだんだ――
澪は巧のパーカーのポケットにそっと手を入れました。
佑司が二つ目の“逆さてるてる坊主”を下げています。
会社では、永瀬が巧の変化に気づいていました。
じつは巧に好意を寄せている永瀬、内心穏やかではありません。
佑司はアヤにだけ、あの秘密を打ち明けました。
7月、3つの“逆さてるてる坊主”が並んでいます。
巧と澪は、佑司がまだおなかの中にいる頃のビデオを見ていました。
そして、赤ちゃんの佑司を見てしあわせそうな澪。
27日は佑司の誕生日です。
“雨の季節に帰ってきたママ”は雨が止んでしまえば消えてしまう。
それは“6週間だけの奇跡”。
佑司はママの手作り絵本を読んで、もうすぐ居なくなってしまうと感じていました。
3人はトンネルの奥の秘密基地に来ました。
タイムカプセルを探す佑司。
澪は巧に「記憶がなくてもいい、あなたの奥さんならいい。」と言います。
キスするふたりを佑司は嬉しそうにこっそり見ていました。
「はじめてのキスみたい。」とほほ笑む澪。
天気予報士の“梅雨が長引く”と言う言葉に喜ぶ巧。
ひとりタイムカプセルを探す佑司は、やっと見つけたようです。
大雨の中いつもよりスピードをあげて自転車を漕ぐ巧は家に着くと倒れてしまうのでした。
目を覚ました巧にふたりのつづきを聞きたがる澪。
文通は続いたけど2度目のデートは無く、僕たちは別れたと巧は話はじめます。
――陸上のトレーニングが原因で大学2年の春、巧は病気を発症。
その頃、主治医の野口と出会い絶望していた巧に手を差し伸べてくれたのでした。
“普通”ではない事を澪には言えず、最後の手紙を送って一方的に距離を置いた巧。
理由を知りたい澪が会いに来ても冷たい態度を取り酷い別れ方をしてしまいます。
しかし、澪への気持ちを消せない巧は東京に向かいました。
巧は同級生の男友達と話している澪を見掛け、諦める決心をしてその場を去るのでした。
しばらく経った頃、澪から電話が掛かってきました。
突然のことに驚く巧でしたがふたりは会うことに。
夏のひまわり畑、暗い表情の巧に澪は優しく“大丈夫”と伝えました。
そして結婚、佑司が産まれた――
巧の話を聞き、自分がしあわせだったと澪は確信するのでした。
佑司の部屋でタイムカプセルを見つけた澪は開けてみることに。
そこには沢山の手紙と澪の日記が入っていました。
“逆さてるてる坊主”が4つ並ぶ頃。
澪は佑司に料理、洗濯を教えはじめました。
庭にはひまわりの種を蒔きます。
巧と佑司は別れが近づいていることを感じるのでした。
それは澪もおなじです。
ある雨の日、亡くなったはずの澪を見てパニックになる永瀬。
澪は“自分はもうすぐ居なくなってしまう、だから永瀬にふたりを託したい”と言うのでした。
すると突然、澪は泣き出してしまいました。
「ふたりのことは心配だけど他のひとを愛してしまうのは嫌だ…。」
気持ちが混乱する澪に永瀬は「彼は澪さんしか愛せない。」と言い思いやるのでした。
佑司の誕生日ケーキを買う澪。
そこで“12年分の誕生日ケーキ”を予約しました。
佑司が18歳になるまで。
夜ごはんに誕生日ケーキが用意されて喜ぶ佑司。
本当の誕生日は来週、でも3人は誕生日パーティーを楽しむのでした。
外には6つ並んだ“逆さてるてる坊主”。
外を見たアヤが気づきました。
空が晴れ渡りセミが鳴き出したのです。
学校から駆け出した佑司は急いで家に戻りました。
天気予報士が梅雨明けを報じています。
それを永瀬が巧に伝えました。
澪と佑司はトンネルの奥の秘密基地に来ていました。
お別れを言うママに涙を我慢する佑司は四つ葉のクローバーを探しはじめました。
その時、澪を呼ぶ巧の声がしました。
「あなたと居ることが私のしあわせ。」
そして、ずっと隣に居たかったと。
巧は澪の手を握り上着のポケットへ。
四つ葉のクローバーを見つけた佑司が駆けてきましたが、そこにはママの姿はありませんでした。
「ママーー!!」
榎田澪、高校1年生。
スニーカーの紐がほどけている男子生徒に声を掛けると、彼はあわてて自転車を倒してしまいます。
少し照れながら紐を結ぶその男子生徒は巧でした。
澪はその瞬間、恋に落ちていました――
1年のとき巧が転倒した陸上の大会で澪は審判をしていました。
巧が妨害に遭ったことに腹を立て表彰式で照明を消したのは澪だったのです。
