映画「スパニッシュ・ホラー・プロジェクト 悪魔の管理人」は、エンリケ・ウルビス監督の2006年のスペイン映画です。
スパニッシュ・ホラー・プロジェクトとは、スペイン映画界の鬼才たちが競作する “Peliculas para no dormir”(眠らないための映画)の作品のことです。
そんな、映画「スパニッシュ・ホラー・プロジェクト 悪魔の管理人」のネタバレ、あらすじや最後ラスト、結末、見所について紹介します。
■ スタッフ
監督: ジャウマ・バラゲロ
製作:フリオ・フェルナンデス、アルバロ・アウグスティン
製作総指揮: カルロス・フェルナンデス、サンティアゴ・ヒメノ、エイトール・モンタンチェス
脚本: ジャウマ・バラゲロ、アルベルト・マリーニ
撮影: パブロ・ロッソ
音楽:ロケ・バニョス■ 主要キャスト
クララ:マカレナ・ゴメス
マリオ:アドリア・コヤド
管理人:ヌリア・ゴンザレス
スパニッシュ・ホラー・プロジェクト 悪魔の管理人のあらすじ
クララ(マカレナ・ゴメス)とマリオ(アドリア・コヤド)は二人で住むアパートを探していました。
そんなある時、建物自体はちょっと古いものの格安で部屋数の多い物件を発見します。
しかしここの管理人の中年の女性は、一見優しいもののなんだか様子がおかしいのです。
初めて来た場所なのに、自分達の写真があったり、自分の捨てたはずのスニーカーがあったり・・・
徐々に不審感がつのった二人は、アパートに監禁されている若い男女の姿を発見してしまいます。
二人は管理人から逃れようとしますが、マリオが攻撃を受けて重傷を負ってしまい・・・
ふたりの運命はいかに?
スパニッシュ・ホラー・プロジェクト 悪魔の管理人のネタバレ、最後のラスト結末は?
このアパートの真の姿とは、管理人が人の良さそうなカップルを拉致しては監禁し、自分だけの理想郷を作り上げる事でした。
幸せな家族の集まるアパートをつくるという理想に取り憑かれた管理人なのです。
クララとマリオは何度も脱出を試みるものの、遂には捕まってしまいます。
ちなみにマリオは、本当に何度もやられてしまうのです(笑)
そしてマリオが、監禁されている男性を助けますが、コレがなんと管理人の息子!
さらに輪をかけて狂暴なのです。
そして数か月後、監禁されているクララの耳に、何も知らない新たな入居者たちの声が聞こえてくるのです。
結局、主人公クララは逃げ出す事に失敗してしまい、永遠にアパートに監禁され続けるであろうという絶望的なラスト・・・
そう、まさかのバッドエンドです。
スパニッシュ・ホラー・プロジェクト 悪魔の管理人の見所
スペインのホラーテレビドラマ「スパニッシュ・ホラー・プロジェクト」シリーズの中の一作です。
今作を担当する監督はジャウマ・バラゲロ。
「REC/レック」シリーズの生みの親としても有名なホラー映画監督です。
今作でも怪しいアパートを舞台にした惨殺劇が繰り広げられます。
頭のおかしくなっている中年の女性管理人に襲われるカップル、というのがメインプロットの今作、とにかく最後まで一気に見せ切る極めてパワフルな一作となっています。
とにかくこの「悪魔の管理人」(ヌリア・ゴンザレス)の存在感が凄まじく、強い弱いとかは関係なく、気が狂った人間特有の話の通じなさや、思い込みの激しさなどはトラウマ級の恐ろしさだと言えるでしょう。
全体的に残虐描写にも手を抜いてはおらず、特に管理人の手がディスポーザーによって引き裂かれるシーンの痛々しさは、さすがはバラゲロ監督といったところでしょうか。
ラストもブラックユーモア満載で面白く、全体的にもレベルの高い一作だと思います。
特筆すべきは終盤に登場する「管理人の息子」というキャラクターです。
最初はクララは自分と同じく監禁されている人間だと思って解放してしまうのですが、実はこれは凶暴過ぎて統御すらできない「管理人の息子」であるという事が後にわかってくる。
言葉を発せず、ニヤニヤしながら襲いかかってくる「管理人の息子」の存在感は、登場シーンは少ないながらも観客の脳裏に焼き付けられる事は間違いないでしょう。