映画「252生存者あり」は伊藤英明主演、水田伸生監督の2008年の映画です。
この映画「252生存者あり」のネタバレ、あらすじや最後のラスト結末、見どころについて紹介します。
海猿で海の事故から人の命を守る海上保安官を演じた伊藤英明さん。
そんな伊藤さんが地下で救助を待つ元レスキュー隊を演じた「252生存者あり」をご堪能ください。
「252 生存者あり」あらすじ
暗い場所で手を血だらけにし、手にした棒で壁をたたき続ける男。
誰かの名前を呼び続ける男、そんな男の横に青年が立ち尽くしています。
そこに現れたもう一人の青年は棒を手に取ります。
関東で直下型地震が発生して1週間、徐々に都市の機能が戻りつつありました。
しかし震度5強もあった地震の影響は大きく、海底に穴が開いてマグマが流出し太平洋の海水温が上昇しています。
気象庁は海水温上昇の結果、台風が来ることを予測します。
しかし、混乱を避けるために気象庁はこの発表を見送ります。
これが事態を深刻にしてしまうことに・・・
「252 生存者あり」ネタバレ
高級車のディーラーとして働く篠原祐司(伊藤英明)。
裕司は元東京消防庁のハイパーレスキュー隊員で、人命救助をしていました。
しかしある出来事をきっかけにハイパーレスキュー隊を辞め、今はさえない営業マンです。
裕司には妻の由美(桜井幸子)との間にしおり(大森絢音)という娘がいます。
しおりは耳が不自由なため普段両親とは手話で会話し、またホイッスルで呼んだりしていました。
9月15日、この日はしおりの誕生日でした。
しかし裕司はしおりへのプレゼントを買わずに帰ってきてしまいました。
怒ったしおりに裕司は明日お祝いをしようと約束します。
9月16日、裕司は銀座で買い物をして由美たちとの待ち合わせの新橋に向かいます。
しかし、デパートから出たとことで空が突然暗雲で覆われ、巨大な雹が降ってきました。
さらに巨大台風が起き、大津波によって都心は地下まで水浸しに。
一方、駅にいた由美としおりも災害のパニックに巻き込まれ、離れ離れになってしまいました。
新橋についたところでしおりを見つけた裕司でしたが、電車から降りることができません。さらに流れ込んだ大量の水によって、周囲はよりパニックにおちいります。
救助にやって来たハイパーレスキューの中に裕司の兄、篠原静馬(内野聖陽)の姿がありました。
裕司と静馬は元々、同じレスキュー隊にいました。
しかし裕司には静馬を助けるために仲間を見捨ててしまったという過去があります。
なんとか逃のびた裕司。
同じく生き延びた 重村誠(山田孝之)に会った裕司は、ロッカーに逃げ込んで無事だったキム・スミン(MINJI)を見つけます。
キムが保護してくれたおかげでしおりも無事でした。
しかしまたも大量の水が流れ込んできました。
裕司達はなんとか逃げ延びるも、その途中で水にまきこまれて多くの犠牲が出てしまいました。
その後出会った藤井圭介(木村祐一)と共に裕司達は、廃駅となった旧新橋駅へ逃げ込みます。
そして裕司はそこから要救助者ありの252のサインを送ろうと言います。
252、それはレスキュー隊の生存者ありというサインです。
レスキューの探査装置、シリウスならこの音を聞き取って助けてくれるからと裕司は棒で壁を叩いてこの音を地上へ送り続けます。
その頃、台風の影響で静馬達はレスキュー活動の中断を余儀なくされていました。
9人の子どもと妊娠中の妻がいる藤井は大阪の中小企業社長で、自社製品の水槽をきれいにするポンプを売り込みに来たところでした。
何が何でも助かりたい藤井は、裕司に言われた通り252を打ち続けます。
それに比べて非協力的な重村。
もっと人を助けられたはずだ、しおりがしゃべれないのが泣きわめかないからいいと無神経なことを言ったり、藤井のかばんを勝手に開けて飲み物や食べ物を探したりして救助者の輪を乱します。