2年で同じクラスに。
巧の隣の席がいつも澪だったのは学級委員だった澪の密かな企みでした。
クラス写真、うしろに小さく巧が写り込んだ写真を大事にして、グラウンドを走る巧をいつも見ていました。
卒業式、帰ろうとする巧に勇気を出して声を掛けました。
巧が書いてくれたメッセージは“君の隣はいごこちがよかったです。”
その言葉に澪は喜ぶのでした。
ふと巧のペンに気づいた澪は“会える口実になる”とそのまま持ち続けました。
電話で「ペンを返します。」その一言だけ、澪は何度も受話器を持ち…でも勇気が出ません。
そんなある日、巧のほうから電話が掛かってきたので澪は驚きと同時に胸が高鳴りました。
やっと会えたのに何もできない澪。
「コーヒーとか飲む時間ない?」と、巧の誘いに小さくほほ笑む澪。
あっという間に時間は過ぎたけど澪は巧の隣に居れてしあわせでした。
ポケットの中で繋いだ手は温かかったのです。
大学2年、春。
突然“さよなら”と書かれた手紙が巧から届きました。
訳が分からない澪は巧に会いに行きましたが、よそよそしい言葉に涙が溢れるのでした。
雨の降る日、澪が大学で見つけたのは巧のうしろ姿でした。
巧のもとへ一心に走った澪は交通事故に遭ってしまいます。
もちろん、巧は気づかずに…。
「いま、会いにゆきます」ラスト最後の結末
意識が遠くなる澪――「ママー!」
佑司の声が聞こえたのでした。
巧、佑司と過ごした6週間、それは昏睡状態の澪が経験した“不思議な奇跡”だったのです。
20歳の澪が知った未来は、大好きな巧と結ばれて佑司という可愛い子どもを授かっている。とてもしあわせなものでした。
でも、28歳で自分が亡くなるという悲しい未来も知ってしまいました。
20歳の今、巧と会わない人生を選んだら…違う誰かと違う人生?そうすれば…。
そういう事じゃない――
巧に出会って恋をしたこと、ふたりの間に産まれようとしている佑司を迎え入れたい。
その時間はとても短い、でも“とてもしあわせな時間”と知ってしまったから。
20歳の夏、澪は巧に電話を掛けました。
「会いに行ってもいい?」
澪は日記に気持ちを書き綴ります。
愛する巧と佑司と過ごす未来を選んだこと。
そして“いま、会いにゆきます”と。
澪と巧をかこむように沢山のひまわりが咲き誇ります。
巧は「自分は澪にふさわしくない。」とうつむいています。
「私たちは大丈夫。」と巧を抱きしめる澪。
ずっと一緒に居ることが決められた、たった一人の相手だから――
庭には澪が種を蒔いたひまわりが咲いています。
あの日記を読んでいる巧。
「たっくん。」
佑司が声をかけます。
今日は佑司の18歳の誕生日です。
完。
「いま、会いにゆきます」見どころ
2004年公開の邦画作品として、誰の記憶にも残っている名作ではないでしょうか。
『いまあい』で心を奪われるのは、6歳の佑司を演じた武井証くん!
彼の表情、しぐさ、声すべてに「かわいいー!」と熱狂し、その演技力に泣かされた方も多くいると思います。
竹内結子演じるママとの別れのシーンは涙が止まりません。
ママが佑司にする“おでこキス”愛おしすぎます。もはや尊い。
“心霊ファンタジー”ではなく “タイムスリップ・ファンタジー”。
9年後の未来に飛んだことで自分の命の期限を知り、それでも一緒にいたい人との運命を選ぶ。(違う人生を選んで寿命が延びるとは限らないけど…『ファイナル・デスティネーション』的な!?)
結婚、出産なんてまだ先の事と思っていたのに“トテツモナイしあわせ”を知ってしまった澪。(もちろん巧のことも大好きだから。)
あんな可愛い佑司に「ママ♪」なんて抱きつかれたら、そりゃ会いたくなります。
でも、代償は“自分の命”。
誰にも共通する“愛”そして“命”がテーマです。
今作で名バイプレーヤーなのが佑司の担任・浜中晶子を演じたYOU。
登場は3シーンと少ないですが、佑司に対しての言葉がグッときます。
子どものまっすぐな気持ちを尊重するようなセリフに“かっこいい、あんなオトナ”と魅せられます。
エンディング曲はORANGE RANGE『花』。
かなしい別れだったけど、その歌声はさいごに温かい気持ちにさせてくれます。
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