「幸福路のチー」ネタバレ!あらすじや最後ラストの結末と見どころ!

映画「幸福路のチー」ネタバレ あらすじ
アニメ

映画「幸福路のチー」は、ソン・シンイン監督の2017年の台湾アニメ映画です。

この映画「幸福路のチー」のネタバレ、あらすじや最後のラスト結末、見所について紹介します。

台湾とアメリカ、2つの国で暮らした少女・チーが「幸福」について綴る傑作「幸福路のチー」をご堪能ください。

 

「幸福路のチー」あらすじ

故郷を離れたリン・スー・チーはアメリカ人と結婚し、現在はニューヨークで暮らしています。

遠くへ行ってしまう娘の幸せを願い、応援してくれたチーの両親。

チーも幸せになると心に決めたのに、実は結婚生活は上手くいっていませんでした。

 
疎遠になっている両親にも打ち明けられず、心にモヤモヤを抱えたチー。

近頃は、子供時代の夢を見るようになって、この日は夢におばあちゃんが現れます。

「どこに行くの?」と聞くと「家に帰るのさ」と、行ってしまったおばあちゃん。

チーのもとに、おばあちゃんが死んだと連絡が入りました。

少し気が重いけど、チーは故郷の幸福路(こうふくろ)に帰ります。

 
あの頃とは違う、整備された町並み。

そして、自分自身も変わってしまった事にチーは切なくなります。

 
──台北市郊外にある幸福路に、父と母と幼い娘・チーが越して来ました。

「幸福路…幸せな通りよ。忘れないようにね」

小学校にあがる前のチーに教えた母は、優しいけど叱る時は鬼のように怖い!

でも、そんな時はおばあちゃんがチーを守ってくれました。

テレビアニメが大好きで、王子様に恋焦がれる元気いっぱいのチーは空想が得意!

父が「将来は哲学者!」と言うと、母は「稼ぐなら医者よ!」と、好き放題言っています。

大した稼ぎが無いのに、宝くじだけはやめられない父に呆れる母。

いわゆる、かかあ天下ですが、犬に追い掛けられるチーを(たった一度だけ)救ってくれた父は王子様です。

 
目に映るものすべてにドキドキ!ワクワク!毎日が大冒険でした。

赤いランドセルを背負って、幸福路を走り回るチーは、理髪店のおばちゃんにも「見て!」と、ご機嫌!

ところが、いざ学校が始まると父と母が居ない教室に、チーは心細くなります。

クラスメイトには、市長の息子で“ブーちゃん”ことシュー・ウェン・ユエ。

イタズラ坊主のシュー・シェン・エンや、金髪に青い目をしたアメリカ人と台湾人のハーフの女の子・チャン・ベティ。

両親と離れ、いとこのお姉さんと暮らすベティはチーの親友になります。

時代は「…台湾語ではなく、北京語を使いなさい!」という学校教育。

習ったばかりのチーは、父が知らない北京語を言ってはバカにして笑い、裕福ではありませんが家の中はいつも賑やかでした──。

思い出の景色と今の景色の違いを感じながら、チーは「これまで」と「これから」に想いを馳せるのです・・・

 

