「告発」ネタバレ!あらすじや最後ラストの結末と見どころ

映画「告発」ネタバレ あらすじ
ヒューマン

映画「告発」は、クリスチャン・スレーター主演、マーク・ロッコ監督の1995年のアメリカ映画です。

この映画「告発」のネタバレ、あらすじや最後ラストの結末、見所について紹介します。

ケヴィン・ベーコンは、この作品で放送映画批評家協会の主演男優賞を受賞しています。

 

「告発」スタッフ・キャスト

■ スタッフ
監督: マーク・ロッコ
製作: マーク・フライドマン、マーク・ウォルパー
製作総指揮:マーク・ロッコ、デイヴィッド・L・ウォルパー
脚本: ダン・ゴードン
撮影: フレッド・マーフィ
音楽: クリストファー・ヤング

■ 主要キャスト
ジェームズ・スタンフィル:クリスチャン・スレーター
ヘンリー・ヤング:ケヴィン・ベーコン
ミルトン・グレン:ゲイリー・オールドマン
メアリー:エンベス・デイヴィッツ
ウィリアム・マクニール:ウィリアム・H・メイシー
バイロン・スタンフィル:ブラッド・ドゥーリフ
ヘンキンス:スティーヴン・トボロウスキー
クラウソン判事:リー・アーメイ
ロゼッタ・ヤング:ミア・カーシュナー
ブランチ:キーラ・セジウィック

 

「告発」あらすじ

孤島に作られらていたアルカトラズ刑務所。

脱出不可能、難攻不落と言われたこの刑務所を閉鎖に追い込んだ物語をご存じでしょうか?

貧しさに耐え兼ね、妹の為にたった5ドル盗んだ青年ヘンリー・ヤング(ケヴィン・ベーコン)は、この罪により25年もの刑期を言い渡されアルカトラズに収容されます。

彼がこの刑務所で経験したすべてが生き地獄でした…。

脱走を試みた彼は捕まり、約3年半、1,000日にも及ぶ独房での生活。

日の光も届かず明かりすらない暗闇の中、彼の友達は、蜘蛛だけ…。

独房を出ても、看守からの殴る蹴るの虐待は日常茶飯事。

家庭でのストレスをすべて虐待によって晴らそうとする副所長ミルトン・グレン(ゲイリー・オールドマン)からは、脱走防止だとしてひげそり用の剃刀でアキレス腱を切られてしまいました。

衰弱とアキレス腱の損傷から異様な歩行姿になってしまったヘンリー(ケヴィン・ベーコン)は、ある日の食堂でとある囚人を見付けます。

それは、共に脱出を企てながらも自分を裏切った男でした。

 

「告発」ネタバレ

フラフラとした足取りで男に近付くヘンリー(ケヴィン・ベーコン)。

彼の手にはスプーンが握られています。

ヘンリー(ケヴィン・ベーコン)は男に近付くと、力の限り首を刺して殺してしまったのでした。

この罪により彼は裁判にかけられることになります。

目の焦点も定まらず、正気を失っているようなヘンリー(ケヴィン・ベーコン)の弁護人となったのは、新人のジェームズ・スタンフィル(クリスチャン・スレーター)でした。

新人故に無能扱いされ、血気盛んなジェームズ(クリスチャン・スレーター)と刑務所内で殺人を犯したヘンリー(ケヴィン・ベーコン)。

この出会いがやがて、アルカトラズ刑務所の暗部を照らし始める物語です。

うつろな目をして全く自分に関心を示さないヘンリー(ケヴィン・ベーコン)に、どうやって事件の概要を聞けばいいのか煮詰まってきたジェームズ(クリスチャン・スレーター)は、まず彼自身の事について聞くことから始めます。

徐々に心を開き始めたヘンリー(ケヴィン・ベーコン)は、妹がいる事、野球が好きな事などポツポツ語り始め、やがてその眼は嬉しそうに輝き始めるのでした。

友達が欲しかったヘンリー(ケヴィン・ベーコン)にとって、ジェームズ(クリスチャン・スレーター)は初めて自分の話を聞いてくれた人だったのです。

こうして少しずつ距離を縮めたことで、ジェームズ(クリスチャン・スレーター)は、アルカトラズ刑務所内で行われている非道な虐待について知ります。

当時のアルカトラズはアメリカが国家権力の象徴のような形で宣伝に使う、刑務所の中でも異質な存在でした。

そのアルカトラズを訴えるという事は、イコール国を敵にするのと同じことです。
しかし正義感に燃えるジェームズ(クリスチャン・スレーター)は全てを明らかにするべきだとして、刑務所内での虐待を理由にヘンリー(ケヴィン・ベーコン)を守る事を選びました。

 

