映画「パーフェクト・ルーム」は、ウェントワース・ミラー主演、エリク・バン・ローイ監督の2014年アメリカ映画です。
この映画「パーフェクト・ルーム」のネタバレ、あらすじや犯人、最後ラストの結末、見所について紹介します。
5人しか知らない共有部屋で殺人が?「パーフェクト・ルーム」をお楽しみください。
2008年にベルギーで製作され「ロフト」をハリウッド版にリメイクした作品です。
「パーフェクト・ルーム」スタッフ・キャスト
■ スタッフ
監督: エリク・バン・ローイ
製作: ヒルデ・デ・ラーレ、マット・デロス他
製作総指揮:バーバラ・ケリー、スティーブ・ゴリン他
脚本: バルト・デ・パウ
撮影: ニコラス・カラカトサニス
音楽: ジョン・フリッゼル■ 主要キャスト
ビンセント:カール・アーバン
クリス:ジェームズ・マースデン
ルーク:ウェントワース・ミラー
マーティ:エリック・ストーンストリート
フィリップ:マティアス・スーナールツ
サラ:イザベル・ルーカス
アン:レイチェル・テイラー
「パーフェクト・ルーム」あらすじ
停まっている一台の車の屋根に降ってきた人影。
窓ガラスを割りピクリとも動かないその人を、側のビルの上階から見ている者が・・・。
こうして始まったこの作品は、固い男の友情で結ばれたビンセント(カール・アーバン)・クリス(ジェームズ・マースデン)・ルーク(ウェントワース・ミラー)・マーティ(エリック・ストーンストリート)・フィリップ(マティアス・スーナールツ)の五人の物語です。
社会的地位も高く、裕福な暮らしをしている彼らには共有している部屋があって・・・。
彼らは妻に隠れて楽しむ場所として高級アパートメントの一室を買っていたのです。
ところがある朝、そこで金髪女性の死体が見つかって―――。
彼女は一体誰なのか?
どうやってこの部屋に入り込んだのか?
そして彼女は一体誰に殺されたのか・・・?
部屋の鍵は五本のみ、部屋のことは五人以外誰も知らないという特殊な密室で起こったこの事件は、一体どこに着地するのでしょうか?
「パーフェクト・ルーム」ネタバレ
死体の第一発見者はルーク(ウェントワース・ミラー)でした。
広いワンルームの奥で、右手を手錠でベッドに繋がれうつ伏せ状態で動かない金髪女性。
その左手は切りつけられており、ベッドは血まみれ状態です。
動揺した彼の連絡で一番にやってきたのはスティーブンス(カール・アーバン)。
駆けつけた彼は死体を見て言葉を失います。
この女を知っているか?と聞かれたスティーブンスも知るわけがないと答え、どうやって女性と犯人がこの部屋に入ったのか皆目見当がつかないようです。
玄関と窓の鍵は閉まっていましたが、防犯センサーが切られていた状態だった事から、誰かが僕らの鍵を使って入った、と推測するルーク。
続いて、クリス(ジェームズ・マースデン)がやってきました。
死体を見た彼は思わずといった様子で、ちくしょうフィリップめ!と口にします。
彼の異父弟であるフィリップ(マティアス・スーナールツ)には、女性に暴行を働いた過去があるからです。
警察を呼ぼう、というクリスですが、スティーブンスは認めません。
彼は何としてもこの部屋の存在を妻に知られるわけにはいかないのです。
そうするうち、マーティ(エリック・ストーンストリート)も到着し、先の三人と同じようにベッドの死体に驚愕します。
しかし、フィリップも来て五人揃わない事には状況の解明すらできません。
何度掛けても繋がらない彼の携帯を鳴らし続けるクリスですが、その時マーティが何かを発見しました。
死体の横たわるベッドボードに、枕に隠れるようにして書かれた血文字。
「ファトゥム ノス ユンゲビット」と書かれたそれはラテン語で、運命が我々を結びつける、という意味です。
女性の側には凶器となったナイフも落ちています。
そこへ登場したのがフィリップ(マティアス・スーナールツ)でした。
状況が全くわかっていない彼に突進し、掴みかかるルーク。
お前がやったんだろう!と決め付けて怒りをぶつけますが、彼は昨日婚約者と一緒にいた、とアリバイがある様子。
朝から連絡がつかなかったのも不動産開発の大物である義父と一緒に建築現場に行っていたからだ、と疑われている事に激高しながら答えます。
フィリップも見知らぬ女だということは、この女性は一体誰なのか、そして何故ここで死んでいるのか・・・謎は深まるばかり。
そもそもこの部屋にはルールがありました。
使う場合には全員にメールで知らせること、部屋の存在を他の人に漏らしてはならない。
こういったルールを決めたのもまたスティーブンスでした。
彼はフィリップの婚約式で、彼ら四人に鍵を渡したのです。
合鍵は自分を含め五本しかない、そう説明する彼でしたが、強引に手渡されたルークや喜び勇んで受け取ったマーティ達と違い、クリスだけが受け取りませんでした。
妻とうまくいっていない彼ですが、それでも浮気はしないと決めているようです。
ところが、そんなクリスに誤算が待っていました。
