映画「人狼ゲーム ビーストサイド」は、土屋太鳳主演、熊坂出監督の2014年の日本映画です。
この映画「人狼ゲーム ビーストサイド」のネタバレ、あらすじや最後ラストの結末、見所について紹介します。
2013年の映画「人狼ゲーム」の続編ですが、内容はまったく異なります。
「人狼ゲーム ビーストサイド」スタッフ・キャスト
■ スタッフ
監督: 熊坂出
製作総指揮:吉田尚剛
脚本: 山咲藍
撮影: 松井宏樹
音楽: スパン子■ 主要キャスト
樺山由佳:土屋太鳳
宗像美海:森川葵
萬田麗子:青山美郷
平一也:藤原季節
対馬瞳:佐久間由衣
榎本亜希子:小野花梨
小曽根正則:加藤諒
伊勢淳:育乃介
柳川祐貴:國島直希
藤堂由紀彦:桜田通
「人狼ゲーム ビーストサイド」あらすじ
室内に男女10人が横たわっているシーンから物語は始まります。
無造作に置かれた物のように寝転がっていた登場人物たちはやがて目を覚ます―――
それが命を懸けたゲームの始まりでした。
訳が分からない、といった表情の高校生たちの前に置かれたテレビ。
それが勝手に動き始め、彼らは自分たちが『人狼ゲーム』に強制参加させられたことを知ったのです。
いつの間にか服に忍ばされていたカードにより、一人一人に役割が与えられました。
カードは人狼が二枚、村人が八枚。うち村人には共有者が二枚、預言者一枚、用心棒一枚の特別な役職付のカードもあります。
テレビの説明によれば、毎晩話し合って投票により人狼を一人決めて殺す事、人狼は毎晩一人村人を殺す事、建物から外には出ない事、他人のカードは見ない事、などのルールがあるようです。
突然の説明文に動揺する者、怯える者、ヘラヘラと信用していない者、様々な反応を見せながら訪れた第一夜。
村人を全員殺す、もしくは人狼と同等数しか残っていない状況にすれば人狼の勝ち、人狼を2人とも殺せば村人の勝ち、勝負が決まるまで終わらない殺戮の日々がここに始まるのでした。
「人狼ゲーム ビーストサイド」ネタバレ
半信半疑のまま夜を迎えた十人。
車座になってとりあえず…といった感じで人狼探しを始めます。
すると亜希子(小野花梨)が、自分が共有者である、と言い始め、もう一人の共有者と話し合って自分だけが身分を明かす事にした、と主張しました。
その上、人狼を自分に選ばせてほしい、と言い出し何の根拠もなく藤堂(桜田通)を指名します。
いきり立つ藤堂(桜田通)。
揉める二人、それを止める周囲で荒れる話し合いを沈めたのは柳川(國島直希)でした。
彼はにこやかな表情で自分を人狼だと指名してほしい、と言い出したのです。
そんな彼に泣きながら抵抗したのが柳川(國島直希)の彼女、萬田(青山美郷)でした。
しかし、このゲームを遊びだと思っている彼はそんな萬田(青山美郷)を笑顔で宥め、彼女以外全員からの使命を得て人狼だと確定されてしまいます。
そこで柳川(國島直希)は、建物から外に出てはならない、のルールを逆手に取るようにして玄関先へと全員で移動しました。
そこでも泣きじゃくりすがりつきながら彼を止めようとする萬田(青山美郷)。
それでも笑顔のままの柳川(國島直希)は、すがりつく萬田(青山美郷)と彼女を抱き止める由佳(土屋太凰)の目の前で建物から一歩足を踏み出した瞬間、血しぶきを上げて倒れてしまいました。
返り血を浴びる二人。
一瞬にしてパニックになる他のメンバー達。
獣のような方向を上げて泣き叫ぶ萬田(青山美郷)の心配は事実のものとなってしまったのです。
柳川(國島直希)の死を目の当たりにして放心状態になった残り九人…
由佳(土屋太凰)は柳川(國島直希)の靴を遺品として回収し、萬田(青山美郷)は放心状態、そんな状況で藤堂(桜田通)が衝撃的な発言をします。
曰く、自分たちはこのゲームに自ら参加した、と。
都市伝説だと思われていたゲームに退屈しのぎ、想い出作り、といった軽いテンションで参加した藤堂(桜田通)たちに怒りをぶつける由佳(土屋太凰)でしたが、この後は人狼に村人が狩られる夜が待ち受けています。
