映画「ジェネラルルージュの凱旋」は竹内結子・阿部寛のW主演、中村義洋監督の2009年公開の映画です。
この映画「ジェネラルルージュの凱旋」のネタバレ、あらすじや最後のラスト結末、見どころについて紹介します。
バチスタ事件を解決したコンビが新たな謎に挑む!「ジェネラルルージュの凱旋」をお楽しみください。
「ジェネラルルージュの凱旋」あらすじ
東城大学医学部付属病院不定愁訴外来の医師、田口公子(竹内結子)。
バチスタ事件を解決してしまった田口は倫理委員会の委員長を押し付けられ、さらに告発状を受け取ってしまったがために救命救急センターセンター長、速水晃一(堺雅人)と看護師長花房(羽田美智子)の不正を調べることに。
さらに病院で不正にかかわった疑惑の取引先の営業社員が亡くなる事件が発生。
速水晃一、通称ジェネラル・ルージュは黒なのか白なのか…
この謎にバチスタ事件を解決した田口・白鳥コンビが挑みます。
舞台は東城大学医学部付属病院。
そこで倫理委員会が開催されAi、オートプシー・イメージング(死体の画像診断)についての討論が行われています。
その会議の委員長は、バチスタ事件を解決してしまった不定愁訴外来の医師・田口公子。
会議中にこっそり資料に落書きし、意見を求められてもしどろもどろ。
そんな田口の元に1通の手紙が届きました。
「救命救急センターの速水センター長は医療メーカーのメディカルアーツと癒着している。心臓カテーテルの使用頻度を調べてみろ。救命救急の花房看護師長は共犯だ。」という内容です。
田口は院長の高階権太(國村隼)に手紙のことを報告し、告発があった以上放ってはおけないからと速水のことを調査するよう指示されます。
速水は若くして救命救急センターのトップに就きジェネラル(将軍)と呼ばれ、やっかむ人も多い存在でした。
そして・・・
「ジェネラルルージュの凱旋」ネタバレ
仕事後、田口は職場の仲間とともにソフトボールに励みます。
その相手はなんと疑惑のメディカルアーツのチームでした。
支店長の磯部信也(正名僕蔵)が写真を撮っています。
そこにいた医師たちからジェネラル・ルージュ、という速水のあだ名を聞きますがなぜルージュまでつけられたのか理由はわかりません。
口紅将軍?血まみれ将軍と疑問を覚えた田口は速水について調査するため、救命救急センターの様子を見に行きます。
そこに交通事故の連絡が入りますが、医師の佐藤拓馬(山本太郎)は集中治療室が一杯であることを理由に断ろうとします。
そこにスピーカー越しにチュッパチャプスをしゃぶりながらしゃべる速水晃一(堺雅人)の声が聞こえてきました。
速水は治療室の患者を1人外科病棟に移し、新たな患者を受け入れるよう言います。
速水は事務方トップの三船啓二(尾美としのり)からドクターヘリを却下され、あのヘリポートは喫煙所かと嫌味を言います。
一方患者に絡まれた花房美和(羽田美智子)ですが、的確な返答に相手も言葉を失います。
命を守る最前線にいる速水、血が苦手で現場から離れた田口に同じ医者とは思えないと言い放ちます。
そんな速水に話しかけるのは、あのメディカルアーツの営業でソフトボールにも参加していた磯部です。
紙袋渡され「君にもバック」という速水。
怪しいやり取りするふたりに、田口は磯部についても調べることにします。
磯部を尾行した田口は、磯部について病院内を歩き回る羽目に。
いろいろな職員に話しかけた磯部は、田口にも声をかけてきました。
「お渡ししたくて…」と紙袋を出す磯部を警戒する田口、しかし磯部が渡してきた袋の中身はディスクでした。
磯部は試合のときに写真を撮っていて、それを配っていたのです。
そんな磯部の死体が病院内で発見されます。
病院のヘリポートから飛び降りたのです。
磯部は田口と会った直後に亡くなり、亡くなる前に言い争いをしていたからと田口は警察から任意同行を求められます。
警察に呼び出されたものの無罪の田口、無罪放免になるや否や「私がやったと言いそうでしたよ」とのんきに笑っています。
そしてなぜか悪寒を感じた田口。
田口は速水に会いに行き、メディカルアーツとの癒着のことを尋ねます。
しかし、チュッパチャプスを加えふんぞり返った速水は癒着などしていないと言います。
