「HELLO WORLD 」ネタバレ!あらすじやラスト最後の結末と見どころ!

映画「HELLO WORLD 」ネタバレ あらすじ
アニメ

映画「HELLO WORLD ハローワールド」は、伊藤智彦監督の2019年のアニメ映画です。

この映画「HELLO WORLD ハローワールド」のネタバレ、あらすじや最後のラスト結末、見どころを紹介します。

未来から来た自分と遭遇した高校生の物語「HELLO WORLD ハローワールド」をお楽しみください。

 

「HELLO WORLD ハローワールド」キャスト・スタッフ

■ スタッフ
監督: 伊藤智彦
脚本: 野崎まど
制作: 武井克弘
音楽: 2027Sound
撮影: 小畑芳樹

■ 主要キャスト
堅書 直実(かたがき なおみ): 北村匠海
カタガキ ナオミ / 先生(せんせい): 松坂桃李
一行 瑠璃(いちぎょう るり): 浜辺美波
カラス: 釘宮理恵
勘解由小路 三鈴(かでのこうじ みすず): 福原遥
千古 恒久(せんこ つねひさ): 子安武人
徐 依依(シュー・イーイー): 寿美菜子

 

「HELLO WORLD ハローワールド」あらすじ

舞台は2027年、京都。

内気な男子高校生・直実(北村匠海)の前に、10年後の自分だという人物・ナオミ(松坂桃李)が現れます。

ナオミによると、直実はクラスメイトの瑠璃(浜辺美波)と結ばれるのですが、彼女は事故で命を落としてしまうと言うのです。

直実は瑠璃を救うため、大人になった自分自身とバディを組んで未来を変えようと奔走します。

しかし、瑠璃に迫る運命やナオミの真の目的、そしてこの現実世界に隠された秘密を知ってしまうのです・・・

 

「HELLO WORLD ハローワールド」ネタバレ

京都に住む堅書直実(かたがきなおみ〔声〕北村拓海)は昔から『何かを決める』のが大の苦手な高校生で、友達もおらず、いつも本ばかり読んでいる毎日を送っていました。

そんなある日、三本足のカラスが、直実が図書館で借りた本を持って飛んでいってしまいます。

慌てて追いかけると、着いたのは伏見稲荷でした。

本を取り返したその時、何もなかった空間から突然フードを被った男が現れました。

しかも、その男は直実を見つけた途端に「堅書直実!」と叫んで追いかけてきたのです。

訳も分からず逃げ出した直実でしたが、男は建物をすり抜けて追いかけてきました。

しかも、男の姿は直実にしか見えていないようでした。

やがて追い付かれてしまった直実が「貴方は誰ですか?」と問いかけると、男は「教えてやるさ。俺が何者なのか。そして、お前が何者なのか」と答え、直実を『京都府歴史記録事業センター』に連れて行きます。

 
そこでは、七年前の2020年からPluura、京斗大学、京都市の三者によって始まった共同事業計画『クロニクル京都』についての説明が行われていました。

クロニクル京都とは、無数の観測用ドローンを京都中に飛ばして調査を行う事で京都の地理情報をより詳細に、より正確に記録し、あらゆる情報を記録に残す事業でした。

そのデータは無限の記憶領域をもつとされる量子記憶装置『アルタラ』に記録されてゆくのでした。

しかも、男はそれの説明はあくまで表向きで、本当はアルタラに京都の全事象をまるごと記録する事こそ目的で、ここは記録されたデータの中の京都だといいます。

そして直実はアルタラに記録された『過去の堅書直実』で、男は今から十年後、2037年の現実世界からアルタラの内部にアクセスした直実(〔声〕松阪桃李)だと言いました。

 
直実は納得できないものの、仕方なく未来の自分を『先生』と呼び、自宅に招きます。

ナオミがこの世界に来た目的、それは直実に彼女を作ることでした。

ナオミは三ヶ月後、同じクラスの図書委員・一行瑠璃(〔声〕浜辺美波)と付き合うことが決まっていると告げますが、直実は俄かに信じる事が出来ませんでした。

瑠璃は確かに美人でしたが、表情はいつも硬く、笑ったところは見た事がありませんでした。

いつも本ばかり読んでおり、人と馴れ合う事を拒絶して「孤高」を貫いているような、強い人物なのです。

「彼女と恋人同士になる?そんなバカな」

しかし、物陰から瑠璃の様子を探っていたナオミの目からは、涙がとめどもなく溢れ続けていました。

 
暫く後、直実は高校の屋上で事情を説明されていました。

二人は付き合ってすぐ花火大会に行きますが、瑠璃は木の近くに立っていたため雷が落ち、二度と目を覚ますことはなかったのです。

「俺の目的は『記録の改ざん』だ。今日から三か月後の記録を書き換えて、事故を防ぐ」

瑠璃を事故から助けることで、彼女の生きている世界を記録したい、例え現実の瑠璃が生き返らないと分かっていても、彼女の笑顔が何処かで生き続けてほしいのだとナオミは言いました。

