映画「マネーモンスター」は、ジョージ・クルーニー、ジュリア・ロバーツ共演、ジョディ・フォスター監督の2016年のアメリカ映画です。
「マネーモンスター」のネタバレやあらすじ、最後ラストの結末と見どころを紹介します。
生放送中のシチュエーションがリアルタイムで進んでいく緊迫の展開「マネーモンスター」をお楽しみください。
「マネーモンスター」キャスト・スタッフ
■ スタッフ
監督: ジョディ・フォスター
制作: ダニエル・ダビッキ他
製作総指揮: ケリー・オレント他
音楽: ドミニク・ルイス
脚本: ジェイミー・リンデン他
撮影:マシュー・リバティーク■ 主要キャスト
リー・ゲイツ: ジョージ・クルーニー
パティ・フェン: ジュリア・ロバーツ
カイル・バドウェル: ジャック・オコンネル
ウォルト・キャンビー:ドミニク・ウェスト
ダイアン・レスター: カトリーナ・バルフ
マーカス・パウエル: ジャンカルロ・エスポジート
レニー・リバティーノ: レニー・ヴェニート
ネルソン: クリス・バウアー
「マネーモンスター」あらすじ
アメリカで人気の証券番組「マネー・モンスター」
番組の顔は、軽快なトークで番組を引っ張るMC・リー・ゲイツ(ジョージ・クルーニー)ですが、我が道をゆく彼を動かし的確な指示で番組を支えるのはディレクター・パティ・フェン(ジュリア・ロバーツ)です。
毎回様々な情報をエンターテイメント化してみせるこの番組で、ある日取り上げたのはアイビスという会社の株を使った資産運用方法でした。
大口を叩いて紹介したこのアイビスですが、その数日後に株が大暴落。
それでも、そんな事はよくあること・・・番組の誰も深く考えようとはしていません。
こうして今日も生放送が始まります。
ところがそこに、爆弾を持ち込んだ男が乱入してきて―――番組を乗っ取った男の目的とは一体!?
「マネーモンスター」ネタバレ
アイビス株の大暴落を受け、アイビス広報担当・ダイアン・レスター(カトリーナ・バルフ)を呼び、番組に出演させることになった「マネー・モンスター」
生放送を前に慌ただしく準備しているリー(ジョージ・クルーニー)にパティ(ジュリア・ロバーツ)は、今日は台本通りやって欲しいというダイアンの言葉を伝えます。
番組が始まったその頃。
一人の青年がダンボール箱を抱えて警備室からビルに入ってきます。
ボディチェックを受けることなくスンナリ入り込んだ男は局内を進み、そのままリーがいるスタジオへと向かいます。
その男に気付いたのはパティでした。
本番中のスタジオ奥に立っている男。
新しいコーナーに移ると男はジリジリと前に進み始めます。
リーは男の存在に気付いておらず、パティ達スタッフはこれも彼の仕込みかと、カメラでアップにしました。
ここでやっとリーが男に気付きます。
彼は彼で男をスタッフだと思っている様子。
すると突然男が拳銃を取り出しました。
そしていきなり天井に向かって発砲したのです。
慌てて映像を切るパティ。
しかし男は映像を元に戻す事を要求します。
リーを人質にして興奮状態の男は、放送を辞めたら撃つからな!と叫び、ダンボールから出したベストをリーに着せました。
そうして起爆装置を持ち親指でスイッチを押すと、これが離れたら爆発する、と言い放ったのです。
パティは警備室に連絡しながら指示を出し、映像を元に戻すとカメラマンと音響以外のスタッフをスタジオ外に避難させました。
通報を受けて警察が集まってくる頃、男はスタジオのドアを施錠し、紙を取り出すと読み上げ始めます。
悪党は俺じゃない、こいつらだ!と話し敵はリーとウォルト(ドミニク・ウェスト)だと言い切る男。
どうも男は彼の言葉でアイビス株を買い、暴落に伴って全財産を失ったようなのです。
アイビス株は銀行預金より安心だと言ったじゃないか!と詰め寄る男に、命の危険を感じたリーは、彼の損失分の補償を申し出ます。
いくら負けた?と聞き、6万ドル、との答えを聞くなり拍子抜けするリー。
これだけ大掛かりな事件を起こすからには、もっと多くの損失を出したと思い込んでいたのです。
しかし男が求めた補償は八億ドルでした。
番組に騙されたのは自分だけじゃない、という男はアイビスが出した損失金額そのものを補償しろと言うのです。
そしてMC席に目をつけた男は、ダイアンとのやり取りが書かれた台本を見つけると再び興奮状態に陥ります。
お前は操り人形のようにあいつらの嘘を垂れ流す!と再び興奮状態で怒鳴る男は、アイビスが出した公式見解である「暴落はバグのせいだ」という言葉を全く信じていません。