話しながらどんどん悪寒が強くなる田口、さすがの速水も心配そうです。
その時後ろのモニターに、患者が運ばれてきた様子が映されています。
交通事故に遭ってやってきた患者はなんと田口と共にバチスタ事件を解決した厚生労働省の役人・白鳥圭輔(阿部寛)です。
田口の悪寒は白鳥への拒否反応だったのですね。
幸いかすり傷ということで早々に救命救急センターを追い出された白鳥は、ベッドの都合で小児科病棟に寝かされてしまいます。
そしてそこで「この病院内で密かに、白鳥圭輔殺害計画が進行している」という白鳥。
白鳥も速水の癒着に関する告発文を受け取っていたのです。
この手紙を受け取ったことでひき逃げにあい殺されかけたと言う白鳥に、田口も手紙を受け取ったことを伝えます。
白鳥の手紙はパソコンで作られたもので、一方田口の手紙は手書きでさらに花房のことが付け加えられています。
片方がオリジナルで、もう一方は模倣犯だと言う白鳥。
そして田口だけでは事件解決は難しいと白鳥と調査をすることに。
毒舌で相手の気持ちを逆立てるのが得意な白鳥は、早速佐藤にカマをかけます。
「貴方でしたか、速水先生を恨んでいる人物は」と言われ速水を恨んでいることを認める佐藤。
速水が状況に関わらず患者を受け入れベッド不足になっていることを不満に思っていたのです。
また如月翔子(貫地谷しほり)にも話を聞きます。
速水に好意を持つ如月は花房に敵意を持っているようです。
実は院内に敵が多い速水と花房。
そして白鳥は倫理委員会の副委員長である精神科助教授の沼田泰三(高嶋政伸)のもとへ行きます。
沼田は告発文を送ったことを否定し、癒着の件は解決しなければならないと言います。
というわけで臨時委員会の開催することに。
花房から話を聞く田口。
10年前、デパートで大火災が起き、東城大学付属病院にも100人を超える重軽傷者が搬送されました。
それは夜7時を過ぎていて、医師や看護師が最も手薄になる時でした。
その医師の中にはまだ若い速水の姿も。
事故は院長不在時に起き、速水は全職員自分の指揮に入るよう放送を流します。
懸命に治療を行いますがそれでも患者があふれてしまい、搬送拒否する事態に。
この事件から速水は患者の受け入れにこだわるようになったのです。
田口に告発文を送ったのは、花房だったことがわかりました。
花房は救命救急センターのゴミ箱に捨てられていた告発文を見つけ、田口に手紙を送ったと言います。
つまり告白文のオリジナルは白鳥に送られたもので、送り主は救命救急センターの誰かということに。
そして臨時委員会で話を聞かれた速水は、告発文の内容を認めます。
経済的なことは気にしなくていい、受け入れも断らなくていい、ドクターヘリの導入もあり得る、そして救命救急センターと他の課が協力して救急診療を行うと聞いて5年前にセンター長を引き受けた速水。
しかしそんな協力体制はありませんでした。
そのため速水は癒着で得た金を治療費に充てていたのです。
花房は速水が私的流用をしていない証拠として、メディカルアーツから受け取った領収書を提出します。
速水は退職届を提出しますが、沼田が改めて速水と花房の懲戒解雇を要求します。
そこで白鳥は自分に告発文を送ったのは沼田だと言います。
なんと沼田は自分宛てに届いた告発文を、事態を大きくして救命救急センターを潰すため白鳥に転送していたのです。
さらに白鳥は速水が告発文の送り主であることを指摘し、速水もそれを認めました。
速水は救命救急センターを白紙から再建するため、自らを告発する告発文を送ったのです。
しかし速水も倫理委員会によって弾劾裁判にかけられる覚悟はあったものの、手紙は厚労省に行ったのは予想外でした。
そこで白鳥はある音声データを流します。
そこにはメンタルケアセンターについて話す磯辺、事務長の三船、沼田、沼田の部下の小峰(林泰文)の会話の録音データが入っていました。
沼田達は効率良く収益を上げるメンタルケアセンターを作るため、救命救急センター、小児科、産科を縮小させるといっています。
そして速水失脚のネタ探しに磯部を使おうとしてたのです。
磯部はその会話を盗聴器付きの電卓で録音し、データを田口に託したのでした。