そんなとき、しおりのホイッスルに呼ばれて裕司が様子を見に行くと、キムの状況が明らかに悪化していました。
医師である重村はキムに輸血が必要と言います。
藤井が持っていたポンプのおかげで輸血はできるものの、自分にはできないという重村。
重村に責任を押し付けないという裕司を信用できないと言いつつも、重村は唯一血液型が一致した自分の血をキムに輸血してやります。
輸血後、重村は裕司に自分の父親も医者だったこと、そして患者を救えずに訴えられてうつ病になった過去を語ります。
その頃、地上ではしおりの安否がわからず由美は取り乱していました。
そして静馬に「見捨てるのか」という言葉をぶつけてしまいます。
徐々に水漏れがしてきた地下。
そしてついに天井の崩落が起こりました。
裕司からもらったプレゼントを取りに戻ったしおりが、その崩落に巻きこまれてしまいます。
しおりを失ったかもしれないと冷静さを失った裕司。
しかし、そんな裕司達の耳にあの252が聞こえてきました。
しおりが自分の生存を知らせているのです。
裕司からのプレゼントを使って252を打ち続けるしおり。
それに気付いた藤井はしおりを助けようと救出活動を行います。
そして重村は生存を知らせるため、自ら一生懸命252を打ち続けます。
「252 生存者あり」最後ラストの結末は?
隊員の犠牲を出さないよう、慎重に指示を出す静馬。
救助したいという気持ちが強い青木(松田悟志)はそんな静馬に耐えられなくなり、ついに勝手にシリウスを持ちだしました。
そしてシリウスを使った捜索活動の結果、ついに裕司たちの252のサインに気付いたのです。
その連絡を聞いた静馬は裕司だと確信し、救助の許可を求めます。
もうすぐ台風の目に入って風が弱くなる、と聞いた静馬達レスキュー隊員。
その時間はわずか18分ほどでしたが、ついに指揮本部から救助の許可がおりました。
爆破が行われて裕司たちの姿が地上から見れるようになったものの、爆破の影響で地盤が緩み状況はさらに悪化してしまいました。
開けた穴からヘリコプターによってしおり、キムと助けられていきます。
しかし、思いのほか早く風の吹き返しが来てしまい、重村を助けたところで崩落が起きてしまいました。
そして裕司と静馬、さらにレスキュー隊員のひとりが地下に取り残されてしまいます。
そして台風が過ぎ去り、救助活動が再開しました。
助け出されたものの、何も言わない静馬。
裕司と宮内は残されたままです。
誰もがふたりの生存をあきらめた時、しおりがパパっと声を発しました。
その時、救助犬が声をあげました。
その場所から裕司が、宮内を抱えて脱出してきたのです。
完。
「252 生存者あり」見どころ
助ける側から助けられる側となった裕司(伊藤英明)。
しかし、ただ助けを待つだけではありません。
周りを動かし、時にその心をほぐしたおかげで全員無事に救出されたのです。
特にあの自分勝手だった重村が自ら252を打ち始めたシーン、そしてしおりがパパと叫んだシーンは胸に打つものがあります。
伊藤英明で災害ものだとどうしても浮かんでしまうのが「海猿」のイメージが払拭できません。
よく出演に踏み切ったと思います。
そして静馬(内野聖陽)の葛藤も見どころのひとつです。
救助するには救助隊が無事でいなければなりません。
救助隊の命も守りたい静馬、自らの命を顧みずに救助を行う青木。
青木の行いは決して正しい行為ではありません。
しかし、そのおかげで救えた命があったのも事実です。
これから青木にもレスキュー隊員として成長してもらいたいですね。
災害大国の日本にとって、これは映画だからと終わらせていい内容ではありません。
いざという時に自分を助けるのは、まずは自分自身です。
自分を守れる強さと知識を身に着けたいですね。
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