映画「彼女を信じないでください」は、キム・ハヌル主演、ペ・ヒョンジュン監督の2004年の韓国映画です。
この映画「彼女を信じないでください」のネタバレ、あらすじや最後ラストの結末、見所について紹介します。
素朴な青年と女詐欺師が絡むラブコメディ「彼女を信じないでください」をお楽しみください。
「彼女を信じないでください」スタッフ・キャスト
■ スタッフ
監督: ペ・ヒョンジュン
製作: アン・ヨンジュン、ハン・ジスン
脚本: チェ・ヒデ、パク・ヨンソン
撮影: ユン・ホンシク
音楽: チョ・ヨンウク■ 主要キャスト
チュ・ヨンジュ:キム・ハヌル
チェ・ヒチョル:カン・ドンウォン
チェ・スミ:イ・ヨンウン
ヒチョルの父:ソン・ジェホ
ヒチョルの祖母:キム・ジヨン
ジェウン:ナム・サンミ
ファスク:ミョン・ジヨン
ミョンジャ:キム・アロン
ヨンドゥク:イ・チョニ
「彼女を信じないでください」あらすじ
可愛らしい容姿に回転の速い頭脳を合わせ持つヨンジュ(キム・ハヌル)は、一見完璧な女性です。しかしその正体は、元詐欺師。
出所したばかりの彼女の目的はただ一つ。
たった一人の肉親でもある姉の結婚式に参列する事です。
そのために乗り込んだ列車で、ヨンジュ(キム・ハヌル)はヒチョル(カン・ドンウォン)という青年と出会いました。
列車の揺れに身を任せ、いつの間にか眠ってしまっていたヨンジュ(キム・ハヌル)が目を覚ました時、ヒチョル(カン・ドンウォン)が彼女の足の間に頭を突っ込んでいたのです。
悲鳴を上げて殴りかかるヨンジュ(キム・ハヌル)。
しかしよくよく話を聞いてみると、彼は恋人に送るための結婚指輪を落としてしまい、それが偶然にもヨンジュ(キム・ハヌル)の足の間に転がってしまった為、それを取ろうとしていたのでした。
自分はヨンガンという街で薬剤師をしているヒチョルという人間だ、怪しいものではない、そう力説する彼ですが、興奮しすぎたのか鼻血が流れてしまいます。
慌てて立ち去るヒチョル(カン・ドンウォン)ですが、彼が指輪を持っている事を見ていた男に擦れ違いざま、その指輪をスラれてしまいました。
しかもその事に気付いていないヒチョル(カン・ドンウォン)。
ヨンジュ(キム・ハヌル)は彼の代わりに、電車を降りた男を追い駆けて指輪をスリかえします。
ところが、彼女が電車から降りている間に電車が発車してしまいました。
慌てて追いかけるも時すでに遅く、電車の中では不思議そうな顔で追いすがるヒチョル(カン・ドンウォン)がこちらが見詰めています。
必死で、電車の中に残してきた鞄の事を叫ぶヨンジュ(キム・ハヌル)は、ヒチョル(カン・ドンウォン)を追い駆けてヨンガンへ向かう事を決めました。
果たして彼女は無事姉の結婚式に行けるのか―――?
ここに、詐欺師と誠実な薬剤師の、ドタバタラブストーリーが誕生します。
「彼女を信じないでください」ネタバレ
ヨンガンにやってきたヨンジュ(キム・ハヌル)は、まず近くの美容室を訪ねました。
そこでヒチョル(カン・ドンウォン)の薬局を聞こうと思ったのですが、図らずも彼の幼少期からの情報を仕入れる事になってしまいました。
それらの情報を抱えたヨンジュ(キム・ハヌル)はタクシーに乗ったのですが、ヒチョル(カン・ドンウォン)の実家を告げた途端妙に詮索してくる運転手。
その態度にいらいらした彼女はつい、私はヒチョル(カン・ドンウォン)の嫁です、と嘘をついてしまうのでした。
これが大問題へと発展します。
タクシー運転手はヒチョル(カン・ドンウォン)の叔父だったのです。
ヒチョル(カン・ドンウォン)の実家で彼の家族に囲まれたヨンジュ(キム・ハヌル)は、内心大慌てでここから逃げ出すために、急なめまいを演じて倒れました。
ヨンジュ(キム・ハヌル)が運ばれた病院ではまた大きな勘違いが起こります。
逃げようとしてヨンジュ(キム・ハヌル)が患者の付添いを演じて入り込んだのは産婦人科だったのです。
それを見た叔父と叔母は、彼女がヒチョル(カン・ドンウォン)の子供を身ごもっているとして大慌て。
その頃のヒチョル(カン・ドンウォン)は、本当の恋人、ジェウン(ナム・サンミ)にプロポーズをしている真っ最中でした。
彼女の前に跪いて感動的なスピーチをしたヒチョル(カン・ドンウォン)。ところが指輪が見つかりません。
結局その日は友人たちに慰められながら、プロポーズは仕切り直しになってしまったのでした。
翌日、ジェウン(ナム・サンミ)が務める大病院に会いに行ったヒチョル(カン・ドンウォン)は、結婚してもヨンガンに行きたくない彼女から、いつまで父親のいう事を聞いているの?と苦言を呈されます。