「しかし、俺はこの世界では物に触れることすらできない。殆ど無力だ。頼む。力を貸してくれ」頭を下げるナオミに、直実は反射的に無理だ、と言いそうになりますが、踏みとどまって「一行さんが死んじゃうのを止められるのなら……助けたいです、僕も」と承諾しました。

 
返事を聞いたナオミが指を鳴らすと、連れていたカラスが変形して手袋の形になり、直実の右手と同化しました。

「これが神の手(グッドデザイン)だ」

それは、アルタラのデータにアクセスして「世界そのもの」を書き換えることができるアイテムでした。

理論上はイメージするだけで石を宝石に、空気を水に変えることができます。

ただし、
① 直接触れたものしか変えられない
② 複雑な構造のものは処理に時間がかかる
③ 人の記憶や気持ちは操作できない
④ 鉄や水のような簡単なものはつくりやすい反面、PCなどの精密機器はつくるのが難しい。
などの制限もありました。

 
グットデザインを使いこなすため、その日からイメージを磨く特訓が始まりました。

更に直実には「瑠璃と恋人同士になる」と言う使命もありました。

「恋愛の助けは俺の仕事だ」

そういってナオミは『最強マニュアル』と書かれた一冊のノートを取り出しました。

それは直実がこれからが書かれた日記でした。

「つまり、昔の先生がやったとおりに行動すれば、記録された歴史の通りに一行さんと恋人になれる、と」

「成功はすでに記録されている。心配するな。ただ信じて、この通りに行動するだけでいい」

ナオミは自信たっぷりに言いました。

 
直実はナオミのマニュアルをもとに、同じバスに乗ったり、偶然を装って話をしたりして少しずつ瑠璃と距離を詰めていきます。

そして少しずつ彼女も魅力に気付き、惹かれてゆきました。

 
やがて図書委員会で毎年恒例のチャリティーの古本市の日が近づいてきました。

「やる以上、本気でやってやりましょう」

珍しく熱くなった瑠璃は自宅の蔵に直実を案内します。

そこには瑠璃の祖父が集めた本が沢山ありました。

二人は持てるだけ持ち出して、途中で本に対する想いを語ったりもしながら、学校に運び込みました。

これで古本市は例年よりも規模を大きくできるはずでしたが、不幸なことにボヤが置きてしまい、用意した本が全て燃えてしまいました。

直実は「知っていたなら止められたはずだ」とナオミをなじりますが、落ち込む瑠璃を慰めて二人の距離が近づく為に不可欠なアクシデントでした。

 
しかし、落ち込む瑠璃の姿に我慢できなくなった直実はナオミの忠告を無視してグットデザインで本の復元を試みます。

徹夜で続けた結果、段ボール一箱分だけ作り出す事が出来ました。

また、勘解由小路 三鈴(〔声〕福原遥)らクラスメイト達も本を持ち寄ってくれて古本市を行う事が出来ました。

疲れ果てて寝てしまった直実が目覚めた時、古本市は大盛況の末に終わっていました。

「堅書さん。ありがとうございます」

お礼を言う瑠璃の笑顔に引き込まれてしまい、直実は思わず「僕は、一行さんが好きなんだ」と口走ってしまいます。

「そうですか。交際というものは一人では成し得ないことです」

暫くの沈黙の後、瑠璃は「ですから、二人でやってみましょうか」と再び笑顔になってくれました。

 
そして、迎えた宇治川花火大会当日。

事故を回避するために、瑠璃を花火大会に誘わず、直実は瑠璃の家の外で様子を伺っていました。

一方、ナオミは近づいてくる狐面を被ったロボットのような集団を発見していました。

それはアルタラの『自動修復システム』で、直実と瑠璃が記録された歴史とは違う行動をしている為、強制的に事故を作り出そうとしているのでした。

直実は必死に抵抗しますが、隙をつかれて強制的に二人は宇治の事故現場に連れて行かれてしまいます。

 
直実は次々に現れて襲い掛かってくる狐面を神の手で消していきますが間に合いません。

あわやと言うところで直実は神の手でブラックホールを作ると、瑠璃に落ちるはずだった雷を飲み込んでしまいます。

