映画「グッド・ライ いちばん優しい嘘」は、リース・ウィザースプーン主演、フィリップ・ファラルドー監督の2014年のアメリカ映画です。
この映画「グッド・ライ いちばん優しい嘘」のネタバレ、あらすじや最後ラスト、結末、見所について紹介します。
実話を元にしたアフリカの難民と彼らを受け入れたアメリカ人のヒューマンドラマ「グッド・ライ いちばん優しい嘘」をお楽しみください。
「グッド・ライ いちばん優しい嘘」スタッフ・キャスト
■ スタッフ
監督: フィリップ・ファラルドー
製作: ブライアン・グレイザー、ロン・ハワード
脚本: マーガレット・ネイグル
撮影: ロナルド・プラント
音楽: マーティン・レオン■ 主要キャスト
キャリー:リース・ウィザースプーン
マメール:アーノルド・オーチェン
ジェレマイア:ゲール・ドゥエイニー
ポール:エマニュエル・ジャル
ジャック:コリー・ストール
「グッド・ライ いちばん優しい嘘」あらすじ
1983年に起こったスーダンの内戦によって孤児となった子供たちは、やがて成長しロスト・ボーイと言う名称でアメリカに受け入れられます。
世話係のキャリー(リース・ウィザースプーン)は、彼らに就職を斡旋しようとしますが、彼らの就職は困難を極めます。
価値観の違いから、様々なトラブルを引き起こす彼ら・・・
この物語は、過酷な人生を必死で生き抜くロスト・ボーイたちの物語です。
「グッド・ライ いちばん優しい嘘」ネタバレ
スーダン南部の村で両親や兄弟たちとのんびり、平和に暮らしていたマメール(子役)はある日、東側の兵士たちによる攻撃により両親を亡くしてしまいます。
残された兄弟たちは長兄のテオ(子役)をリーダーに据え、安全だと聞かされていたエチオピアを目指すのでした。
道中、猛獣の狩った獲物を奪い取り、それで腹を満たしながらの旅路は、まだ年端もいかないような子供たちには辛く厳しいもの…。
途中、水分不足から衰弱して亡くなってしまう子もいます。
しかしそれでも彼らは、おしっこを飲んででも生きる事を諦めず、子供たちだけで416キロ歩き続けたのでした。
そうした先に、大群で移動する人々と出会います。
そこで親しくなったのはジェレマイア(子役)とポール(子役)の兄弟。
大行軍で進んだ先で川に遭遇しました。
そこで一息ついて川に沿って上流に向かって歩き出すとの大人達の判断でしたが、テオはそこで薬きょうを見付けた事で進路変更を決断します。
そこでマメールたち兄弟とジェレマイア、ポールは河を渡る事にしたのですが、末っ子のガブリエルは泳げない事で川を怖がりその場から逃走してしまいます。
慌てて追いかけようとした瞬間、聞こえてきたのは数発の銃声。
子供たちを追いかけまわす兵士も現れ、上流からは先ほどまで一緒だった人々の遺体が流れてきます。
マメールたちはガブリエルを追う事も出来ず、結局残された六人で旅を続けるのでした。
毎日毎日歩き通しの日々を続けていたある日、夕暮れが近付いた時マメールが弱音を吐きます。
ここなら敵もいないし今日はもう休もう、と。
その願いを聞き入れる形で高い草に囲まれた地面に横になる子供たち。
ところが翌朝になってみると、そこもまた敵の侵入経路だったのです。
不用意に立ち上がったマメールと入れ替わる形で敵を騙し、連れ去られていくテオ。
彼は弟を守るための身代わりとなったのです。
主柱を失った彼らはそれでも、マメールをチーフに前進するほかありません。
そうしてやっとの思いで辿り着いたのはケニアでした。
そこでは難民キャンプが設置され、世界各国から集まった人々により、食事や医療など生活を支える形が出来ています。
やっと安心して眠れる環境を彼らは手に入れたのでした。
それから時は流れ…。
成長したマメール(アーノルド・オーチェン)はキャンプの医師の助手として子供たちの診察をしています。
いつになったらこの暮らしから抜け出せるか…
ここから抜け出す希望も薄れかけた頃、マメール(アーノルド・オーチェン)達はカンザスシティーへの移住名簿に名前が載ります。
アメリカに渡り次第仕事を見付けて渡航費を返済しなくてはなりませんが、幼い頃共に死と隣り合わせの旅路を克服した4人が一緒に行けることに大喜びする彼ら。
マメール(アーノルド・オーチェン)と彼の姉のアビタル、それからジェレマイア(ゲール・ドゥエイニー)とポール(エマニュエル・ジャル)の4人は遂に、新しい生活を手に入れたのです。
ところが、希望に胸を膨らませて到着したアメリカでは、カンザスシティー行きの名簿にアビタルの名前が無いと言うのです。
迎えに来ているはずの福祉団体の人間がいない為頼れる人がいない彼らは、女性は一般家庭へ、という移住受入れのルールに従う他ありません。
しかし引き留めきれなかったマメール(アーノルド・オーチェン)を、納得がいかないポール(エマニュエル・ジャル)は責めるのでした。
周囲の人が誰もいなくなって街疲れた頃、彼らを迎えに現れたのは一人の女性でした。
職業紹介所に務めるキャリー(リース・ウィザースプーン)によって、これから住む家へと向かうマメール(アーノルド・オーチェン)達。
その夜から彼らは、蛇口を捻れば水が出て、歯ブラシもお風呂もベッドも完備の快適な部屋での暮らしが始まります。
しかし文明の利器に全く接する事なく成長した彼らは、電話が鳴っていてもそれが何を意味するのか理解できません。
翌朝、彼らに職を探させるつもりでやってきたキャリー(リース・ウィザースプーン)ですが、電話から教えなくてはいけない事実に困惑…
