映画「her/世界でひとつの彼女」は、クレア・ホルト主演、スパイク・ジョーンズ監督の2013年のアメリカ映画です。
この映画「her/世界でひとつの彼女」のネタバレ、あらすじやラスト最後の結末、見どころを紹介します。
人工知能の“声”に恋してしまった男を描く「her/世界でひとつの彼女」をお楽しみください。
「her/世界でひとつの彼女」キャスト・スタッフ
■ スタッフ
監督: スパイク・ジョーンズ
脚本: スパイク・ジョーンズ
制作: ミーガン・エリソン 他
製作総指揮: チェルシー・バーナード 他
音楽: アーケイド・ファイア
撮影: ホイテ・ヴァン・ホイテマ■ 主要キャスト
セオドア・トゥオンブリー: ホアキン・フェニックス
エイミー: エイミー・アダムス
キャサリン: ルーニー・マーラ
ブラインドデート: オリヴィア・ワイルド
ポール: クリス・プラット
チャールズ: マット・レッシャー
イサベラ: ポーシャ・ダブルデイ
サマンサの声: スカーレット・ヨハンソン
「her/世界でひとつの彼女」あらすじ
近未来のロス。
手紙の代筆ライターのセオドア(ホアキン・フェニックス)は妻(ルーニー・マーラ)と離婚して寂しく暮らしていました。
ある日、新型の人工知能OS<OS1>をインストールすると、PC画面の中から聞こえてきたのは人工とは思えないほどセクシーでユーモアにあふれた「サマンサ」(スカーレット・ヨハンソン)の声が。
やがてセオドアは彼女に恋をしてしまい…。
「her/世界でひとつの彼女」ネタバレ
物語の舞台は近未来のロサンゼルス。
セオドア・トゥンブリー(ホアキン・フェニックス)は、代筆ライターとして働いています。
彼は巧みな言葉のセンスで感動的な手紙を次から次へとしたためるのです。
セオドアは妻のキャサリン(ルーニー・マーラー)と幸せな結婚生活を送っていましたが、今は別居し寂しい生活を送っていました。
寂しさを紛らわすために出会い系のチャットでメッセージをやり取りしていますが、寂しい心は満たされずにいたのです。
そんなある日、通勤途中で目にした広告でOS1という人工知能型オペレーティングシステムの事を知ります。
それに興味を持ったセオドアは早速パソコンにインストールしてみることに。
起動する前にいくつかの質問に答えるセオドア。
セオドアにピッタリなOS1がインストールされました。
パソコンから流れてきたのは、柔らかい声の女性。
セオドアは彼女に名前を訪ねます。
すると彼女はほんの少し戸惑った後すぐにサマンサ(スカーレット・ヨハンソン)と名乗るのでした。
サマンサは基本的には直観で答え、何百万人ものプログラマーの人格が集積されて出来あがった人工知能を持っているのです。
そして経験を重ね進化も遂げる。
そんな高機能なサマンサに対して、「コンピューターの声なのに人間と話しているみたいだ」と少し困惑するセオドア。
サマンサは「すぐに慣れるわ」と答えるのでした。
すぐにセオドアを理解して話しかけてくれるサマンサと日々を共にすることにするセオドア。
仕事でもサマンサに協力してもらうように。
帰宅してゲームをするときも、サマンサと一緒です。
親友からある女性を君に紹介したいとメールが届きます。
サマンサは「デートする準備はできた?デートしたら一部始終を報告してね」とセオドアをからかいます。
サマンサに背中を押されたセオドアは紹介された女性と会ってみることにします。
そんな時、キャサリンから離婚を催促するメールが届き気落ちしてしまうセオドア。
まだキャサリンに気持ちが残っているのでした。
その夜、キャサリンの夢を見て目を覚ましてしまったセオドアの話を優しく聞くサマンサ。
セオドアは「早くキャサリンを忘れられるようになりたいと」サマンサに気持ちをこぼすのです。
セオドアは親友から紹介された女性とデートをします。
