映画「U-571」は、マシュー・マコノヒー主演、ジョナサン・モストウ監督の2000年の映画です。
この映画「U-571」のネタバレ、あらすじや最後ラストの結末、見所について紹介します。
息詰まる潜水艦の戦いを描く「U-571」をお楽しみください。
「U-571」あらすじ
1942年、第二次大戦の真っただ中。
艦長 マイク・ダールグレン少佐(ビル・バクストン)副艦長 アンドリュー・タイラー大尉(マシュー・マコノヒー)率いるS33潜水艦の乗組員達は上陸許可をもらって仲間の結婚式に出席していました。
しかし、上陸許可は取り消され、極秘の重要任務に就くように命が下り、S-33の外観はUボートそっくりに作り変えられました。
更に特殊部隊のマシュー・クーナン少佐(デービット・キース)も乗り込み、乗組員たちはどんな事をするのかも知らされる事無く出港しました。
やがて、航海が進むうち、クーナン少佐から将校クラスの乗組員に説明がありました。
大西洋上で輸送船を撃沈した直後のドイツ潜水艦(通称 U-ボート)U-571が、イギリスの駆逐艦に攻撃を受けてエンジンが動かなくなってしまっているとの情報が入ったのです。
しかも、そのU-571にはドイツの最高機密であるエニグマ暗号機があるというのです。
今回の任務はU-571の修理に来た潜水艦にS-33が成り代わり、隙をついて乗組員を制圧、U-571を撃沈して秘密裏にエニグマを奪取する事だったのです。
ドイツ軍にはU-571が力尽きて沈んだと思わせ、エニグマ奪取を気付かせない事がこの作戦の重要な所です。
この作戦はうまくいくのか?・・・
「U-571」ネタバレ
やがて、S-33は本物のドイツ軍の救援を出し抜き、先にU-571と出会う事が出来ました。
予想通り、U-571は沈んではいなかったもののエンジンが破損して動かず、海流に乗って動く事しか出来ない状態でした。
修理を待ちわびていた乗組員たちはドイツ軍に化けたクーナン少佐達を何の疑いもなく迎え入れました。
しかし、全員がU-571に乗り込もうとした時、ドイツ側の一人がクーナン少佐達が隠していた武器に気付き、あっと言う間に戦闘が始まってしまいました。
ドイツ側はU-571を急いで潜航させようとしましたが、その前に部隊が中に入り込み、激しい銃撃戦の末に艦を制圧、エニグマ奪取にも成功しました。
ところが、捕虜や暗号機をS-33に移し、U-571を爆発させて沈めようとした直前、救援に来ていた本物のU-ボートによりS-33が撃沈されてしまいます。
S-33に乗り込む直前だったタイラー大尉達は急いでU-571に戻るしかありませんでした。
タイラー達は勝手の分からないドイツ潜水艦を操って逃げようとしますが、敵は魚雷を発射して攻撃してきました。
ドイツ語表記で操作方法もよく分からない中、ギリギリで魚雷をかわし、何とか反撃して相手を撃沈する事が出来ました。
何とか当面の危機は脱したとはいえ、蓄電池は動かず、エンジンも右舷は完全にダメで左舷も修理が必要な状態でした。
S-33の生存者はドイツ軍の電気技師一人だけで、他は敵も味方も全員死んでしまいました。
それでも、タイラーは生き残った者達でU-571を動かし、最寄りの港まで向かう事を決定します。
何とかエンジンを修理し、港に向かっていると、ドイツの駆逐艦と遭遇します。
更に捕虜が機関室の修理をしていた「タンク」ことクレメンス機関士を殴り倒して、一時機関室を占拠し、気圧バルブをいじって潜航できなくしてしまいます。
相手はU-571を故障した味方の潜水艦だと思って近づいてきましたが、タイラー達はいきなり砲台で駆逐艦の通信室を破壊し、U-571が制圧されたと連絡されないようにした上で修理時間を稼ぎました。
間一髪で修理は終わり、U-571は潜航して海の中に逃れました。
しかし、駆逐艦は辺り一面に機雷を巻いて攻撃してきました。
反撃する術のないU-571は息をひそめてやり過ごすしかありません。
「U-571」最後ラストの結末は?