アン・モリス(レイチェル・テイラー)との再会です。
以前パーティで会った時から惹かれていたクリス・・・。
彼女がコトキン議員の私設秘書をしていると聞いていた彼は、アンを見つけると、そっと彼女の後を追います。
美しく手入れされた中庭で二人きりになったクリスとアン。
実直に話す彼に対し、彼女はどこか彼を試すような口ぶり。
そんな態度に一度は去りかけたクリスですが、思わぬアンの素直さに触れ一気に距離が近付きます。
こうしてクリスもまた、秘密の部屋の一員となったのでした。
アン(レイチェル・テイラー)との逢瀬を重ねるうち、彼女に本気になっていくクリス(ジェームズ・マースデン)。
しかしその気持ちをアンは拒否します。
そんな気持ちは無用だ、と。
そんな態度に戸惑いながら尚も言い募る彼に彼女は告白するのです。
自分は売春婦だ、と―――。
だから家族のもとへ帰って・・・そう言って去る彼女を呆然と見送る事しか出来ないクリスなのでした。
秘密の部屋を共有していても、その使い方は人それぞれでした。
不倫が本気なったクリスに、浮気をしている様子のないルークなど・・・共通しているのは、誰にもばらさない、という事だけ。
小さな綻びでも妻達に繋がることを恐れていたからです。
しかしこの懸念が遂に現実となってしまう日がやってきました。
マーティ(エリック・ストーンストリート)の相手が家に乗り込んできた事で、彼は浮気を妻に知られてしまったのです。
マーティの相手とは、スティーブンス(カール・アーバン)とルーク(ウェントワース・ミラー)の三人で出かけたサンフランシスコで知り合った一夜限りの相手のはずでした。
そのサンフランシスコでスティーブンスもまた、とある出会いを果たしたのです。
ホテルのバーで今夜の相手を探していた彼の目に飛び込んできたのは、妻ではない女性を連れて現れたフィリップ(マティアス・スーナールツ)の義父。
マズイ、と一瞬顔をしかめた義父は、これから始まる開発の内部情報をサカナに彼を口止めにやってきました。
思わぬ形で不動産開発の大物の弱みを手にしたスティーブンスは、賢く受け答えしながらもその目は女性の物色に移ります。
そこに現れたのがサラ(イザベル・ルーカス)でした。
サラとその友人を連れ、五人は屋上のプールに向かいます。
マーティが後日自身を追い込む事になる彼女の友人と消えたあとには、愛し合うスティーブンスとサラだけ・・・。
いいえ、そこにはルーク(ウェントワース・ミラー)もいたのです。
誘うような表情のサラに魅せられた彼が・・・。
この夜からスティーブンスとサラの関係は繋がっていました。
彼女はあの部屋にも来ていたのです。
ある夜、そこで別れ話を切り出され涙にくれるサラ。
そんな彼女を置いてスティーブンスは部屋を出たのでした。
その事実を思わぬ形で突きつけたのはルーク(ウェントワース・ミラー)です。
昨日この部屋に来たな、と彼はスティーブンスに問うたのです。
その真剣な瞳に彼が口を開こうとした瞬間でした。
インターホンがなったのです。
クリス(ジェームズ・マースデン)が出てみると、相手は不動産屋。
この部屋を売りたいとの連絡を受けてやってきたという彼らは、約束の相手サラ・ディーケンズがいないか?と言っています。
誰のことなのかさっぱりわからない一同に、深く項垂れたスティーブンスが言いました。
ベッドに寝ている死体がそのサラだと・・・。
驚く四人。
とりあえず不動産屋を返し、話を聞くことに―――。
彼は昨夜ここに彼女といたことを認めます。
しかし自分が出るときには生きていた、と必死に言い募るスティーブンス。
それでも彼がサラの遺体を前にシラを切っていた事は間違いありません。
そればかりか彼は、この期に及んでも遺体を処分することばかり考えています。
その様子にフィリップ(マティアス・スーナールツ)は、一度は愛した女性に対する仕打ちとしては最低だと罵りながら、手錠をかけている以上いっそ腕を切ってしまうか?とまでヤケクソ気味に提案したのでした。
しかしそんな彼に、女性を傷つけて喜ぶ性癖はお前だろ、と言い返すスティーブンス。
彼はクリス(ジェームズ・マースデン)と共に女性に手錠をかけ暴力を振るっていたフィリップの事件をもみ消した事があるのです。
誰もが冷静さを失い、相手を罵倒しながら次々に秘密を打ち明けていく中、ここでルーク(ウェントワース・ミラー)もまた告白します。
彼はこの部屋を盗撮していたというのです。
もちろん彼らの情事も全てです。
浮気はしない、とかたくなに妻以外の女性との情事を拒んできたルークですが、彼には他人の情事を見るという変態性があった、ということに驚く一同。
変態野郎め!と、激高するフィリップに殴り飛ばされるルークにスティーブンスは問います。
昨日も撮っていたのか・・・?と。
しかし彼は、君は昨日部屋を使うとメールしなかった、と答えます。
今まで通り君に不都合なことは黙ってる、と意味深に答えるルーク。
果たして昨夜何があったのか・・・?
