「チョコレートドーナツ」は、アラン・カミング主演、2012年のアメリカ映画です。
この映画「チョコレートドーナツ」のネタバレ、あらすじや最後ラスト、結末、見所について紹介します。
アメリカの映画祭では観客賞を総ナメにした実話を元にした感動作です。
■ スタッフ
監督: トラヴィス・ファイン
製作: トラヴィス・ファイン、クリスティーン・ホスステッター・ファイン、チップ・ホーリハン、リアム・フィン
脚本: トラヴィス・ファイン、ジョージ・アーサー・ブルーム
撮影: レイチェル・モリソン
音楽: ジョーイ・ニューマン■ 主要キャスト
ルディ・ドナテロ:アラン・カミング
ポール・フラガー:ギャレット・ディラハントチョコレートケーキ
マルコ・ディレオン:アイザック・レイヴァ
マイヤーソン判事:フランシス・フィッシャー
ランバート:グレッグ・ヘンリー
州検察官ウィルソン:クリス・マルケイ
ロニー・ワシントン(黒人の弁護士):ドン・フランクリン
マリアンナ・ディレオン(マルコの母):ジェイミー・アン・オールマン
「チョコレートドーナツ」あらすじ
1979年のカリフォルニアが舞台です。
シンガーを夢見てショーダンサーとして暮らすルディ(アラン・カミング)と、ゲイであることを隠して生きる検察官のポール(ギャレット・ディラハント)は、ルディ(アラン・カミング)の働くバーで出会います。
そして、ふたりはすぐさま恋に落ちるのです。
そんなある日、ルディ(アラン・カミング)の隣の部屋の親子の母親、マリアンナ(ジェイミー・アン・オールマン)が薬物で逮捕されてしまます。
残された子供は、母の愛情を受けずに育ったダウン症の少年マルコ(アイザック・レイヴァ)でした。
マルコは一度は施設に入りますが、抜け出してしまいます。
そんなマルコを見つけ、ルディ(アラン・カミング)はマルコを引き取る事に決めます。
ルディ(アラン・カミング)とポール(ギャレット・ディラハント)から愛されて、マルコ(アイザック・レイヴァ)は、ルディとポールとともに幸せな家庭を築き始めます。
マルコは学校にも行けるようになりました。
ルディは、ポールがプレゼントしてくれた録音機でデモテープを作り、シンガーになるべくナイトクラブへ送ります。
ポールは世の中を変えたいと、弁護士として奮闘するのです。
しかし、同性愛者であるルディとポールは、そのうちに偏見の目で見られ、マルコと引き離されてしまいます。
ルディとポールは、マルコを取り戻そうと裁判を起こします。
果たしてマルコは戻れるのか?
ルディとポールは一体どうなるのか?・・・
「チョコレートドーナツ」ネタバレ
幸せな3人の生活は長くは続きませんでした。
ポール(ギャレット・ディラハント)は、職場の上司であるウィルソン(クリス・マルケイ)に、同性愛者を理由に解雇されてしまいます。
そして、一度はマルコの母親から受けた親権の委託まで、とりあげようとするのです。
裁判は偏見の目によって公正とは言えないモノになっていました。
そして、ルディとポールが最後に頼ったのは黒人弁護士のロニー・ワシントン(ドン・フランクリン)でした。
ロニーは二人の偏見差別に対する熱い想いをぶつけられ、弁護を承諾します。
自分も黒人として感じるトコロがあったのでしょう。
ロニーは、なかなかのやり手で、逆転できる切り札を見つけました。
喜ぶルディとポール・・・
「チョコレートドーナツ」ラスト最後の結末は?
ルディとポールのマルコにそそぐ愛情を知っている証人達は、みな素晴らしい関係だと証言します。
しかし、裁判ではマルコの母親が、マルコの親権を戻すというウルトラCによって負けてしまいます。
それは、何が何でも勝ちたい検察側のあり得ない方法でした。
釈放してやるかわりに親権を請求するようにマルコの母親に持ち掛けたのです。
結果、マルコは引き取られていきました。
しかし、母親がまた薬物に手を染めているうちに、マルコは夜の町へ出ていきます。
そして町をさまよい、そのまま最後に亡くなってしまうのです・・・
映画「チョコレートドーナツ」の最後のラスト結末は、そのマルコが亡くなった新聞記事と手紙を添えてポールが元上司のウィルソンとマイヤーソン判事(フランシス・フィッシャー)、そして弁護士のランバート(グレッグ・ヘンリー)に送ります。
「知的障害のあるマルコという少年が、3日間家を捜し歩いた末、橋の下で独り死んだそうです。マルコは心の優しい賢く楽しい子供でした。チョコレートドーナツが大好きでディスコダンスの達人でした。読んで聞かせる話はハッピーエンドが大好きでした・・・」
各人がその手紙を読む姿と、新しくシンガーとして歌を歌うルディ(アラン・カミング)の姿、そして夜の町をさまようマルコの姿を交互に写してTHE ENDです。
何とも言えないバッドエンドでした。
映画の冒頭で夜の街を歩くマルコが写しだされるのですが、もしかしたらこのシーンがマルコの最後の夜のシーンだったのかもしれません。
「チョコレートドーナツ」見どころ
「チョコレートドーナツ」の見所はなんといってもルディ役のアラン・カミングです。
映画の冒頭では、気色悪いオカマちゃんぐらいの認識でしたが、話が進むにつれルディの偏見の無い素直な心と思いが胸を打ちます。
そして素晴らしくキレイな人間に見えてしまうのです。
家庭局がマルコを事務的に連れて行く際には、その追い立てるようなやり方にルディは抗議します。
マルコにも嘘をつきません。
「ママは戻ってくる?」「いいえ」
「いっしょにいてもいい?」「わからない」
「薬物依存の母親も、他の子と違うこともあの子が望んだわけじゃない。あの子は何も悪くないのに」
「普通と違うから親失格なのか?」
熱いルディの思いと、カミングアウトまでしてでもマルコを守ろうとするポールの姿には、目頭が熱くなります。
ルディとポールがマルコを引き取って部屋に入れたシーンはグッときました。
マルコが「ぼくのうち?」と聞くとルディが「そうよ、ここがおうちよ」と答えます。
するとマルコが泣きだすのです。うれしくてと言って・・・
裁判に負けてしまった後は、悲しすぎました。
マルコは迎えに来ると言ったルディとポールを信じ、かばんに荷物を詰めて待ちますが来ませんでした。
マルコは夜、ベットでひとり泣くのです。
そして引き取られる際にも「ここはうちじゃない」と言います。
それが伏線だったのでしょうか。
マルコは、母親から部屋から出て待つように言われ、そのまま町へ・・・
ルディ(アラン・カミング)が歌うシーンもあるのですが、コレも圧倒されます。
フランス・ジョリの79年のヒット曲「カム・トゥ・ミー」
ローズ・ロイスの78年の曲「ラヴ・ドント・リヴ・ヒア・エニイモア」
特に映画のラストで歌うボブ・ディラン「アイ・シャル・ビー・リリースト」は鳥肌が立ちます・・・
この心洗われる感動と涙は、体験すべき!