力なく項垂れている彼に、父からの電話が掛かってきました。
今すぐ帰ってこい!そう怒鳴る父に不審顔のヒチョル(カン・ドンウォン)ですが、父に従ってそのまま帰ることを決めるのでした。
軽い気持ちでついた嘘から大事に発展してしまったヨンジュ(キム・ハヌル)は、ヒチョル(カン・ドンウォン)の家族に連れられ、近くの温泉に一家総出で来ていました。
この温泉には近くにバス停があります。
隙を狙って逃げ出そうとするヨンジュ(キム・ハヌル)ですが、お節介な家族たちからは逃れきれず、そこへ、事情をサッパリ把握していないヒチョル(カン・ドンウォン)が叔父に連れられてやってきてしまいました。
家族会議にかけられるヒチョル(カン・ドンウォン)。
最初はこの状況をマズイ、と感じていたヨンジュ(キム・ハヌル)でしたが、指輪を持っている彼女をとんでもない剣幕で攻め立てるヒチョル(カン・ドンウォン)を見て腹立ちのあまり、ここでも嘘を重ねます。
美容室で聞いたヒチョル(カン・ドンウォン)の過去を彼から聞いた話として披露し、本命の彼女がいるヒチョル(カン・ドンウォン)の二番目の女として子供が出来てしまった自分を彼は捨てた、でもそれは全部自分の至らなさが原因です、そう言いながら涙したのです。
最初は、ヨンジュ(キム・ハヌル)の言葉だけをうのみにするわけにはいかない、と中立の立場だった父も、妻がヒチョル(カン・ドンウォン)を生むためにした苦労を知っていた彼女を信じ始めてしまいました。
家を追い出され薬局で寝泊まりするヒチョル(カン・ドンウォン)の所にやってきたヨンジュ(キム・ハヌル)は、自分が列車に残してきた鞄を返すよう要求します。
そうは言われても鞄をどうしたのか思い出せないヒチョル(カン・ドンウォン)。そのぽかんとした表情を見て怒りを爆発させるヨンジュ(キム・ハヌル)は鞄の中に、結婚する姉に送る木彫りの鴨を入れていたのです。
今まで迷惑をかけた姉に対する感謝の気持ちを込めて一生懸命作った鴨だったからこそ、ヨンジュ(キム・ハヌル)は鞄を諦めきれないのでした。
ヨンジュ(キム・ハヌル)が現れて以降ヒチョル(カン・ドンウォン)の株は大暴落。
一方ヨンジュ(キム・ハヌル)は、ヒチョル(カン・ドンウォン)の家族から大切にされ、特にヒチョル(カン・ドンウォン)の祖母(キム・ジヨン)とは、家族すらも驚くほどの仲良しぶりです。
ここらの地方ではMr.唐辛子を決めるお祭りがあり、今年はヒチョル(カン・ドンウォン)の幼馴染の警官が出る予定になっていましたが、彼が怪我をして出場できなくなってしまいました。
その大会で優勝するとまとまった金額の賞金が出る事を聞いたヨンジュ(キム・ハヌル)は、勤める図書館に予算が少ない事を嘆くスミ(イ・ヨンウン)の為にヒチョル(カン・ドンウォン)が出場すればいい、と提案します。
抵抗するも、家族を味方につけているヨンジュ(キム・ジヨン)には勝てません。
無理やり参加する事になってしまいました。
ヨンジュ(キム・ハヌル)のしごきに耐えながら、一芸疲労の為に物まねしたり踊ったりするヒチョル(カン・ドンウォン)。
しかし何をやってもイマイチ取り柄となりません。
そんなヒチョル(カン・ドンウォン)ですが、ギター片手に歌う姿にヨンジュ(キム・ハヌル)は見とれてしまいます。
頼りない田舎の好青年でしかなかったヒチョル(カン・ドンウォン)にヨンジュ(キム・ハヌル)の気持ちが乱され始めた頃、刑務所仲間のファスク(ミョン・ジヨン)とミョンジャ(キム・アロン)が彼女を訪ねてきます。
ファスク(ミョン・ジヨン)達は、祭の売上金を盗み出して逃げようとヨンジュ(キム・ハヌル)の持ちかけてくるのでした。
こうして迎えた大会当日。
優勝候補と目された人物と一騎打ちになったヒチョル(カン・ドンウォン)は、最終対決の唐辛子の早食い競争を制して優勝します。
涙をボロボロこぼしながら口いっぱいに唐辛子を頬張るヒチョル(カン・ドンウォン)を抱き締めて大喜びするヨンジュ(キム・ハヌル)。
ヒチョル(カン・ドンウォン)の優勝を祝う大宴会で、二人はお互いに感謝の気持ちを伝えあいます。
そこへ、ジェウン(ナム・サンミ)が訪ねてきました。
彼女の手にはヨンジュ(キム・ハヌル)の鞄が握られています。
列車から鞄を持って降りたヒチョル(カン・ドンウォン)は、病院にいるジェウン(ナム・サンミ)に会いにいった時忘れてしまっていたのでした。
大慌てでジェウン(ナム・サンミ)を外へ連れ出すヒチョル(カン・ドンウォン)。