それでもレストランで面接を受けさせたりしたのですが悉く惨敗してしまいます。
そこで彼女はボスであるジャック(コリー・ストール)に三人を連れて会いに行きます。
そこでアドバイスを貰った彼らはそれぞれ就職先をやっと確保するのでした。
マメール(アーノルド・オーチェン)は仕事を掛け持ちして、夢だった医師になるべく大学に通っています。
しかしその事をポール(エマニュエル・ジャル)は良く思っていない様子。
いくら働いても誰にも相手されないと、彼は自分の勝ちを見出せないでいるのです。
こうして、アメリカでの生活が軌道に乗ったかに思えた頃ですが、少しずつ歯車がずれ始めます。
マメール(アーノルド・オーチェン)に苛立ちをぶつけるポール(エマニュエル・ジャル)は家を出て行ってしまったのでした。
その上スーパーに就職したジェレマイア(ゲール・ドゥエイニー)は、廃棄した食料を漁る女性に、こちらの方が新しいよ、と言って新たに廃棄するはずの食品を渡してしまいます。
店長からそれを見咎められた彼は、エプロンを外してそのまま店を後にするのでした。
家を出ても行くあての無いポール(エマニュエル・ジャル)は結局警察の厄介になる事に…。
しかし迎えに来てくれたマメール(アーノルド・オーチェン)に向かい、テオが捕まってしまったのはお前のせいだ、と暴言を言い放つポール(エマニュエル・ジャル)。
それはマメール(アーノルド・オーチェン)にとってもずっと後悔している事なだけに、二人は殴り合いの喧嘩になってしまうのでした。
マメール(アーノルド・オーチェン)はジャック(コリー・ストール)の元を訪れ、テオが連れ去られた日の事を打ち明けます。
自分が許せない、そう嘆くマメール(アーノルド・オーチェン)にジャック(コリー・ストール)は、お兄さんが自分で選んだ選択だと声をかけたのでした。
翌朝、キャリー(リース・ウィザースプーン)に連れられてジェレマイア(ゲール・ドゥエイニー)とポール(エマニュエル・ジャル)はがやってきます。
彼らはマメール(アーノルド・オーチェン)に本当の兄弟になって欲しいと、迎えにやってきたのでした。
そんな彼らの姿に心を動かされたキャリー(リース・ウィザースプーン)は、マメール(アーノルド・オーチェン)の姉の受け入れを決意します。
そうすれば彼らと共に暮らせる形が整うからです。
クリスマスの日。飾り立てた部屋で楽しそうにクリスマスを祝うマメール(アーノルド・オーチェン)たちの前に現れたのは姉のアビタル!大喜びする四人。
やっと家族が全員そろったのでした。
「グッド・ライ いちばん優しい嘘」ラスト最後の結末
それからしばらく経った頃、マメール(アーノルド・オーチェン)の元に信じられない手紙が届きます。
そこには、ケニアのキャンプ地で彼らを探す男性がいたと書かれていたのです。
もしかしたら…テオ…?
可能性に賭けるマメール(アーノルド・オーチェン)は、ケニアに向かいます。
スーダンからケニアに入ってテオを探すもそこに彼の名前は登録されていません。
こうなると、約10万人とも言われる難民を訪ね歩くしか方法がありませんが、マメール(アーノルド・オーチェン)はとにかく自分たちがいた場所に向かいます。
そこでかつての友と再会。
そして遂に、テオに会うことが出来たのです。
抱き合いながら涙する二人。
やっとの再会を経て、今度は2人でアメリカに帰り、今度こそ家族で暮らしたい…。
しかし現実はそう甘くないのです。
世界情勢が厳しい今、テオのビザが下りません。
そこで、ある決意をするマメール(アーノルド・オーチェン)。
空港に向かい、共に並んだ列でそっとマメール(アーノルド・オーチェン)はテオにこう言います。
自分の名前を名乗ってアメリカへ行け、と。
戸惑うテオですが、これはマメール(アーノルド・オーチェン)からの恩返しなのです。
自分は残って医療活動に従事する、そう言って兄を見送ったのでした。
こうしてマメール(アーノルド・オーチェン)は、ケニアに残り笑顔で自分の人生を歩んでいくのでした。
THE END
「グッド・ライ いちばん優しい嘘」見所ポイント!
え?あ、ホントにテオだけアメリカに行っちゃうんだ…と言うのが率直な感想です。
びっくりするぐらい簡単にマメールがキャンプに残る決断をし、その決意を一瞬にしてテオが呑み込んで飛行機に乗り込んだので、想像以上にあっさりしてるな、と思ってしまったのですが、しかしこれは、お涙ちょうだい作品に慣れすぎた弊害でもあるのでしょう。
生きるか死ぬかの人生を生き抜いてきた兄を、先にアメリカで平穏な生活を手に入れ、努力次第で自分の人生は切り拓かれる事を悟った弟が救いたいというのは、これが真理でありリアルなのだと思います。
アメリカに来てからのマメール達が、文明の利器に全く触れる事無く必死で生き抜く事だけが人生だったアフリカとは真逆の生活に付いていけず戸惑うさまは、微笑ましくもあり切なくもあり、とても複雑な心境にさせられました。
英語は話せるものの、スーダンとの文化・価値観・環境の差から生まれる齟齬をお互いが理解仕切れずに繋ぐ会話はとても面白い。
しかしその反面、食べる事にも事欠く子供時代を送った彼らが、大人になって賞味期限切れの食べ物を廃棄するなど、悲しい描写も多い…。
戦争をしないと憲法に謳う日本に暮らしていると全く体験する事の無い厳しさを知り、色々な事を考えさせられる映画でした。