映画「バクマン。」は、 2015年の佐藤健、神木隆之介主演。大根仁監督の日本映画です。
この映画「バクマン。」のネタバレ、あらすじや最後ラストの結末、見所について紹介します。
漫画家を目指す二人の少年の青春ストーリー「バクマン。」をお楽しみください。
原作は大場つぐみ、小畑健のマンガです。
■ スタッフ
監督: 大根仁
製作:市川南
脚本: 大根仁
撮影: 宮本亘
音楽: サカナクション■ 主要キャスト
真城最高:佐藤健
高木秋人:神木隆之介
新妻エイジ:染谷将太
亜豆美保:小松菜奈
福田真太:桐谷健太
平丸一也:新井浩文
中井巧朗:皆川猿時
川口たろう:宮藤官九郎
服部哲:山田孝之
佐々木:リリー・フランキー
「バクマン。」あらすじ
行きたい大学もなく、部活にも入っていない真城最高(佐藤健)の密かな趣味は、クラスメイトの亜豆美保(小松菜奈)をイラストにして描くこと。
ある日そのイラストをクラスメイトの高木秋人(神木隆之介)に見られてしまったことから彼の人生は大きく舵を切ることになります。
高木(神木隆之介)から一緒に漫画家になろうと誘われた彼は、イラストを亜豆(小松菜奈)本人に見られたことから、ずっと好きだった彼女と相思相愛だったことを知りました。
そして彼女と約束するのです。
アニメ化されるような漫画を書くからその時は、ヒロインの声を亜豆(小松菜奈)にやって欲しい、と―――。
こうして原作高木(神木隆之介)、作画真城(佐藤健)の二人で漫画家となった彼らは、お互いをサイコー(佐藤健)、シュージン(神木隆之介)と呼ぶ仲になり、漫画界の最高峰少年ジャンプでの連載を目標に進み始めます。
ジャンプの掲げる「友情・努力・勝利」が詰まった彼らの青春の結末は・・・?
「バクマン。」ネタバレ
サイコー(佐藤健)は、シュージン(神木隆之介)を、叔父で漫画家だった川口太郎(宮藤官九郎)の仕事場へ案内します。
早くに亡くなった叔父の形見でもあるこの場所で漫画家としてスタートしたサイコー(佐藤健)は、早速シュージン(神木隆之介)とこれからについて話し合います。
まずシュージン(神木隆之介)がネームを練るところから作業が始まるため、その間ペンに慣れる為描きまくって練習しながら待っていたサイコー(佐藤健)は、ある日自分たちと同じ高校生で賞に入選した新妻エイジ(染谷将太)の存在を知りました。
天才的なスキルを持つ彼の作品を読んで気がはやるサイコー(佐藤健)。
そんな彼にやっとシュージン(神木隆之介)からのネームが届きます。
近未来を舞台にした作品。
それを夏休み期間中に仕上げた彼らは、いよいよジャンプ編集部へ持ち込んでみることにしたのです。
壁中ポスターで埋め尽くされ、資料が机をはみ出してまで積み上げられたうっそうとした編集部で迎えてくれたのは、寝起きの服部(山田孝之)でした。
この作品が彼らの一作目だと知るともう一度書き直して持ってくるように、と携帯番号を書き込んだ名刺を渡してくれた服部(山田孝之)。
大喜びのサイコー(佐藤健)たちは、跳ねるようにして仕事部屋に帰り、早速修正点を直して描き上げます。
順調なスタートを切ったサイコー(佐藤健)の漫画家生活でしたが、しかしに学期が始まった学校には悲劇が待っていました。
亜豆(小松菜奈)が退学するというのです。
声優になりたいと努力している彼女に仕事の依頼が入ってきたものの、この学校は芸能活動を認めていないのが理由でした。
それでも約束の日を待ってる、と言ってくれた亜豆(小松菜奈)。
そんな彼女に応えるべく、二週間で直した原稿を再び持ち込んだサイコー(佐藤健)たち。
服部(山田孝之)からは、これをもう少し手直しして手塚賞に出してみないか、との誘いを受けました。
しかしこれでは入選は獲れないと言われたサイコー(佐藤健)は首を縦に振りません。
そこへ現れたのが編集長(リリー・フランキー)です。
かつて叔父(宮藤官九郎)の担当として打ち切りを言いに来ていた編集長(リリー・フランキー)の事を覚えているサイコー(佐藤健)に彼は、ジャンプには面白いものしか載せられない、君たちのはまだ載せられない、と言い放つのでした。
こうまで言われて闘争心が燃えないはずがありません。
二人は絶対手塚賞を獲るぞ!と意気込んで作画に入ります。
そうして完成した作品は見事準入選に入りました。
そこでサイコー(佐藤健)はあのエイジ(染谷将太)に会ったのです。
準入選が同じ高校生だと聞いてやってきた彼は、もう連載を持っています。
シュージン(神木隆之介)のストーリーを褒めるも作画に対しては、僕が書いたほうがうまいと言うエイジ(染谷将太)にライバル心を滾らせるサイコー(佐藤健)。