それぞれが鍵のかからない自室へと帰った…はずでしたが、キッチンから聴こえてくる声があります。
由佳(土屋太凰)です。
凶器になりうる刃物を探し回る彼女は、片隅で動こうとしない萬田(青山美郷)にも探すよう声をかけます。
人狼はこの二人だったのです。
しかも二人ともこのゲームに参加するのが初めてではない様子。
折角前のゲームで生き延びたにもかかわらず、また参加させられてしまった萬田(青山美郷)は、柳川(國島直希)の死もあってふてくされていますが、生き残りをかけて由佳(土屋太凰)と共に小曽根(加藤諒)の部屋を目指します。
ところが小曽根(加藤諒)の部屋には鍵がかかっていて開きません。
用心棒が誰かを守っている部屋には鍵が掛かるようになっているのです。
前にはなかったルールに戸惑う由佳(土屋太凰)を、室内で人狼が来たことを察知した小曽根(加藤諒)が騒ぎ出し余計に焦らせます。
急いでとなりの亜希子(小野花梨)の部屋を開けようとしますが、一度襲撃に失敗した夜はどの部屋にも鍵が掛かるようでこの部屋も開きません。
小曽根(加藤諒)に続き亜希子(小野花梨)まで騒ぎ出した所で萬田(青山美郷)が機転を利かせ、彼女は自室へと舞い戻り、さも自分も襲われたように騒ぎ出すのでした。
襲撃は失敗に終わったものの、実行しようとしたことが認められたのか、ルール違反にはならなかった人狼の二人。
翌日、2人で相談しようと萬田(青山美郷)との待ち合わせ場所に向かった由佳(土屋太凰)でしたが、そんな彼女の前を何人かのメンバーが通り過ぎていきます。
小曽根(加藤諒)に呼ばれ、そのメンバーに付いて行った由佳(土屋太凰)たちに、そこで伊勢(育之助)が話し始めました。
彼曰く、付き合っている亜希子(小野花梨)から自分が人狼であるとの告白をうけた、と言うのです。
驚き荒れる由佳(土屋太凰)たち。
その夜の話し合いの場で、萬田(青山美郷)と相談出来なかった由佳(土屋太凰)は彼女にむかって、貴女が柳川(國島直希)に自分が預言者だと言っているのを聞いた、と言い出します。
その作戦になんとか合わせようとする萬田(青山美郷)。
しかしそこで小曽根(加藤諒)が、自分こそが預言者である、と言い始めたのです。
一人しかいない預言者の出現に混乱するメンバー達。
そのメンバーの混乱のさなか、亜希子(小野花梨)の事を人狼だと伊勢(育之助)が言っていたことがばれてしまいます。
途端に荒れる亜希子(小野花梨)。
しらばっくれる伊勢(育之助)を見て、自分が妊娠したから面倒くさくなったんだろう、と衝撃発言を投下。
これにより伊勢(育之助)一気に形勢不利に…。
子供が出来た事で彼女諸共葬り去ろうとした伊勢(育之助)は、投票により人狼だと決められてしまいました。
往生際悪く逃げ回るも、用意されていた拳銃で命を落とす伊勢(育之助)。
ここで初めて、人殺しが実際に行われてしまったのでした。
深夜、包丁を片手に人狼の二人が目指したのは亜希子(小野花梨)の部屋。
2人の姿を見た亜希子(小野花梨)は、お腹の子は流産してしまったから気にせずに、などと述べ落ち着いた様子でしたが、次第にヒートアップしていきます。
大声を上げようと抵抗する亜希子(小野花梨)を萬田(青山美郷)が押さえつけ、由佳(土屋太凰)が何度も何度も刺してやっと絶命したのでした。
翌朝、皆が集まる部屋に亜希子(小野花梨)が起きてきません。
慌てて彼女の部屋を目指す小曽根(加藤諒)と平良(藤原季節)。
そんな慌ただしい雰囲気の中、藤堂(桜田通)は自分が預言者だと言い出します。
しかし初日はルールがよく分かっていなかった為誰の事も予言していない、と。
そこへ聞こえてくる平良(藤原季節)の叫び声。
驚いて亜希子(小野花梨)の部屋に向かった由佳(土屋太凰)たちの目の前には、平良(藤原季節)に抱えられた血まみれの小曽根(加藤諒)の姿が…。
彼は亜希子(小野花梨)に刺さった包丁を使って自殺を図ったのです。
虫の息とはいえまだ生きている小曽根(加藤諒)の為に医薬品を取りに走る萬田(青山美郷)と藤堂(桜田通)。