「幸福路のチー」ネタバレ

アメリカから久しぶりに帰ったチーを、大喜びで迎える父と母。

変わっていないチーの部屋には、チーの結婚式の写真が飾ってあります。

会わないうちに老けた父と母は、決して楽な生活はしていませんでした。

昔からやめられない宝くじが、一向に当たらない父は夜警の仕事を続け、母が集めたリサイクル品が家中に山積み。

他人から、リサイクルと称して空のペットボトルを貰っている母に「やめてよ!」と、チーは恥ずかしさを感じるのでした。

 
──テレビを見て笑い、カラオケ好きの両親と歌をうたう。

それも楽しいのですが、チョット高価な物を持っている友達がやっぱり羨ましいチー。

お父さんが市長のブーちゃんはクラスメイトの憧れの的で、かっこいい腕時計も着けています。

誕生日に良い思い出がないと言うチーに、ベティはアメリカに居るパパが送ってくれたチョコをプレゼントしてくれました。

一口食べ、あまりの美味しさに夢の世界へと飛んで行ってしまうチーは「アメリカってスゴい!」と、大感動します──。

チョコも美味しくて、楽しい事が沢山ありそうなアメリカに憧れた幼い頃のチー。

おばあちゃんにチョコをお供えするチーは「本当にスゴいかしら?」と、首をかしげます。

 
チーが生まれた1975年4月5日、その産声で喜びに包まれる病院。

同じ頃、人々は死去した初代 中華民国総統・蒋介石(しょうかいせき)を想い、悲しみに暮れていました。

奇しくも、おばあちゃんの命日もチーの誕生日……苦笑いするしかありません。

葬儀に集まった皆から「仕事は?」「子供は?」と、質問攻めに遭うチーは居心地が悪そう。

そんな顔を見て「また、問題から逃げてるのかい?」と、おばあちゃんが笑っています。

 
チーには、困った時いつも助けてくれたおばあちゃんと、色んな事を教えてくれた従兄・ウェンが居ました。

現在はアメリカ人と結婚して、ウェンも台湾からアメリカに移住しています。

──ブーちゃんの腕時計に憧れた小学生のチーに、赤い腕時計をプレゼントすると約束してくれたウェン。

厳戒令が施行されるこの時代、ウェンのような学生は弾圧の対象となっていました。

警察に毒を盛られたウェンは色の識別が出来ず、チーにプレゼントしたのは黒い腕時計。

でも、幼いチーには悪と戦っている王子様のウェンが、とてもカッコ良く見えます。

「真実は想像と違う事が多い……自分の目と知恵で世界を見るんだ」

チーは、学校のスピーチでウェンから聞いた話を得意気に披露。

すると、顔を歪める先生は「誰にも話しちゃダメよ!……あなたのため」と、言います。

 
その後、アメリカに留学したウェンは、目も治り自由を手にしました。

お姫様にも出会えたという手紙に「私も、王子様に会いたい」と、チーはワクワクします──。

王子様……あの頃を思い返すチーに、夫のトニーから電話が掛かって来ました。

「……妊娠したって言ったらどうする?……冗談よ」

チーの言葉に動揺するトニーは、子供嫌いを改善するカウンセリングに通っています。

しかし成果はなく、不安に襲われるチーは自分が母になるという自信も無くしていました。

 
葬儀後、母は元気がないチーに「子供をつくったら…夫婦に幸せを運んでくれる…」と、励まします。

母が悪い訳じゃない……一人で思い詰めるチーの前に現れたおばあちゃんは「妊娠してるようだね」と、気づいていました。

おばあちゃんと話しているつもりのチーの隣には、いつの間にか金髪の女の子が座っています。

すると「友達になれた?」と、優しく声を掛けるのはベティでした。

 
──イタズラ坊主のシェン・エン、そして親友のベティと幸福路を駆け回ったチー。

しかし、途中で小学校をやめてしまったシェン・エン。

ベティも離れていた空軍のパパや、ママと暮らせるようになりチーとお別れします──。

ベティとの再会で、引っ越したあと彼女が寂しい想いをしたとチーは知りました。

それでも「わりと幸せ…」と、お母さんになったベティは、子供たちを見つめ微笑みます。

私はベティのような、お母さんになれる?……自信がない……。

自分の居場所を見失いそうなチーは、幸福路で人生をやり直すことも頭をよぎります。

 
年を取った両親も、二人だけの生活は不自由な事もある……だけど……。

チーは、どんな決断をすれば良いか分かりません。

──「何を信じるかで、自分の人生が決まる」と、チーに教えてくれたおばあちゃん。

 
時代は、厳戒令が解除され、のちに総統・蒋経国(しょうけいこく)が死去した1988年。

医者になって欲しいという親の希望を叶えるため、必死に勉強したチー。

でも、高校生になると、自分の意思で道を切り開こうとしている人々に感銘を受けます。

家族会議の末、大学生になったチーは親元を離れ、意思を貫き学生運動にのめり込みました。

勉強よりもデモに力を注いだ結果、卒業後の進路は未定。

何とか新聞編集者になったチーですが、想定外な事は続き気づけば一家の大黒柱に!?