しかし彼の絵が素晴らしい出来栄えであるのは事実なのです。
その作画を目の当たりにしたサイコー(佐藤健)はそれでも、エイジ(染谷将太)に宣戦布告をします。
僕たちもすぐに追いつきますから、と。
するとエイジ(染谷将太)は、その頃にはジャンプで一番になってる、というとその場を去っていったのでした。
こうしてエイジ(染谷将太)に初対面を果たしたサイコー(佐藤健)達ですが、出会いはそれだけではありません。
佳作に入った福田真太(桐谷健太)、初めて書いたギャグマンガで赤塚賞を獲った平丸一也(新井浩文)、15年ものアシスタント生活を経て初めて佳作を獲った中井巧郎(皆川猿時)。
彼らとの出会いは、同じ漫画家のスタートに立った者どうし連載を目指す仲間として絆を結ぶことになるのです。
仕事場に集まって呑み会となった彼らですが、ただサイコー(佐藤健)はその大騒ぎの中にあってもひとり冷静でした。
表彰式の会場で見たエイジ(染谷将太)の新連載に圧倒されていたのです。
このままではダメだ・・・そう考えた彼らが連載会議に提出したのは、準入選をより王道に近づけたものでした。
しかし、福田(桐谷健太)らが皆連載を決めたのに対し、サイコー(佐藤健)達は落ちてしまいます。
編集長から却下がくだされたのです。
曰く、これはジャンプのヒット漫画の良いとこどりでしかない、と―――。
次の連載会議は四月。
それまでに自分たちらしい漫画を見つけることがサイコー(佐藤健)達に課せられました。
ぼんやりと体育館で部活動に勤しむ生徒たちを見ながら次回作を考えていたとき、突如シュージン(神木隆之介)にアイディアが降ってきます。
彼はそのアイディアを形にするため足早に帰っていきます。
サイコー(佐藤健)に、学園モノのキャラクターを作っておけ!とだけ言いおいて。
何日もかけてネームを仕上げてきたシュージン(神木隆之介)は、天才エイジ(染谷将太)に勝つために自分たちの平凡な部分を使うべきだと考えたようです。
つまり子供の時から漫画しか描いて来なかったエイジ(染谷将太)に比べ、こないだまで普通の学生をやっていた自分たちの方が読者の感覚に近い、というのです。
シュージン(神木隆之介)はあえて、王道のエイジ(染谷将太)に邪道で勝負する事を提案し、二人は新しい作品に取り掛かりました。
そうして出来上がった作品は、無事連載会議を合格し、彼らは少年ジャンプの連載作家になったのです。
サイコー(佐藤健)たちのデビューを編集部でも煽ります。
エイジ(染谷将太)との高校生漫画家バトル、と称して紙面に並べたのです。
一話目が載ったジャンプの見本を受け取りに行った日。
サイコー(佐藤健)はエイジ(染谷将太)に再会します。
バトルと書いてある以上どうやって決着をつけますか?と聞いてくるエイジ(染谷将太)に、彼はアンケート一位をどちらが先に取るか、という方法を提案しました。
こうして彼らは同じ土俵で戦うことになったのです。
しかし、初回こそ三位につけたサイコー(佐藤健)でしたが、やはり単行本が出るほど先に進んでいるエイジ(染谷将太)にはなかなか勝てません。
そのあとは順位を下げる一方の彼らに対し、エイジは(染谷将太)は安定の2位です。
しかも初めての掲載誌が週刊連載ということで、そのスケジュールの過密さにも体が悲鳴を上げ始め、サイコー(佐藤健)達はついに10位まで落ちてしまいました。
そこでシュージン(神木隆之介)が決断します。
一旦主人公を殺して、ヒロインを出す、と。
そう言ってサイコー(佐藤健)の描き溜めた亜豆(小松菜奈)のイラストを見せると、思いの外服部(山田孝之)が食いついてきました。
こうして登場させたヒロインが人気を得て、彼らの漫画は徐々に順位を上げていきます。
表紙を任された号ではついに、エイジ(染谷将太)に並んで二位を獲得。
その知らせに高揚する二人ですが、しかしサイコー(佐藤健)の体は限界でした。
彼はトイレに行ってそのまま倒れてしまったのです。
結局入院措置が取られたサイコー(佐藤健)。
知らせを聞いて駆けつけた編集長(リリー・フランキー)は、彼らの作品の長期休載を決定します。
川口太郎(宮藤官九郎)を死なせてしまった過去を持つ編集長(リリー・フランキー)は、高校生である彼らに無理をさせすぎたとの想いが強いのです。
描きます、とサイコー(佐藤健)が必死に訴えても、編集長(リリー・フランキー)は決定を覆すことなく立ち去るのでした。
巻頭カラーのタイミングでの入院。
そこへ亜豆(小松菜奈)がお見舞いに来てくれました。
緊張と嬉しさで挙動不審なサイコー(佐藤健)。
そんな彼に、事務所から恋愛禁止を言い渡された、と亜豆(小松菜奈)が呟きました。