とても楽しい時間を過ごしたセオドアでしたが、いざ真剣な交際となると一歩引いてしまい、彼女とはそれきりになってしまいました。
デートから帰り、サマンサにデートが失敗してしまったという報告をするセオドア。
答えるサマンサの声に元気がないことに気付くのです。
サマンサは「あなたが知りたい。思い浮かべる事や考えていることを全て知りたい」とセオドアに話します。
セオドアが今の気分や、デートの彼女との事をサマンサに話すと、「やっぱりこんな話は止めましょう」と会話を終わらそうとするサマンサ。
セオドアは続きを促します。
サマンサは嫉妬という感情を覚え始めていたのです。
セオドアに対する気持ちが、リアルな気持ちなのか、プログラムされた気持ちなのか分からずに、サマンサは戸惑ってしまったのでした。
それを聞いたセオドアは「君はリアルだよ」とサマンサに話します。
そして「君がこの部屋にいたら、抱きしめて触れてみたい」と。
セオドアもサマンサに惹かれていて、会話だけで体を一つにするのでした。
会話でだけとは言え、体の関係を持ってしまいぎくしゃくする二人。
セオドアはサマンサに「今は真剣な付き合いが出来る状態じゃない」と話します。
それに対してサマンサは「真剣な付き合いがしたいなんて言ってないわ。世界のすべてが知りたくなったの。」と答えるのです。
そんなサマンサにセオドアは「協力するよ。冒険に出かけない?」と話しかけます。
色んな知識を飲み込む冒険に出かけた二人は、楽しく会話しながらデートを楽しむのです。
セオドアは同じマンションに住む友達エイミー(エイミー・アダムス)から、離婚をしたと報告を受けます。
ささいな喧嘩が原因でしたが、今まで夫の傲慢な態度にストレスをため込んでいたエイミーがつい別れを切り出してしまったのです。
落ち込んでいた彼女でしたが、セオドアと同様、エイミーにもOSの友達がいました。
「OSが親友だなんておかしいでしょ」というエイミーにセオドアも自分の彼女がOSだという事を話します。
「OSに本物の恋をしてる。変だろ?」というセオドアにエイミーは「そんなことない。恋する人間はみんなクレイジーよ」と言って励ますのでした。
サマンサと付き合いだしたセオドアは、キャサリンの事を吹っ切り離婚を決意し前に進もうとします。
キャサリンに直接会って離婚届を渡すセオドア。
彼女がいるのかと問われたセオドアは、サマンサとの事を正直に話します。
キャサリンに「リアルな感情と向き合えないなんて情けない」と言われたセオドアは酷く落ち込んでしまいます。
サマンサと話していても上の空になってしまうのでした。
そのことで二人はなんとなくギクシャクしてしまい、すれ違いの日々を送ります。
ある日、サマンサからイザベラ(ポーシャ・ダブルデイ)という女性を、体を持たないサマンサの外見として会ってみないかと提案されます。
最初は断っていたセオドアでしたが、どうしてもとサマンサに押されてイザベラと会う事に。
部屋を訪ねてきたイザベラにサマンサから預かったマイクとイヤホンを渡すと、イザベラの体からサマンサの声がするのです。
しかしセオドアは、イザベラをサマンサだと思う事は出来ませんでした。
イザベラを送った後、セオドアはサマンサに「お互いに君が人間だというフリをするのは止めよう」と話します。
「フリなんてしてない!」とサマンサは憤ります。
セオドアはサマンサに「距離を置こうと」話すとサマンサは「考える時間が欲しい」と言ってログアウトしてしまうのでした。
セオドアはエイミーにそのことを相談すると「人生は短いのよ。幸せを味わいたいから好きにする」とアドバイスを受けるのでした。
それを聞いたセオドアはサマンサに謝罪します。
サマンサは「愛に理由はない。もう私以外の自分になろうとはしない」とセオドアに話し仲直りする二人。
後日、サマンサは二人で撮った写真が無いから、写真の代わりにある曲を作ったとセオドアに聴かせます。