「告発」ラスト最後の結末

この事実を元に裁判で戦うジェームズ(クリスチャン・スレーター)の働きにより、当初は死刑が妥当かと思われていたヘンリー(ケヴィン・ベーコン)の刑は、10年ほどの刑期で終えられる過失致死罪が付く方向へと変わり始めます。

しかし、そこで急にヘンリー(ケヴィン・ベーコン)が訴えを変え始めました。

過失致死罪じゃなくていい、死刑にしてくれ、そう懇願するのです。

そんな彼を前にして、正義感や名誉欲、そしてヘンリー(ケヴィン・ベーコン)への友情など入り混じった感情から、どうしてもその願いを聞き入れられないジェームズ(クリスチャン・スレーター)に、彼はまた心を閉ざしてしまいました。

 
そんな状態で迎えた公判最終日。

あの手この手で色々な質問を重ねるジェームズ(クリスチャン・スレーター)の言葉など聴こえないかのように『死刑にしてくれ』とそれしか口にしないヘンリー(ケヴィン・ベーコン)。

しかし彼にはもっとやりたいことが沢山ある事を知っているジェームズ(クリスチャン・スレーター)は、どうしても彼を死なせたくなくてさらに質問を重ねます。

すると、とうとう耐え切れないようにヘンリーが叫びました。
『あそこに戻るくらいなら死んだ方がましだ!!』

 
それが全てでした。

この言葉により、刑務所の虐待の信憑性が認められ、ヘンリー(ケヴィン・ベーコン)は死刑ではなく過失致死罪という結果をもぎ取ったのです。

それは彼にとっての勝利でした。

ヘンリー(ケヴィン・ベーコン)は、狭い独房に閉じ込められていたことによる弊害から曲がったままだった背筋を、ピンッと伸ばしてアルカトラズへ帰っていきます。

そうしてその三日後、再び戻された独房に『VICTORY』という文字を刻んで、短い生涯を終えたのでした。

THE END

 

「告発」見所ポイント!

20分ほど続く凄まじい虐待シーンに心が折れそうになる冒頭からヘンリーの最期まで、グングンと心が引き込まれ視聴後はぐったりとした重みを感じます。

最初に映し出されるヘンリーが人間だと認識できるまで時間がかかるほどのリアリティー溢れる作品でした。

この作品のパッケージには『涙ではなく拍手をください』と書かれているのですが、まさにその通りだと、見終わった後拍手をしたことを覚えています。

 
悪役を演じさせたら右に出る者はいない、と言われるほどの名演技で非道な副所長になりきったゲイリー・オールドマンや、自らの出世欲や名誉欲の為に動いていたのに、やがて被告人との間に友情を感じるようになる弁護士を演じたクリスチャン・スレーターも素晴らしかったのですが、この物語は全てケヴィン・ベーコン、この人の凄味によって形成されていたと言っても過言ではありません。

ボロボロの廃人のような姿、正気を失った目、あそこには帰りたくないと泣き叫び、たった30分の日光浴を奪われそうになって縮む身体、歩き方や息遣い、目線の上げ方や話し方、そのどれをとっても実在したヘンリーの姿が今目の前にあるように感じられ涙が止まりませんでした。

 
万引きは確かに犯罪ですが、しかし5ドル盗んだ罪が25年もの刑期と釣り合うでしょうか?

妹を飢えさせたくなかった兄は、その若々しい人生を暗く湿った独房で過ごさなくてはいけない程悪い事をしたのでしょうか?

ヘンリーが裁判で妹に会った時『俺はお前の事を想像していたのかと思った。』というシーンでは、あまりに過酷な現実の前に、最愛の妹の存在さえ彼の中ではあやふやなものになっていたのかと、今思い出しても泣けてきます。

 
何故弁護士は、彼が再びアルカトラズへ返されるのを阻止できなかったのか、なぜあれほどまでにひどい虐待を行っていた副所長がそのままの地位に居られるのか、そういった憤りも感じましたが、これこそが、この物語を事実であると証明していたように思います。

もしフィクションなら、彼がアルカトラズに返される事はなったでしょうし、副所長も更迭されて下手すると副所長自身が刑務所に入っている、そんな風な演出がなされたでしょう。

 
困難な役に挑み、恐ろしいまでの生々しさでヘンリーという男性の人生を表現したケヴィン・ベーコンと、余計な脚色をつけず事実そのものを描き残してくれた監督に感謝したくなるような作品です。

観るのにはそれなりの覚悟が要りますが、けれども見て損させるような作品ではありません。

必ず何かがあなたの中に残る事と思います。

人が人を思う温かさであったり、今自分の生活で無理なく行えている『普通』の事が当たり前ではないのだと気付けたり、何を感じるかは人それぞれです。

重く、ラストも悲しい物語ではありますが、自分なりの解釈を見付けてみませんか?


同じく理不尽な扱いを受ける実話「トガニ」も重く苦しい映画です。

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