映画「沈黙の断崖」は、スティーヴン・セガール主演、フェリックス・エンリケス・アルカラ監督の1997年の映画です。
この映画「沈黙の断崖」のネタバレ、あらすじや最後のラスト結末、見どころを紹介します。
産業廃棄物をめぐる陰謀に挑む調査官を描く「沈黙の断崖」をお楽しみください。
これで「沈黙の断崖」のすべてがわかります。
「沈黙の断崖」キャスト・スタッフ
■ スタッフ
監督: フェリックス・エンリケス・アルカラ
脚本: ジェブ・スチュアート他
制作: スティーヴン・セガール他
製作総指揮: ジェブ・スチュアート他
音楽: ニック・グレニー=スミス
撮影: トム・ホートン■ 主要キャスト
ジャック・タガート: スティーヴン・セガール
サラ・ケロッグ: マーグ・ヘルゲンバーガー
オーリン: クリス・クリストファーソン
コットン: ハリー・ディーン・スタントン
アル・ケロッグ: スティーブン・ラング
オーリンJr: ブラッド・ハント
ボブ・グッドール: レヴォン・ヘルム
チック・ラーセン: ブルー・デッカート
ロイド保安官: エド・ブルース
「沈黙の断崖」あらすじ
アメリカ環境保護庁の調査官ジャック・タガート(スティーヴン・セガール)は、親友の調査官の死をきっかけにある町で起こった有毒廃棄物の不当投棄事件を担当します。
しかし、よそ者を嫌う一部の住民から妨害や、捜査に全く協力的でない住民に苦戦するのでした。
実はその背景には町の実力者、オーリン(クリス・クリストファーソン)という人物が経営する巨大企業の報復を恐れていたからなのでした。
唯一の協力者サラ(マーグ・ヘルゲンバーガー)と共に真相解明に乗り出すのですが・・・
「沈黙の断崖」ネタバレ
環境保護調査官のジャック・タガート(スティーブン・セガール)はセスナでケンタッキー州の田舎町へと向かっていました。
その町でジャックの友人で同僚のフランクが死んでいたのです。
事故として処理されていましたが、他殺を偽装した可能性がありました。と言うのも、フランクは大企業ハンナコール社が毒性の産業廃棄物を山に不法投棄しているという情報を掴んでおり、その報告をした直後に死んでいたのです。
町を訪れたジャックは、町に住む牧師ボブ・グッダール(レヴォン・ヘルム)の協力を得て調査を開始しました。
町の人々は予想通りジャックには冷たい態度で、中には露骨に警戒する者たちもいました。
ジャックは彼らの心を開かせるためにボランティアとして大工仕事を手伝いながら情報収集を始めました。
調査を開始してすぐ、ジャックは一人の少年が病気に冒されていると聞いて見舞いに行きます。
原因不明とされていましたが、少年の肩には発疹があり、めまいや貧血などでベッドに寝たきりでした。
症状は公害病を思わせるものでした。
ジャックは調査を進める内、町が誰かに監視されているようだと思い始めます。
それを裏付けるように掃除夫の老人コットンに声をかけると、二人組の男がよけいなことを嗅ぎ回るなと警告したり、家の修理を申し出ても素っ気なく断られたりすることが相次ぎました。
更に山奥で水質サンプルの採取中に男の子を見つけて追いかけてゆくと、マリファナ畑に迷い込んでしまいました。
見張りをしていた男達に銃を突きつけられますが、隙をついて一人を殴り倒し、もう一人の顎をたたき割って銃を取り上げて、その場を切り抜けました。
教会のミサに出席したジャックは、その後のパーティで男の子からUFOの絵をもらいます。
男の子は山でよく光を見るといいました。
そんなジャックに保安官のロイド(エド・ブルース)が余計なことに口を突っ込まないよう警告します。
そんな中、ジャックはパーティ会場で誰とも話さず一人でいる女性サラ・ケロッグ(マーグ・ヘルゲンバーガー)に声をかけます。
彼女もジャックに好意を示しますが「私に声を掛けるなんて、貴方はやっぱりよそ者ね」と早々にその場を立ち去ってしまいました。