しかし由佳(土屋太凰)は、理不尽に命を奪われるゲームに参加しながら自ら死を選んだ小曽根(加藤諒)の事が許せません。
死にたいんなら勝手に死ね!と罵倒する由佳(土屋太凰)。
そんな彼女に小曽根(加藤諒)は真っ青な顔して、自分は予言屋だと嘘をついた、本物は萬田(青山美郷)だと言い残し息を引き取ったのでした。
沈痛な面持ちでベランダに集まる由佳(土屋太凰)たち。
そこで急に美海(森川葵)が、人狼は萬田(青山美郷)だと疑い始めます。
いくつかの理由を述べる美海(森川葵)でしたが、もちろん萬田(青山美郷)は認めません。
しかし美海(森川葵)は知っていたのです。
萬田(青山美郷)が近付きもしなかった亜希子(小野花梨)のベッドから、彼女の髪飾りのビーズが見つかった事を…。
言い逃れの出来なくなった萬田(青山美郷)。
自分を人狼だと認めたうえで取引を提案しますが、その提案には村人側に対するメリットが脆弱だったため、夜八時の投票で人狼だと選ばれてしまいました。
そんな萬田(青山美郷)に対し、由佳(土屋太凰)は、もう一人の人狼を教えて、と迫りますが、涙を流しながらも笑顔の萬田(青山美郷)はきっぱりとそれを断ります。
その姿に涙が止まらない由佳(土屋太凰)。
美海(森川葵)も泣いています。
こうして萬田(青山美郷)がいなくなり、人狼は由佳(土屋太凰)だけになってしまったのでした。
その状況で藤堂(桜田通)が宣言します。
今夜自分は由佳(土屋太凰)を占う、用心棒が生きていたら今夜は俺を守ってほしい、と。
深夜。
一人で殺しをしなくてはいけなくなった由佳(土屋太凰)でしたが、状況的には追い込まれています。
今夜藤堂(桜田通)を殺さなければ予言によって自分の身分がばれてしまう、しかも彼は用心棒に守られていて部屋は施錠されているかもしれないのです。
しかし、何故か藤堂(桜田通)の部屋は鍵が掛かっていませんでした。
用心棒はすでに死んだのか…?
疑問に思いながら彼の部屋に入った由佳(土屋太凰)の目の前には、ベッドに横になって眠っている藤堂(桜田通)の姿が。
間抜けとも言える寝顔を晒しながら眠る藤堂(桜田通)を、由佳(土屋太凰)は鉛筆で刺して殺してしまうのでした。
翌朝、メッタ刺しにされて亡くなっている藤堂(桜田通)の遺体を前にして、平良(藤原季節)が由佳(土屋太凰)を人狼だと決めつけてきます。
女一人で男は殺せない、そう抵抗する彼女でしたが、美海(森川葵)もまた、由佳(土屋太凰)ならできると思う、と言い出しこのままでは終わりか、と思われた瞬間大人しかった瞳(佐久間由衣)が、女一人では無理だと思う、と由佳(土屋太凰)の味方をするのでした。
藤堂(桜田通)の亡骸を探る由佳(土屋太凰)。
彼女に続いて探し始めた瞳(佐久間由衣)が藤堂(桜田通)の手の平から発見したのは1つのボタン…。
それは平良(藤原季節)のシャツに付いていたものでした。
身に覚えのない物証が出て来て焦る平良(藤原季節)は、自分は共有者だと言い出し自身の持っているカードを彼女たちに見せようとしてきます。
咄嗟に目を伏せてカードを見ないというルールを守る由佳(土屋太凰)たち。
共有者を名乗っていた亜希子(小野花梨)亡き今、平良(藤原季節)の言葉を信じる者は誰もいないのでした。
藤堂(桜田通)の手から見つかったあのボタンは、伊勢(育之助)を殺す際、抵抗する彼と揉みあった平良(藤原季節)のシャツから飛んだものだったのです。
こうして由佳(土屋太凰)の策略通り、平良(藤原季節)は投票により人狼に選ばれ建物から身を投げる形で命を絶ちました。
勝負の夜。
由佳(土屋太凰)が美海(森川葵)か瞳(佐久間由衣)を殺せば人狼の勝ち、襲撃が失敗してしまえば翌日の投票で由佳(土屋太凰)が人狼に指名され村人の勝ち。
そんな状況で、由佳(土屋太凰)は美海(森川葵)の部屋へ向かいました。
ところが、部屋の扉は開きません。
死んだと思っていた用心棒は瞳(佐久間由衣)だったのです。
「人狼ゲーム ビーストサイド」ラスト最後の結末
焦る由佳(土屋太凰)。