八億ドルもの大金が消えたのに誰もその原因を追求しない、それは公平じゃない!といって男は怒鳴り散らすのでした。
この頃になってようやく男の身元が判明します。
カイル・バドウェル(ジャック・オコンネル)、犯罪歴はありません。
カイルは興奮しやすく、到着した交渉人との会話も拒否します。
取り付く島のない彼の態度には警察も接触を諦めざるを得ません。
俺が話すのはリーかウォルトだけだ!と言い切る彼に、パティはいつの間にか中継先から姿を消していたダイアンを探すよう指示を出します。
それと同時にアイビスの情報収集も始めました。
そしてパティはカイルの主張を拾うようリーに話しかけます。
司会はあなた、演出は任せて、と言ってくれた彼女の言葉に勇気を貰ったように、カイルに声をかけるリー。
少し落ち着かなさげにしながらも、排除するのではなく話を聞こうという姿勢をリーに感じ取ったのか、自分の名前を口にしたカイルは、アイビスと話す環境が整えられるのを待つ事になりました。
ところがアイビスに連絡を取ろうにもなかなかうまくいきません。
ダイアンは電話に出ましたが、しかし彼女の説明は何度も繰り返された「バグが原因」というもの・・・。
パティはプロデューサーのロン(クリストファー・デナム)を派遣して、直接会社へ向かわせることにしました。
ロンはアイビス社に到着しましたが、しかし会社は彼を受け入れようとしません。
ダイアンは、ウォルトは何も隠していないのだから、と会社のやり方に反発しますがそれは全く相手にされません。
所在が不明とは言えCEOでもない社員がカメラの前に立つのではなく、ウォルトを待とうと制止されたのです。
交渉人が使えない警察ですが、身元の判明したカイルに母親の遺産である六万ドルが入ったことを突き止めています。
その他、彼につながる人間がいないか捜査するのと並行して、警察は事件を終結へとどう導くかを話し合っていました。
出てきたアイディアは、なんとリーを撃つ、というもの。
カイルを撃ってもその瞬間彼の親指がスイッチから離れてしまうと爆弾が爆発してしまいます。
それを避けるためには、リーのベストに備えられている受信機を撃ち起爆装置を壊そうと言うのです。
そのアイディアには上官も素直には頷けません。
生放送の最中に警察が人気司会者を撃つというのは、即決できる話ではないからです。
しかしそれしか方法はない、と言い切る者もいて・・・。
受信機は心臓ではなく腎臓の左に取り付けられているのだから、大量出血の前に搬送すれば助かるというのです。
上司から諫められたダイアンですが、独自の判断でロンの待つカメラ前に立ちます。
カイルの怒りを諌めようと補償を申し出るも、暴落の件についてはやはり分かっている事はないとしか言えないダイアン。
そして滔々と語るのは自社の苦しい状態について・・・
これにはカイルだけでなく、パティやリーも苛立ちを隠しきれません。
メモを読むのではなく暴落の原因となったシステムを開発した金融工学者を出してくれというリー。
しかし苛立つカイルは、下っ端なんかどうでもいい!と言っていきなりモニターに向かって発砲してしまいます。
突然の銃声に驚くダイアンにパティはきつい口調で、きちんと考えて調査して本当の事を教えてよ!と冷たく怒鳴りつけたのでした。
興奮状態の彼を宥めるリーは必死で言葉を紡ぎ、何とかする、絶対に原因を探ると約束します。
そしてリーはパティに、アイビスのクオンツを探せ、というメールを送るのでした。
パティに叱咤されたダイアンは、取材を受けるなと制止してきた上司により会社内のパスワードが使えないようにされてしまいます。
この男は彼女の出演を見るや、連絡がつかないはずのウォルトに電話をし、なにやら暗号めいた話をしていました。
そんな事とは知らないダイアンは、上司の妨害に屈することなく独自にクオンツを探し始めます。
静まり返ったスタジオで、天井通路から忍び込み静かに行動している警官たち。
その中でパティはリーに指示を出します。
彼女は生放送されているこの状況を逆手に取るようハッパをかけたのです。
それを受けてリーが提案したのは、視聴者に訴えかけてアイビスの株を買って貰う事でした。
こうする事でカイルの買取額75ドルにまで株価を戻そうとしたのです。
視聴者に訴えるのはアイビスという会社の素晴らしさではなく、自分の命。
大勢の人が少しずつ協力してくれることで自分の命は助かる、とカメラに向かって懇願するリーの言葉は届くのか―――?