牧師によると彼女は過去におきたある事件のせいで、町で孤立しているとの事でした。
その後、サラの家を訪ねてポーチの修理を申し出ますが、あっさり断られて帰るしかありませんでした。
夜、家で寝ていたジャックは不審なトラックが去っていくのに気づきます。
家の中には毒蛇がいました。
ジャックは余裕でその蛇を捕らえます。
翌朝、あの二人組が犯人だと見たジャックは彼らの車にその蛇を放ちました。
二人組は蛇に驚いて事故を起こし、ジャックが蛇にまるで動じなかったことに苛立ちを見せます。
ジャックが手に余ると感じた二人はビリヤード場に向かいました。
そこにいたのは彼らのボス、ハンナコール社の取締役オーリン・ジュニア・ハンナ(ブラッド・ハント)でした。
ジュニアは手強い捜査官が来たと父オーリン・ハンナ(クリス・クリストファーソン)に連絡します。
しかし、オーリンはジャックの事を聞いても意に介さず、今まで通り調査の妨害だけをしていろと命じるだけでした。
町の雑貨屋を訪れたジャックは、サラが買い物をしているのを見掛ます。
そこでもサラは他の住人から無視されていました。
彼女は自家製のハチミツをこの店に卸していましたが、今週はあまり売れなかったとのことで、買い物予定の品物をいくつか諦めていました。
ジャックはその品物とハチミツを全部買って、帰宅途中のサラに声を掛けて車で送ります。
ジャックは山から煙が昇っていると言いましたが、サラ「地下の石炭が燃えているだけよ。もう12年になるわ」と、もう見慣れた光景で気にしていないようでした。
家に着いたサラは、トラックの荷台に積まれた大量のハチミツに気付きます。そしてジャックに少しだけ心を開き、家の階段の修理を頼みます。
翌日、町の雑貨屋で買い物をしていたジャックは、例の二人組から難癖をつけられ「出て行け」と言われ、加勢に来た男達に囲まれてしまいます。
しかし、ジャックは彼らを叩きのめしてしまいました。
そこに保安官のロイドが現れ、暴行罪でジャックを逮捕しようとします。
牧師のボブが正当防衛を主張したことで、ロイドは渋々ながら納得して立ち去っていきました。
その様子を陰から見ていたジュニアは苛立ちを募らせてゆきました。
ボブはハンナコール社が怪しいと気付いているものの、証拠が見つからずに匿名で通報するしかなかったと明かします。
しかしジャックは、ボブの教会にハンナコールが寄付をしていることを指摘し、いつかボブが金より住民の健康が大事だと気づいてくれると言いました。
サラの家で修理をしていたジャックは、彼女が父の跡を継いで養蜂をしていることを聞かされます。
彼女の父が鉱山の事故で亡くなったと聞いたジャックは、この近辺の地図を作製しているのではないかと考えました。
座席に置かれた荷物を取る為にジャックの車を覗いたサラは、ジャックが拳銃を隠し持っていることを知ります。
サラは彼が只者ではないと気づき、夕食に招きました。
夕食の前に一度町に戻ったジャックは、図書館で新聞記事を調べ、16歳だったサラが父親殺しの容疑者として疑われたものの、証拠不十分で釈放された過去があり、その為に人々から遠ざけられていると知ります。
その後、ジャックはコットンに調査官の素性を明かします。
コットンは大雨の後に魚の死骸が大量に川に浮いているなど、山が有毒物質で汚染されているかもしれない兆候を色々と話してくれました。
一方、手をまわしてジャックの正体を調べ上げたオーリンは、保安官のロイドを使って罠にはめるようジュニアに指示します。
ジャックと別れたコットンが家に戻ると、ジュニアの手下たちが待ち構えていました。
「ジャックと随分、仲がいいんだな」
ニヤニヤしながら彼らはコットンに詰め寄ってきました。
その晩、ジャックがサラの家で夕食を共にしていました。
いい雰囲気になって来た時、サラの兄アール(スティーブン・ラング)がやってきます。