彼の漫画に出てくるヒロインが亜豆(小松菜奈)に似ているということはネット上でも噂になっており、これからは今までみたいに会えないというのです。
涙ながらにそう語り、帰ろうとする亜豆(小松菜奈)。
そんな彼女にサイコー(佐藤健)は確認せずにはいられませんでした。
あの約束はどうなるのか、と―――。
すると亜豆(小松菜奈)は涙に濡れた顔を柔らかく綻ばせて、先に行くから、と言って微笑むのでした。
彼女のその言葉はまさに、サイコー(佐藤健)が描いた前号のラストでヒロインが言った言葉でした。
それを聞いて、瞳に力が戻ってくるサイコー(佐藤健)。
彼は病院を抜け出し、仕事場に戻るのです。
シュージン(神木隆之介)と二人、作品に穴を開けないように猛然と描き始めるのでした。
「バクマン。」最後のラスト結末
翌日になって服部(山田孝之)がやってきます。
窘めようとする服部(山田孝之)ですが、心配してきていた福田(桐谷健太)は少し違うようです。
同じ漫画家として真城(佐藤健)の決意が痛いほど分かる彼は、平丸(新井浩文)・中井(皆川猿時)と共に彼らの漫画を手伝い始めました。
これを聞いたエイジ(染谷将太)はサイコー(佐藤健)たちの仕事部屋を訪れます。
そして言うのです。
友情・努力・勝利なんてものは、所詮漫画の中の世界だと―――。
そう言って、力をふり絞るようにしてペンを入れていたサイコー(佐藤健)から原稿を引き寄せると、チョイチョイっと手を加え始めてしまいました。
この方がずっと良い、そう言って描き込まれた原稿を見ながら静かに涙をこぼすサイコー(佐藤健)でしたが、グッとエイジ(染谷将太)のペンを押さえます。
俺以上にこの漫画をうまく書ける人間がいるわけがない、そう言うサイコー(佐藤健)にエイジ(染谷将太)は、待ってますから、ジャンプで・・・とだけ言うと帰っていったのでした。
彼の登場により奮起した彼らは、無理かと思われた残り3枚を描き上げ揃って編集部へと乗り込みます。
編集長(リリー・フランキー)に直接原稿を渡すためです。
じっくりと原稿に目を通す編集長(リリー・フランキー)。
難しい顔をして読んでいた彼でしたが、最後には笑を浮かべて言いました。
君たちの勝ちだ。
彼らの作品は掲載されることになったのです。
こうしてジャンプに間に合った彼らの作品は、その号でついにアンケート一位を獲りました。
大喜びする二人。
この一位を最後に、彼らの作品は徐々に順位を下げ、最後は打ち切りとなってしまったのですが、しかし高校生のうちに週刊ジャンプで連載を持ち、なおかつ一位を獲った事は事実として彼らの中に刻まれています。
無事迎えた高校生活最後、卒業式の日。
就職にも大学にも進まなかった彼らは、晴れて明日から無職です。
しかし二人の顔を希望に満ちているのです。
サイコー(佐藤健)とシュージン(神木隆之介)は、次作に向けてのアイディアを黒板に描き連ねて―――この物語はおしまいです。
完。
「バクマン。」見どころ
亜豆が原作ほどの甘さがないプチクールな美少女だったり、エイジが少しサイコーたちを小馬鹿にしているような描写には違和感を覚えましたが、しかしそれでも面白かったと言わざるを得ない作品でした。
漫画の中でサイコーたちとエイジが戦う演出だったり、黙々と描き進める地味な作業にプロジェクションマッピングを重ねる手法がとても新しくて楽しかったです。
キャスト陣が発表された際には、サイコーとシュージンを演じられた佐藤さんと神木くんを、反対じゃないのか?なんて声も多く聞かれた今作でしたが、劇中で二人は見事その声を跳ね除けていました。
サイコーの強い眼、オーバーリアクションなシュージンなど、原作そのものの二人が見られてとても幸せでした。
またエイジ役の染谷将太さん。
彼がものすごく良かった。
とってもとってもチャーミングで可愛かったんです。
魚の死んだ目、と揶揄されることもあるという彼の目が、まん丸く見開いてとても印象的なチャームポイントになっていました。
だからこそ、彼にはもっと原作に近い天真爛漫なエイジをやって欲しかったという思いは残ります。
けれど久しぶりに暴力とは無縁の山田孝之さんのオドオド演技も見られたし、役者の力と演出がとてもうまく組まれた作品だと思います。
エンディングにはスタッフロールが単行本の背表紙で表現されていたり、漫画という媒体へのリスペクトがとても感じられました。
一生懸命頑張ること、ジャンプの掲げる理念がそのまま実写化されたような映画なので、ご家族でご覧になってみて下さい。
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