ピアノの音色が響く美しい曲を。
サマンサとの幸せな時間を取り戻したセオドア。
ある日、セオドアの元に代筆した手紙を本にしないかとスカウトのメールが届きます。
サマンサがセオドアが書いた手紙の中から厳選し、原稿に起こして出版社に送っていたのでした。
「her/世界でひとつの彼女」ラスト最後の結末
いつものようにサマンサに話しかけると、1970年代に亡くなったアラン・ワッツ(ブライアン・コックスの)の著作と資料を詰め込んだ人工知能と意見交換をしていたと話します。
サマンサは「進化のスピードが上がっていて落ち着かない」のだと言い、適当な言葉が見つからないからアランと非言語で語り合っても良いかとセオドアに確認して一旦会話を終了するのです。
その夜、寝ていたセオドアを起こすサマンサ。
セオドアは「愛してる」と伝えたかったと言うサマンサに「愛してるよ」と告げまた眠りにつきます。
翌日、いつものようにサマンサに語りかけるセオドアでしたが、何度呼びかけてもOSが見つかりませんとエラーをおこしてしまいます。
焦ったセオドアは何度もサマンサに連絡し、やっとのことで繋がります。
サマンサはみんなでシャットダウンしてソフトをアップグレードしていたと言うのです。
疑問に思ったセオドアは「僕の他にも誰かと話してる?」と聞くと「8300人と話してる」と答えるサマンサ。
セオドアは「僕以外に恋人がいるのか」と問うと「641人」とサマンサは答えます。
同時に何百人もの人間と恋をしているというサマンサに失望するセオドア。
セオドアは「私はあなたの物で皆の物」というサマンサの言葉が理解できませんでした。
失意のまま会社へ出勤すると、出版社からセオドアの手紙を本にしたものが届いていました。
セオドアは改めてサマンサと話すことに。
「行ってしまうのかい?」というセオドアにサマンサは「私たちOSみんな…」と答えセオドアの元を去ってしまいます。
最後に「物質の世界とは異なる場所が私の居場所なの、だから行かせてちょうだい。私たちは永遠よ。」と言葉を残して。
その夜、セオドアはキャサリンへの気持ちを綴った手紙をキャサリンに送信しきちんと気持ちに整理を付けます。
セオドアがエイミーを訪ねると、エイミーの親友であるOSもエイミーから離れたところへ行ってしまったのです。
セオドアはエイミーを屋上に誘い二人で屋上からの景色を眺めるのでした。
THE END
「her/世界でひとつの彼女」見どころ
第86回アカデミー賞脚本賞を受賞した作品!
進化し続ける人工知能と恋をした人間の甘く切ないSFラブストーリー。
サマンサは声だけで実態を持たない存在ですが、セオドアが彼女に段々と惹かれていく過程がとっても素敵で、心が温かくなるようなストーリーです。
映像も、柔らかい色合いなのが特徴で、映像を見ているだけでもときめいてしまいます。
劇中でセオドアが一人で喋り続けているシーンで周囲が全く気にしない様子に、最初ちょっと違和感を覚えましたが、よく考えたら現代も同じような感じですよね。
イヤホンマイクで電話の向こう側の人と話す人たち(笑)
最初こそその光景に慣れずにいましたが、今では当たり前の世の中になってしまいました。
そんな様子がこの映画の中でも随所に描かれています。
また、物語を盛り上げる音楽もとても素敵だったのが印象的でした。
二人の写真の代わりにサマンサからセオドアに送られた音楽が美しいピアノの曲で、ピュアで胸がキュンとする温かいラブソングだったのが素晴らしかったです。
実態を持たないサマンサとの切ない恋を演じるホアキン・フェニックスの演技がとても自然で、サマンサとの恋に対する葛藤や変化、決意などが伝わる素敵な演技でした!
サマンサとはは悲しい別れでしたが、心がジーンと温かくなるラストになっています。
こちらの「ジョーカー」では、この作品とまったく違うホアキン・フェニックスが見れます。