アールは3週間ぶりに帰宅したのです。
アールはジャックに愛想よく振る舞っていましたが、ジャックが帰った後、彼とあまりつき合わないようサラにうるさく警告します。
翌日、コットンの家を訪れたジャックは、ひどい負傷で瀕死のコットンに気づきます。
彼を病院に届けたジャックは、病気の治療にきていた親子たちに「町が公害に冒されるのをどうして黙っているんだ!」と怒りをぶちます。
そこにロイドがやってきてコットンを暴行した容疑で逮捕すると言います。
しかしジャックは保安官の助手たちを叩きのめし、自分が連邦政府の捜査官であることを明かしました。
ロイドは引き下がらざるを得ませんでした。
そして、その様子を見ていたサラに、ジャックは自分の素性を明かし、ハンナコール社の不正を暴きに来たと語ります。
話を聞いたサラは自分に近づいたのは情報収集のためだったのかと怒り、立ち去っていきました。
カジノでセクシーなショーを見ていたオーリンの元にジュニアから電話がかかってきて、ロイドを使ってジャックを陥れる作戦が失敗したことを報告します。
しかし汚染物質を廃棄する仕事は実入りが大きく代わりに予定の変更は出来ません。
「どうなるか見てろ。ケンタッキーの支配者は俺だ!」と言い放って、オーリンは何処かに電話をして指示を出したのでした。
教会にいるジャックのもとに、サラがやってきて昨日のことを謝りました。
彼女はジャックに事情があるのを察したと言い「力になりたいの」と、父が残した炭鉱の地図を差し出します。
トラックで山に向かったジャックですが、その途中、大型トラックの襲撃を受けました。
ジャックは大型トラックを山に誘い込んで、断崖から落として倒しました。
襲撃から逃れたジャックは、町の人々がミサをしている協会に乗り込んでいます。
牧師のマイクを借り、この町に有毒廃棄物を持ち込んでいる者がいる、団結して戦おうと告げました。
しかし、町の人々は無言で立ち去るジャックを見送るだけでした。
その後、教会を守るために見て見ぬふりをしていた事を反省したボブがジャックのもとを訪れました。
ボブはこれまでの事を謝り、ハンナコール社の連中を逮捕してくれるのなら、洗いざらい証言すると言いました。
しかしその夜、何者かが彼の教会に侵入していきました。
その夜、町では盛大に祭りが行われ、オーリンもやってきました。
彼は町の人々に気前よくカジノへの航空券を配っています。
サラとともに祭りに来ていたジャックは、彼女に言われて飛び入りで演奏に参加します。
しかしその時、ジュニアがサラに絡み始めました。
さらにジュニアは止めようとしたジャックに喧嘩を売りましたが、軽くひねりあげられます。
するとオーリンがジャックに声をかけ、買収しようとしました。
ジャックは断り、この町が気に入っているから家を買って住もうと考えているといいます。
ジャックが立ち去った後、オーリンはジュニアに炭坑の閉鎖とジャックの始末を指示しました。
一方、アールはサラに近づき、ジャックのことを見直したと言います。
アールが毒物廃棄に関わっていることに気づいていたサラは、炭坑に毒物を廃棄しているのか教えて欲しいと言いました。
アールはためらい、何も答えません。
祭りが終わりに近づき、サラとジャックがワルツを踊っていると、教会から火が出たという声があがりました。
火事の現場に駆けつけたジャックは、アールに声をかけられます。
アールは敵がここまでしたことに激怒したと言い、自分がハンナコールに協力していたことを明かします。
そして彼は廃棄物投棄の現場にジャックを案内すると言いました。
しかしアールの言葉は嘘でした。
彼は協力するふりをしてジャックを罠にかけようとしていたのです。
それを知ったサラはアールのもとから逃げだそうとしましたが、アールは彼女の飼っている蜂に火を付けてしまいました。
サラは警察に行って通報しようと言いましたが、アールは彼女を閉じ込めてしまいます。