部屋に戻り、これまでに死んだメンバーの順番を思い出しながら自分が用心棒であるというシナリオを必死で考えます。
夜が明けて、部屋から出てきた美海(森川葵)のもとへ飛んでいく由佳(土屋太凰)は、自分が用心棒である、昨夜は瞳(佐久間由衣)の襲撃からあなたを守ったんだ、と伝えるのでした。
そこへ起きてきた瞳(佐久間由衣)は、当然自分は人狼ではないと抵抗します。
夜になり、投票の時間が訪れました。
鍵を握るのは美海(森川葵)。
彼女は当初、由佳(土屋太凰)が人狼だとみていました。
初めての人狼ゲームだから要領が掴めなかった、と言う嘘をあっさり見破られてしまった由佳(土屋太凰)は、観念したように告白します。
自分はこのゲームに参加するのが三回目だ、と。
勝ち残っても解放される事はない、その言葉に衝撃を受ける美海(森川葵)と瞳(佐久間由衣)。
この流れのまま時間になり行われた投票…
そこには由佳(土屋太凰)と共に瞳(佐久間由衣)を指さす美海(佐久間由衣)の姿が。
絶望的な表情で、どうして、と問う瞳に対し、あんたこんなクソみたいなゲーム、あと2回も続けられる?と、涙ながらに話由佳(土屋太凰)を褒めるのです。
やってみなくちゃ分からない、そういって抵抗する瞳(佐久間由衣)でしたが、由佳(土屋太凰)と美海(森川葵)によって首を絞められ死んでしまうのでした。
こうして人狼の勝利が決まった瞬間、美海(森川葵)もまた首から血を吹きだして死んでしまいゲームセット。
由佳(土屋太凰)は生き残ったのです。
由佳(土屋太凰)は亡くなったメンバー全員の遺品を集めて回ります。
美海(森川葵)の部屋からは、彼女がいつもイラストを描いていたノートを回収。
その中には生き生きとした由佳(土屋太凰)の絵が描かれていました。
それを見て大泣きした由佳(土屋太凰)は、勝利者としてゲームの終わった建物から出ていきます。
ブラブラと歩きながら自作の歌を口ずさみ、抱えている遺品の数々を放り投げつつ歩く由佳(土屋太凰)の姿、それがこの物語のラストシーンです。
THE END
「人狼ゲーム ビーストサイド」見どころ
想像以上に面白い作品です。
演者は若手の俳優さんしか出ておらず、しかもその中で知っていた女優は2人、男優に至っては『見たことがある』程度の認識しかない人がかろうじて一人いる程度、だったのですが、そんなことは問題にならないくらい物語に引き込まれ見入ってしまいました。
人狼ゲーム、については全く予備知識なしで見たのですが、その点についてはあまり問題ありません。
ところどころ、ゲームで割り振られたキャラのルールが把握しきれず分かりにくかった部分もありましたが、しかしそういった面においても視聴者が自分で考えて自分なりの答えを出す楽しみが余白としてあるような気がしました。
二度三度と見返すごとに伏線に気付いたりして、一度だけの鑑賞では勿体ないような、何度も見返したくなる作品です。
撮り方が【ブレアヴィッチ・プロジェクト】タイプとでもいうか、登場人物として自分がその場にいるような臨場感のある撮り方で、それがとても良かったです。
集中していないと話が分からなくなる適度な複雑さと、魂を削るような役者さんたちの熱演に目が離せなくなりました。
世界観は福士蒼汰主演の「神さまの言うとおり」に似ていますね。
特に印象的だったのが萬田麗子を演じた青山美郷さん!とにっかく上手でした!
泣いたり怒ったり打ちひしがれたり、と一番表情に幅のある役だと思ったのですが、爆発させる感情だけでなく、微妙に変化させる顔がとっても魅力的で…
もう一人の人狼を教えて、と相棒でもある土屋さんに聞かれたシーンの表情は、とっても自然なのに想いの深さまで表現されていて忘れられません。
若手俳優10人が、最初から最後まで同じ建物内で映し出される変化の少ない作品ですが、一見の価値はあると思います。
ここから未来のスターや曲者俳優が生まれるかもしれない、そんな楽しみ方も含めとてもおすすめの作品です。
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