そしてタイムリミットが過ぎ、これで事故は防ぐことが出来ました。

安堵した直実は泣いて喜び、瑠璃もそんな彼を抱きしめます。

 
しかし、突然に瑠璃は光に包まれて連れ去られてしまいます。

実は、それがナオミの本当の狙いでした。

事故の後、瑠璃は死んではいなかったのです。

ただし、脳死状態で十年間眠り続けていたのです。

ナオミは現実の瑠璃を生き返らせるために、アルタラの記録にある瑠璃をその時と同じ状態にし、昏睡状態の脳内に注入しようと考えたのでした。

神の手もカラスの姿に戻って飛び去り、ナオミも直実に別れを告げます。

余りの事に直実はただ茫然と見ていることしかできませんでした。

 
現実世界に戻ったナオミはさっそくデータ上の瑠璃を昏睡状態の瑠璃の脳内に注入し、目覚めさせることに成功します。

「会いたかった・・・」

10年ぶりに目を覚ました瑠璃を、ナオミは涙を流して抱きしめました。

『アルタラセンター システム管轄 メインディレクター』

それが2037年、ナオミこと26歳の堅書直実の肩書です。

 
事故の日以来、瑠璃を目覚めさせる手段を探してしていたナオミは大学で千古教授(〔声〕子安武人)の量子コンピューターを用いた研究と出会い、仮想現実上で作り上げた記憶を注入する事を思い立ちます。

スタッフとして「クロニクル京都」計画に参加すると共に、アルタラ内にアバターとして自分を送り込む試行錯誤を繰り返し、アクシデントによって左足が不自由になりながらも計画を成功させたのです。

 
一方、ナオミが2027年の世界から瑠璃を連れ去ったせいで、アルタラには重大なエラーが発生していました。

通常の修復作業では間に合わないと判断した千古教授は緊急措置として数千時間に及ぶメンテナンス『リカバリー』を発令します。

それはトラブルのアルタラ内部の世界を一度壊して、もう一度再構成するということでした。

10年前の「堅書直実」は消えてしまうかもしれません。

そのプログラムのスタートボタンを、ナオミは押しました。

 
アルタラ内では、無数の狐面が街並みを次々に「穴」に吸い込ませて消していっていました。

グットデザインもなく、なす術のない直実はただ見ている事しか出来ませんでした。

しかし、見ている内に、街を吸い込んでいる穴が、瑠璃が連れ去られる時に吸い込まれた穴に似ていると思い始めます。

「あの穴の向こうに一行さんがいるんじゃないのか?」

どうせこのまま立ち尽くしていても、やがて消されるだけだと覚悟を決め、直実は自ら穴の中に飛び込んでゆきました。

たどり着いたのは空中に浮かぶ能舞台のような場所でした。

「……僕は死んだのか?」

「いいえ、貴方は死んでいません」

驚いて振り返ると、声の主はカラスでした。

 
「私は貴方の味方です。貴方の努力をずっと見続けてきました。堅書直実さん。貴方の手で一行瑠璃を取り返すのです」

カラスは変形し、直実の右手で『神の手』になりました。

そして空間が歪み、直実は再び外の世界に戻っていました。

 
十年の時を経て目覚めた瑠璃は周囲の変化に戸惑っていました。

ナオミは回復したことを喜んでくれていましたが、違和感を拭い去る事が出来ずにいました。そして遂にある日「貴方は肩書さんじゃない」と口走ってしまいます。

その変化に、直実は瑠璃が自分の住む現実とは異なる世界からやって来たことを思い知らされます。

その時、病室に狐面の集団が現れます。

現実だと思っていた世界も実は幻想の上に出来上がっていたのです。

 
狐面は容赦なくベッドの上の瑠璃に襲い掛かってきました。

ナオミがもう終わりだと諦めかけた時、直実が病室に飛び込んできて狐面達を蹴散らしました。

「帰りましょう、僕たちの世界に」とナオミを殴り倒し、瑠璃を病室から連れ出すと、二人で逃げ出しました。

しかし、どれだけ倒しても狐面は次々に襲い掛かって来て、遂には囲まれてしまいます。

その時、一台の車が猛スピードで突っ込んできます。

運転していたのはナオミでした。

「彼女を、元の世界に戻す。こうなったのは俺の責任だ」

 