テレビの前にいる大勢の視聴者たちはかたずを飲んで事の成り行きを見守っています。
しかし・・・株価はリーの期待を裏切り・・・少し上がったあと、なんと下がってしまったのでした。
その頃スタジオにカイルの恋人モリー(エミリー・ミード)が連れてこられていました。
なんと彼女はカイルの子供を妊娠しているのです。
スタジオのモニターに突然映し出されたモリーの姿に狼狽えるカイル。
警察は彼女の言葉であればカイルも投降するかもしれない、という希望にかけたのです。
ところが、モリーの口から吐き出された言葉は全てカイルを罵倒するもの。
彼女は六万ドルという母親の遺産を全て株に投資して全てを失った彼が許せなかったのです。
もうすぐ子供も生まれるのに!!と叫ぶ彼女は、自分で自分の頭を撃ち抜いたら!と罵倒しながら警察官によりマイク前から移動させられてしまいました。
思ってもみなかった展開に呆然とするカイル。
そして突然自暴自棄になった彼は自分自身を罵倒し始めました。
そんな彼にリーは、俺が力を貸す、と話しかけます。
リーを解放したら射殺される、と怯えるカイルを彼は慰めるのでした。
しかし状況の改善が見込めない警察は、ついに武力行使を決定します。
スタジオ内のスタッフをカメラマン一人を残して避難させ、調整室のパティらにも避難を呼びかけます。
そのころダイアンは設計者が韓国にいることを突き止めていました。
直接電話をするも相手は、俺は一切関係ない、プログラムを設計しただけだ、とあまり長く離したくない様子。
そのプログラムでバグが起きたんだと訴えるも彼は、そんなことは不可能だと言うのです。
一日で八億ドルもの損失を出せる仕組みになっていないという彼は、ボスが消えて八億も消えた、そのボスはどこから戻った?と暗号めいたヒントを出して電話を切ったのでした。
飛行場でウォルトを出迎えたダイアンは、彼の荷物を受け取った際こっそりパスポートを確認します。
すると彼の渡航先は南アフリカ。
車に乗りこんだあとも彼女の隣でスマホを触っているウォルトは、マンボは冷たい、と不思議な言葉をメールで送っています。
そのくせ彼は、透明性を保つというダイアンの案に賛成だ、CEOとして声明を出す、と鷹揚に笑うのでした。
それを聞いて彼女はこっそりパティに電話します。
連邦公会堂で声明を出す、と伝え独占取材を約束したのです。
パティはダイアンからの連絡を受けて、南アフリカでのウォルトの動きを調べるようスタッフに指示を出します。
スタッフはカッカーを使ってでも情報収集を急ぐのでした。
いよいよ避難命令が出されたパティ。
しかしそんな彼女に恐ろしい計画の報告が届きました。
これだけは伝えなくては・・・!それは警官によるリーへの銃撃計画。
狙撃班が天井近くに潜んでいることを彼に知らせたのです。
これによりギリギリのタイミングで銃弾をよけられたリーは、銃声に驚くカイルに狙われたのは自分だと知らせると、俺を信じろ!と叫び彼を連れて外へ向かいます。
カメラマンを引き連れ外に出た二人を待っていたのは、ビルを取り囲むように集まっている大勢の野次馬たちの姿でした。
生中継され、警察に囲まれて移動するリーとカイルは、歩いて公会堂を目指します。
行く先々に野次馬たちがいて、各ニュースでも取り上げられるこの光景はまるで一大イベントのよう。
そんな喧騒の中カイルがこっそり告白します。
実はそのベスト爆弾じゃなくて粘土なんだ、と。
あんたの気を引きたくてと話す彼にリーは、みんな本物だと思ってるんだからボタン押してろ、と答えるのでした。
ハッカーを使いあちこちに人員を飛ばしたパティが得たのは、ウォルトが八億ドルを抜いたのではないか?という疑惑です。
ダイアンに電話をかけ、マンボという人物と連絡を取り合っているとの新情報を得ると、マンボと南アフリカを組み合わせてネット検索にかけました。
そして出てきたのは鉱山ストライキのニュース。
少しずつではありますが、公会堂へ近付いているリーですが、中継されているにもかかわらず彼の耳にはイヤモニがありません。