二人がやってきたのは、ヨンガンが美しく見える場所です。
ここは、唐辛子祭りへの特訓中、ヨンジュ(キム・ハヌル)とも訪れたヒチョル(カン・ドンウォン)にとって大切な場所でもあります。
そこでジェウン(ナム・サンミ)と話すうち、ヒチョル(カン・ドンウォン)は自分の気持ちの変化に気付きました。
そしてそれはジェウン(ナム・サンミ)にも伝わっているようで…。
「彼女を信じないでください」最後のラスト結末
一人自宅に帰るヒチョル(カン・ドンウォン)。
しかしそこにヨンジュ(キム・ハヌル)はいないのでした。
ヨンジュ(キム・ハヌル)は、ファスク(ミョン・ジヨン)らと共に車を走らせています。
売上金の入った金庫を持ち出した彼女たち。
ただしその中身はヨンジュ(キム・ハヌル)が抜いてヒチョル(カン・ドンウォン)に置いてきています。
善良なヒチョル(カン・ドンウォン)家族をどうしても裏切れなかったのでした。
ところが、ミョンジャ(キム・アロン)がよりによってあの指輪を盗み出してきていました。
激高するヨンジュ(キム・ハヌル)。
奪い返すと、その指輪を持ってヒチョル(カン・ドンウォン)の家を目指すのでした。
そして自分のことを本当に大切に思ってくれている人々に嘘をつき続けることが出来なくなったヨンジュ(キム・ハヌル)は、真実を打ち明け、その場を去るのでした。
ヨンジュ(キム・ハヌル)は新しくレストランでの仕事得て、一人頑張って働いています。
そんな彼女の前に現れたのはヒチョル(カン・ドンウォン)でした。
ヨンジュ(キム・ハヌル)が消えたせいで、俺は家で極悪人扱いだ、そう嘯くヒチョル(カン・ドンウォン)。
そんなわけはないのに、と笑ってしまうヨンジュ(キム・ハヌル)に彼は、好きだと告白します。
しかし頑としてその言葉を信用しようとしない彼女を、ヒチョル(カン・ドンウォン)は抱き締め、信じてくれなくても良いからヨンガンに来てほしい、君がいなくなって淋しがってる人が多い、と告げました。
ところがそんな二人に近付く影が…。
男がヒチョル(カン・ドンウォン)の財布を盗んで走って行ったのです。
慌てるヨンジュ(キム・ハヌル)。
しかしヒチョル(カン・ドンウォン)は動じません。
この瞬間を邪魔されるなら、あんなはした金くれてやる、俺たち、こんな風に始めてみないか、といささか気障なセリフでヨンジュ(キム・ハヌル)に囁きます。
それは、いつかヨンジュ(キム・ハヌル)がスミ(イ・ヨンウン)に語った偽りの出会いの始まりでした。
走り去っていったかに見えたスリは突然立ち止まり、木陰に隠れていた数人も飛び出してきて、ヨンジュ(キム・ハヌル)達を囃し立てます。
ヒチョル(カン・ドンウォン)の友人たちでした。
友人たちの明るい笑い声に包まれながら、二人は仲良く並木道を歩いて行くのでした。
完。
「彼女を信じないでください」見所ポイント!
非常に心温まる韓国映画です。
暴力描写ゼロ、矛盾点もなく話に無理がありません。
最初は反発しあっていた二人が、共に同じ目標に向かううち惹かれあう、というとありがちなストーリーなのですが、そのよくある物語がとても丁寧に作られていて、笑って泣けて元気になれる、何度も繰り返し見たくなるようなお話でした。
主演のお二人はもちろんなんですが、彼らを取り囲む家族の皆さんがとても良い。
同じことを繰り返し食事の世話もして貰わなくちゃいけないのに、一番ヨンジュと心を通わせているのではないか、と感じさせる祖母役のキム・ジヨンさんはじめ、イ・ヨンウンさんなどとても可愛らしくて印象的でした。
また、本来であれば[花美男]とも言われる美しい容姿のカン・ドンウォンさんが、素朴でダサい田舎の薬剤師に見えるのが凄い。
どこからどう見ても頼りなくて情けない男になりきってました。
それだけに、ヨンジュに言い負かされたり、家族から酷い仕打ちを受けるシーンが可愛くて可笑しくて仕方ありません。
特に後半の、唐辛子祭に向けての特訓中の表情から、唐辛子を口いっぱいに含むシーンまでは、彼の可愛い魅力が惜しみなく堪能できます。
格好良いカン・ドンウォンには会えないけれど、可愛さで言うと彼の出演作の中では断トツではないでしょうか。
あの唐辛子のシーンは、本当に口にしたらしく、それもワンカットでOKにならなかった様で、何度も繰り返し撮影したので口元が真っ赤に腫れ上がって大変だったそうですよ。
物語の最初から布石をすべてきちんと拾い続ける丁寧さがこちらの胸を打つので、心が疲れている時には見返したくなる作品ですよ。