昨日はフライ基金事業のカジノ・ナイトが開催されており、メンバーもそれぞれ妻を連れて訪れていました。
しかしスティーブンスは同じ会場にサラが来ているし、フィリップは露出の激しい婚約者に帰るよう促すも無視され機嫌は最悪です。
クリスもまた、会場にアンの姿を見つけて胸を高鳴らせていました。
気持ちを拒否されたあとも彼は彼女を諦めきれず、思わず追ってしまうクリス。
しかし彼は追いかけたその先で、思わぬ真実を知らされることに・・・。
アンが自分に会ったのは偶然ではなく、何者かの作為による出会いだったのです。
その何者かの名前は告げないものの、涙を浮かべてアンは去ってしまったのでした。
その頃フィリップ(マティアス・スーナールツ)から、サンフランシスコで義父が言っていた再開発許可が下りていることを知らされたスティーブンス。
ところが、口止めに使われただけで実際は何も知らされていなかった彼は、本妻と来ている義父に話し掛けに行きます。
義父がこの行為をよく思っていないことは明白です。
それでも、自分の立場の方が上であることを知らしめたつもりのスティーブンスはその事に気付いてもいないようなのでした。
一方のフィリップは、婚約者にはコケにされ怒り心頭のところに、妹に声をかける男を見てすっかり自分を見失ってしまいます。
妹は楽しく会話をしているにも関わらず男に因縁を付け、ついには暴力沙汰を起こしてしまったのです。
騒ぎを起こしたフィリップは追い出され、妹はスティーブンスの胸に寄りかかって泣いています。
そんな二人をじっと見ているサラ・・・。
彼女は、彼には自分だけではないのではないか?妻と愛人、誰か一人を選ぶための選択肢を無くしたら?と、思いつめた顔でスティーブンスの妻に向かって一直線に歩き始めました。
そんな彼女を焦ったように追うスティーブンス。
しかし声を荒げて呼び止めるわけにも行きません。
自分に向かって真っ直ぐに歩いてくるサラの姿に彼の妻も気付いているからです。
あともう少し―――そのタイミングでサラにぶつかってきた人がいました。
ルーク(ウェントワース・ミラー)です。
彼は他人の顔で謝りながらそっと彼女に耳打ちします。
後悔するぞ、と。
彼はそうやってサラに冷静さを取り戻させたのでした。
その翌日の殺人事件・・・。
この事実にスティーブンスは、これは罠だと言い出します。
妻たちが共謀して俺たちをハメたんだ・・・そう口にする彼ですが、その口調は先程までとは違い呂律が回っておらず、意識も朦朧としている様子。
そんな彼を取り囲んだ四人は、なぜ友を裏切った?と静かに彼に迫ります。
やがて倒れこむスティーブンス。
これは彼らがスティーブンスにかけた罠だったのです。
この部屋で遺体をを見つけたルークは、その側に残された、来世で会いましょう、という遺書を見て、スティーブンス以外の三人を呼び出しました。
「パーフェクト・ルーム」犯人
警察を呼ぼう、などの意見が飛び交う中スティーブンスが来ていない事を不審がるクリス。
ここでルークが見せたのが盗撮していた動画でした。
そこには彼らの妻や妹たちと次々に関係を結ぶスティーブンスの姿が・・・。
そしてクリスにとってショックだったのは、そこにアンがいた事です。
売春婦である彼女をクリスに近づけた人物はスティーブンスであり、その目的はただひとりこの部屋の共有に前向きではなかったクリスを引き込む、ただそれだけの為だったと知ったからです。
これが、スティーブンスを罠にかける動機となりました。
自殺遺体に事件性を持たせるための粉飾をフィリップ(マティアス・スーナールツ)に任せ、他の3人はそれぞれアリバイ作りの為部屋を後にします。
しかし再び集まったその部屋で、ベッドの上の遺体には思ってもみなかった現場が出来上がっていました。
サラを手錠で繋いで手首を切ったのも、ベッドボードにラテン語を残したのもフィリップがした事だったのです。
その最後の仕上げとして裸に剥かれたスティーブンスは酒で無理やり薬を飲まされ、サラの遺体の隣で発見されたことで警察から殺人の疑いをかけられたのでした。