チーが子供の頃、仕事を掛け持ちして必死に働いてくれた母。

今度は、チーが家族を守るために必死で働きます。

 
ある日、小学校の同級生・イタズラ坊主のシェン・エンに再会すると、家族を持った彼はマンションも買い立派な大黒柱になっていました。

しかし、1999年に起きた921大地震の犠牲者となったシェン・エン。

そして、アメリカで同時多発テロ、台湾国内では反陳水扁(ちんすいへん)デモ。

目まぐるしく変わる時代に、心が疲れ果てたチーは、従兄のウェンを思い出します。

そして、幼い頃に憧れたアメリカに行く決心をしました。

大粒の涙を流して、旅立つ娘を応援してくれた両親。

飛行機で一人寂しくなるチーは、リュックに入った封筒を開け両親の愛に気づきます。

そこには『…体に気をつけて。』と、これまで貯めたお金が入っていました。

 
仕事を始めたチーはトニーと出会い、結婚を考える二人はチーの故郷・幸福路を訪れます。

言葉も文化も違う遠いアメリカに、娘を嫁に出すことを父は反対しました。

でも、一番の願いは娘の幸せ……。

チーを送り出した両親は、どんなに離れても娘の事を見守っていました──。

娘が幸せな結婚生活を送っていると信じる両親に、チーは本当の事が言えません。

悩みを抱えるチーの手を取ったベティは、心を解き放つ場所へ向かいます。

 
──「誰だ 誰だ 誰だ~~♪……白い翼のガッチャマ~~ンッ‼」

大人になったら社長になって稼ぎたい……。

ママとパパとアメリカで暮らしたい……。

イタズラ坊主のシェン・エン、親友のベティと将来の夢を言い合うチーの夢は「偉人になって世界を変えたい!」

屋根に上がり夕焼け空に大声で叫ぶチーたちは、素敵な未来を想い描きました──。

 

「幸福路のチー」最後ラストの結末は?

あの頃のように屋根を走り回るチーは、現在の自分は何も出来なかったと俯きます。

すると「幸せなら関係ない!」と、手を差し伸べるベティ。

その手を握ろうとするチーは落ちてしまい、気づくと病院のベッドに居ました。

怖い夢を見たチーは、助けてくれたおばあちゃんと両親の存在に、やっと正直な自分の気持ちを受け入れます。

“私は、家に帰りたいんだ”

目を覚ましたチーは、手を握ってくれている父に涙が止まりませんでした。

 
チーは夫のトニーに別れを告げ、結婚生活にピリオドを打ちます。

沈んだ顔のチーを救ったのは、両親の笑顔でした。

新生活を迎えるため部屋の掃除をする父と母は、チーの妊娠に気づいているようです。

「どんな道を選ぼうと、ママは味方だからね……」

「好きなだけココに居ろ、パパが面倒を見てやる!」

父と母は、泣きじゃくるチーを、大きな愛で包み込みます。

その後、女の子を出産したチーは幸福路で家族四人、相変わらず賑やかに暮らしました。

おしまい。

 

「幸福路のチー」見どころ

腰も膝も悪いのに「まだまだ元気だ!」と、チーの重い荷物を持って階段を上がる父。

普段は作らないであろう量のご馳走!チーの好物を作って待っている母。

たくさんの家族写真が、昔と変わらず同じ所に飾られている実家。

この“帰省あるある”に、心当たりがあるという方も多いのではないでしょうか?

『幸福路のチー』は、家族や友達との記憶がよみがえり、心がじんわり温かくなる作品。

チーの歌声、無邪気な笑顔に冒頭から懐かしい気持ちにさせられます。

 
そして何より、チーたち家族の素朴で人間味あるキャラクターに魅了されるでしょう。

現実と空想がごちゃ混ぜのチーの頭の中は、何とも奇想天外な物語がつくられます。

かっこいい王子様に「わぁ~♪」と、お花畑が広がり、巨大な悪魔!?怪獣!?が「グワーッ!」と、襲い掛かる。

おばあちゃんが大きなニワトリに乗って飛んで行くのは楽しいですが、そのニワトリが後であんな事になるなんて……。

幼いチーが、悪夢にうなされるのも分かる気がします。(本編でチェックしてみて下さい!)

ドンと構えたおばあちゃんの優しさはチーだけでは無く、観ているあなたの事も包み込んでくれるでしょう。

 
「好き勝手な人生を送りたい」「親は、いつまでも元気でしょ」

そんな事を思う方に、本作を観ていま一度“あの頃”を思い返して欲しい!

友達と走りまわった事や、親の背中に抱き着いて甘えた事。

一緒にバカ笑いした思い出や、めちゃくちゃ怒られた思い出……。

あなたの記憶を呼び起こし、じっくりと人生を考える機会をあたえてくれます。

 
チーとベティの友情、そして両親がチーに注ぐ愛情に幸せを感じてもらえれば嬉しいです。

台湾発の可愛いアニメーション、優しさに溢れた物語を最後までお楽しみ下さい!

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