会議の最中、ショッピングセンターで大規模火災が発生しました。
速水は会議を飛び出し指示を出します。
高階院長は現場指揮権を速水に与え、スタッフ一丸で受け入れの準備を行います。
その頃、沼田と小峰はヘリポートにいました。
なぜ田口がデータを持っていたのか、磯部は誰にもデータを渡してないと言ったのに?とあの電卓を取り出した小峰。
小峰は磯辺を殺し、電卓を奪っていたのです。
真実に気づいた沼田、しかし小峰は悪びれることなくケアセンターのためだと言います。
その場を離れようとする沼田に小峰が迫ります。
そこに、白鳥と医師が現れます。
白鳥は小峰の自白を録音していました。
医師に捕らえられる小峰、おそらく刑事なのでしょう。
白鳥は沼田に手紙を転送したのは唯一の手柄と言います。
一方、医療センターでは速水が佐藤と協力し、場を仕切ります。
そんな中、花房は速水の顔が真っ青になっていることに気づきました。
速水に口紅を渡す花房。
10年前の事故の時も花房は、指揮官が青い顔をしていたらダメだと速水に口紅を渡していました。
この口紅こそ、速水が「ジェネラル・ルージュ」と呼ばれる由来だったのです。
次々と運ばれる患者によってストレッチャーが不足します。
しかし速水はこんな日のために、メディカルアーツから機材を用意していたのです。
ニュースを見た三船は、自分の家族が火災事故に巻き込まれたことを知ります。
泣き崩れる三船。
田口は取材ヘリが飛んでいるのにどうしてドクターヘリが飛ばないのと叫ぶ田口、そんな田口に白鳥は他県からドクターヘリを回してもらったことを伝えます。
屋上で夢に見たドクターヘリをむかえる速水。
「ジェネラルルージュの凱旋」最後のラストの結末は?
自分にかかわったために磯部は亡くなったと言う速水。
磯辺は瀬戸内海の小島の出身でした。
彼は中学のときに母がくも膜下出血で倒れそのまま亡くしていました。
ドクターヘリがあれば母は助かったかもしれない、そんな思いで磯部は速水に協力していたのです。
高階は速水の辞表の受け取りを拒否しました。
田口は速水に私欲に使ったのなら倫理委員会の処罰を受けてもらう必要がある、と伝えます。
田口は領収書のファイルからチュッパチャップス代の領収書を示しました。
実はあの時速水に差し出された紙袋の中身は、チュッパチャップスだったのです。
3年間で計20,560円、
というわけで3年間、病院長の指示に従って勤務しなくてはならなくなった速水。
北海道の極北医療センターに行くよう指示され笑い出します。
佐藤にトップとしての心構えを説く速水。
そして速水は花房に一緒に来て欲しいと伝えます。
その上空を飛ぶドクターヘリ。
「やっと願いが叶いましたね」と花房がつぶやきます。
東城大学医学部付属病院ドクターヘリの一番初めの患者は、リハビリのためと登山して骨折した白鳥でした。
そして自分の診療室でまたも悪寒を感じる田口なのでした。
完。
「ジェネラルルージュの凱旋」見どころ
チーム・バチスタの栄光の続編となる「ジェネラルルージュの凱旋」。
私欲のための癒着かと思いきや、医療のためだったという速水。
チュッパチャップスが、最後に見事伏線回収覚ましたね。
この作品でキーマンとなる速水を演じた堺雅人さんは、第33回日本アカデミー賞 優秀助演男優賞を受賞しています。
臨時委員会のシーンは、はさすが後の半沢直樹と言える堂々としたものでした。
ちなみに第35回日本アカデミー賞では優秀主演男優賞を「武士の家計簿」で受賞しています。
この田口・白鳥コンビの東城大学附属病院シリーズはチーム・バチスタの栄光、ナイチンゲールの沈黙、ジェネラル・ルージュの凱旋、イノセント・ゲリラの祝祭など原作となる小説が8作品あります。
そして今回ご紹介した竹内裕子さんと阿部寛さんのコンビでは2作映画化されています。
ちょっと複雑ですが、この東城大学附属病院シリーズは伊藤淳史さんと仲村トオルさんでも映像化されています。
こちらは4つのテレビドラマと1つの映画という構成になっています。
どちらからでも楽しめますよ。
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