どんなに無実を訴えても状況証拠は全て彼をクロだと示していて・・・。
別室で事情聴取を受けていたクリス達は、長い拘束時間を終え帰宅を許されます。
しかしクリスは帰り際、刑事から聞き捨てならない事を聞かされました。
サラは自殺ではなく殺されていた、というのです。
検視の結果死因は睡眠薬ではなく失血死。
その手首の傷も自分で切ったにしてはためらい傷が一切ない上に遺書もなかった・・・そしてなにより、ナイフにはスティーブンスの指紋が残されていたというのです。
まさか殺人と認定されるとは思ってもみなかったクリス・・・。
警察署から返された彼は、夜になってその部屋に向かいます。
そこへやって来たのはルーク(ウェントワース・ミラー)でした。
彼が全ての首謀者だったのです。
「パーフェクト・ルーム」最後のラスト結末
ルークはサラの遺書を捨て、不動産屋に電話したのも彼でした。
彼が親友を売ったのは何故か―――
それは、ルークがサラに強く惹かれていたからです。
しかし彼女は、彼がどんなに忠告してもスティーブンスへの気持ちを揺らがせる事はありませんでした。
あのカジノ・ナイトの夜、僕なら君を傷つけない、と必死で訴えても、彼女の答えはノーでした。
傷つけられるはずがない、だってなんとも思っていないから・・・と。
もしかしたら来世で、そう言い残した彼女の言葉を遺書に仕立て上げたのも、そもそも彼女を自殺に見せかけたのも彼だったのです。
昨夜、スティーブンスが去った後の部屋に入り込んだルークは、傷つく彼女を慰めながら睡眠薬入りのワインを飲ませ、意識をなくした彼女に大量のインシュリンを投与したのでした。
素早く楽に死ねてあとが残らない・・・そう考えての殺害方法でしたが、しかしサラは生きていたのです。
少なくとも朝、四人が集められた時点では・・・。
彼女の死因はフィリップが切り裂いた手首からの出血でした。
その事実に打ちのめされるルーク。
しかし殺したのは自分ではなく君の弟だ!そう言ってクリスを帰そうとします。
あとの処理は自分がするというのです。
そんなことは認められないクリスに向かい、ナイフを手にしてまで自分の非を認めないルーク。
にらみ合う二人はベランダへ移動し、クリスが電話したパトカーのサイレン音を聞きながら遺書を巡って揉み合いになります。
しかし、ナイフを奪われたルークはあっさりと抵抗を放棄しました。
そして自ら身を投げてしまったのです。
妻と子供たちに謝罪の言葉を口にしながら・・・。
半年後―――
フィリップ(マティアス・スーナールツ)は裁判待ち、マーティ(エリック・ストーンストリート)は妻とヨリを戻しています。
クリスは冷め切った仲の妻との夫婦関係を解消していました。
駐車場に向かう彼に声をかけてきたのはアン。
あの部屋の鍵を返したほうが良い?と問うアンですが、今あの部屋には容疑が晴れたスティーブンスが一人で住んでいます。
お互いの近況を探り合うような二人の空気は、明らかに今でもお互いを必要としていて・・・。
見つめ合う二人の未来に思いを馳せるようにして、この物語は終わりを迎えます。
THE END
「パーフェクト・ルーム」見所ポイント!
二転三転するストーリー展開、役者のプライバシーを彷彿とさせる魅せ方で、とっても引き込まれる作品でした。
正直【プリズン・ブレイク】でブレイクしたウェントワース・ミラーしか知っている役者さんはいませんでしたが、それがかえって誰が犯人なのか?という謎にのめり込めてとても面白かったです。
それぞれの思惑が絡み合って、いくつもの謎を作り上げてしまった。
罠を仕掛けたつもりが、意外な方向へと転がりだす。
そしてこんなはずじゃなかった結末・・・
最後まで目が離せないミステリーに仕上がっています。
一体誰が犯人なのか?
この複数の容疑者、二転三転のストーリーが好きな方には、女子高での殺人事件を描く「暗黒女子」もおすすめです。
女優さんの魅力はイマイチ伝わってきませんでしたが、内容が面白いので問題ありません。
ながら鑑賞ではなくお菓子にジュース、など準備を万端に整えて集中してご覧になることをオススメします!