映画「恋妻家宮本」は阿部寛主演、遊川和彦監督の2017年の映画です。
この映画「恋妻家宮本」のネタバレ、あらすじや最後のラスト結末、見どころについて紹介します。
子どもが巣立って2人きりの生活を送る中年夫婦を描くコメディ「恋妻家宮本」をご堪能ください。
「恋妻家宮本」あらすじ
ファミレスにやって来た中学校教師の宮本陽平(阿部寛/大学時代:工藤阿須加)と妻の美代子(天海祐希/大学時代:早見あかり)。
ファミレスでメニューが決められない陽平。
先に頼むメニューを決めてトイレに行った美代子が戻ってきてもまだ迷っています。
信じられないほど優柔不断な陽平。
陽平が美代子と付き合うことになったのも大学時代に参加した合コンで他のふたりがすぐに狙いを決めて、余っていたのが美代子だったから。
なりゆきで美代子狙いとなった陽平の頭の中を逃がした魚は大きい、残り物には福があるのふたつのことわざがぐるぐる回ります。
そんな陽平ですが、大学時代に美代子が妊娠したときはすぐに結婚の決断をしました。
その時、陽平は大学院を志望し美代子は教員を目指していました。
ファミレスで味噌汁を飲んでいるときに子どもをできたと言われ、教師になるから結婚しようと言った洋平。
それは愛しているからというよりは責任からでしたが陽平は美代子と結婚し、文学の道をあきらめて教師になったのでした。
そしてさらに悩んだのが生まれてきた息子の名前。
正と優一のどちらにするかが決められず、美代子が本人に決めさせようと名前の紙を見せて笑った方に決めました。
その息子も正(入江甚儀)も結婚して妻の優美(佐津川愛美)とボランティアのため福島へ行ってしまい、陽平と美代子のふたり暮らしがはじまったのです。
家に帰ったふたり。
「これからふたりきりだし仲良くしないと」と言う美代子。
飲もうという美代子に料理教室に通う陽平は、つまみを作ります。
酔った美代子は陽平にある提案をします。
それはお父さん、お母さんという呼び方をやめようというものでした。
「恋妻家宮本」ネタバレ
眠ってしまった美代子。
本棚に目をやった陽平の目に、一冊の本が止まりました。
それは付き合い始めの頃に美代子にすすめた『暗夜行路』です。
本を手に取った陽平はそこに何かが挟まれているのに気が付きました。
なんと美代子の名前が書かれた離婚届です。
翌朝、美代子から話があると言われてドキッとした陽平。
家のリフォームの事でした。
ほっとしたのも束の間、新しい生活に向けての準備かもしれないとついテスト中に変な声をあげてしまう陽平。
生徒たちに変な目で見られてしまいます。
そしてテストが終了し、洋平は家庭訪問の話を始めました。
家の人がいるように予定を調整するように言うとクラスのムードメーカーの井上克也(浦上晟周)、通称ドンが父親は海外赴任中で母親は不倫で交通事故にあって入院しているがどうしたらいいですかと茶化します。
自虐ネタで笑いを誘うドン。
自分が顧問をするサバイバルクッキングクラブのポスターがはがれているのに気付いた陽平。
ちなみに部員はまだ部員ゼロです。
陽平がポスターを貼り直しているとメイミーこと菊池原明美(紺野彩夏)がドンのことをどうするのかと聞いていました。
陽平は家庭訪問の時にゆっくり話すつもりだと言いますが、自虐ネタにすることで自分の身を守っているドンが心配なメイミーは陽平に向かって「のんきで冷たい」と言います。
そして迎えた家庭訪問。
ドンの家では祖母の井上礼子(富司純子)が応対します。
ドンの母の話を関係ないと言い、生徒をあだ名でいうのはどうなのかと厳しい口調で言う礼子。
陽平にはどうすることもできません。
料理教室で料理をする陽平。
同じグループにいるのは夫婦仲が冷え切った五十嵐真珠(菅野美穂)、婚約中でハイになっている門倉すみれ(相武紗季)のふたりです。
話の流れで陽平は離婚届のことを聞いてみます。
美代子が不倫しているのではないかと言う真珠。
そう言われた陽平は美代子の携帯が気になって仕方がありません。
授業中に突然倒れたドン、家で母親の悪口の言う祖母の食事を食べたくないとハンガーストライキをしていたのです。
そこで陽平は自分で料理できるようになるよう、ドンに料理を教えようとします。
部活に誘ったもののドンが来なかったため、洋平は半熟卵の卵かけご飯のレシピをドンの家のポストに入れます。
そしてやって来た次の料理教室。
美代子をまねて離婚届を突きつけようかと言う真珠、すみれは携帯で恋人と元のカノのやり取りを見て喧嘩中だと言います。
何のために結婚するのかわからないというすみれ。
帰った陽平があの暗夜行路をめくると、離婚届は入ったままでした。
美代子に聞きたいけど聞けない陽平。
そんな陽平に美代子は正の所へ行きたいと言います。
学校で会ったドンは陽平にレシピのお礼を言います。
妹も喜んだからまた教えてほしいというドンを部活に誘いますが、断られてしまいます。
そんな陽平にメイミーは問題の先送りだと言い、教師に向いてないとまで言います。
落ち込んで帰った陽平は、離婚届が無くなっていることに気が付きます。