そこでパティの指示でイヤモニを届けに来たロンですが、タイミングが悪すぎました。
あまりの喧騒、勝手に投げかけられる様々な言葉、常に自分を狙っている警官たちの姿に神経が過敏になっていたカイルは、突然現れイヤモニを投げて寄越したロンを反射的に撃ってしまったのです。
一気に緊迫感を増す現場。
それでも二人は歩き続けます。
「マネーモンスター」ラスト最後の結末
公会堂では、外の喧騒に気付き慌てて逃げ出そうとしているウォル。
テレビを見せないようにしてこの場を作り上げたダイアンに、裏切り者!と怒りをぶつけ階段を下りていきますが、そこにはもうリーとカイルが到着しています。
ここでリーはウォルトを盾にするように移動すると番組を作り始めました。
舞台にモニターも準備して意気揚々と語り始めるリーの姿はもう、人気司会者の本領発揮です。
パテとのタッグで次々にモニターを切り替え、彼が会社の金を南アフリカの鉱山に投資したと説明していきます。
モゴモゴと反論を試みるウォルトですが、バグだなんだと説明してもそれはプログラム上ありえない事だと論破され、徐々に事実を暴かれていくのです。
彼は、金を使ってストライキを起こさせ、下がる鉱山の株を大金で買い集め、そしてストを終わらせた後価格の上がる株を売り飛ばそうと計画していたのでした。
しかしその彼の計画を頓挫させた人物がいました。
それがマンボという青年です。
これが君のバグだ、とリーが示す黒人の青年が大きくモニターに映し出され、金で動かなかったマンボはたとえ時間がかかってもストを続けていくと話しています。
彼の存在により鉱山の株は下落しウォルトは八億ドルもの大金を失ったのでした。
決定的な証拠を突きつけられ、言い訳を並べるウォルト。
そこでカイルは彼にリーから外したベストを着せます。
そして、自分がペテン師だと認めろと詰め寄るカイル。
しかし対峙する相手が彼に変わった途端、息を吹き返したように不遜な態度に戻ったウォルトは、カイルの言葉尻を捉えて畳み掛けるようにして言葉で攻撃してきます。
何を言っても真正面から自分の非を認めないウォルトに苛立つカイルは、銃で脅しつけてやっと彼から謝罪の言葉を引き出したのでした。
こうして目的を果たしたカイルはふと冷静さを取り戻します。
そして改めて自分の置かれた状況に気付いたのです。
大勢の警官が自分に照準を合わせていることに・・・。
カイルの変化に気付いたリーが制止の声を上げるも、彼は爆弾のスイッチを投げて寄越しました。
そしてその瞬間警官の放った銃弾を胸に受け倒れたのです。
早く救急車を!!そう叫ぶリーの言葉も虚しく、カイルはその命を落としてしまったのでした。
事件の全てを映し出したカメラが置かれ、放送を終えたリーとパティは病院にいます。
撃たれたものの命に別状はなかったロンの見舞いに来たふたりは、事件の報道が流れているテレビを見ています。
ウォルトは海外腐敗行為の容疑によりSECが調査に入ると示唆・・・
そのニュースを見ながら、二人はこれからの番組作りの話をするのでした。
どれだけセンセーショナルな事件でも、日常は流れていくものなのです。
THE END
「マネーモンスター」見どころ
ジョージ・クルーニーとジュリア・ロバーツという親友コンビを使って、金融映画を作り上げたのはジョディ・フォスターです。
女優としての才能のみならず、監督としての才覚も遺憾なく発揮されたことは、これだけの物語を一時間半というコンパクトさにまとめた手腕にも現れています。
体制しにくいという割る子役出身の女優として第一線での地位を確立したジョディに、監督としての才能まであるなんて感嘆の言葉しかありません。
金融の世界を描いているため、少々取っ付きにくいかもしれませんがテンポ良く進む物語が伏線を回収していく様がとても分かりやすく面白い一作でした。
犯人が超絶頭脳を誇るタイプではなく、少々頼りない普通の人、というのがある意味親近感が湧いてとても良かったです。
あまり構えずにご覧になってくださいね。