更に捕虜の破壊工作で右舷のスクリューが停止してしまい、速度が殆ど出なくなってしまいます。
最初は遠くで爆発していた機雷も、やがて艦の近くで爆発するようになり、U-571の乗員たちは爆破の衝撃でケガを負います。
それでもタイラーは希望を捨てず、反撃の策を練ります。
まず限界深度ギリギリの160mまで潜るように指示しました。
そして、発射管からゴミや仲間の死体を捨てて感が沈んだように偽装します。
駆逐艦がゴミに気が付いて、それを調べる為に船を止めた所を、距離をとって浮きあがったU-571が船尾発射管から最後の魚雷一発を駆逐艦に撃ち込む作戦です。
しかし、駆逐艦はU-571が限界深度にいると察し、それに合わせて機雷をバラまいてきました。
それらをやり過ごすため、震度200まで潜るように指示します。
水圧と機雷攻撃で艦隊がきしむ中、攻撃に備えますが、発射管の修理が終わりません。
配管からの空気漏れで気圧が上がらないのです。
修理には狭い所にあるバルブを閉める必要があり、小柄なテッド・「トリガー」・フィッツジェラルド無線技師(トム・グイリー)が選ばれました。
破損個所は水没している上にトリガーでも手が届くのが困難な位置にあり、一旦は諦めかけましたが、タイラーの説得により無茶と知りながら潜り、最後は酸素のチューブを捨て、自分の命と引き換えでバルブを閉めて発射可能の状態にしました。
気圧が上がり発射可能になるとタイラーはすぐに魚雷発射を命令し、思いもかけない攻撃を受けて駆逐艦は回避しきれず、撃沈されてしまいました。
そして、U-571の乗組員たちはボロボロの艦を捨てて救命ボートで脱出。
数日後にエニグマと共に連合軍に救出されて見事に任務を成し遂げたのでした。
THE END
「U-571」見どころ
第二次世界大戦の最中、実際にあったエニグマ暗号機奪取作戦を基にした作品です。
海上や海中での砲撃や、機雷、魚雷を用いた戦闘シーンは圧巻です。
特に、機雷を海中で息をひそめてじっとやり過ごすシーンは潜水艦ものならではの緊張感があり手に汗握らずにはいられません。
潜水艦の息詰まる緊張感はこちらの作品もおすすめです。
また、作品中で艦長が突然戦死してしまい、図らずも指揮官となったタイラー大尉の成長や葛藤も見ものでした。
実は、タイラー大尉は副艦長として優秀な働きをし、艦長になる事を希望していました。
しかし、上官であるダルグレン艦長から、部下の命を危険にさらしてでも任務を成し遂げる決断をする非情さがないと艦長昇進を見送られていました。
また、その優しさゆえに、逼迫した場面で部下に信頼されない時もありました。
U-571でドイツ軍の振りをして航行中、ドイツの偵察機が近づいて来た時、タイラーは部下に「撃ち落とすな。やり過ごせ」と指示しましたが、恐怖にかられた部下がその命令を無視して「このままじゃ死ぬ。撃ち落とせ!」と叫び、危うく仲間割れを引き起こすところだったのです。
しかし、話の終盤で、トリガーの命が危険にさらされると知りながら無理やり彼を説得して修理をさせ、その為に全員の命が救われたとはいえ、トリガーは死んでしまったと知ります。
しかし、後悔することなく、仲間のために死んでいったトリガーに敬意を表していました。
その姿に、古株の機関士であるクロフ曹長は「あなたの指揮する艦なら、いつでも喜んで乗らせていただきます」と言葉を送っています。
危機に瀕し、指揮官として一歩成長するその姿も見どころの一つでした。
作品中では、敵であるドイツぐ軍兵士の人間臭い部分も描かれ、そんな人同士が殺し合わなくてはいけない戦争は、やはり悲劇だと思いました。
しかし、また同時に国や仲間の為に命を懸け、信念を胸に困難な状況の中で戦う兵士たちの雄姿が感動的で胸に響く作品でもありました。
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