そして、ジャックは事故に会うだろうと告げて待ち合わせ場所に向かいました。
アールはジャックと鉱山で合流し、内部へと案内します。
そこには産業は器物が詰まったドラム缶が多数と、ハンナコールの手下たちが待ち構えていました。
しかしアールに不信感を抱いていたジャックは驚かず、逆に妹を虐待していたアールが止めようとした自分の父親を殺し、その罪を未成年だったサラに被せたという推理を語ります。
アールはあっさりそれを認めて、証拠隠滅とハンナコールの為にジャックに襲いかかってきました。
一瞬のスキをついて反撃に転じたジャックは、激しい銃撃戦と格闘の末、手下たちは次々と倒してゆきました。
その頃、 鉱山の外にジュニアが到着していました。
彼は鉱山にセットしていた爆薬で行動を爆破、ジャックは脱出に成功しましたが、アールや手下たちは崩落に巻き込まれてしまいます。
「沈黙の断崖」ラスト最後の結末
翌朝、サラの家を訪れたジャックは、彼女を救出すると証人になってくれと頼みました。
そして彼女を保護するよう上司に連絡します。
派遣されてきた護衛のエージェントにサラを預けたジャックでしたが、その直後、彼らが敵であると気づきます。
ジャックはサラを連れてダイナーに逃げ込んだエージェントを追いつめ、銃撃戦のすえ撃退しました。
ジャックの上司・ラーセンもオーリンに買収されていました。
オーリンは失敗したことを責め、ジャックが集めた証拠を無効化させる工作を命じました。
一方、ジャックは裁判に向かうべくサラに一時の別れをつげていました。サラは「もう戻る積りが無いんでしょう」と覚悟していましたが、ジャックは必ず帰ってくる、そしてサラと暮らすと約束します。
裁判でオーリン親子に下されたのは、たった5万ドルという安い罰金でした。
30億ドルの儲けからすると微々たるものだと勝ち誇るオーリンでしたが、ジャックは彼に近づくと捜査官を辞め、徹底的に貼りついて不正を暴くと宣言します。
さらにジャックはラーセンの元を訪れ、彼がフランクを売ったのだと指摘し、逮捕させました。
町に戻ったジャックは、ジュニアのもとに現れてその手下たちを叩きのめします。
そしてジャックは、なぶられて怯えるジュニアに汚職と不正の証拠を出すよう約束させたのでした。
オーリンが貸し切りカジノで楽しんでいるところに乗り込んだジャックは、ボディガードを全員倒して、自分が辞職したのが嘘だと明かし、ジュニアがすべて話したと言って一緒に連れてきたFBIにオーリンを逮捕させようとしました。
オーリンは隙を突いてFBIエージェントを銃撃しましたが、ジャックは彼の肩を撃って生きたまま逮捕させました。
そして刑務所で苦しむように言って立ち去るのでした。
全てが終わって、サラの家を訪れたジャックは新しい養蜂箱を彼女に渡します。
それを見たサラは感極まってジャックに抱きついたのでした。
THE END
「沈黙の断崖」見どころ
閉鎖的な町にやってきた男が、町を支配する悪人に立ち向かい、言いなりになっていた人々を解放するーまるで西部劇のような雰囲気が漂う作品です。
彼が得意とするのは、西部劇のヒーローのような銃ではなく、突きつけられた銃をあっという間に取り上げ、一瞬でごつい男をなぎ倒す鮮やかな格闘技です。(スティーブン・セガール自身、7歳から格闘技を学び、17歳で来日して合気道や空手などの武術を学びました。本物の動きはキレが違います)
腕が立つだけでなく、頭が切れ、買収もされず、町の人々には礼儀正しく接する(ただし、悪人には容赦しない)ジャックはまさに理想的なヒーローです(ちょっと完璧すぎる気がする時もありますが・・・)
また、環境保護に熱心なスティーブン・セガールがプロデューサーも務めているだけあって環境破壊・不法投棄と大企業の横暴が盛り込まれているのも見どころの一つです。
見た後にスカッと気持ち良くなるアクション映画が好みの人にお勧めです。