「HELLO WORLD ハローワールド」ラスト最後の結末

十年かけて取り戻した瑠璃を帰すのは苦渋の決断でしたが、彼女の幸せを思えばこそでした。

「指示を出せ、直実っ!」

「京都駅です! 大階段へ!」

三人は、街中から湧き出してくる狐面を避ける為にグットデザインで道まで作り出して、元の世界に戻るのに最適な条件が揃っている京都駅に向かって車を走らせます。

何とか京都駅に辿り着くと、直実は大階段の上から下までつづく「門」を作り出しました。

これを瑠璃と直実がくぐり切れば元の世界へ帰る事が出来るのです。

まずは瑠璃からくぐって行こうとした時、彼女は突然ナオミの方を向き直って尋ねました。

「貴方は堅書さんなのですか?」

「・・・いいや、堅書直実はあいつで、俺はただのエキストラさ」

そう答えたナオミを、瑠璃は突然に抱きしめました。

「貴方は、私を愛してくれたのですね」

そう言い残して瑠璃は階段を下りてゆきました。

「一行さん、僕は君が好きだったんだ……」

ナオミは誰にも聞こえないほどの声でつぶやきました。

 
次に直実が階段を降りようとした時、突然に「門」が壊されてしまいました。

合体して巨大化した狐面の仕業でした。

グットデザインで対抗しますが、防御するのが精一杯でした。

その時、ナオミが叫びました。

「直実、俺を消せ!」

狐面の目的は重複しているもの、すなわち直実とナオミの削除。

同じ存在のどちらかを消せば狐面は消えるとナオミは考えたのです。

しかし、直美には受け入れる事の出来ない提案でした。

迷いながらも必死に狐面の攻撃を食い止めていましたが、やがて押されてきます。

そして遂には直実を庇ったナオミが串刺しになってしまいます。

「幸せになれ・・・」

言い残したナオミを、直実は泣きながらグットデザインで消滅させました。

 
重複が修正された事で狐面は消えました。

同時に千古教授がアルタラの自動修復システムを止めます。

それはアルタラの本当の力を発揮させるということであり、人間の手から離れることを意味します。

この先、何が起こるかは誰にも分かりません。

「こういうのを天地開闢、ビックバンというのさ」

教授はそう言いながらスイッチを押しました。

 
直実と瑠璃は、気が付くと京都駅の大階段にいました。

ここは新しい世界。

これからどうなるのか誰も知りません。

ただ、二人で幸せになろうと、直実は決めていました。

 
エンディング・・・

突然「『器』と『中身』の同調が必要だったのです」と女性の声が聞こえて、ナオミは目を覚ましました。

脳死状態にあったのは瑠璃ではなく、本当はナオミだったのです。

ナオミが大切な人(瑠璃)のために動いたことで精神が器(26歳のナオミ)と同調し、こうして目を覚ましたのです。

まず最初に目に映ったのは「堅書さん、やってやりました」と涙ぐむ大人の瑠璃でした。

完。

 

「HELLO WORLD ハローワールド」見どころ

物語の冒頭で「ここは記録されたデータの世界だ」と明かされるのが、まず衝撃的です。

・味方だと思っていたナオミが実は自分の目的遂行の為に直実を利用していた。
・現実だと思っていた世界がアルタラ内のデータ世界だった。
・せっかく目覚めさせた瑠璃は、違う過去をもつ別人になっていた。
・自分の目的の為に生きてきたナオミが、直実の為に命を懸けてくれた。
・瑠璃を蘇らせようとしていたつもりが、実はナオミを蘇らせる物語だった。

どんでん返しの連続、「やられた!」の連続で、一瞬も気がぬけないスリリングな作品です。

 
ストーリーだけでなく映像も手を抜いていません。

京都の街がグニャリと歪んで穴に吸い込まれるシーンがあったり、無数に出てくる狐面を跳ね飛ばすカーチェイス、グットデザインで本や道、ブラックホールまで次々に作り出して戦うシーンもあったり、一瞬で場面の雰囲気が変わるのも見どころです。

そうかと思えば、恋を成就させる為に必死になる純粋で甘酸っぱい、少しコミカルな直実の姿もキチンを描かれており、恋愛物としても楽しめます。

 
様々な要素がたくさん詰まっていて色々な角度から楽しめます。

このスリルや迫力ある映像を是非とも劇場で楽しんでほしい作品です。

テキストのコピーはできません。