さらに正から、美代子がしばらく福島にいるつもりだと電話がかかってきました。
陽平が料理を習い出してから美代子の元気がなくなったと指摘する正。
料理教室を婚約破棄したすみれがやめることとなり、その日なりゆきで真珠と飲みに行くことになった陽平。
そして夫婦間の問題は夜の営みにあるのかもしれないという話になり、ふたりはホテルに行きます。
しかし部屋を決めたところで真珠に夫が入院したという電話が入ります。
慌てて病院に行く真珠と、送る陽平。
取り乱した真珠でしたが、五十嵐幸次(佐藤二朗)を見ると安心したように喧嘩を始めます。
そんなふたりに陽平は、自分達にも言い合いが必要なのかもしれないと思います。
その病院で陽平はドンに会います。
ドンの母親もここに入院しているのです。
カラ元気を振りまくドン。
家に戻ると美代子の姿が。
吉田拓郎の「今日までそして明日から」を聞いています。
そんな美代子に陽平は離婚届の事を訪ねますが、美代子から納得のいく回答を得ることはできません。
「不満はないけど不安がある」と言う美代子。
腹を立てた勢いで陽平は離婚届けに署名し、美代子に渡します。
その離婚届を持って美代子は家を出ます。
ドンに母親のための弁当作りを提案した陽平。
そしてドンの祖母がいない間にメイミーとドンの家に行き、弁当を作ろうとします。
しかし、予定より早く帰ってきた祖母に勝手なことをして、と責められます。
陽平は「おばあさんは正しいですが、優しくありません」とドンの優しい気持ちを語ります。
何とかできた弁当ですが、自分で渡すことのできないドン。
結局、陽平がドンの母、井上尚美(奥貫薫)渡すことに。
その弁当はドンが大好きな母のメニューを再現したものでした。
そんな洋平にメイミーは先生に向いているよと声をかけます。
正から連絡が来ました。
美代子が離婚して福島でボランティアをすると言っているというのです。
弁当を作り、正の暮らす福島へ向かった洋平。
しかし、入れ違いに美代子が帰ったとこでした。
離婚届を出しに帰ったのかもと慌てる陽平。
正に送られて陽平が駅に着いたのは、電車が出た直後でした。
うなだれる陽平に、向かいのホームから忘れ物を取りに戻って来た美代子が声をかけます。
離婚届のことを尋ねると、ジョーカーだと言う美代子。
料理教室に通う陽平に、美代子は自分が必要ないかもしれないと恐れていたのです。
そしてボランティアを通し、自分が必要とされていると感じていたのです。
これまでの想いを伝えようとする陽平、しかしその前に電車が通ります。
そして通ったところで言い直そうとしますが、そこには美代子がいません。
美代子が陽平のいるホームの方へやって来たのです。
階段で転んだ美代子、洋平の上に覆いかぶさります。
「恋妻家宮本」最後ラストの結末は?
トラブルで電源が落ちてしまったホーム。
被災地に行くためにろうそくを持っていた美代子が、それに火を付けます。
ベンチに座り、弁当のふたを開けると中身が傾いていました。
それをほおばる美代子。
陽平は先ほど言った言葉を繰り返します。
それはプロポーズの時に言った「俺はお前の作る味噌汁を一生飲みたい」でした。
もしプロポーズの時に戻れるのなら、この選択は間違っていないと言いたいという陽平。
美代子は陽平に、料理を覚えて自分のことを捨てるんだと悩んでいたことを言います。
あの離婚届は捨てられるなら捨ててやるという美代子なりの保険だったのです。
電気が復旧し、明かりにつきました。
気が付くと周りにはたくさんの人が。
恥ずかしくなったふたりは気まずそうに離れます。
ファミレスに来たふたり。
またも陽平はふたつのメニューで悩んでいます。
陽平の迷う料理両方注文する美代子。
ハンバーグのソースを聞かれると、それも美代子が決めます。
そこにすみれが通りかかりました。
もう結婚する気がないというすみれに陽平は、良いことばかりではないけど結婚してよかったと言います。
完。
「恋妻家宮本」見どころ
妻の名前が書かれた離婚届を見つける・・・夫としてはこれ以上ない衝撃だったことでしょう。
結婚生活、いいことばかりとはいえません。
それは陽平(阿部寛)も真珠(菅野美穂)も、ドンの母親(奥貫薫)も一緒です。
すみれ(相武紗季)はそんな未来が嫌になって婚約破棄を選びました。
しかし、夫婦にしかわからないことも夫婦でしか紡げない時間もあります。
劇中、何が本当の正解なのかは描かれませんし、間違っているとも描かれません。
が、優柔不断な陽平の最も正しい選択は、当初は友人からの強制でしたが美代子との付き合いだったようですね。
中高年夫婦にはギクッとなる作品かもしれません。
夫婦関係について改めて考えたい人には、今作のようなちょっと奇妙な夫婦関係を描いた「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。」もおすすめです。
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