映画「そして父になる」は福山雅治主演、是枝裕和監督の2013年公開の映画です。
この映画「そして父になる」のネタバレ、あらすじや犯人、最後のラスト結末や見どころについて紹介します。
子供の取り違えが発覚することで起こる二つの家族の物語「そして父になる」をお楽しみください。
「そして父になる」あらすじ
おおまかな、あらすじは「子供の取り違え」です。
野々宮良多(福山雅治)と野々宮みどり(尾野真千子)夫妻の長男、慶多(二宮慶多)。
斎木雄大(リリー・フランキー)と斎木ゆかり(真木よう子)夫妻の長男、琉晴(黄升炫)が実は病院で取り違えられていた事が発覚します。
野々宮良多(福山雅治)は、建設会社の重要なポストに就き、都心の高級マンションに住むいわゆる勝ち組。
斎木雄大(リリー・フランキー)は、群馬県で小さな電気店の自営業で3人の子供のいるごく普通の家庭。
子供の取り違えの場合、ほぼ血の繋がりを選ぶケースが圧倒的なのですが、両家ともに愛情を注いできた子供を手放す事に抵抗を感じます。
結局、両家ともに戸惑いながらも、子供を交換する期間をもうけて徐々に血の繋がった子供との暮らしに移行していこうと努力をします。
しかし、両家ともに価値観が違います。
おかれる立場も、経済的環境も・・・
なかなか大人同士の考え方で、思うように行かないのです。
そして子供当人も・・・
そんな家族のお話なのですが、この話は、両家の親同士の葛藤でしばらく話が進みます。
子供の取り違えも、実は事故ではなく第三者(病院の看護師)における嫉妬からの行為でした。
すべて大人の世界の話なのです。
そして・・・
「そして父になる」ネタバレ 野々宮家
野々宮良多(福山雅治)は、ずっと社会で戦い勝ち取ってきた人生でした。
息子の慶多(二宮慶多)は競争とは程遠い優しい性格で、それを野々宮良多(福山雅治)はあまり良く思っていません。
しばらくは、両家家族ぐるみの交流をしますが、子供の交換を少しずつしていこうと提案したのも野々宮良多(福山雅治)でした。
この時、すでに野々宮良多(福山雅治)は、血の繋がった琉晴(黄升炫)の方に興味があったのかもしれません。
そんな良多(福山雅治)に、みどり(尾野真千子)不信感を覚えます。
しまいには、お金を払って子供二人とも引き取ると言い出す良多(福山雅治)との間に亀裂が入ります。
みどり(尾野真千子)は、血が繋がっていなくても、今まで育ててきた慶多(二宮慶多)を手放せないのです。
そして子供の交換が始まり、それなりに楽しく過ごせるのですが・・・
あれこれ厳しくしつけようとする良多(福山雅治)にイヤ気がさして?琉晴(黄升炫)は家出してしまいます。
何のことは無い、元の家である斎木家(リリー・フランキー)に帰っただけだったのですが。
「そして父になる」ネタバレ 斎木家
斎木家は貧しいながらも大家族で賑やかに暮らしてきた家族です。
雄大(リリー・フランキー)は、子供との時間を大切にする父親で、ゆかり(真木よう子)は肝っ玉母さん。
雄大(リリー・フランキー)は、病院側に賠償金を払わせようとかヘラヘラしていますが、どこか憎めないオヤジなのです。
血の繋がった慶多(二宮慶多)にも分け隔てなく接します。
慶多(二宮慶多)もおそらく居心地は良かったと思います。
今まで野々宮家にはなかった家族団らんがありましたから・・・
しかし、慶多(二宮慶多)の心のどこかで自分は、良多(福山雅治)や、みどり(尾野真千子)に嫌われた。見放されたという思いがあったのでしょう。そのしぐさの演技には脱帽です。
「そして父になる」最後のラストの結末は?
話の終盤まで大人の立場の話で進行していて、子供達の思いを無視していたことに気付かされます。
特に良多(福山雅治)は、自分の身勝手さ、父親としての未熟さに気づくのです。
慶多(二宮慶多)が会いに来た良多(福山雅治)から逃げ出すシーンは秀逸です。
慶多(二宮慶多)の本当の思いがわかった良多(福山雅治)は、慶多(二宮慶多)を追いかけ、とうとうと語りかけるのです。
そして少し心の距離が近づいた二人は、一緒に斎木家に戻ります。
ここでエンディングです。
「そして父になる」のラストは明確な終わり方ではありません。
ただ、これからは今までよりもきっと親子の関係が上手くいくだろう。という予感を感じさせるのです。
「そして父になる」見どころ
私個人的には、両家族の違いをもっと明確にするのなら、斎木ゆかりは真木よう子じゃなかった方が良かったと思います。
野々宮良多(福山雅治)と斎木雄大(リリー・フランキー)は明確な違いを演出できましたが、野々宮みどり(尾野真千子)と斎木ゆかり(真木よう子)では差があまり感じられません。
もっと庶民的な女優さんが良かったかと・・・
家族の話ということでは同じ是枝監督の「万引き家族」も秀作です。
野々宮良多(福山雅治)は、今までの自分の至らなかったコトに気づき、これからもっと父親らしくしようと意識が変化するのですが、斎木雄大(リリー・フランキー)はソレが描かれていません。
斎木雄大(リリー・フランキー)が父親として大正解ではなくて、斎木雄大(リリー・フランキー)にも改善点を知る演出があったら面白かったと思います。
ただ、映画を見る側は、自分だったらどっちのタイプの父親だろう?と考えながら見るとますます良いかも。
子供がいる方は必見です。
野々宮良多(福山雅治)の心の変化、子供達の本音を秘めた演技が、この「そして父になる」の見所ではないでしょうか。
病院の取り違えの犯人である看護師のくだりは、けっこうあっけなく済んでしまって拍子抜けでした。
そこはこの作品においてあまり重要ではなかったのかな?
是枝監督は「震災後、家族の絆だけを語ることが多いと感じていた。この映画で、人をつなぐのは血だけではない、と声高にではなく伝わるのなら、今届ける意味はあると思いました」とコメントしていました。
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