映画「ガガーリン 世界を変えた108分」は、ヤロスラフ・ザルニン主演、パベル・パルホメンコ監督の2013年のロシア映画です。
この映画「ガガーリン 世界を変えた108分」のネタバレ、あらすじや最後ラストの結末、見所について紹介します。
ソビエト連邦の宇宙飛行士、ユーリイ・ガガーリンの人生を描いた映画です。
■ スタッフ
監督: パベル・パルホメンコ
製作: オレグ・カペネツ 、 イーゴリ・トルスツノフ
脚本: オレグ・カペネツ、アンドレイ・ドミトリエフ
撮影: アントン・アントノフ
音楽: ジョージ・カリス■ 主要キャスト
ユーリー・ガガーリン:ヤロスラフ・ザルニン
セルゲイ・コロリョフ:ミハイル・フィリポフ
ワレンチン・イワノフ:オルガ・イワノワ
ニコライ・カマニン:ウラジミール・ステクロフ
父:ヴィクトール・プロスクリン
「ガガーリン 世界を変えた108分」あらすじ
1960年代のロシア。
人類初となる有人宇宙飛行を成功させるため、様々な人間たちが日々研究を重ねていた。
ここに選ばれた一人の男がいる。
ユーリ・ガガーリンである。
軍人であり優秀なパイロット。
家庭では一児の良き父でもある。
そして遂にガガーリンが宇宙へ行く日がやってきたが……。
「ガガーリン 世界を変えた108分」ネタバレ、最後のラスト結末は?
1961年4月12日にソ連の宇宙船ボストーク1号に乗り込んだユーリ・ガガーリン(ヤロスラフ・ザルニン)の、前人未踏の有人宇宙飛行の映画です。
宇宙へと1人飛び立ち、108分の孤独な旅の中で、ガガーリンは自らの半生を振り返る……。という内容になっています。
ネタバレ的な大きな出来事も特に起こりません・・・
宇宙に飛び出したガガーリンは、地球を周回し、やがて無事に帰還を果たす。
人類初の偉業を達成し、ガガーリンはロシアの英雄として持ち上げられるのです。
完全なるガガーリン賛美の映画でしょうか。
THE END
「ガガーリン 世界を変えた108分」見どころ
人類の宇宙史に名を刻んだ英雄ユーリ・ガガーリンの半生を描いた作品。
ロシアで作られた映画であり、この国では今でもガガーリンは英雄であるため、作品自体が英雄譚になってしまっているのは否めません。
それはそれで感動的なのですが、もっとガガーリン本人を掘り下げるような作品になっていればより深みが増した事でしょう。
映画が終わった後に字幕でガガーリンのその後が語られます。
英雄ガガーリンのその後は決して幸福とは言えなかったのです。
広報として全国を走り回され、二度と宇宙に行く事は叶わずに死んでしまう。
精神を病み、アルコールに頼る日々を送り、なおかつ自傷行為すらしていたというのですから驚きです。
イーストウッド監督の「父親たちの星条旗」のように、後のガガーリンを描いていた方がある意味面白かったのではないかと思うとちょっと残念です。
とはいえ、全体的にはそつなくまとめられていて楽しめる映画ではないでしょうか。
ガガーリンがロケットに乗るところから物語は始まり、同時進行で彼の過去が挿入されていく。
小さい頃の思い出、初めての恋、妻の出産、そして宇宙飛行士への道。
なぜ彼が選ばれたのか。
なぜ彼は宇宙を目指すのか。
当時の世界情勢を考えると、彼が宇宙へ行けたのは政治的思惑が非常に大きい。
それでも、初めて宇宙から地球を見た時のガガーリンの嬉しそうな表情には胸が熱くなることは間違いないでしょう。
これは政治を超えた、人類初の偉業なのですから。
今よりも40年以上も前の話のため、信じられないほど原始的な装置で宇宙に向ったガガーリン。
現代の感覚でいうと、こんなロケットで宇宙にいける事自体が驚きなのですが、なおかつ事故を起こさずに帰ってきた所もまた凄まじい。
「ゼログラビティ」のような時代じゃないからこそ、ラストの帰還シーンではアナログゆえのハラハラ感が味わえます。
夢を持つ事。
そして夢を叶える事。
今作は「宇宙兄弟」にも通じる極めてロマンティックな感傷に溢れた映画だと言えるでしょう。